ピーリングとは?自分の肌悩みには効果的?
ピーリングは、英語で皮をむくという意味を持つ「peel(ピール)」に由来する美容施術法の一つです。
今回は「ピーリングとは何か」その施術の種類や効果について詳しく解説します。
ピーリングの古い角質を剥がす作用は、お肌にとって刺激や負担になるため、施術前後の注意点もしっかり押さえておきましょう!
この記事でわかること
- ピーリングは古い角質を取り除くことで肌悩みの改善に働きかける美容法
- 薬剤や酵素、スクラブなどの成分で角質を除去するピーリングの種類がある
- 肌荒れ時や高頻度でのピーリングは逆効果/ピーリング後は保湿することが大事
目次
ピーリングとは
「ピーリング」は薬剤などの成分を肌表面に塗る美容法のことを指します。
肌表面の余分な汚れを取り除く作用によって、肌の新陳代謝の働きを高める効果を期待できます。
肌表面の古い角質を剥がす美容法
ピーリングでは、角質を剥離させる作用を持つ薬剤を「角質層」と呼ばれる肌表面に塗ります。
それにより、薬剤の化学反応で肌表面にたまった古い角質を剥がすことができます。
肌の表皮細胞を刺激してターンオーバー周期を整える
肌には、古い角質を「角質層」と呼ばれる肌表面に向かって排出して、肌を生まれ変わらせる仕組みが備わっています。
これを肌のターンオーバーと呼び、約28日の周期で新しい肌細胞へと生まれ変わります。
ピーリングでは、薬剤を肌表面に塗って肌表面の「表皮細胞」が刺激することで、ターンオーバーの周期を整える効果を期待できます。
ピーリングの種類
ピーリングは、使う成分や手法によって、大きく3つの種類に分けられます。
代表的なピーリングの種類を知っておきましょう。
「薬剤」で角質を取り除く
薬剤で角質を取り除くピーリング方法は「ケミカルピーリング」とも呼ばれます。
ケミカルピーリングで使用される薬剤の種類は複数あり、代表的な成分には、角質層の結合を弱める「酸」が挙げられます。
酸の種類 | 原料 |
---|---|
比較的マイルドで低刺激な「AHA(フルーツ酸)」 | リンゴ・ぶどうなど |
比較的マイルドで低刺激な「乳酸」 | サワーミルク |
浸透力の高い「グリコール酸」 | タマネギ・サトウキビ |
そのほか、より強力なピーリング作用が期待できるものとして、角質除去に効果的な「サリチル酸」、真皮(肌の奥の層)まで浸透しやすい「トリクロロ酢酸」、コラーゲンの生成を促す「レチノイン酸」などがあります。
「酵素」で角層細胞をやわらかくする
肌の表面に残っている古い角質は、タンパク質でお互いが結びついています。
酵素には、角質細胞どうしの結びつきをやらわかくする働きがあり、これにより古い角質を取り除きやすくする効果が期待できます。
酵素は、洗顔料の成分の一部としても含まれることが多い成分です。
「スクラブ」で角質をこすって落とす
「スクラブ」とは、塩・砂糖・化学物質などで構成された細かい粒子のことです。
このスクラブの細かい粒子でお肌を擦ることで、古い角質を落とせるため、ピーリングの効果を期待できます。
「ゴマージュ」も同じく細かい粒子で、お肌を擦るようにピーリングする成分です。
スクラブやゴマージュによるピーリングは、物理的に摩擦を起こして角質を落とすため、酸や酵素と比べると、お肌が傷つきやすい点に注意しましょう。
ピーリングの効果
ピーリングは、古い角質を剥がす作用で、さまざまな肌悩みの解消に働きかけます。
「くすみのない透明感のある肌を目指したい」「毛穴詰まりによるニキビができやすい」「つるっとツヤのあるすべすべの肌を手に入れたい」などという方は、ピーリングが効果的かもしれません。
毛穴の詰まりの原因は古い角質や皮脂が肌に残り毛穴に詰まってしまうことが挙げられます。
また、毛穴が詰まることで、開きやすくもなります。
ピーリングは肌表面の古い角質や皮脂を剥がす作用があるので、毛穴詰まりや開き毛穴の改善効果が期待できる手法です。
ニキビは、過剰な皮脂や古い角質が毛穴に詰まることで発生します。
ピーリングは、毛穴詰まりの解消に働きかけることで、ニキビの改善にも効果が期待できると考えられています。
以下でさらに詳しく解説しています!
ニキビに効果的なケミカルピーリングの方法と悪化させないための注意点シミやくすみは、メラニン色素が肌の表層に蓄積することで現れます。
肌のターンオーバーが正常に行われると、メラニン色素は肌表面から排出されて薄くなります。
ピーリングは、肌表皮の細胞を刺激することで、ターンオーバーを正常化させます。
その結果、メラニン色素の排出が促されてシミやくすみの原因自体を減らす効果が期待できます。
ピーリングでは、ターンオーバーの正常化を促し、くすみ・シミ・黒ずみなどの原因であるメラニン色素の排出を助けることで、美白効果が期待できると考えられています。
さらに、美容皮膚科などのケミカルピーリングの施術では、ハイドロキノンやビタミンCなどの美白剤を併用する場合もあるため、より高い美白効果が得られる可能性があります。
肌のザラつきは、ターンオーバーの乱れによって角質が積み重なって厚くなってしまう「角質肥厚(かくしつひこう)」が原因の一つです。
ピーリングでは、古い角質を剥がし、ターンオーバーを正常化させて、古い角質層を取り除くことで、肌のザラつきを軽減する効果を期待できると言われています。
角質層が厚くなると、肌のハリと弾力を保つコラーゲンの生成がされにくくなり、しわができやすくなってしまいます。
ピーリングは肌のターンオーバーを促進し、余分な角質を取り除くことでコラーゲン生成を助けます。
その結果、肌にハリが戻り、小じわの改善効果が期待できます。
ただし、ピーリングは深いしわへの効果は限定的なので覚えておきましょう。
ピーリングのデメリット
ピーリングはさまざまな肌悩みに働きかける一方で、肌に悪影響を与えてしまうケースもあります。
以下のようなデメリットが起こり得る可能性もあるので、注意しましょう。
赤みや炎症を起こしてしまう場合がある
肌質や肌の状態によって、ピーリングが肌へ刺激となり、赤みや炎症などを引き起こしてしまう場合があります。
赤みや炎症の発生をなるべく防ぐためには、腕や顔の一部などでピーリングのテストを行うことをおすすめします。
ニキビやシミが悪化する
本来ピーリングには、毛穴詰まりによるニキビの改善や、ターンオーバー促進によるメラニン色素の排出を助ける効果が期待できます。
ただし、ピーリングで生じる摩擦や、成分の刺激によってシミやニキビを悪化させてしまうリスクがあります。
ピーリングをする際は、自分の肌質や肌の状態に合う方法や成分を選択するようにしましょう。
バリア機能が低下して乾燥しやすくなる
ピーリングで必要以上に角質を剥がすと、肌の保湿力を守るバリア機能が低下します。
特に、健康な肌に対して頻繁にピーリングを行うと、必要な角質まで剥がしてしまうリスクがあります。
十分に保湿された肌ではバリア機能は正常に機能しますが、角質が失われると保湿力が低下します。
その結果、紫外線や摩擦などの外的刺激を受けやすくなり、肌が一層乾燥してしまうという悪循環に陥ります。
ピーリングのやり方
ピーリングには主に2つの方法があります。
1つ目は美容皮膚科での施術です。皮膚の深層まで作用する効果が期待できますが、副作用が生じるリスクもあります。
2つ目は、市販品を使った自宅でのセルフケアです。効果は皮膚の浅い部分に限定されますが、肌荒れリスクは低く抑えられます。
いずれの方法も肌質や製品成分に合わせて選択する必要があります。効果とリスクを比較検討し、自分の肌に適したピーリングを行うことをおすすめします。
美容皮膚科で施術を受ける
美容皮膚科では、肌質や肌の状態に合わせて担当の医師が施術内容を提案してくれることが多いでしょう。
一人ひとりの肌状態に合わせて、酸の種類や濃度、pH値や薬剤を塗布する時間などを調整してくれるクリニックがほとんどです。
クリニックによっても、推奨される薬剤や施術方法は異なりますが、肌質ごとに以下のような施術がおすすめされることがあります。
脂性肌の方に相性がいい「ケミカルピーリング」
脂性肌(オイリー肌)は、過剰に皮脂が分泌されやすい肌質で、毛穴詰まりが起きやすい特徴があります。
特に「酸」を使用したケミカルピーリングでは、角質の詰まりも取り除く効果を期待できます。
なかでも、脂性肌の方は、角質除去に効果的と言われる「サリチル酸」でのケミカルピーリングが相性が良いと言われています。
乾燥肌の方にも使いやすい「レーザーピーリング」
「カーボンピーリング」とも呼ばれる「レーザーピーリング」では、黒いカーボン粒子を顔全体に塗り、レーザーを照射します。
カーボン粒子の黒色にレーザー光が反応して熱に変換し、その熱が毛穴を収縮することで、引き締め効果を発揮します。
レーザーが真皮(肌の奥の層)の層まで届きやすいことで、肌にうるおいを与えるコラーゲンの生成も促せるため、乾燥肌の方に比較的相性がいいと考えられるピーリング法です。
ほかにも、保湿性の高い「グロスピール」での施術を推奨されることもあるでしょう。
市販品を使って自宅で行う
市販品のなかでもピーリング作用を持つアイテムがいくつかあります。
あくまでも化粧品になるため、成分の濃度や働きがマイルドなものが多く、ニキビ跡やシミを薄くする効果は、施術と比較すると、あまり期待できません。
施術を受けにクリニックに行かなくても、自宅で手軽に実施しやすい点がメリットです。
※ピーリング成分の強さは濃度によっても変化するため肌に合わない商品は使わないように注意しましょう。
洗顔石鹸
クレンジングで落とし切れない角質汚れは、毛穴汚れやニキビの原因となりやすいため、洗顔石鹸で落としましょう。
ピーリング作用のある石鹸で顔を洗うことで、過剰な油分や古い角質を取り除きやすくなります。
水溶性のAHA(アルファヒドロキシ酸)が配合されているため、肌表面の汚れや角質ケアに効果的です。
ニキビの予防や肌のざらつき解消の目的で、顔以外にもデコルテや背中などのボディの洗浄にも使えます。
化粧水
肌に水分を与えてうるおす役割のある化粧水にも、ピーリング作用のある成分が含まれているものがあります。
油溶性のBHA(β-ヒドロキシ酸)というサリチル酸が配合されているため、毛穴汚れのケアに適しています。
ピーリング効果がやや高めの成分と言われているため、肌に刺激になっていないか様子を見ながら使用を続けるようにしましょう。
美容液
美容液は、ある特定の肌悩みに特化した成分で構成されているアイテムが多い傾向にあります。
敏感肌の方は、強い成分が肌にとって刺激になることもあるため、ピーリング作用のある美容液をいつものスキンケアアイテムに追加して使える美容液を選ぶといいでしょう。
AHAに加えて、PHA(ポリヒドロキシ酸)というAHA由来の派生化合物が配合されており、肌に低刺激でピーリング作用を発揮する設計がされています。
低刺激で角質ケアをしたい方におすすめの美容液です。
ジェル
ピーリング作用のあるジェルは、肌のザラつきの原因である角質や毛穴汚れをオフする効果に特化しています。
ごわつきを軽減して、ツルツルとした肌を導いてくれる点がメリットです。
pH2.5という市販品のなかでも比較的高い酸性のレベルで、強いピーリング作用を期待できます。
洗顔後、水分を拭き取り顔全体に広げてマッサージをするように使用し、ぬるま湯で洗い流します。
ピーリングを行う時の注意点
ピーリングは、肌の状態によっては、刺激や負担となり肌荒れを悪化させてしまうリスクがあります。
そのため、ピーリングを避けるべき肌の状態や、ピーリング後に気を付けたいことなどを押さえておきましょう。
肌荒れがあるときは刺激になるためピーリングをしない
肌荒れしているときや、こまかな傷がある場合は、ピーリングは基本的に避けましょう。
肌荒れ部分に、ピーリング作用のある薬剤や成分を塗布して刺激を与えてしまうことで、さらに悪化させてしまうリスクがあります。
どうしてもピーリングを行いたい場合は、肌荒れ部分の周辺は避けて行いましょう。
ピーリング後は乾燥しやすく外部の刺激を受けやすい
ピーリングでは、肌表面の皮脂や角質を剥がすことで、乾燥しやすくなります。
肌が乾燥すると、肌細胞を守っているバリア機能が低下してしまうため、紫外線や摩擦などの外部からの刺激を受けやすくなります。
ピーリング後は乾燥しやすいため、普段よりも念入りに保湿することを心がけましょう。
頻度多くやりすぎると逆効果になる
ピーリングをやりすぎてしまうと、肌のうるおいを保つために本来必要な皮脂までを剥がし落としてしまう可能性があります。
また、ピーリング作用のある成分を短い期間に何度も塗布することで、成分が刺激となり、肌荒れにつながる可能性もあるので注意しましょう。
市販のアイテムでピーリングを行う際は、商品に記載のある頻度を守って使いましょう。
ピーリングをするか悩む方は医師に相談
ピーリングは、、肌悩みの改善に働きかける施術ですが、やりすぎてしまったり、肌荒れがあるときに行うと、炎症や肌荒れの悪化などが起こるリスクも伴います。
ピーリングをすべきか迷っている方は、一度美容皮膚科の医師に相談してみましょう。
もしも、ピーリングが肌に適していないと判断された場合でも他のケア方法の提案を受けられるかもしれません。
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