皮膚科で処方される「ニキビの飲み薬」の種類とは?効果や副作用まで詳しく解説

ニキビの治療で皮膚科に行くと、どのような飲み薬がもらえるの?効果はあるの?

今回は、皮膚科でもらえるニキビ治療用の飲み薬の特徴や副作用、服用方法について解説していきます。

ただし、ニキビの治療法は人によって異なる点があることに注意が必要です。

適切な薬の選択は、医師の診断に基づいて行われます。

なお、ニキビの進行度には複数あり、皮膚科では患者の症状の段階に合わせた治療法がとられます。

もし現在、自己流の治療でニキビの改善がみられない場合は、医師とよく相談したうえであなたに合ったニキビ治療薬を探していくことが大切です。

医師とのコミュニケーションを円滑にし、最適な治療法の選択に役立てるためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

皮膚科で処方されるニキビ治療用の飲み薬の効果

ニキビ治療に内服薬は必要?飲んだほうがいい?

このような疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

ニキビ治療の場合、外用薬が第一選択として用いられることがほとんどですが、根本的な改善を図るうえでは内服薬も選択肢の一つです。

特に繰り返しできるニキビに悩んでいるのであれば、身体の内側から、ニキビ治療をサポートすることができる内服薬もおすすめです。

ニキビ治療の飲み薬は、診察時に医師に相談することで処方してもらえることがあります。

飲み薬が具体的にどのようにニキビに対して作用するのか、詳しく解説していきます。

身体の内側からニキビの改善に作用する

ニキビは以下の手順で発生するとされています。

  • 皮脂が過剰に分泌される
  • 毛穴が詰まる
  • アクネ菌が繁殖する

ニキビを根本的に治療・予防するためには、「皮脂の過剰分泌を抑える」・「毛穴詰まりを改善する」・「アクネ菌を殺菌する」必要があります。

ニキビに有効な飲み薬には多くの種類があり「皮脂の分泌を抑制する薬」「毛穴詰まりを改善する薬」などがあります。
身体の内側からニキビの根本原因にアプローチすることで改善に導きます。

外用薬と併用することでより効果的な治療ができる

飲み薬は胃で分解された後、肝臓に向かい、血液に乗って全身に行き渡ります。

全身にまんべんなく作用を伝えることができる一方、薬が作用するまでに時間がかかる特徴があります。

対して、外用薬は、即効性がある反面、塗った箇所にしか効果を発揮しません。

このように、内服薬と外用薬には違った特徴があるため、お互いの長所短所を補完し合う形で併用することで、ニキビに対してより効果的なアプローチが可能となります。

市販薬は医療用医薬品よりも有効成分の含有量が少ない傾向にある

薬局や通販サイトなどで販売されている薬は、市販薬(一般用医薬品・要指導医薬品)と呼ばれます。

市販薬は誰でも手に入れることができため、安全性の観点から有効成分量が抑えられています。

皮膚科で処方されるニキビ治療用の飲み薬の種類

皮膚科で処方されるニキビに有効な飲み薬は、大きく以下の3種類に分類されます。

  • 抗生物質
  • ビタミン製剤
  • 漢方薬

3種類の飲み薬は、効果の強さや、副作用の強さなどでそれぞれ違った特徴があります。

この章では、それぞれの飲み薬の特徴や具体的な薬品をご紹介していきます。

抗生物質

抗生物質とは、他の細菌の繁殖を抑える働きを持った物質で、主に細菌やカビなどから構成されています。
抗生物質のメリットとして、治りにくい重症ニキビ、炎症性ニキビにも高い効果を発揮する点が挙げられます。

そのため、赤く腫れ上がったニキビや黄色く膿んだニキビに悩んでいる方にはおすすめの治療法です。
デメリットは、細菌やカビなどで作られているため、他の薬に比べ副作用を引き起こす可能性が高いことです。
また、抗生物質は長期間使用していると、耐性菌ができてしまい、薬の効き目が悪くなってしまう特徴があります。

そのため、服用頻度や服用期間は医師の指示に従いながら使用するようにしましょう。

次から、ニキビに有効な抗生物質を4つご紹介します。

ルリッド

ルリッドは、「ロキシスロマイシン」とも呼ばれ、アクネ菌のタンパク質合成を妨げる作用があります。

結果として、アクネ菌の増殖を防ぎ、炎症性ニキビの炎症を抑える効果を期待することができます。

しかし、抗生物質であるため、副作用が確認されており、特に肝臓が弱い人は副作用が出やすいとされているので注意が必要です。

また、片頭痛薬との併用ができない薬になっているので、処方してもらう際には、医師に現在服用している薬をしっかりと伝えるようにしましょう。

フェロペネム

フェロペネムは、「ファロム」とも呼ばれ、炎症性ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌する効果を持ちます。

ニキビの原因菌であるアクネ菌には、細胞壁という厚い保護膜があります。

フェロペネムは、その細胞壁を破壊し、アクネ菌を死滅させる効果が期待できます。

その他の抗生物質と異なり、フェロペネムは副作用の危険性が低く安全に使用できる抗生物質として認められています。

ビブラマイシン

ビブラマイシンは、「皮脂の過剰分泌を抑える作用」「炎症を抑える作用」を持つ抗生物質で、炎症性のニキビの改善に効果を持ちます。

普通の抗生物質は、長期間使用していると「耐性菌」が出現しますが、ビブラマイシンは耐性菌が出現しにくく、長期間使用しても効果を維持できる特徴があります。

副作用としては、日光への耐性が弱まる「光線過敏症」があるので、服用期間中は紫外線を徹底する必要があります。

ミノサイクリン

ミノサイクリンは、「ミノマイシン」とも呼ばれる、抗菌薬で、炎症性ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する作用を持ちます。

アクネ菌のタンパク質合成を抑えることで、化膿したニキビの炎症を抑えます。

ただし、副作用として吐き気やめまいなどが生じる可能性がある点に留意が必要です。
使用に際しては、主治医から適切な説明を受け、十分な注意事項を守りましょう。

ビタミン製剤

ビタミン製剤は、不足している栄養素を補い、栄養バランスを整えることで、ニキビの改善を目的とする医薬品です。

処方薬の扱いになるため、医師の処方箋をもらう必要があります。

シナール

シナールは炎症性のニキビを改善・予防する効果があります。

この効果は、シナールに含まれるビタミンCの「抗酸化作用」とビタミンB5の「肌のバリア機能を回復する効果」によってもたらされます。

抗酸化作用により、炎症を起こしたニキビの炎症を抑えるとともに、肌のバリア機能を高めることで、肌が毛穴詰まりを起こしづらくなり、ニキビの予防に繋がります。

一方で、非炎症性のニキビには改善効果を期待することができないので注意が必要です。

ユベラ

ユベラは、ビタミンEを主成分としたビタミン剤です。血行促進作用などによる美肌効果が期待できます。

肌のターンオーバーが促進されることで、毛穴詰まりを防ぎ、非炎症性のニキビを改善します。

また、ニキビ以外にも、シミやシワ、肌のたるみをにも作用します。

副作用として、便秘や胃部の不快感が現れることがありますが、副作用が起きる確率は極めて低いと言われています。

しかし副作用の可能性が完全には否定できない点には注意が必要です。

服用後、体調面での違和感が出た場合は速やかに医師に相談しましょう。

ノイロビタン

ノイロビタンは、4種類のビタミンB郡が配合されたビタミン剤です。

ビタミンB群は、ニキビ改善に有効な以下3つの作用を現します。

  • 皮脂の過剰分泌を抑える
  • 炎症を抑える
  • 肌のターンオーバーを促進する

嘔気や下痢などの副作用を引き起こす可能性はありますが、頻度は少なく、妊婦の方も服用することのできるビタミン製剤です。

一方で、小児(2歳~11歳)への使用の安全性が確認されていないので注意して下さい。

ピドキサール

ピドキサールは、ビタミンB6を製剤化(※)したものです。

(※)製剤化とは、有効成分を服用できる使いやすい医薬品にすることを指します。

ビタミンB6には、「皮脂の分泌を正常化する作用」と「毛穴詰まりを解消する作用」があります。

特に皮脂の分泌を正常化する作用が強いため、皮脂の過剰分泌が原因でニキビが発生している方には、ピドキサールが効果的です。

ピドキサールがおすすめの人

・思春期の方

・生理前にニキビができる方

・おでこや鼻にニキビができる方

・肌のベタつきが気になる方

一方で、ピドキサールは横紋筋融解症という重篤な副作用が報告されています。

横紋筋融解症とは、血液中に大量のミオグロビン(※)が流出し、血液が濁ってしまう病気で、以下のような症状が現れます。

(※)筋肉に含まれている色素たんぱく

  • 足のしびれや痙攣
  • 筋肉の低下
  • 力が入らない
  • 全身のダルさ
  • 筋肉痛
  • 歩行困難
  • 赤褐色の尿

このような症状が出た場合は、すぐにピドキサールの服用を中止し、医師に相談するようにしましょう。

漢方薬

漢方薬は、体質改善を通じてニキビの症状緩和効果が期待できます。
西洋薬と異なり、直接的な作用ではなく、身体の内側から間接的に改善を促す点が特徴です。

抗生物質等の飲み薬と併用することで、治療効果を高められるケースもあるようです。

今回は、ニキビに対して効果があるとされる漢方薬を3つご紹介します。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

荊芥連翹湯(けいがんれんぎょうとう)は、炎症性ニキビと非炎症性ニキビの両方への改善効果があると認められている唯一の漢方薬です。

(※)※各種皮膚疾患の診察の指針を作成している皮膚科に関する学会「日本皮膚科学会」が発表する「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」

17種類の生薬から配合されており、これらの生薬が以下のようなニキビ改善作用を持ちます。

ニキビの改善を促す作用

血液循環をよくする作用

抗炎症作用

皮膚の代謝をよくする作用

排膿作用

荊芥連翹湯には、「甘草(かんぞう)」という副作用を引き起こす生薬が含まれており、副作用リスクがあります。

具体的には、発疹やかゆみ、食欲不振、偽アルドステロン症などの報告があがっています。

偽アルドステロン症とは

本来アルドステロンと呼ばれるホルモンが体内で異常に増加することによって引き起こされる一群の症状の総称。以下のような症状があります。

  • 高血圧
  • 多尿
  • 頭痛
  • 疲労感

桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)

桂枝茯苓丸加薏苡仁は、ホルモンバランスを整える作用があり、生理前のニキビ改善に有効です。

生理前は、ホルモンバランスが大きく乱れ、男性ホルモンが活発に分泌されます。

男性ホルモンが分泌されると、皮脂を過剰に分泌してしまい、ニキビができやすくなってしまいます。

ニキビの改善を促す作用

血液循環をよくする作用

肌のターンオーバーを促す作用

皮膚の代謝をよくする作用

便秘改善作用

桂枝茯苓丸加薏苡仁は、発疹や食欲不振、下痢などの副作用が報告されてます。

なので、医師の指示の元で、用途・用量を守って服用するようにして下さいね。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

十味敗毒湯は、炎症性を起こしたニキビの改善に有効な漢方薬です。

十味敗毒湯は10種類の生薬が含まれており、その中で「甘草」「荊芥」には、抗菌作用があります。これらの生薬は炎症の原因となるニキビ菌を殺菌し、ニキビの改善を促進します。

ニキビの改善を促す作用

ニキビ菌を抗菌する作用

炎症を抑える作用

皮膚の代謝をよくする作用

排膿作用

十味敗毒湯には、副作用を起こしやすい生薬「甘草」が含まれています。

具体的な副作用の例としては、発疹やかゆみ、食欲不振、偽アルドステロン症などの報告があがっています。

ニキビ治療用の飲み薬の相談は皮膚科へ

今回は、皮膚科でもらうことのできるニキビに有効な飲み薬についてご紹介させていただきました。

「薬の種類多くてどれを選んだらよいかわからない…」方も、皮膚科医に相談すれば、医師があなたの体質や生活に合った薬を提案してくれるので安心して下さい。

皮膚科に行く時間がない方は、好きな時間に好きな場所から医師の診察を受けることができるオンライン診療を活用してみて下さいね。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

藤原東華 医師

美しさを求めるすべての人たちに

当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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