ケミカルピーリングにはどんなデメリットがあるの?
ケミカルピーリングとは、薬剤を顔に塗布する施術法の一つです。
古い角質を剥がす作用でニキビ・小じわ・シミなどの肌悩みの解消に働きかけます。
その反面、肌が乾燥しやすくなったり、肌荒れが悪化してしまったというケースも見られます。
今回は、ケミカルピーリングのデメリットとその対策法について解説していきます。
この記事でわかること
- ケミカルピーリングのデメリットは、乾燥や肌荒れ、ダウンタイム、色素沈着など
- 乾燥肌の人や顔そりした人がデメリットを感じやすい
- 施術後は紫外線対策、保湿を徹底し、肌に合わない場合は他の治療法も検討する
目次
ケミカルピーリングの6つのデメリット
ケミカルピーリングは肌表面の古い皮膚を化学物質で取り除く治療方法です。
一般的にはニキビや毛穴、肌質改善などの改善に効果的です。
しかし、ケミカルピーリングを受けると以下のような5つのデメリットが発生する可能性もあります。
- 施術中に痛みが出ることがある
- 乾燥しやすくなる
- 肌荒れが悪化することがある
- ダウンタイムが発生することがある
- 色素沈着してしまうことがある
- 何度も施術を受ける必要がある
これら5つのデメリットをさらに詳しく説明していきます。
施術中に痛みが出ることがある
ケミカルピーリング中の痛みは、使用される化学物質が古い皮膚細胞を分解するために生じます。
これにより、皮膚の表層が取り除かれる際に、微小な痛みや刺激が生じることがあります。
化学物質が皮膚に浸透し、古い皮膚を溶解する過程で、軽度のピリピリやチクチクした感覚を感じることが一般的です。
個人差や使用される化学物質、皮膚の状態によって痛みの程度は異なります。
乾燥しやすくなる
ケミカルピーリングによる肌の乾燥は、肌のバリア機能が低下することにより引き起こされます。
この治療法では、化学物質が古い皮膚を除去するために使用されますが、同時に健康な皮膚も一緒に取り除かれます。
そこで、肌のバリア機能が弱まり、外部からの刺激や水分の蒸発を防ぐ力が低下します。
バリア機能の低下により、肌は水分を保持しにくくなり、乾燥してしまいます。
これにより、肌がかさついたり、外部からの刺激や紫外線などによるダメージも受けやすくなります。
肌荒れが悪化することがある
ケミカルピーリングによる肌荒れは、治療時に使用される化学物質が肌表面の古い皮膚を取り除く際、肌を刺激することで起こります。
この刺激により、もともとある肌の問題が悪化することがあります。
また、敏感な肌や炎症を抱える肌は、ピーリングによって以下の症状を示す可能性もあるので慎重に行うようにしましょう。
- 赤み
- ひりつき
- 乾燥
- かさぶた
- 水泡
これらの副作用は、個人の肌質やピーリングの強さ、施術前の肌の健康状態によっても影響の大きさが左右されます。
そのため、ピーリング前に肌の状態を診断し、発生し得るリスクを理解するようにしましょう。
ダウンタイムが発生することがある
ケミカルピーリングのダウンタイムは、治療後に肌の再生が起こるために生じます。
この治療では、化学物質が肌の古い層を取り除き、新しい肌を出現させます。
その際、肌の再生プロセスが始まり、赤みやかさつきなどの一時的な副作用が現れることがあります。
肌の再生には時間がかかり、2~3日程度のダウンタイムが発生することが一般的です。
この期間中、肌は過敏になり、日常生活に支障をきたす可能性があります。
赤みやかゆみ、軽度のひりつきなどを経験することがありますが、これは通常の治療反応であり、肌の再生が進行するにつれて自然に改善されるでしょう。
色素沈着してしまうことがある
ケミカルピーリング後の色素沈着は、治療に使用される化学物質が皮膚の色素細胞に影響を与えることが原因です。
肌表面の古い皮膚を除去する際、過度な刺激や化学物質の影響により、メラニン色素の生成が増加し、色素沈着が起こることがあります。
これは、特に暗めの肌色を持つ方や日光に敏感な肌を持つ方によく見られます。
また、ピーリングの過程で正確にピーリング剤の濃度を調整できない場合も、色素沈着のリスクが高まります。
色素沈着のリスクについては、治療前に医師との相談して、リスクを最小限に抑えるための適切なケアプランを確立することが大切です。
何度も施術を受ける必要がある
ケミカルピーリングは、一度の施術では完全な効果が得られないことが多いです。
症状や肌悩みに応じて、状態を改善するためには複数回の施術が必要な場合があります。
個人差はありますが一回のピーリングで全ての問題を解決するのは難しいでしょう。
施術回数を増やすことで、個々の肌状態に合わせた段階的な改善が可能です。
また、何度も施術を受けることで、徐々に肌が治癒するため肌トーンの均一化や肌の質感の向上が期待できるでしょう。
ケミカルピーリングのデメリットを感じやすい人
ケミカルピーリングの施術後は、人によってはデメリットを感じやすい場合もあります。
ケミカルピーリングをしたほうがいいのか、しないほうがいいのか事前に確認してから受けるようにしましょう。
次からはケミカルピーリングでデメリットを感じやすい人について詳しく説明していきます。
肌が乾燥している
肌が乾燥していると、ケミカルピーリングによる刺激に敏感に反応しやすくなります。
乾燥した肌は、本来の保護機能が低下しており、外部刺激に対するバリアが弱くなっています。
このため、ピーリング時の化学物質の刺激により、乾燥した肌はより敏感に反応し、痛みや赤み、かさつきなどを強く感じることがあります。
また、乾燥した肌は古い角質が溜まりやすく、これがピーリングの効果を小さくしてしまいます。
ピーリングでは古い角質を除去し、新しい肌を露出させることで効果を発揮しますが、乾燥により古い角質が固くなり、完全な効果を得るのが難しくなることがあります。
そこで、乾燥した肌の方は、事前に適切な保湿ケアを行い、肌の水分を補給するようにしましょう。
施術前に顔そりをする
顔そりはピーリングの効果を高めますが、肌を敏感にしてしまうリスクがあります。
顔そりで角質を除去すると、ピーリング薬剤の浸透が深くなり効果はアップしますが、同時に肌への刺激も強くなります。
すなわち、痛みや赤み、かぶれなどのデメリットが生じやすくなります。
個々の肌状態に合わせ、適切なタイミングと方法で顔そりを行うことが大切です。
これにより肌トラブルを防ぎつつ、ピーリングの効果を最大化できるはずです。
施術前にパックやスクラブをする
パックやスクラブにより角質が薄くなると、ピーリングの刺激が強く感じられる可能性があります。
角質が薄いほどピーリング薬剤の浸透が深まるため、痛みや赤み、かぶれなどのリスクも増大します。
個々の肌状態に合わせ、適切なタイミングと方法でパックやスクラブを行うことが肝要です。
こうすることで、肌へのダメージを防ぎながら、最大限のピーリング効果を引き出すことができるでしょう。
施術直前・直後に日焼けをする
日焼けした状態でケミカルピーリングを受けると、皮膚が刺激に過敏に反応し、赤みや痛み、かぶれなどをより強く感じやすくなります。
施術直前や直後の日焼けは、肌に大きな負担をかけてしまいます。
また、日焼けによって皮膚表面のメラニン色素が増加し、肌が敏感になります。
ケミカルピーリングは表皮の剥離作用を持っており、日焼けによって傷んだ肌に対して施術すると、肌への負担が増し、さらに肌トラブルが生じやすくなります。
そのため、ケミカルピーリングを受ける数日前から施術後数週間、日焼けは避けるようにしましょう。
施術を頻繁にやりすぎる
施術を頻繁に行うことで、肌に過度な刺激を与えるリスクが高まります。
ケミカルピーリングは、古い角質を剥がし、新しい肌の形成を促します。
しかし過剰に行うと肌のバリア機能が低下し、乾燥に過敏な状態に陥りやすくなります。
この施術は、肌の再生力に合わせるためにも通常は数週間から数カ月おきに行うのが適切です。
頻繁に行いすぎると皮膚の再生サイクルが追いつかず、かえって保護機能が崩れやすくなります。
その結果、肌荒れや赤み、炎症、さらには色素沈着などのデメリットが顕著になります。
施術までの間に適切な肌の回復期間を確保し、健康な状態を保つようにしましょう。
ケミカルピーリングのデメリットへの対策法
ケミカルピーリングのデメリットが現れてしまったら、さらに症状がひどくならないように対策することが大切です。
そこで、デメリットが現れた時の正しい対策方法について詳しく説明していきます。
ケミカルピーリングを受けた後にケアをする
ケミカルピーリング後のケアは肌の再生をサポートし、効果を最大限に引き出す重要なステップです。
以下の2点を特に意識して取り組むようにしましょう。
- 紫外線対策をすること
- 保湿を怠らないこと
紫外線対策をする
ケミカルピーリングを受けた後の紫外線対策は非常に重要です。
ピーリング後は肌が敏感になり、紫外線によるダメージを受けやすくなります。
直接的な日光にさらされないよう、帽子や日傘、日焼け止めを使用するようにしましょう。
また、SPF(紫外線を防ぐ効果指数)が高くUVA・UVB両方の紫外線をブロックする日焼け止めを、ピーリング後もこまめに塗り直すことが大切です。
これらの紫外線対策を怠らずに行うことで、肌のトラブルを最小限に抑えることができます。
保湿を怠らない
ケミカルピーリング後の適切な保湿は肌の回復を促す重要な要素です。
ピーリング後、肌は乾燥しやすく敏感な状態になります。
化粧水や乳液で適切な保湿を行うことで肌の水分量を補給するようにしましょう。
保湿剤を使うことで、肌の水分を保持できます。
ピーリング後の敏感な肌には、水性と油性のバランスが取れた無香料の保湿剤を選ぶと良いでしょう。
保湿剤を洗顔や入浴後に塗布して優しくマッサージすることで、肌の水分と柔軟性が保たれます。
ゆっくりとしたマッサージは、保湿剤を肌に浸透させるのに効果的です。
保湿ケアはピーリング後の肌の健康維持に不可欠なので、丁寧に行うようにしましょう。
ケミカルピーリング以外の方法で治療する
ケミカルピーリングのデメリットが気になる場合、他の治療法も検討してみましょう。
例えばニキビや開いた毛穴などの肌トラブルには、レーザー治療や光治療、内服・外用薬などの選択肢もあります。
個々の肌の状態に合わせ、効果的で副作用の少ない治療法を選ぶことが大切です。
医師とよく相談した上で、最適な治療方針を立てることをおすすめします。
ケミカルピーリングにこだわらず、自分の肌に合った治療法を見つけてみてくださいね。
ほかの施術を受ける
ケミカルピーリング以外にも、個々の肌トラブルに対応した施術があります。
毛穴 | レーザー治療・光治療・ダーマペン |
ニキビ | ダーマペン・イソトレチノイン内服・イオン導入・面ぽう圧縮療法 |
シワ | レーザー・熱照射・ヒアルロン酸・ボトックス注射・リフトアップ |
シミ | マイクロダーマブレージョ・光治療(フォトフェイシャル) |
自己の肌状態に適した治療法を見極めることが肝要です。治療法の選択に迷った際は、専門医の意見を参考にすることをおすすめします。
また、他の施術ではコストがかかり過ぎる場合もあるかと思います。
その際は、次から紹介する薬剤もメインの治療法として検討してみると良いでしょう。
治療薬を用いる
トラネキサム酸は、メラニンの生成を抑えることでシミやそばかすを改善する効果がある内服薬です。 トラネキサム酸を服用することで、肌のメラニン色素が徐々に抑えられていき、シミが目立たなくなっていくのです。
また、トラネキサム酸には肌の色調のむらやくすみを改善する効果もあるとされています。
効果を実感するには2~3カ月程度の継続使用が必要ですが、長期的にシミの改善が期待できる薬剤です。副作用として、まれに過敏症が起きることがあるので、医師の指導のもとで使用することをおすすめします。
ピドキサール(ビタミンB6誘導体)は、皮脂の過剰分泌を抑制する効果があることが知られています。
すなわち、毛穴に皮脂がたまりにくい状態を作り出し、毛穴開きや詰まりを防ぎます。
加えてピドキサールは、肌のターンオーバーを促進することで、くすみやハリのない肌を改善する効果があると考えられています。
以上のように、ピドキサールはニキビや肌荒れに対して有用な成分といえます。適切な使用により、肌トラブルの改善が期待できるでしょう。
アダパレンは、レチノイド(ビタミンA誘導体)の一種で、毛穴のつまりや白~赤ニキビの治療まで幅広く有効です。
ニキビができる主な原因は毛穴の詰まりと皮脂の過剰分泌です。
アダパレンは毛穴の詰まりを解消し、皮脂の分泌を調整することでニキビの発生を抑制します。
また、炎症性のニキビにも効果的で、皮膚の細胞再生を促進することで、既存のニキビを治癒させる働きがあります。
トレチノインクリームはレチノイドの一種で、シワ改善に有効です。
これは、トレチノインが皮膚の表面を柔らかくするだけでなく、コラーゲンの生成を促進し、古い皮膚細胞の剥離を促す働きがあるからです。
これにより、皮膚がより健康的になり、しわを減少させる効果が期待されます。
トレチノインを使う際は、日焼けを避け、正確な使い方や適切な濃度を医師の指示に従って行うことが重要です。
ピーリングの施術ではなく医薬品で肌トラブルを改善したいと考えている方は一度皮膚科に相談してみましょう。
専門医が個人の肌の状態に合わせた適切な助言をすることができます。
ケミカルピーリングのデメリットを避けるには他の治療法も検討してみよう
ケミカルピーリングにはさまざまなデメリットがある一方で、適切な対策とケアを行えば肌トラブルの改善が期待できます。デメリットへの対処法を理解し、施術を受ける際は紫外線対策や保湿を徹底しましょう。
また、ケミカルピーリングにこだわらず、外用薬や内服薬など、自分の肌に合った治療法を選択することをおすすめします。美肌への鍵は自身の肌状態を理解し、最適なケアを行うことです。
専門医と相談しながら、肌トラブル改善のために最善の選択をしていきましょう。ケミカルピーリング以外の選択肢も視野に入れつつ、望ましい肌へのアプローチを考えてみてください。
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