トラネキサム酸を妊娠中だけど服用したい…。
トラネキサム酸は、喉の痛みの緩和や、シミの改善に有効な医薬品に含まれる成分です。
妊娠中は、ホルモンバランスが乱れやすくシミ・肝斑ができやすい時期です。
シミ・肝斑などの治療目的で、トラネキサム酸配合の医薬品の服用を検討している方もいるかもしれません。
また、妊娠前からトラネキサム酸を服用していた方は、継続して服用していいか気になりますよね。
この記事では妊娠中のトラネキサム酸の服用について詳しく解説します。
トラネキサム酸についての正しい知識を身につけて安全に服用しましょう!
この記事でわかること
- 妊娠中のトラネキサム酸服用には医師による慎重な判断が必要
- トラネキサム酸はシミ・肝斑・湿疹・蕁麻疹などの肌トラブルの改善を助ける
- 正しい用法・容量で使用する必要がある
目次
トラネキサム酸は妊娠中に服用できる?
どのような条件をもとに妊娠中のトラネキサム酸の服用可否が決まるか、状況別に解説していきます。
妊娠中の服用は基本的に推奨されない
妊娠中のトラネキサム酸服用は、完全に禁止されている訳ではありませんが、基本的に推奨されません。
妊娠中の投薬とそのリスク評価(オーストラリア基準)では以下のように振り分けられています。
カテゴリーA | 妊婦または妊娠可能な年齢の女性に多く使用されてきたが奇形発現頻度の増加はなく、ヒトの胎児に対する直接・間接的有害作用は観察されていない。 |
カテゴリーB | 妊婦または妊娠可能な年齢の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発現頻度の増加はなく、ヒトの胎児に対する他の直接・間接的有害作用は観察されていない。 B1 動物試験では胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない。 ※トラネキサム酸が該当 B2 まだ不適切・不十分な動物実験しかえられていないという懸念はあるが、現在分かっている範囲では胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない。 B3 動物実験では胎児に対する有害作用の頻度を増大させるという証拠が得られている。しかし、人への有害作用はまだ不明である。 |
カテゴリーC | 催奇形性はないが、薬作用によってヒト胎児または新生児に有害な作用を及ぼすかまたは及ぼす可能性がある薬。 |
カテゴリーD | ヒトの胎児に作用して奇形、あるいは非可逆的障害の発症頻度を高める。 |
カテゴリーX | 胎児に対して永続的な障害をもたらす危険性が高く、妊娠中や妊娠の可能性のある時期には使用すべきではない薬。 |
この中で妊娠中使用できるのはカテゴリーA・カテゴリーB1のランクの薬品です。
トラネキサム酸を有効成分とするトランサミンは「カテゴリーB」のB1に該当します。
しかし、血栓症のリスクから妊婦の内服には医師による慎重な判断が必要です。
実際に妊婦が注射剤でトラネキサム酸を使用した場合に、トラネキサム酸の成分が胎盤を通過する事例が報告されています。
そのため、妊娠中・授乳婦の方のトラネキサム酸の服用は推奨されておらず、代替治療の有無が医師によって検討される場合が多いでしょう。
妊娠中にシミや肝斑に悩む方に対しては、少なくともトラネキサム酸よりはリスクが低く、かつ代替できる薬剤(ユベラなど)を推奨します。
お悩みの際は受診をご検討ください。
ユベラについての詳しい記事はこちら↓
「ユベラ」の効果と副作用を徹底解説!処方薬と市販薬の違いとは?妊娠中の場合は、医師からトラネキサム酸よりリスクが低いとされる別の薬が処方されることがあるため、妊娠中でしみや肝斑に悩んでいる方は、まずは診療を受けましょう。
服用禁忌・慎重投与となる人もいる
トラネキサム酸は個人の健康状態によっては、服用できない方もいます。
副作用のリスクが高い、または効果の有益性を実感しづらい場合があるためです。
トラネキサム酸を妊娠中に服用する場合の注意点
妊娠中に起こりやすい肌トラブルは、トラネキサム酸を用いて改善できる場合があります。
ただし、トラネキサム酸を妊娠中に服用するには医師による慎重な判断が必要であり、注意点があります。
この章ではトラネキサム酸を妊娠中に服用する際の注意点について解説します。
副作用が出た場合は医師にただちに相談する
妊娠中にトラネキサム酸を服用する際に副作用が出た場合は医師にただちに相談する必要があります。
健康な状態の人がトラネキサム酸を服用した場合、副作用は比較的少ないと考えられています。
しかし、まれに食欲不振や胸やけ・吐き気・下痢などの症状が出る場合があります。
このような症状が出た場合には服用を中止して医師の診察を受けましょう。
長期的に服用が必要な傾向にある
トラネキサム酸によって肌トラブルを改善するには、長期的に服用を続けることが必要な場合があります。
シミや肝斑の原因であるメラニンは肌のターンオーバーによって肌表面から排出されます。
年齢や生活習慣によっても肌のターンオーバーの周期に個人差はありますが、約4週間に1回のペースで行われます。
そのため、妊娠していない状態でも4週間は服用を続けなければ効果を実感するのは難しいと考えられます。
トラネキサム酸の妊娠中の長期服用は、医師の適切な監督下で行われる限り、一般的には大きなリスクはないと考えられています。
しかし、リスクと美容効果のバランスには個人差があるため、必ず医師と相談の上で判断することが重要です。
妊娠中に使用できるトラネキサム酸と似た効果を持つ薬
トラネキサム酸を妊娠中に服用する場合の注意点について解説してきました。
この章では、トラネキサム酸よりはリスクが低く、かつ代替できる薬剤として推奨される薬をご紹介します。
ハイチオール
ハイチオールはL-システインというアミノ酸を主成分として含む内服薬です。
メラニン色素の生成を抑制して、シミや肝斑を改善することができます。
肌のサビを防ぐ抗酸化作用や、代謝促進作用による疲労改善の効果を持つため、疲れを感じやすい妊娠中の肌治療にも相性が良い場合があります。
ユベラ
ユベラは、ビタミンEを主成分として含む内服薬です。
血行を促進する作用で肌のターンオーバーを促し、シミのもととなるメラニン色素の排出を助けます。
また、ホルモンバランスの乱れを整える作用があるため、ホルモンバランスが乱れやすい妊娠中に相性が良い場合があります。
さらに、シワなどの要因となる活性酸素を排出する作用を持ちます。
ステロイド外用薬
ステロイド外用薬は、体内の副腎から作られる副腎皮質ホルモンが基となる「ステロイド」が主成分です。
皮膚の炎症を抑え、かゆみや赤みなどの症状を緩和する効果があります。
妊娠中に湿疹や蕁麻疹、肌の炎症が起こりやすく改善したい方に相性が良い場合があります。
皮膚から吸収されるステロイドの量は少なく、用法・容量を守った外用薬の使用であれば妊娠中であってもリスクは低いとされています。
ただし、高容量で使用すると、胎児への悪影響が及ぼされる可能性があるので注意しましょう。
トラネキサム酸を妊娠中に服用したい場合は専門医に相談しましょう
トラネキサム酸を妊娠中に服用したい場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。
妊娠中は、通院の難しさやリスクの点を鑑みると、オンライン診療を活用して、トラネキサム酸の処方を受けるのがおすすめです。
オンライン診療サービスを展開する「東京美肌堂」では、妊娠中にシミや肝斑でお悩みの方に対し、医師の診断にもとづいた適切な処方を行い、自宅までお薬をお届けします。
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東京山手クリニック
藤原東華 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。
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