六味丸のアンチエイジング効果とは?女性に嬉しい美肌効果や副作用について解説!

六味丸という漢方薬の画像

六味丸は、体の弱った機能を元気づけて症状改善を目指す漢方薬です。

尿が近い/遠いなどの症状や、足腰に痛みの改善に効果を示します。

また、血流を良くする作用で、むくみやアトピー性皮膚炎のかゆみを軽減させる肌への良い効果も期待できます。

本記事では、六味丸の効果や服用時の注意点について詳しく解説します!

この記事でわかること

  • 六味丸は体力が弱くほてりやすい・疲れやすいなどのお悩みを抱える方におすすめ
  • 血流をよくすることでアトピー性皮膚炎の緩和やアンチエイジングに作用する
  • 六味丸と一部同じ生薬が含まれる八味丸は冷えが気になる方におすすめ

六味丸(ろくみがん)とは

六味丸とは、漢方薬の一種です。

正式名称は「六味地黄丸(ロクミジオウガン)」。

体力が弱く疲れやすい方に相性のいい漢方と言われています。

6種類の配合生薬で構成される漢方薬

生薬名 作用
地黄(ジオウ) 補血(血行促進)・強壮(体力を補う)
山茱萸(サンシュユ) 滋養(栄養分を養う)・強壮
山薬(サンヤク) 滋養・強壮
沢瀉(タクシャ) 止渇(喉や口の渇きを抑える)・利尿
茯苓(ブクリョウ) 利水(水分バランスを整える)・利尿・健胃(胃の働きを正常に保つ)
牡丹皮(ボタンピ) 消炎(炎症を和らげる)・鎮静(神経の過活動を落ち着かせる)・駆瘀血(くおけつ)(血の滞りをなくす)

六味丸には「六」という数字が入っている通り、6種類の生薬が配合されている漢方薬です。

主に、血行促進や体力を補う作用を持つ生薬で構成されています。

弱った腎臓機能を強化する漢方薬

六味丸の代表的な作用の一つは、「腎(腎臓)」の働きを高めることです。

腎臓機能が低下すると、乾燥や夜間の頻尿などの症状が起こりやすくなります。

六味丸は、腎臓機能の強化に働きかけることで、これらの症状を改善する効果を期待できます。

六味丸の肌への効果・効能

六味丸に含まれる「沢瀉(タクシャ)」や「茯苓(ブクリョウ)」は、口の渇きを抑えたり、水分バランスを整える作用があります。

また、「牡丹皮(ボタンピ)」には、炎症を和らげる消炎作用があります。

これらの生薬の作用は、主に以下3つの肌への良い効果を示します。

乾燥肌を改善する

肌は、湿度などの環境以外に、体内の水分バランスの乱れによっても乾燥しやすくなります。

六味丸は、体内の水分バランスを整えるように働きかけることで、内側から肌の乾燥を緩和します。

アトピー性皮膚炎のかゆみを軽減する

アトピー性皮膚炎のかゆみの原因は、肌のバリア機能(※)の低下と言われています。

肌のバリア機能は、肌が乾燥することでも低下してしまいます。

六味丸は、乾燥を緩和して、肌のバリア機能を強化することで、アトピー性皮膚炎のかゆみを軽減する効果を期待できます。

※肌のバリア機能とは肌細胞を紫外線や乾燥などの外的刺激からダメージを受けることを防ぐ機能のことを指します。

湿疹を改善する

湿疹の多くは、乾燥や衣類との摩擦などの外部の刺激に反応して起こりやすい「接触皮膚炎」と言われています。

六味丸は、乾燥を緩和して肌のバリア機能を強化することで、湿疹の原因となる外部刺激から肌を守る効果が期待できます。

六味丸のアンチエイジング作用

六味丸の「腎」機能の働きを高める作用は、アンチエイジングにもつながります。

腎臓が弱ってしまうと、むくみ・だるさ・夜間尿などの不調が現れやすくなります。

これらは、加齢によっても引き起こされやすくなるため、六味丸が「腎」機能を強化に働きかけることはアンチエイジングにつながると言えるのです。

具体的には、主に以下4つの効果を期待できます。

むくみを解消する

むくみを解消するには、身体にたまった余分な水分の排出と、血流促進が重要です。

六味丸には、利尿作用と血行促進作用があるため、むくみの解消に効果を期待できます。

足腰の痛みやしびれを和らげる

足腰のしびれは、糖尿病が原因で発症することもあります。

六味丸は利尿作用などで糖尿病の改善にも効果を示すことから、足腰のしびれを和らげる効果が期待できます。

排尿困難や頻尿を改善する

腎臓の大きな役割は尿をつくることであるように、腎臓の働きは排尿の調子に影響を与えます。

腎臓の機能が低下してしまうと、夜間に何度もトイレに行きたくなったり、尿量が減少したり、尿の回数が増えたりしてしまいます。

六味丸は腎臓の働きを助けることで、これらの症状の改善効果を期待できます。

白髪・脱毛を予防する

六味丸には「腎」の機能を強化する効果があります。

実は、白髪は単なる老化で起こるものではなく、腎が弱ることで生じると言われています。

そのため、六味丸の腎臓機能を強化する効果は白髪予防につながると考えられます。

六味丸のアンチエイジングへの作用は性機能低下の改善にも効果的!

六味丸の腎機能を強化する作用は、ほかにも性機能低下・前立腺肥大症・糖尿病・知覚知能運動神経系・記憶力の低下などにも効果を期待できると言われています。

六味丸の服用が相性のいい人

六味丸の効果は、血行促進・頻尿改善・体力を補うことなどです。

特に「腎」機能を強化することでこれらの改善効果を期待できるため、腎機能が強く健康な状態の方が六味丸を服用しても、効果をあまり実感できない場合もあります。

以下に当てはまる方は、六味丸の効果を実感しやすい傾向にあると言われています。

体力がなく疲れやすい

「身体がだるい」「すぐに疲れてしまう」などのお悩みを抱える方には、六味丸の服用の効果を実感しやすいと言われています。

六味丸には、体力を補う効果を期待できるため、慢性的に体力が弱いと感じている方への相性がいいです。

便秘しやすい

六味丸には、血行促進作用や体内の水分バランスを整える作用があります。

便秘を解消するには必要な水分量が腸に行き届いていることが重要になります。

そのため、便秘をしやすい方は、六味丸を服用することで便秘解消の効果を実感しやすくなります。

頻尿・夜尿症・残尿感がある

六味丸の腎臓の働きを強化する働きと体内の水分バランスを整える作用があります。

尿の回数が多くなってしまうことに悩んでいる方は、六味丸を飲むことでこうした症状の改善が期待できる可能性があります。

更年期障害の症状が出ている

更年期障害では、ホルモンバランスの乱れによって、むくみ・体力の衰え・冷え症などの症状が現れやすい傾向にあります。

中医学ではホルモンの働きは腎臓と関係していると考えられるため、六味丸の腎機能を強化する働きは、更年期障害に伴う症状の改善効果を期待できると言われています。

六味丸の副作用

六味丸の服用で以下のような副作用が現れる場合があります。

  • 食欲不振
  • 胃の不快感
  • 腹痛
  • 吐き気
  • 下痢

このような症状が現れた場合は、医師に相談しましょう。

また以前、六味丸と同様の生薬が含まれる漢方を服用して、副作用が出たことがある方も服用時は注意しましょう。

六味丸の服用に注意が必要な人

体質や身体の状態によっては、六味丸の服用を避けたほうがいい場合もあります。

「妊娠中の方」「消化器が弱い方」などは、服用できるかどうか事前に医師に相談しましょう。

それぞれ気を付けたほうが良い理由は以下の通りです。

妊娠中または妊娠の疑いがある

妊娠中や妊娠している可能性がある方は、六味丸の服用に注意が必要です。

六味丸に含まれる牡丹皮には流産を引き起こすリスクがあるため、医師とよく相談することなく六味丸を服用しないでください。

妊娠中は過度の発汗や下痢は避ける必要があります。しかし六味丸には利尿作用があるため、体内の水分バランスを崩してしまう可能性があります。

消化器が弱い

胃腸機能が弱いと、六味丸の服用で効果が出にくかったり、胃もたれがしやすくなります。

例えばお腹が弱く下痢をしやすい方などには、漢方の生薬が刺激となる可能性ががあるため注意しましょう。

六味丸の処方薬と市販薬

六味丸には、処方薬と市販薬があります。

医師の診断のもと処方を受けたい方は処方薬がおすすめです。

一方の市販薬を購入したい場合は、薬剤師に相談したうえで購入するのをおすすめします。

ツムラ六味丸エキス顆粒

医師からの処方が必要な医療用医薬品です。

顆粒タイプで、通常、成人は 1日 7.5g を 2~3 回に分割し、食前もしくは食間に水またはぬるま湯で服用します。

地黄(ジオウ) 5.0g
山茱萸(サンシュユ) 3.0g
山薬(サンヤク) 3.0g
沢瀉(タクシャ) 3.0g
茯苓(ブクリョウ) 3.0g
牡丹皮(ボタンピ) 3.0g
本品7.5g中、上記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.75gを含有

六味丸料エキス錠クラシエ

市販の錠剤タイプの六味丸です。

通常、成人の場合1回4錠を、1日3回食前又は食間に水または白湯にて服用します。

ツムラの医療用医薬品と比較すると、成人の場合、それぞれの配合生薬の摂取合計量が半量になります。

地黄(ジオウ) 2.5g
山茱萸(サンシュユ) 1.5g
山薬(サンヤク) 1.5g
沢瀉(タクシャ) 1.5g
茯苓(ブクリョウ) 1.5g
牡丹皮(ボタンピ) 1.5g
成人1日の服用量12錠(1錠330mg)中

六味丸と八味丸の使い分け

実は、六味丸とは八味地黄丸(ハチミジオウガン)から、桂皮(ケイヒ)・附子(ブシ)を抜いた処方になっています。

同じ生薬が配合されている漢方薬ですが、それぞれ相性がいい対象が異なります。

六味丸は身体にほてりがある場合に用いる

六味丸は、八味丸と比較して、身体を温めて新陳代謝を促進する附子・桂皮の配合が抜かれています。

そのため、身体にほてりのある場合は、八味丸の服用よりも六味丸の相性がいいと言われています。

八味丸は身体に冷えがある場合に用いる

八味丸には、六味丸に加えて、身体を温めて新陳代謝を促進する効果を期待できる附子・桂皮が配合されています。

そのため、身体に冷えがある場合には、六味丸よりも身体を温める効果を期待できる八味丸の服用がおすすめです。

他の漢方と六味丸は併用していいの?

他の漢方と併用できる場合があります。ただし、飲み合わせや体質によって用法・用量を調節する必要がある可能性もあるので、併用をしたい場合は事前に医師に相談しましょう。

漢方について詳しく知りたい方は医師に相談

六味丸を服用したい方は、一度医師に相談することをおすすめします。

漢方や個人の症状や体質に合わせて適切な用法・用量が異なる場合があります。

また、医師に相談することで、より体質や体調に合う漢方薬の提案を受けられる可能性があります。

皮膚科に行く時間が取れない方は一度オンライン診療で相談するのも良いでしょう。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

藤原東華 医師

美しさを求めるすべての人たちに

当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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