肌のターンオーバーとは?促進する方法を知って周期を整えよう

肌のターンオーバーってなに?

促進させると良いとよく聞くけれど…。

肌のターンオーバーは、私達の肌を健康に保つのにとても大切な機能です。

皮膚細胞(肌細胞)の生まれ変わりのことを指し、停滞してしまうと、ニキビやシミ・シワ等の肌トラブルを引き起こします。

今回は、肌のターンオーバーの仕組みや乱れる原因、促進する方法などを解説します。

肌のターンオーバーについてよく知り、健康的で美しい肌を手に入れましょう。

この記事でわかること

  • 肌のターンオーバーとは「皮膚細胞の生まれ変わり」のこと
  • 加齢やスキンケア不足で肌のターンオーバーの周期は遅くなる
  • 肌のターンオーバーを促進するには規則正しい生活習慣が重要

肌のターンオーバーとは

肌には、定期的に生まれ変わる仕組みが備わっていることをご存じですか?

この皮膚細胞(肌細胞)が生まれ変わる仕組みは「肌のターンオーバー」と呼ばれています。

ここでは、肌のターンオーバーの過程を解説します。

周期的に肌が生まれ変わる仕組み

肌のターンオーバーは、何度も周期的に繰り返されます。

この仕組みがあることで、肌を構成する細胞が水分を維持しやすくなり、肌の健康状態を保ちます。

約14日で肌の基底層で新しい皮膚細胞がつくられる

肌は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の大きく3つの層で構成されています。

肌のターンオーバーは、肌表面に近い層である「表皮」で行われます

表皮は、肌の奥の層から順に「基底層(きていそう)」→「有棘層(ゆうきょくそう)」→「顆粒層(かりゅうそう)」→「角質層」の4層で構成されています。

そのうちの最下層である「基底層」で、まずは、約14日かけて新しい皮膚細胞が作られます。

この新しい皮膚細胞は健康な肌をつくる基礎となり、徐々に上層へと移動していきます。

約14日で新しい皮膚細胞が肌表面へと押し上げられる

肌の基底層でつくられた新しい皮膚細胞は、約14日かけて徐々に肌の表面へと押し上げられていきます。

この過程は、「角化(かくか)」とも呼ばれます。

肌表面に細胞が移動するのに伴い、細胞間の結合を強めることで、外部の刺激から肌を守る働き(バリア機能)が強化されていきます。

古い肌細胞が剥がれ落ちて新しい皮膚細胞に入れ替わる

肌のターンオーバーを経て、もともと肌表面にある古い皮膚細胞は、垢となり剥がれ落ちます。

肌表面にある皮膚細胞は、角質層を形成しており、徐々に老化して古い角質となります。

そして、肌表面から剥がれ落ちることで、新しい皮膚細胞に入れ替わります。

そのため、肌のターンオーバーが定期的に行われず、古い細胞がうまく剥がれ落ちないと、肌がくすんで見えたり、肌トラブルが起きる可能性を高めてしまうのです。

年齢や肌状態によって周期は変動する

肌のターンオーバーの周期には、個人差があり、年齢や肌状態によっても周期は変動します。

加齢に伴い周期が遅くなる

一般的に、20代のターンオーバーの周期は、約28日と言われています。

ただし、基底層での肌細胞の生産効率は年齢とともに、低下するため、年齢を重ねるに連れてターンオーバーの周期は遅くなっていきます。

ターンオーバー周期の目安

年代 20代 30代 40代
ターンオーバー周期 約28日 約40日 約55日

一般的なターンオーバーの周期は「年齢×1.5」の計算で求められます。ただし、ターンオーバーの周期に関しては諸説があり、個人差も大きいので、あくまでも参考程度になります。

肌の状態が悪いと周期が乱れる

肌に水分が不足していたり、ダメージを多く受けている状態では、肌のターンオーバーの周期が乱れやすくなります。

特に、肌の乾燥や皮脂の過剰分泌は、ターンオーバー周期の乱れに影響します。

乾燥により水分量が低下すると、新しい細胞がつくられづらい状態となってしまいます。

一方で、皮脂量が多いと古い角質が垢として剥がれ落ちにくくなります。

また、肌に傷があると、傷を修復することが優先されて、結果としてターンオーバーの周期が遅れる可能性があります。

周期が長くなると肌トラブルが起きやすくなる

ターンオーバーの周期が長くなると、古い細胞の排出と新しい細胞の補充がうまくいかなくなります。

その結果、ニキビやシミ、シワ、たるみなどが発生しやすくなります。

ターンオーバーの周期の乱れで発生しやすい肌トラブル

ニキビ ターンオーバーが乱れて、古い角質が排出されない。
→角質が皮脂などと混ざり、毛穴に詰まりニキビが発生する。
→ニキビの原因菌であるアクネ菌が繁殖し、炎症性のニキビに発展する。
シミ ターンオーバーが乱れて、シミのもとのメラニンが排出されない。
→肌の層にメラニンが蓄積されて、シミとなり現れる。
→メラニンがさらに増えて、シミが濃くなる。
シワ ターンオーバーが乱れて、皮膚細胞の入れ替わりができない。
→水分を保持することが難しく、乾燥する。
→表皮や真皮が乾燥して、シワが発生する。
たるみ ターンオーバーが乱れて、皮膚細胞の生成が行われない。
→水分を維持することが難しく、乾燥する。
→肌全体を下から支える真皮の力が弱まり、肌がたるむ。

肌のターンオーバーが乱れる原因

肌のターンオーバーの周期は、体調や生活習慣の影響を受けて変動します。

ターンオーバーの周期を乱す可能性のある要因を見ていきましょう。

血行不良や基礎代謝の低下

血行不良になると、肌の細胞に必要な酸素や栄養素が行き届きにくくなります。

これにより、健康な皮膚細胞の生成が阻害されることで、ターンオーバーの周期を乱す可能性があるのです。

便秘冷え性で、血行不良が起こりやすくなるため気を付けましょう。

また、脂肪を燃焼したり、血行を促進してエネルギーを生み出す働きである基礎代謝の低下もターンオーバーの周期を乱す可能性があります。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、ターンオーバーの周期に影響を与えます。

例えば、以下のような習慣や状態を続けてしまうと、ターンオーバーの周期が乱れやすくなります。

  • 睡眠不足
  • 栄養バランスを欠いた食生活
  • 極端なダイエット
  • ストレス
  • 飲酒や喫煙
  • 運動不足

特に、肌のターンオーバーは睡眠中に活発に行われるため、睡眠不足には注意しましょう。

外部からの肌へのダメージ

紫外線や摩擦、乾燥などの外部刺激は、ターンオーバーの周期を乱す要因となります。

肌は成熟した肌細胞が、肌表面にあることで、外部の刺激から肌を守る役割を果たしています。

しかし、紫外線・摩擦・乾燥などの影響が強いと、バリア機能が破られてしまい、肌内部までダメージが及びます。

これにより、肌の層で十分な水分を維持することが難しくなると、正常な肌のターンオーバーが妨げられてしまいます。

また、肌の乾燥が進むと、肌の表面が分厚くなる「角質肥厚」が起きて、古い角質が排出されづらくなる悪循環が生まれます。

肌のターンオーバーを促進する方法

肌のターンオーバーを促進するには、日頃のケアや生活習慣を見直すことが大切です。

具体的には、以下の内容を実践してみてください。

生活習慣を見直す

まずは、体調を整えることで、肌の新陳代謝を促進していきましょう。

ストレスを解消する

ストレスの蓄積により、ホルモンバランスが乱れると、女性ホルモンであるエストロゲン分泌が減少します。

エストロゲンが減少すると、コラーゲンが十分に生成されないため、ターンオーバーが乱れやすくなります。

軽い運動や好きなことをして過ごす時間を確保して、ストレスを解消しましょう。

タバコや過度な飲酒を控える

タバコやアルコールは、代謝機能や血液の循環に悪影響を及ぼすと言われています。

過度な量や高頻度での、タバコやアルコールは控えるようにしましょう。

1日8時間を目安に睡眠をとる

質のよい十分な睡眠は、肌のターンオーバーを促進させるために欠かせません。

ターンオーバーを促進する成長ホルモンは睡眠中に分泌されるためです。

また、成長ホルモンが最も分泌しやすいと言われている入眠後の3〜4時間で良質な睡眠をとることが有効です。

寝る3時間前に有酸素運動を30分〜1時間ほど行い、寝る1〜2時間前に入浴して、入眠時に副交感神経が優位に働かせるようにしましょう。

肌の健康状態を保つ

肌の状態を健康に保ち続けることで、肌のターンオーバーは促進されます。

日々のスキンケアやインナーケアなどを中心に、肌の健康をキープしましょう。

洗顔・保湿を徹底する

洗顔と保湿で肌の清潔さと、うるおいを保つことはスキンケアの基本になります。

泡で顔を洗う

水だけの洗顔は汚れを落とし切れません。一方で、汚れを落とそうとゴシゴシ擦ってしまうと、摩擦が肌への負担となります。必ず泡立てた洗顔料で、優しく包むように肌を洗浄しましょう。

すぐに化粧水を塗る

洗顔後は、水分が特に蒸発しやすく乾燥しやすいタイミングです。洗顔後はすぐに化粧水で保湿しましょう。500円玉くらいの化粧水を手に取り、強くはたかずに、肌に密着させるようになじませていきます。

乳液でフタをする

化粧水だけのケアでは、まだ水分が蒸発しやすい状態です。乳液・クリームを使って、水分を逃さぬようにフタをしましょう。

さらに詳しいスキンケア方法は以下をチェック

【目指せ美肌!】正しいスキンケア方法で美肌を手に入れよう

紫外線対策を行う

紫外線は、肌にとってかなり負担となります。

そのため、日中は、日焼け止め効果の持続時間の目安である2時間程度の間隔で日焼け止めを塗り直しましょう。

シーンに合わせて日焼け止めを使い分けよう

SPF値やPA値の数値が高いほど、防御効果を期待できますが、その分肌への負担が大きく刺激となりやすくなります。

長い時間屋外にいる場合は、SPF30以上・PA++以上の日焼け止め、夏季などの日差しが強い日の外出では、SPF50以上・PA++以上などの日焼け止めを選んでみてください。

肌をつくるのに必要な食べ物を摂る

肌をつくる栄養素が不足することでも、肌のターンオーバーは乱れます。

タンパク質やビタミン類は、積極的に摂りましょう。

肌をつくる栄養素 働き 豊富に含まれる食材
タンパク質 肌細胞の生成 肉類・魚介類
ビタミンA 肌細胞の増殖 レバー・ウナギ
ビタミンB群 新陳代謝の活性 ささみ・バナナ
ビタミンC コラーゲンの合成 柑橘類・ブロッコリー
ビタミンE 血行促進 ナッツ類・アボカド

栄養バランスだけではなく、食習慣を見直すことも肌のターンオーバーの促進に良い影響をもたらします。

以下のような食習慣には、気を付けましょう。

ターンオーバーが乱れやすくなる食習慣

食べ過ぎ 必要以上の食事は、胃腸に負担をかけます。胃腸の働きが鈍ると肌の新陳代謝も低下するため、1日3食で腹8分目の食事が理想的です。
朝食を抜く 朝食を抜くと基礎代謝が下がり、ターンオーバーの周期も遅れてしまいます。スープや軽食など、少しでも朝食をとり、代謝をあげましょう。
水を飲まない 水分が不足すると酸素や栄養素の循環が悪くなり、ターンオーバーを乱れさせます。2時間おきにコップ1杯程度の水分をとるのが理想的です。

ターンオーバーを促進するサプリメントを摂る

バランスのよい食事をとるのが難しい方は、サプリメントで栄養を補うことも一つの手です。

肌のターンオーバーを促進するには、さまざまな栄養が必要ですが、特にタンパク質や脂質の代謝に欠かせないビタミンB2・ビタミンB6を意識的にとりましょう。

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定期的に運動する

運動不足は、血流の悪化や基礎代謝を低下させてしまいます。

血流を促進するウォーキングや水泳などの有酸素運動を毎日30分ほど取り入れるのが効果的です。

肌のターンオーバーが早すぎてもNG

肌のターンオーバーは、促進すればするほど、美肌効果を得られるとは限りません。

ターンオーバーのスピードが速すぎると、細胞間どうしの結合が弱く未熟な皮膚細胞が肌表面に現れてしまうためです。

通常、肌のターンオーバーでは、「基底層」でつくられた新しい細胞が、肌表面に近づくにつれて、結合を強めて強い肌細胞が形成された状態になっていきます。

しかし、大急ぎで作られた未熟の肌細胞が肌表面に現れると、水分を十分に保てなかったり、些細な刺激でも大きなダメージを受ける肌になってしまう可能性が高いのです。

そのため、肌のターンオーバーは、正常の周期やスピードが保たれていることが大切です。

肌のターンオーバーを整えるには美容内服薬も効果的

加齢とともに、周期が遅くなるターンオーバーは、美容内服によって促進させるのも、一つの手です。

美容内服は、肌悩みの改善に効果的な有効成分が含まれた医療用の医薬品を指します。

ターンオーバー促進作用を持つ美容内服の処方例

ユベラ ハイチオール ミヤBM
ビタミンEが主成分の医療用医薬品。血行促進作用で、肌のターンオーバーを促します。強い抗酸化作用を持ち、シワやたるみ・シミなどの改善効果を期待できます。 L-システインというアミノ酸を主成分とする医療用医薬品。肌のターンオーバーの促進や代謝促進作用、抗酸化作用や疲労回復作用などを持ちます。 酪酸菌を主成分とする整腸剤。腸内環境を整えることで肌のターンオーバーを促します。ニキビやアトピー性湿疹の改善にも効果的です。

美容内服を始めるには、医師の診察を受けたうえで、処方を受ける必要があります。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

都丸真依子 医師

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当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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