口周りが乾燥してヒリヒリと痛い…。
何を使えば、この乾燥を抑えられるんだろう?
口周りの乾燥が進むと、皮がむける・粉吹きするなどの症状が現れる場合があります。
毎年同じ季節に、口周りの乾燥に悩まされているという方もいるかもしれません。
本記事では、口周りの乾燥の原因や治し方などを解説します。
この記事でわかること
- 口周りは皮膚が薄く乾燥しやすい部位
- 口周りの乾燥を放置すると皮剥けや出血など重症化することがある
- 口周りの乾燥の改善には外部と内部両方からの保湿が欠かせない
目次
口周りが乾燥しやすいのはなぜ?
いつも口周りばかりが乾燥するという方もいるかもしれません。
実は、口周りは、もともと乾燥しやすい性質を持っています。
ここでは、口周りが乾燥しやすい3つの理由を紹介します。
口周りの性質を知ることで、効果的な対処方法の理解を深めましょう。
皮膚が薄い
口周りは皮膚が薄いため、乾燥しやすい性質を持ちます。
具体的には、目元の皮膚と同じくらいの薄さと言われており、目の下の皮膚の厚さは約0.5~0.6mm程度。
ゆで卵の薄皮に匹敵するくらいの厚さです。
一般的なシャーペンの芯が5mmということを考慮すると、とても薄いことがわかりますね。
皮膚が薄いと、外部からの刺激を受けやすくなります。
もともと水分が蒸発しやすいうえに、外部からの刺激を受けることで、より乾燥が進んでしまうのです。
皮脂量が少ない
口周りは、皮膚のうるおいを保つために必要な皮脂量が少ないため、乾燥しやすい性質を持ちます。
皮脂は、肌の表面に皮脂膜の役割を果たし、皮脂膜があることで、水分が蒸発しづらくなります。
口周りには、皮脂を分泌する皮脂腺の量が少ないため、皮脂量が少なくなってしまうのです。
口の周りの皮脂量は鼻の皮脂量の、およそ二分の一程度という研究結果も出ています。
日常生活で刺激を受けやすい
口周りは手で触れたり、食べ物や飲み物が触れる機会が多く、日常生活で刺激を受けやすい部位です。
食事の際や歯磨き、マスクの着脱など生活の中で、物や手の接触が起こる回数が多いです。
つまり、皮膚に刺激が生じる頻度が多いため、肌表面が傷つきやすいのです。
肌が摩擦などの刺激を受けると、肌を外部の刺激から守るバリア機能が低下します。
肌のバリア機能には、水分の蒸発を防ぐ役割もあります。
このように、肌のバリア機能が低下するきっかけが多いことでも、口周りは乾燥しやすいのです。
口周りの乾燥を引き起こす原因
口周りは、皮膚が薄く日常的に刺激を受けやすいことから、もともと乾燥しやすい部位の一つです。
ここからは、口周りの乾燥を引き起こす直接的な原因を解説します。
特に、生活習慣に関わる行動が多いため、注意しましょう。
摩擦刺激を受けている
皮膚が物理的に刺激を受けると、肌の水分や油分を保持するバリア機能が低下します。
特に、口周りは、日常生活の中で、摩擦の刺激の影響を受けて、肌のバリア機能が低下し、乾燥していることがあります。
具体的には、次のような行動で、摩擦刺激が生じてしまいます。
- 口周りをティッシュで強く擦るように拭く
- 洗顔時にゴシゴシと洗っている
- マスクを着用しながら会話をする
マスク着脱時の急な温度・湿度差
マスクを着用している際は、マスク内は高温多湿の状態が保たれています。
しかし、マスクを外す際に、急激にマスクの中の水分が蒸発します。
マスクを着脱を通して、肌の水分量を一定に調節できないと、口周りが乾燥してしまいます。
口周りを舐めている
口周りを頻繁に舐めていると、乾燥を誘発します。
舌で口周りを刺激することで、潤いを保つ皮脂膜が剥がれやすくなります。
唾液が蒸発する際に、肌に必要な水分まで一緒に蒸発してしまうためです。
また、消化液である唾液には、刺激性があり、肌のバリア機能を低下させる一因となります。
潤いがないからと口周りを舐める行動は、かえって乾燥を悪化させるため、気を付けましょう。
メイクの厚塗り
メイクの厚塗りは、口周りの乾燥を招きます。
例えば、ファンデーションやフェイスパウダーを塗りすぎると、皮脂が余分に吸収されてしまいます。
メイク厚塗りで、皮脂が奪われると、肌を守る皮脂膜の力が弱まり、乾燥してしまうのです。
また、厚塗りしたメイクを落とそうとして、強く擦ることも乾燥につながるため、注意しましょう。
塗り薬の成分が合っていない
口周りが乾燥する一因には、塗り薬の成分と相性が悪いことが挙げられます。
副作用に「乾燥」の症状がない場合でも、肌にとって成分の刺激が強いと、乾燥してしまうことがあります。
また、肌のターンオーバーを促す作用や角質剥離作用を持つ薬を使っている場合は、肌細胞が水分を保持する力が弱まり、乾燥しやすいかもしれません。
口周りの乾燥でよく見られる症状
口周りの乾燥では、さまざまな症状が見られます。
乾燥が慢性化して、症状が悪化すると、作用の強い治療薬を用いた治療が必要になります。
以下では、口周りが乾燥したときに、よく見られる症状を紹介します。
皮がむける
口周りが乾燥していると、皮がむけることがあります。
肌は通常、肌細胞が水分を保持していることで、うるおいを保っています。
しかし、乾燥によって、肌細胞の水分が奪われると、肌表面の角質がめくれて、剥がれてしまいます。
かゆみやヒリヒリ感がある
口周りの乾燥によって、かゆみやヒリヒリ感が生じることがあります。
乾燥により肌のバリア機能が低下すると、肌が外的刺激に対して敏感になります。
肌のバリア機能が低下した状態では、些細な外的刺激にも反応して、かゆみやヒリヒリ感が起こってしまいます。
唇の横の口角に炎症が起きると「口角炎」と呼ばれる皮膚疾患にあたいします。
赤みが出る
口周りが乾燥すると、皮膚が赤みを帯びることがあります。
皮膚は乾燥すると、外部の刺激を受けやすくなり、外部の何らかの刺激物に反応して赤くなることがあります。
皮膚が刺激を受けると、血管が拡張することがあります。
血管が拡張したまま、収縮されない状態が続くと、皮膚が赤い状態が続きやすくなります。
粉吹きを起こす
乾燥によって、口周りに粉吹きを起こすことがあります。
粉吹きとは、乾燥した肌表面の角質がめくれあがり、白く粉を吹いたように見える状態のことです。
皮むけは、肌のバリア機能が低下することや炎症のダメージを伴うことで発生しやすい傾向にあります。
表皮全体が大きな範囲で剥がれ落ちるのが皮むけです。
それに対し、粉吹きは、水分が失われて、古い角質がこまかく剥がれ落ちている状態と言えます。
口周りの乾燥への対処法
口周りの乾燥を感じたら、すぐに保湿ケアを始めて、継続することが大切です。
以下では、市販のアイテムで行える対処法を3つ紹介します。
ワセリンなどの市販薬を塗る
口周りの乾燥には、まずワセリンや市販薬で保湿するのがおすすめです。
口周りは、薬や化粧品の成分の刺激によって、赤み・かゆみなどが発生する懸念もあります。
特に、ワセリンは、一般的な外用では、基本的に副作用がないため、乾燥で敏感な状態の口周りの乾燥に相性が良いと言えます。
ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー
純度の高い白色ワセリン。
こっくりとした使用感で、摩擦から肌を守ります。
無香料・無着色・防腐剤無添加などで、赤ちゃんの肌にも使えます。
フェルゼアプレミアム HPバーム
口周りなどの乾燥に、しっかり密着して保湿する濃厚なバームタイプの市販薬。
肌の保水力を再生するヘパリン類似物質を配合しています。
血行促進作用や抗酸化作用のあるビタミンEも含まれています。
フルコートF
フルオシノロンアセトニというステロイド成分が配合されている軟膏。
フラジオマイシン硫酸塩によって細菌の増殖を防ぎます。
乾燥による湿疹やかぶれ、炎症が出ている場合に改善効果を期待できます。
リップクリームを塗る
口周りが乾燥する際は、リップクリームを塗りましょう。
唇や、口周りを舌で舐めてしまうと、肌に刺激となったり、唾液と一緒に水分が蒸発して乾燥を招きます。
リップクリームを塗って、唇の渇きを防ぐことで、唇を舐める行為を防止できます。
DHC 薬用リップクリーム センシティブ
荒れやすい敏感な唇の乾燥を防ぐ低刺激性の薬用リップクリーム。
保湿成分のセラミドやホホバ油、敏感肌のことを考慮したアロエエキスなどのトリートメント保湿成分が配合されています。
するすると唇にのびるなめらかな使い心地で、みずみずしい状態の唇へと整えます。
保湿力の高い基礎化粧品を重ね塗りする
口周りが乾燥している際は、スキンケアで、保湿が十分に行き届いていない可能性が高いです。
特に、こまかな口周りには化粧水や乳液を塗り忘れてしまう方も多いかと思います。
高保湿タイプなどの保湿力の高い基礎化粧品を重ね塗りして、乾燥を防ぎましょう。
無印良品 化粧水 敏感肌用 高保湿
3種の植物エキスとセラミド、5種のアミノ酸を配合している高保湿タイプの化粧水です。
高保湿ながら、ベタつきにくいテクスチャーが特徴です。
無印良品 乳液 敏感肌用 高保湿タイプ
上記で紹介した化粧水と同シリーズでの、高い保湿力を期待できる乳液。
弱酸性・パラベンフリー・アルコールフリーなど、肌が比較的弱い方にも使いやすい低刺激な設計です。
口周りの乾燥が重症化した場合の治し方
口周りの乾燥が重症化している場合は、処方薬を用いて治療を進めましょう。
処方薬で治療を進めるには、医師による診察が必ず必要になります。
受診することで、自身の症状の把握にもつながるため、効果的な治療を進めやすくなります。
外用薬での治療方針が組まれるケースが多いですが、症状の種類や進行度合いに合わせて、内服薬が処方されることもあります。
皮膚科の外用薬を塗る
皮膚科では、口周りの乾燥による症状に対して、外用薬が処方されることがあります。
薬の種類や個人の症状により、用法・用量が異なる場合があるので、医師の指示に従って使用してください。
ヒルドイド
「ヒルドイド」は、肌の保水力を高めるヘパリン類似物質が配合された外用薬です。
抗炎症効果があるため、かゆみ・赤みなどを伴う皮膚の改善効果を期待できます。
ただし、かぶれ・傷口などへの塗布は避けてください。
症状に合わせて、軟膏・クリーム・ローション・フォームの4つの油分やテクスチャーの違う種類のものが処方されます。
ヒルドイドについてさらに詳しく配下へ
【医師監修】ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の美容効果と正しい使い方を解説!パスタロン
「パスタロン」とは、尿素が含まれる外用薬です。
尿素の水分保持作用により、角質をやわらかくして、皮膚の乾燥を防ぎます。
炎症や亀裂を伴う部分には、刺激となる場合があるので、使用しても問題ないか医師に確認しましょう。
通常は、1日に2~3回、清潔にした患部に塗りこんで治療を進めます。
皮膚科の内服薬を接種する
口周りが乾燥している場合は、外用薬に加えて内服薬を併用して、治療を進めるのが効果的です。
特に、皮むけなどの症状がある場合は、乾燥がひどい状態のため、肌に必要な成分を内側からも補うことが必要です。
肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常化させるためにも、血行促進作用を持つ内服薬を接種すると良いでしょう。
血行促進作用を持つ市販薬・処方薬を2つずつ紹介します。
【市販薬】ユベラックス
ビタミンEを成分に含む市販の内服薬。
血行を促進して、肌のターンオーバーを正常化させて、乾燥しづらい健康な状態の肌細胞を保つことを助けます。
ビタミンEには、抗炎症作用があるため、乾燥して炎症が出やすい方などにも相性が良い場合があります。
【処方薬】ユベラ
ユベラは、ビタミンEを主成分とする内服薬です。
血行を促進する作用と抗酸化作用で、肌のターンオーバーを促進して、肌がうるおいを保ちやすい状態へと導きます。
【処方薬】温清飲(ウンセイイン)
温清飲(ウンセイイン)は、皮膚がカサカサしている状態の方に処方されることがある漢方薬の一つ。
肌をしっとりとさせる効果や、皮膚のかゆみ・炎症を抑える効果を持ちます。
外用薬・内服薬を含む処方薬で、治療を進めたい場合は医師から処方を受けることが必要です。
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口周りの乾燥の予防方法
口周りの乾燥がよく起こりやすい方は、以下の予防方法を継続しましょう。
外部の刺激から肌を守るのに加えて、身体の内側に水分を補うことが大切になります。
具体的には、以下の6つの予防方法で口周りの乾燥を防ぎましょう。
部屋の湿度を一定に保つ
乾燥した室内にいると、肌も水分を奪われ乾燥してしまいます。
乾燥を防ぐためには、部屋の湿度を一定に保ちましょう。
部屋の湿度は、40~60%程度が理想的とされています。
加湿器などを用いて湿度を一定に保ちましょう。
肌に優しい素材のマスクを使う
マスクを着用しながら喋るたびに、肌には摩擦が生じて、乾燥しやすくなります。
できるだけ、マスクによる摩擦を防ぐためには、肌に優しい素材のマスクを使いましょう。
肌に優しい素材としては、綿やシルク素材を選ぶのが理想的です。
不織布のマスクを使わなければいけない場合は、間にガーゼを挟むなどをして摩擦を軽減しましょう。
日焼け止めを塗る
紫外線を浴びると、肌のバリア機能が低下して、肌が乾燥しやすくなります。
そのため紫外線対策をすることは重要です。
特に、肌が乾燥しやすい方、または、敏感な状態の場合は、低刺激設計の日焼け止めを選ぶと良いでしょう。
口周りを極力触らない
口周りをむやみやたらに触ると、摩擦が生じて、バリア機能が低下することで、乾燥を招きます。
かゆい場合は、氷のうで冷やすなどで、引っ掻かないように心がけましょう。
手指には、細菌が繁殖しやすく、肌に付着することで炎症を引き起こす要因にもなるので気を付けましょう。
撫でるように優しく洗顔する
口周りは、ゴシゴシと擦らず、泡で撫でるように優しく洗顔しましょう。
皮膚の薄い口周りを擦ってしまうと、必要なうるおい成分や皮脂まで落としやすくなります。
手が肌に直接触れて摩擦が生じるのを防ぐために、泡を立てて、直接肌に手を触れずに優しく洗顔しましょう。
乾燥がひどい場合は、洗顔料を使った洗顔を避けたほうが良い場合もあるので、注意しましょう。
水分や栄養を補給する
口周りの乾燥を予防するには、肌の健康状態を保つ水分や栄養を補給しましょう。
乾燥している患部へのダメージを抑えたり、保湿剤を塗ることも大切ですが、水分や栄養が不足していると、肌のうるおいを保ちにくくなります。
特に、肌の健康状態を保つビタミン類やうるおいを保つセラミドなどは、意識して摂るといいでしょう。
バランスの良い食事を継続して摂るのが難しい方は、サプリから補給するのも一つの手です。
また、季節を問わずに、こまめに水分を補給しましょう。
DHC セラミドモイスチュア
肌の潤いを維持するグルコシルセラミド成分が配合されています。
肌のバリア機能の維持を助け、栄養不足による乾燥を防ぎやすくなります。
DHC マルチビタミン
ビタミンC・ビタミンE・ビタミンB群など、肌の健康状態を保つのに欠かせない11種類のビタミン成分が配合されています。
野菜・果物を日頃からあまりバランスよく摂れていない方に、おすすめです。
口周りの乾燥が治らない場合は皮膚科や美容皮膚科を受診
「口周りの乾燥」を治すには、化粧品や医薬品で保湿することが基本になります。
なかでも、症状が悪化している場合は、処方薬での治療が効果的です。
そのため、口周りが乾燥してお困りの方は、一度専門医に相談することをおすすめします。
皮膚科を受診しづらいという方は、ぜひオンライン診療サービスを活用してくださいね。
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