ヒルドイドの効果は以前美容目的で話題になり、最近では薬局でヒルドイドの類似品もよく見かけますよね。
では、美肌に良いというヒルドイドには具体的にどんな効果があるのでしょうか。
この記事では、ヒルドイドの効果、使い方、副作用や市販薬との違いについて詳しく解説しています。
この記事を読めば、ヒルドイドについて正しく理解することができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

東京総合美容医療クリニック
福田麻衣 院長
美容皮膚科/美容外科
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。
目次
ヒルドイドとは?
ヒルドイドとは、「ヘパリン類似物質」が主成分の「外用薬」のことです。
ヘパリン類似物質は、皮膚の細胞の保水力を上げる作用があるため、皮膚の乾燥を根本的に解決することができます。
そのため、50年以上も前からアトピーの治療や乾燥肌の改善のため病院で処方されてきました。
ヒルドイドの効果

「ヒルドイド」は以下のような症状がある人に効果的です。
- 皮脂の欠乏等による手指の荒れ
- ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症(乾燥してヒビが入って固くなってしまう症状)
- 手足のひび・あかぎれ・乾皮症・小児の乾燥性皮膚(顔、体)
- しもやけ(ただれを除く)
- きず、やけどのあとの皮膚のしこり・つっぱり(顔面を除く)
- 打撲・捻挫後のはれ
- 筋肉痛・関節痛
- しもやけなどによる炎症皮膚細胞に水分補給するなどの保湿効果
これらの症状に効果があるのは、ヒルドイドに含まれているヘパリン類似物質には主に「血行促進」「保湿」「抗炎症作用」の3つの作用があるからです。
それぞれの作用についてさらに詳しく見ていきましょう。

血行促進
「ヘパリン類似物質は真皮の上の基底層まで浸透し、血行を促進する効果があり皮膚の新陳代謝を促します。
しもやけによる痛み、打撲、捻挫、筋肉痛、関節痛を和らげるのに効果的です。
また、血液が固まるのを防ぐことができ、より早く傷跡の完治を目指すことができます。
ヒルドイドの特徴である血液凝固を防ぎ血流を良くする効果は「打ち身、血栓性静脈炎、痔核」といった一見、皮膚とは関係のないような治療にも使われています。
保湿
ヒルドイドには角質層の水分を保持してくれる働きがあり、肌本来の保湿能力を取り戻し、乾燥を根本的に解決してくれます。
他のおもな保湿剤(ワセリン、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸」と比較しても一目瞭然です。
肌のカサつきやごわつきを改善するだけでなく、シミ・ニキビ・毛穴の開き・シワといった乾燥を要因とした肌トラブルの改善にも効果的です。
抗炎症作用
皮膚の炎症を鎮めて、肌のバリア機能を強化し、皮膚自体の正常機能を回復させます。
手指の荒れ、ピーリング後などの刺激を受けて敏感になった肌に効果的です。
ヒルドイドの種類

ヒルドイドにはソフト軟膏、クリーム、ローション、フォームの4種類があり、それぞれ油分やテクスチャーが異なります。
軟膏が最も保湿力が高く、そのあとにクリーム、ローション、フォームが続きます。
べたべたとしていて保湿力が高い軟膏、クリーム。
広範囲に塗りやすくさらさらとしたテクスチャーのローションとフォーム。
それぞれの特徴を理解して、季節や塗る部位に応じて自分にあったタイプを選びましょう。
ヒルドイドソフト軟膏

保湿性が高く、塗布した箇所にしっかりとどまって密着するので部分使いに向いています。また、4種類の中で最も刺激が少ないのも特徴です。
テクスチャー | べたべたしていて固め |
季節 | 冬 |
ヒルドイドクリーム

水分メインで作られているため、テクスチャーが軽めで軟膏よりも伸びがよく、秋から冬の乾燥期に使いやすいです。
保湿力は欲しいけどべたつくのは嫌だなという方におすすめです。
テクスチャー | ソフト軟膏よりも伸びがよいが、ややべたつく |
季節 | 春、秋、冬 |
ヒルドイドローション

保湿力はクリームや軟膏には劣りますが、頭部など毛が生えている部分や顔や体の広範囲に塗るのに適しています。
稀に刺激を感じることもあるので、ひどい乾燥や肌がかなり弱い方はまずはソフト軟膏やクリームを使ってくださいね。
テクスチャー | 乳液のようにさらっとしている |
季節 | 春、夏、秋 |
ヒルドイドフォーム

缶に入っており、噴出するとキメ細かい泡状になっていて、時間が経つと化粧水のように液状化します。
ローションと同じく頭部など毛が生えている部分や顔や体の広範囲に塗るのに適しています。
ただ、人によっては保湿力に物足りなさを感じることがあります。
テクスチャー | 乳液のようにさらっとしている |
季節 | オールシーズン |
ヒルドイドの使用時の注意点・副作用
ヒルドイドは副作用がほとんどなく、全身の広い範囲に使うことができる薬として知られています。
しかし、ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質には血流の流れを促進し、血液を固まりにくくする働きがあるので
以下の症状の方は使用を避けるようにしましょう。
- 血小板減少症
- 紫斑病
- 出血性血液疾患(わずかな出血でも大事になってしまう)
また、ヒルドイドの使用にあたってごく稀に皮膚炎、搔痒症、発疹、発赤、過敏症、皮膚への刺激といった副作用が出ることもあります。
ヒルドイドは赤ちゃんにも使用できる薬
上記でも述べたように、ヒルドイドは大きな副作用が起こるリスクも非常に低く、赤ちゃんの保湿剤としても利用することができます。
入浴後やおむつ交換の後に、肌へ優しくマッサージをするように塗って、毎日の保湿ケアとして取り入れてみましょう。
ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質は、赤ちゃんの肌のバリア機能を強化してくれます。そのため、汗や擦れなどで起こる外部の刺激から守ってくれます。
ただし、ヒルドイドは血が固まるのを防ぐ効果があるので、かぶれや出血部分は避けて塗ってあげてくださいね。
ヘパリン類似物質を含む市販薬
これまででヒルドイドは乾燥対策や肌荒れ改善の効果が期待できることがわかりましたね。
さっそく使ってみたくなったのではないでしょうか。
薬局でも、ヘパリン類似物質を含む製品を購入することができます。
市販で売られているものはヒルドイドと同じヘパリン類似物質が100g中に0.3g含む「医薬品」とヘパリン類似物質が100g中に0.3g未満のデイリー使いに向く「医薬部外品・化粧品」に分類されます。
ヒルドイドと同じ効果が期待できる、市販薬を医薬品と医薬部外品・化粧品の2つにわけて紹介します。
ヘパリン類似物質を100g中に0.3g含む医薬品
ヒルドイドと同じ量のヘパリン類似物質を含む医薬品は以下の通りです。
ヒルマイルドは「ヘパリン類似物質を薬局やドラッグストアでも手に入れるようにして欲しい」という多数のご要望を受け、製品化されたものです。
ローション、クリームタイプがあり、2022年にはスプレータイプも発売しました。
スプレータイプは全身を簡単に保湿でき、特に背中などの手の届かないところの保湿をすることもできます。
ヒルドイドの効果をより身近にある製品で感じてみたいという方におすすめの製品です。
クリーム、ローションともに、なめらかな使用感で年間を通じて使いやすい製品です。
アルコール、ステロイドフリーなので敏感肌の方や赤ちゃんにも使うことができます。
ヘパリン類似物質はもちろん、傷ついた皮膚組織の修復を助けるアラントイン、肌の炎症を鎮めるグリチルリチン酸二カリウムが含まれているため、傷跡の治療により効果的です。
「日本人女性の手荒れ、肌荒れを、家庭でもケアできるようにしたい」という想いから生まれたブランドで、クリームとスプレーの二種類があります。
クリームは小さなチューブタイプになっていて、外出先に携帯してさっと使うこともできます。
スプレーは1プッシュで広範囲に広がり、逆さでも使えるので背中など手の届かないところが簡単に保湿できます。
日本で初めての「ヘパリン類似物質」と肌荒れ改善やアンチエイジングに効果がある「ビタミンE」を配合した、薬局で購入できる医薬品です。
バーム、クリーム、ミルクジェルがあります。
特にバームタイプは目元、口元の乾燥をピンポイントで保湿してくれます。
好みのテクスチャーのものを選んでくださいね。
なお、泡タイプの化粧水もありますが、ヘパリン類似物質の含有量はヒルドイドよりも少ないので、ヒルドイドと同濃度のものが欲しいという方には注意が必要です。
「かきむしり乾燥肌」に特化した治療薬です。
ヘパリン類似物質の他に、新陳代謝を促進し、肌の修復を助ける「パンテノール」、かゆみを鎮めるためのかゆみ止め成分「ジフェンヒドラミン」と「クロタミトン」が配合されています。
そのため、我慢できないかゆみを鎮め、かき跡を修復しながら、かゆい乾燥肌に効きます。
他のクリームタイプの製品よりも油分が多いのが特徴です。
オイルベースのクリームで水分蒸発を防いでくれるので肌のうるおいがしっかり持続します。
また、オイルベースですがべたつきは少なく、汗や水に強いので、水仕事が多い主婦の方、汗をよくお子さんでもより効果を実感できます。
これらの医薬品とヒルドイドの違いはマルホ株式会社が開発したヘパリン類似物質かどうかです。
どちらが効果があるとは一概には言えませんが、肌の状態により不安がある方は、皮膚科で処方されるヒルドイドを使用しましょう。
ヘパリン類似物質を100g中に0.3g未満の化粧品
マルホ株式会社が出している製品でヒルドイドと同じヘパリン類似物質が含まれています。
ヘパリン類似物質の含有量は明らかにされていませんが、抗炎症剤のグリチルリチン酸や独自の保湿成分が含まれており、日々のスキンケアとして気軽に取り入れることができます。
大容量200gのジェルタイプです。
さらっと伸びが良く、無着色・無鉱物油なのでお子さんも安心して使用することができます。
ヒルドケアは、パッケージの簡素化、広告活動が抑えられているので消費者は適正な価格で購入できます。
そのため、毎日全身に使いたいという方におすすめです。
ヘパリン類似物質による「保湿」とプラセンタエキスによる「美白」の効果が叶う化粧品です。
AdrySのローションとクリームは、サラッとした使用感で日々のスキンケアとして取り入れることができ、保湿と美白を同時にかなえます。
このように市販にもヒルドイドに含まれる血行促進作用、保湿作用、抗炎症作用の効果があるヘパリン類似物質を含む製品があります。
製品の種類(ローション、クリーム、スプレーなど)や製品に含まれる他の成分も吟味して、自分にあったものを使い分けるようにしましょう。
ヘパリン類似物質、美白有効成分のトラネキサム酸、肌荒れ防止有効成分のグリチルリチン酸ジカリウムによって「保水・美白・肌荒れ防止」が叶う製品です。
ローションとクリームがあり、ローションは200mlと大容量でコスパも良く、日常使いに向いています。
無香料、無着色、鉱物油フリー、アルコールフリー、パラベンフリーの5つの無添加を掲げており、子供や敏感肌の方でも安心して使うことができます。
クリームにはユズセラミド、ヨクイニンエキス、異性化糖といった保湿成分を配合しており、顔用の乳液としても利用することができるので、現在のスキンケアに手軽に取り入れることができますね。
手が荒れている方のために製品化された、ヘパリン物質配合の薬用ハンドクリームです。
べたつかず、さらっとした使い心地で、保湿成分のヘパリン類似物質と抗炎症有効成分のグリチルリチン酸ジカリウムが手の乾燥、肌荒れを防ぎ、潤いをもたらしてくれます。
水仕事やアルコール消毒で荒れた肌に効果的です。
肌荒れに本気で悩む人は皮膚科へ
これまでで、ヒルドイドは乾燥や肌荒れに効果的な、みんなが使えるものだということがわかりましたね。
また、ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質が含まれる製品は薬局で手軽に買うことができます。
ただ、アトピー性皮膚炎など強い乾燥に悩む方、打撲やあざの治療をされている方、傷跡が残る方に向けたケロイドなどにお悩みの方は、皮膚科を受診しヒルドイドを処方してもらうことをおすすめします。
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