レチノールの効果とは?ニキビ跡や毛穴への作用や注意点を解説

レチノールの効果は?具体的には何に効くの?

美容成分の一つとして「レチノール」という名前を聞いたことがあるという方は多いかと思います。

レチノールは、主に肌の新陳代謝を促すことで、美容効果をもたらします。
ただし、使用する上で注意が必要な点も多くあるため、事前に理解しておくことが大切です。

本記事では、レチノールの効果で改善される肌トラブル、使用上の注意点、使用が向かない人について詳しく解説していきます。
この記事を読んで、レチノールを効果的に取り入れ、美しく健康的な肌を目指しましょう。

この記事でわかること

  • レチノールはビタミンAの一種である
  • ニキビ・シミ・くすみ・シワ・毛穴の黒ずみなどの肌トラブルの改善を助ける
  • 副作用のリスクなどからレチノール使用には注意点がいくつかある

レチノールとは

レチノールは、様々な美容効果が期待できる成分として、比較的認知度が高い美容成分です。
まずは、レチノールとはどのような成分なのか説明します。

また、レチノールと名前が似た成分はいくつか存在しています。
名前の似た各成分の違いも一緒に解説していきます。

ビタミンAの一種

レチノールはビタミンAの一種です。
ビタミンAとは、油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンで、「肌のサビ」につながる活性酸素の除去や、肌のハリを保つコラーゲンの生成を促す作用を持ちます。

ビタミンAは、レチノイドとも呼ばれ、構造の違いにより、レチノール・レチナール・レチノイン酸の3つに分類されます。

刺激 効果 安定性
レチノール
レチナール
レチノイン酸

レチノール・レチナール・レチノインは、それぞれ、刺激の強さとそれに伴う効果や、構造の安定性が異なります。

レチノールが化粧品に配合される場合は、同様の作用を持つ「パルミチン酸レチノール」「酢酸レチノール」「プロピオン酸レチノール」が配合されていることがあります。
これら3つの成分は、体内で分解されてレチノールに変化します。
レチノールよりも安定性が高く、効果が弱いのが特徴です。

純粋なレチノールが配合されている場合は、「純粋レチノール」と表現るメーカーもあります。

トレチノインとは作用の強さが違う成分

トレチノインは、ビタミンAに分類される成分の中でも、刺激や効果が比較的強いレチノイン酸の一種です。
レチノールの約50倍以上の作用の強さを持つと言われています。

作用の強さから、トレチノインの化粧品への配合は認められていません。
医療機関で処方される医薬品のみへの配合が可能なトレチノインを使用するには、医師からの処方が必要です。

トレチノインについては、以下で詳しく紹介していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

トレチノイン トレチノインの効果と使い方とは?ハイドロキノンとの併用療法や副作用も解説!

レチノールの効果

レチノールには、肌のターンオーバー促進作用を始めとする様々な効果があります。
ここからは、レチノールが持つ3つの美容効果について詳しく説明していきます。

肌のターンオーバーを促進する

レチノールには、肌のターンオーバーを促進する効果があります。

肌のターンオーバーとは、肌の細胞が生まれ変わる仕組みのことです。
肌細胞が生まれ変わる周期は、20代では約28日で、この期間に肌表面の細胞が新しいものへと入れ替わります。
肌のターンオーバーの周期は、加齢とともに、長くなっていきます。

肌のターンオーバーの周期が長くなると、古い角質の排出が滞り、毛穴に皮脂が詰まりやすくなります。
また、シミのもととなるメラニン色素の排出も滞ることで、シミやくすみが増えやすくなります。

レチノールには、肌表面に近い表皮の細胞分裂を活性化させることで、肌のターンオーバーを促進する効果があります。
この働きにより、シミやくすみ、皮脂の毛穴詰まりの解消を助けます。

また、肌のターンオーバーが正常に行われると、細胞が新しく生まれ変わることで、外部の刺激や乾燥の影響を受けにくい肌状態を保ちやすくなります。

コラーゲン・ヒアルロン酸の生成を促進する

レチノールには、肌のハリを保つコラーゲン・ヒアルロン酸の生成を促進する効果があります。

肌の奥の層にあたる真皮には、線維芽細胞と呼ばれる細胞が存在しています。
線維芽細胞には、肌の弾力を保つコラーゲンやヒアルロン酸などを生成する役割があります。

レチノールには、線維芽細胞を刺することで、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す働きがあります。
さらに、コラーゲンがコラーゲン分解酵素によって分解されるのを抑える働きもあります。
そのため、レチノールを使用することで、肌のハリの維持して、シワの改善を助ける効果が期待できます。

皮脂の過剰生成を抑える

レチノールには、皮脂の生成量を調節する効果があります。
皮脂には、肌からの水分を逃がさないようにする役割があります。
肌表面に、ある程度の皮脂量があることで、水分の蒸発を防げるのです。

そのため、皮脂が不足すると、肌が乾燥するのを防ぐために、皮脂の分泌が促されてしまいます。

ビタミンA(レチノール)は、皮脂や天然保湿因子の生成を促して、肌のうるおいをキープする作用を持ちます。
そのため、ビタミンAを補うことで、皮脂の過剰分泌を防ぎ、ニキビや毛穴詰まりの解消を助ける効果が期待できます。

レチノールの効果で改善が期待できる肌トラブル

上記では、レチノールの効果は肌にどのように働きかけるかを解説してきました。
ここからは、レチノールの効果によって、どんな肌トラブルの改善が期待されるのかを紹介します。
レチノールは、自分の肌悩みの改善に効果がありそうかどうか、チェックしてみましょう!

ニキビ・ニキビ跡

レチノールには、ニキビ・ニキビ跡の改善を助ける効果を期待できます。
皮脂の過剰分泌を抑える効果と、肌のターンオーバーを促進する効果があるためです。

ニキビは、皮脂が毛穴の中に詰まってしまうことが原因の一つです。
レチノールには、皮脂の過剰分泌を抑制する効果があるため、ニキビの発生を防ぐ効果があります。
また、肌のターンオーバーを促進する作用で、炎症後に色素沈着してできたニキビ跡の改善も期待できます。

シミ・くすみ

レチノールには、シミ・くすみの改善を助ける効果を期待できます。
肌のターンオーバーを促進する効果があるためです。

肌のターンオーバーの周期が乱れると、シミのもととなるメラニン色素や、くすみのもととなる古い角質の排出が滞ります。
レチノールの肌のターンオーバーが促進する作用は、メラニンや古い角質の排出を助けることで、シミ・くすみを軽減します。

シワ・たるみ

レチノールには、シワ・たるみの改善に効果を期待できます。
肌のハリを保つコラーゲン・エラスチンの生成を促進する効果があるためです。

皮膚のたるみは、肌の弾力が低下することで、発生しやすくなります。
レチノールには、コラーゲン・エラスチンを生成する線維芽細胞の働きを活性化させる作用で、シミ・たるみの発生を防ぎます。

また、レチノールの肌のターンオーバーを促進する作用で、肌細胞が水分を保持しやすくなります。
これにより、乾燥から発生するシワの発生を防ぐことができます。

毛穴の黒ずみ

レチノールには、毛穴の黒ずみを軽減する効果を期待できます。
肌のターンオーバーを促進する作用と、皮脂の分泌量を調節する作用で、毛穴の皮脂詰まりの解消を助けるためです。

毛穴の黒ずみには、いくつか原因がありますが、皮脂の蓄積がそのうちの一つです。
レチノールは、皮脂の分泌量をコントロールして、毛穴に皮脂が詰まるのを防いでくれます。
その結果、皮脂詰まりによる毛穴の黒ずみが解消されることがあります。

レチノールの効果がないと言われる理由

レチノールには、様々な美容効果がある一方で、効果が感じられないと思う方も多数いるかと思います。
比較的肌への刺激が強い成分のため、使用方法を誤ると、期待していた効果が得られないことがあるためです。

レチノールの効果がないと感じる際に、考えられる理由を詳しく説明していきます。

「A反応」と呼ばれる副作用が出る場合がある

レチノールの使用では、「A反応」と呼ばれる副作用が出る場合があります。
A反応とは、レチノールやトレチノインを肌に塗布した後に見られる、皮むけや赤み、乾燥感などの症状です。

レチノールの作用で、急激に肌のターンオーバーが促進されることで起こります。
もともと肌にビタミンAが少ない人ほど起こりやすいと言われており、特に使い始めによく見られます。

A反応が、100%起こらないようにすることはできません。
ただし、できるだけA反応の発生を防ぐには、レチノールの使い方が重要になります。
使い初めは、刺激の少ない成分を使って、徐々に純粋なレチノール(ピュアレチノール)を使用しましょう。
レチノールの中でも比較的刺激の少ないパルミチン酸レチノール・プロピオン酸レチノール・酢酸レチノールを選択して、少しずつ肌を慣らしていきましょう。

また、使用前にパッチテストを行うと安心です。
パッチテストとは、特定の成分が肌に合うかどうかを直接肌に付けることで確認するテストです。

自宅でできるパッチテストのやり方
  1. 使用予定のレチノール配合の化粧品を耳の後ろに少量塗る
  2. 30分後、赤みやかゆみの症状が出ていないか確認する
    この時点で、肌に異常が現れた場合はすぐに洗い流し、使用を控えましょう。異常がなければそのまま様子を見ます。
  3. 「1.」の24時間後、赤みやかゆみの症状が出ていないか再度確認する
    ここまでの手順を経て肌に異常が出なければ、レチノールを顔に使用してみましょう。

肌が乾燥しやすくなる

レチノールの使用後は、肌のターンオーバーが促進されることにより、肌が乾燥しやすくなります。

急激に肌のターンオーバーが促進されると、肌細胞が未熟なまま、肌表面に現れてしまいます。
未熟な肌細胞は、細胞内に水分を保持する機能が十分でないため、肌が乾燥しやすくなるのです。

肌が乾燥すると、肌を外部の刺激から守るバリア機能が低下するため、肌トラブルが起こりやすくなります。


そのため、レチノールを使用するときは、保湿を欠かさないことが非常に重要です。
レチノール配合の化粧品の使用期間は、保湿力の高いアイテムをスキンケアと併用しましょう。

紫外線に当たると成分が分解される

レチノールは、紫外線に当たると分解されやすい性質を持ちます。
そのため、紫外線対策をせずに、レチノールを使ってしまうと、効果を実感できない可能性があります。

紫外線で分解されやすい性質から、レチノールは夜に使うのがおすすめです。
ただし、紫外線対策をしっかりすれば、朝の使用も問題ありません。
自分に合う使用方法で取り入れましょう。

レチノールに「光毒性」があるわけではない

レチノールには「光毒性」があると勘違いされることがあります。特定の成分を肌につけた状態で紫外線を浴びると、シミや炎症などの肌トラブルが生じることを「光毒性がある」と言います。レチノールは、紫外線に当たると分解される性質を持つのみで、光毒性があるわけではありません。

特定の成分と併用すると肌への刺激となる

レチノールには、併用すると、相性の悪い成分がいくつかあります。
具体的には「ピーリング成分」「ビタミンC」などが挙げられます。

なぜそれぞれの成分がレチノールとの併用に適さないのか理由を解説します。
安全にレチノールを使用するために、必ずチェックしましょう。

ピーリング成分

レチノールは、サリチル酸やAHA、PHAなどのピーリング成分とは併用できません。
ピーリング成分とは、肌に塗布すると、肌の角質を除去する作用を持つ成分を指します。

レチノールとピーリング成分を併用すると、肌に必要な角質まで剥がし過ぎてしまう懸念があります。
レチノールの肌のターンオーバーを促進する作用と相まって、角質が多く剥がれる可能性があるためです。
必要以上に角質を剝がしてしまうと、外的刺激から肌を守る力が弱くなり、肌荒れが起きやすくなります。

ビタミンC

レチノールは、ビタミンCとの併用に注意が必要です。
効果を発揮できる肌の適正pH(※)が異なるためです。
レチノールとビタミンCを混ぜて使用すると、効果が減少してしまう可能性があります。

レチノールとビタミンCをどちらも使いたい場合は、朝にビタミンCを使用して、夜にレチノールを使用するのがおすすめです。
レチノールは、紫外線に当たると分解される性質を持ちます。
そのため、レチノールは夜に使うことがおすすめです。
レチノールを夜に使うことがおすすめのため、ビタミンCを併用する場合は、朝に使うといいでしょう。

※肌のpHとは肌表面を薄く覆っている皮脂膜のpHのことで、アルカリ性・酸性のバランスが保たれていると、肌のバリア機能が働きやすくなります。

レチノールの効果と相性の悪い人

ここからは、レチノールの使用に注意が必要な人について紹介していきます。
レチノールを使用する前に、自分が当てはまらないかチェックしてみましょう。

妊娠中・授乳中の人

妊娠中・授乳中のビタミンA摂取量は、多すぎても少なすぎても胎児に悪影響を与えます。
化粧品に含まれるレチノール(ビタミンA)は、濃度が低く、皮膚から体内にあまり取り込まれないため、危険性は少ないと言われています。
ただし、100%安全であるという十分な根拠がなく、妊娠中・授乳中の安全性試験がなされていません。
そのため、多くの皮膚科では妊娠中・授乳中のビタミンAの外用は避けるよう指導されています。

敏感肌・乾燥肌の人

敏感肌・乾燥肌の人は、レチノールの使用に注意が必要です。
敏感肌の人は、レチノール成分の使用で、A反応によるかゆみや皮剝けが出やすい傾向にあります。
また、乾燥肌の人は、レチノールを使うことで、さらに乾燥してしまうことがあります。

敏感肌・乾燥肌の人がレチノールを使用したい場合は、パッチテストを行いましょう。
さらに、レチノールの中でも比較的刺激の少ないパルミチン酸レチノールやプロピオン酸レチノール、酢酸レチノール配合の化粧品を選ぶのがおすすめです。

酒さや乾癬の症状がある人

酒さや乾癬の症状がある人は、レチノールの使用ができません。

酒さは赤ら顔とも呼ばれ、顔に慢性的に赤みや湿疹のような症状が出る病気です。
ほてりやヒリヒリとした感覚が生じるのも特徴の一つです。
酒さの症状がある人は、レチノールの使用により赤みがひどくなることがあります。

乾癬は、皮膚が赤く盛り上がったり、皮膚の表面がぽろぽろと剥がれ落ちるといった症状が出ることを指します。
肌のターンオーバーの周期が非常に短くなっている状態のため、レチノールの使用が適しません。
乾癬が生じている肌に、レチノールを使用して、肌のターンオーバーの周期短くなると、肌のバリア機能が低下して、症状の悪化を招きます。

レチノールの選び方

レチノールの効果は分かったけれど、たくさんあるレチノール配合の商品の中から、どれを選べばいいのかわからないという方もいるかと思います。

ここからは、観点別にレチノール配合化粧品のおすすめの選び方を紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

副作用が気になる場合は市販の化粧品を選ぶ

レチノールの副作用が気になるという方は、市販の化粧品がおすすめです。
医師の処方なしで買える化粧品は、安全性を保つために低濃度でレチノールを配合して販売されています。
ただし、低濃度で肌への刺激を抑えることで副作用が出づらい分、高濃度のものよりかは、効果を感じにくくなります。

美容効果の高さを求める場合は医薬部外品を選ぶ

美肌効果を求める方は、医薬部外品として販売されているレチノールの使用がおすすめです。

厚生労働省から「シワ改善」の効果が認められている「純粋レチノール(ピュアレチノール)」は医薬部外品に配合されます。
「純粋レチノール」が配合されていない化粧品では、十分にレチノールの効果を感じられない場合があります。

例えば、医師や皮膚の専門家などが監修・開発したドクターズコスメには、高濃度でのレチノールやピュアレチノールが配合されている傾向にあります。

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特徴 レチノール0.25%配合
色むら・しみの改善
レチノール0.5%配合
・毛穴・小じわの改善
レチノール1%配合
肌質改善・ハリの向上
レチノール配合
目元や口元などの乾燥を和らげる

濃度の高さから、副作用の起こる可能性も高いため、購入には医療機関からの処方が必要ですが、効果の高い商品をお求めの方にはぴったりの商品です。

より詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

「ゼオスキン」の効果や肌悩み別の使い方を解説!セット毎の値段もチェック

レチノールの美容効果を高めるには医師に相談して継続的に使用しよう

レチノールの効果をより実感するには、低濃度のものから使用し始めて、徐々に高濃度のアイテムに切り替えていくことが効果的です。

レチノールは、比較的肌への刺激が強く、副作用が現れる可能性があるため、注意しましょう。

有効性の高いレチノール配合の化粧品を使用したい場合は、医師に相談の上、ドクターズコスメを処方してもらうのがおすすめです。
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この記事の監修医

東京山手クリニック

藤原東華 医師

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当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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