ヒルドイドはやめたほうがいいって本当?
普段からヒルドイドを使用していて、やめたほうがいいという噂を聞くと不安になりますよね。
実際、「ヒルドイドを使うと皮膚がたるむ」などという噂は、間違いです。
今回は、ヒルドイドをやめたほうがいいと言われている理由や、具体的に使用をやめたほうがいいケースについて解説します。
ぜひ、この記事を読んでヒルドイドに対する不安を解消してくださいね。
この記事でわかること
- ヒルドイドは本来治療目的で使用する医薬品の保湿剤
- 美容目的でヒルドイドを使用すると、かえって肌に悪影響を与える可能性がある
- ヒルドイドは炎症した患部の治療やニキビの治療には効果を発揮しない
目次
ヒルドイドはやめたほうがいい?使用しないほうがいいの?
ヒルドイドとは、保湿力の高い外用薬です。
本来、乾燥性の皮膚疾患などの治療目的で使用する医療用医薬品です。
治療目的での使用は認められている一方で、美容目的での使用は効果が認められていません。
その理由を以下で詳しく解説します。
治療目的での使用は認められている
ヒルドイドは、アトピー性皮膚炎に伴うかゆみや皮脂欠乏症(乾燥肌)の改善のために用いられる外用薬です。
「ヘパリン類似性物質」を主成分としており、抗炎症作用や過剰なコラーゲン生成を抑制する作用、保湿作用を持ちます。
これにより、主に以下の3つの効果が期待できます。
- 炎症が原因で起こる肌荒れの改善
- 盛り上がった傷跡の改善
- 乾燥防止
さらに詳しい効果は以下の記事へ
【医師監修】ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の美容効果と正しい使い方を解説!美容目的での使用や効果は認められていない
ヒルドイドの美容目的での使用や効果は認められていません。
ヒルドイドには、保湿効果がありますが、これは皮脂欠乏症(表皮角質の水分量が少なくかゆみを伴うほど乾燥している状態)に対してのみ確認されている効果です。
単に水分量が足りている皮膚に対しては、保湿剤としての効果は認められていません。
そのため、美容効果を求めて使用するのは、適切ではありません。
軽い乾燥のケアや乾燥を予防するために保湿剤を使用したい場合は、他のものを選択しましょう。
美容目的でヒルドイドの使用をやめたほうがいい理由
ヒルドイドは、美容目的での使用に適していません。
水分量が足りている肌に、美容目的で使用すると、かえって悪影響を与える懸念があります。
ここでは、ヒルドイドを美容目的で使わないほうがいい理由を、解説していきます。
化粧品のような美容成分は含まれていない
ヒルドイドは「アンチエイジングに良い」などの口コミも見受けられますが、肌を加齢に伴うダメージから守る美容成分は含まれていません。
化粧品には、肌にハリをもたらすコラーゲンやエラスチン、肌にうるおいを与えるヒアルロン酸などが含まれています。
一方、ヒルドイドの有効成分は「ヘパリン類似性物質」であり、そのような効果は報告されていません。
美容効果を求める場合は、ヒルドイドを使用するのではなく、美容成分が含まれる化粧品などを選択しましょう。
傷口の出血を招く恐れがある
ヒルドイドは、傷痕の治療に効果的な医療用医薬品ですが、傷口に使用すると出血を助長する恐れがあります。
ヒルドイドに配合される「ヘパリン類似物質」が血液凝固抑制作用や血行促進効果を持つためです。
そのため、ヒルドイドを使用する際は、傷口は避けて使用するようにしましょう。
乾燥していても、切り傷やかすり傷がある場合には、使用しないほうが良いと判断できます。
副作用が出る場合がある
基本的にヒルドイドは、肌への刺激を比較的抑えられている医療用医薬品と言われています。
現在のところ、ヒルドイドで皮膚以外への人体への影響を受けたという報告はありません。
しかし、稀に以下のような副作用が現れることがあります。
赤み・発疹
ヒルドイドを使用することで、まれに赤みやかゆみ、発疹、皮膚の刺激感を生じる場合があります。
血行促進作用を持つヒルドイドは、一定の皮膚への刺激を与える場合があるためです。
赤みやかゆみが生じた場合は、速やかに使用を中止し、医師に相談しましょう。
紫斑(しはん)
ヒルドイドを使用することで、紫斑(しはん)が生じる場合があります。
紫斑とは、内出血によって生じる紫色の斑点のことです。
大きさは3mm以下のものから2cm以上のものと様々で、特に手の甲や腕など見えやすい位置に現れやすい傾向にあります。
紫斑は、脳出血・消化管出血などの病気のサインとして現れる場合もあるため、速やかに医師に相談しましょう。
ヒルドイドをやめたほうがいいと言われる理由
「ヒルドイドをやめたほうがいい」という噂がなぜ立ってしまったのか、気になる方も多いかもしれません。
ここでは、ヒルドイドをやめたほうがいいと言われることがある点について、考えられる理由を解説します。
顔に塗ると皮膚がたるむと誤解されている
「ヒルドイドを使うと皮膚がたるむ」という情報は、間違いです。
ヒルドイドは、過剰なコラーゲンの生成を抑制する作用があるため、このような噂が立ってしまったのかもしれません。
肌は、皮膚の奥の層で、コラーゲンが十分な量生成されていることで、ハリが保たれています。
コラーゲンが不足すると、肌がハリを保てなくなり、たるみやすくなります。
ヒルドイドには、コラーゲンの生成を抑制する作用があります。
そのため、ヒルドイドを使うと、コラーゲンが減少して、皮膚がたるむ悪影響が出ると考えられたのかもしれません。
実際、ヒルドイドは、皮膚に必要なコラーゲンの生成まで抑制する効果はありません。
そのため、顔がたるむという医学的な根拠はなく、医師の指示に従って用法用量を守って使用していれば、問題ないケースがほとんどです。
長期使用すると副作用が出やすいと誤解されている
「ヒルドイドを長期使用すると副作用が出やすい」という情報は、間違いです。
ヒルドイドを長期的に使用することで、副作用発生率が高まるなどの報告はありません。
そのため、長期使用による問題はないと言われています。
ただし、皮膚の状態は常に変化しやすく、徐々にヒルドイドが効かなくなったり、刺激感が現れる場合もあります。
使用を続ける際は、定期的に医療機関を受診しましょう。
ヒルドイドの使用をやめたほうがいいケース
効果が認められている症状に対して、治療目的でヒルドイドを使用する分には問題ありません。
ただし、症状によっては、皮膚疾患と見なされる場合でも、ヒルドイドの使用が合わないケースがあります。
ここでは、ヒルドイドの使用が適していない場合について解説します。
ニキビの治療薬としては使用できない
「ヒルドイドはニキビ治療に効果的である」という噂がありますが、ヒルドイドはニキビの治療薬ではありません。
ヒルドイドの有効成分であるヘパリン類似物質には、ニキビを改善する直接的な効果はないのです。
ニキビの原因である毛穴づまりの解消や、アクネ菌を殺菌する作用はないためです。
ヒルドイドなどのヘパリン類似物質が、ニキビ治療薬と一緒に処方されることもありますが、これはニキビ治療薬の副作用として現れる刺激感や肌の乾燥を和らげるためです。
乾燥が要因で、毛穴詰まりが生じている場合でも、毛穴詰まりを解消しないと、ニキビの改善効果は期待できません。
ヘパリン類似物質の保湿効果の影響で肌の状態が良くなり、結果的にニキビが改善されるというケースはあるかもしれません。
ただし、基本的にはニキビの治療は、改善効果が認められている医薬品で行いましょう。
ニキビ治療に効果的な処方薬について詳しくは以下へ
【医師監修】ニキビを治すクリームを解説!おすすめの市販薬・処方薬や選び方を紹介症状によってはハンドクリーム代わりでの使用を避けたほうがいい
「ヒルドイドはハンドクリーム代わりに使用できる」という噂があります。
ヒルドイドには、保湿効果がありますが、症状によっては、ハンドクリームとしての使用を避けるべきです。
以下の2つの状況を見極めて、使用できるかどうかの判断の参考にしてみてください。
※ヒルドイドは医療用医薬品のため、あくまで医師の指示通りに使用してください。
炎症を起こしている場合はやめたほうがいい
手に炎症がを起きている場合は、ヒルドイドをハンドクリームとしての使用するのをやめましょう。
ヒルドイドの血行促進作用により、かえって炎症が広がってしまう懸念があるためです。
あかぎれやしもやけの改善には効果がある
手にあかぎれ・しもやけなどの症状がみられる場合には、ハンドクリームとしての使用が効果的な場合があります。
あかぎれやしもやけの原因は、血行不良による乾燥です。
指先に十分に血液が行き渡らないと、冷えが生じ、乾燥を引き起こします。
ヒルドイドには保湿作用や血行促進作用があるため、手荒れの改善に効果が期待できます。
ただし、あかぎれで出血している場合はヒルドイドの使用は避けましょう。
ヒルドイドは、傷口の出血を助長する場合があるので注意が必要です。
市販のヒルドイドを使うのはやめたほうがいい?
ヒルドイドは医療用医薬品であるため、医療機関からの処方箋がないと購入できません。
しかし、ヒルドイドの有効成分である「ヘパリン類似物質」を含む製品は、薬局でも購入することができます。
ヘパリン類似物質を含む2つの市販薬を紹介します。
ヒルマイルドは、医薬品のヒルドイドと同じ量のヘパリン類似性物質を含んでいる第二類医薬品です。
乾燥肌治療薬で、顔・手足など全身に使用できます。
ローション・クリーム・スプレーの3つのタイプがあるため、用途や使用感に合わせて選択できます。
カルテHDは、ヒルドイドを製造しているマルホ株式会社が出している医薬部外品のスキンケア用品です。
ヒルドイドと比較して、ヘパリン類似物質の含有量は、少ない設計です。
抗炎症剤のグリチルリチン酸やアミノ酸を始めとした保湿成分も含まれています。
肌あたりがなめらかで、敏感肌の方にも安心して使いやすい点が特徴です。
これらの製品は、ヒルドイドと全く同じものではなく、含まれる添加物や使用感が異なっています。
そのため、自身にあったものを選択しましょう。
市販と皮膚科の保湿剤の違いを知りたい方は以下へ
皮膚科でもらえる保湿クリームを紹介!市販の保湿剤との違いとはヒルドイドをやめたほうがいいかの判断は医師に相談
医療用医薬品のヒルドイドを使用するには、医師の診察を通じて処方を受ける必要があります。
ヒルドイドを処方されて使用を続けても、なかなか効果が現れない場合は、不安になることもあるかもしれません。
皮膚の状態は、日々変化するため、自己判断で使用を続けるのではなく、定期的に医療機関の受診を心がけましょう。
その際、定期的に皮膚科に直接通うのが面倒である方は、オンライン診療がおすすめです。
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都丸真依子 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。