ビオチンの効果って何？
ビオチンが白髪や肌悩みについて効果があると聞いて、調べている方も多いかもしれません。
また、服用しているのになかなか効果が出ないという方もいると思います。
今回は具体的なビオチンの効果や、効果が出ない時の対処法を紹介します。
この記事でわかること
- ビオチンは肌や髪の健康維持に効果を期待できる
- ビオチンが不足するとさまざまな悪影響を引き起こす可能性がある
- ビオチンは食事やサプリメント以外にも医薬品で効果的に取り入れられる
目次
ビオチンの効果
ビオチンは、ビタミンB群に属するビタミンの一種です。
ビタミンB群に属するビタミンは、エネルギー代謝を促進する働きがあります。
ビオチンの効果
- 肌のターンオーバーを促進する
- 髪や爪や粘膜など上皮組織の健康状態を維持する
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを抑える
どのように症状の改善に効果を発揮するのか一つずつ解説します。
皮膚の炎症やかゆみを予防・改善する
ビオチンには皮膚の炎症やかゆみを予防・改善する効果があります。
皮膚がかゆく、炎症を起こしている際は、肌のバリア機能が低下し、かゆみを引き起こすヒスタミンが多く生成された状態です。
ビオチンは、エネルギーの代謝を促進することで、肌のターンオーバーを正常化します。
肌のターンオーバーが正常化すると、肌細胞が新しく刺激に強い状態へと生まれ変わり、肌のバリア機能が回復します。
また、ビオチンは、ヒスタミン（※）という成分の生成を抑える働きがあります。
ビオチンが肌のバリア機能を高めて、ヒスタミンが作られることを抑えて、皮膚の炎症やかゆみを予防・改善します。
※ヒスタミンは、皮膚の炎症やかゆみを引き起こす成分です。
肌に潤いをもたらす
ビオチンには、肌に潤いをもたらす効果を期待できます。
ビオチンは、エネルギーの代謝を促進する働きがあり、肌のターンオーバーを正常化させます。
肌のターンオーバーが正常化されると、古い角質が剥がれて、新しい肌細胞が肌表面に現れます。
すると、水分を保ちやすい状態になり、肌を外部の刺激や乾燥などから守るバリア機能も、高められることで、肌の保水力が上がります。
そのため、ビオチンを服用することによって、肌に潤いがもたらされます。
ビオチンはシワ・たるみに効果がありますか？
シワたるみ改善よりも、肌荒れやニキビ等の改善効果が期待できるお薬です。 ユベラ錠やアスコルビン酸・パントテン酸配合製剤は、シワやたるみに効果的です。
髪や爪の健康を維持する
ビオチンは、髪の毛や爪の健康を維持する効果があります。
ビオチンはタンパク質の代謝を促進する働きがあります。
タンパク質の代謝が促進されることで、タンパク質がアミノ酸に分解されて体内で吸収されやすくなります。
髪の毛や爪の主成分である「ケラチン」はアミノ酸の結合体です。
タンパク質の代謝が促進されると、アミノ酸を効率よく吸収することができるため、髪の毛や爪を健康状態を維持しやすくなります。
生活習慣病を予防・改善する
ビオチンには、高血圧症・糖尿病・肥満症といった、生活習慣病を予防・改善する効果が期待できます。
ビオチンには代謝を促進する作用があるためです。
糖尿病は血液中の糖分が一定の基準よりも高くなっている状態です。
また、脂質を多く摂り過ぎることで肥満になりやすくなります。
ビオチンは、糖質や脂質の代謝に関与することで、これらの状態を防ぎます。
また、脂質代謝を正常に保つことで、血中のコレステロール値を調整できることで、高血圧症などにも有効に働きかけます。
ビオチンが不足するとどうなる？
ビオチンが体内で不足すると、次のような症状が現れることがあります。
うつ症状になりやすい
ビオチンが不足すると、うつ症状になりやすいと考えられます。
ビオチンなどのビタミンB群は、感情を操る物質である「セロトニン」や「ドーパミン」の分泌を促します。
ビオチンが不足することでこれらの物質が十分に分泌されなくなると、感情が不安定になるため、うつ症状になりやすいのです。
毛が抜けやすい
ビオチンが不足すると毛が抜けやすくなる場合があります。
ビオチンが不足して、頭皮の新陳代謝が滞ると、乾燥したりフケがたまり不衛生な状態になります。
頭皮が不衛生だと、毛根にダメージが加わり毛が抜けやすくなってしまいます。
皮膚の炎症が起きやすい
ビオチンが不足すると皮膚の炎症が起きやすくなります。
ビオチンには、タンパク質の代謝を促進する働きがあります。
肌の大部分はタンパク質で構成されており、肌の健康維持には欠かせない栄養素です。
ビオチンが不足すると、タンパク質の代謝が悪化し、肌の新陳代謝（ターンオーバー）が衰えます。
肌の新陳代謝が衰えると、新しい肌細胞への生まれ変わりも行われないことで、皮膚を健康に維持することが難しくなり、炎症が起きやすくなります。
ビオチンを効果的に取り入れる方法
ビオチンは体の健康に欠かせないため、効果的に取り入れましょう。
ビオチンは食品にも含まれています。
また、ビオチンの医薬品を単体で服用するよりも特定の薬と併用することで効果的に取り入れやすくなります。
ビオチンの処方薬で「ビオチン療法」を行う
ビオチン療法とは、ビオチンを効果的に取り入れる方法の一つです。
ビオチン療法では、「ビオチン」・「ビタミンC」・「整腸剤」を同時に接種する方法で、相乗効果を期待できます。
例①ミヤBMと併用する
ミヤBMは酪酸菌を主成分とする整腸剤です。
新陳代謝を促進する効果や、腸内環境を整える効果があります。
腸内の悪玉菌の繁殖を抑えて、ビオチンの腸からの吸収を良くする効果が期待できます。
例②シナールと併用する
シナールは、ビタミンCとビタミンB5が含まれたビタミン剤です。
ビタミンCはビオチンと併用することで相乗効果を期待できます。
ビオチンを多く含む食品を摂取する
ビオチンを含む食品を摂取しましょう。
特定の食材を食べる
まいたけや落花生などの食材には、ビオチンが多く含まれています。
各食材に含まれる、ビオチンの成分量は以下の通りです。
| 食材名 | ビオチンの成分量 （100gあたりμg） |
|---|---|
| まいたけ（乾燥） | 240.0 |
| 落花生（炒り） | 110.0 |
| 卵黄（生） | 65.0 |
| バジル（粉） | 62.0 |
| 焼き海苔（焼き） | 47.0 |
| しいたけ（乾燥） | 41.0 |
厚生労働省が定めた、日本人の食事摂取基準（2020年版）によると、ビオチンの欠乏を防ぐための、成人の一日の摂取目安量は50μgです。
ビオチン50μgは、生卵3個から4個程度、炒り落花生20個から25個程度で摂取することが可能です。
サプリメントを飲む
食事からビオチンを摂るのが難しい方は、サプリメントを飲むことでビオチンを効果的に摂取できます。
以下に、ビオチンを含むサプリメントを紹介します。
一粒あたり0.5mgのビオチンが配合されています。ゆっくり溶ける処方で、成分が長い時間体内に留まります。一日1粒を目安に服用します。
1粒あたり5mgのビオチンが配合されています。食品として一日1粒を目安に飲みます。
ビオチンを含むシャンプーを使う
ビオチンを含むシャンプーを使うことは、ビオチンを取り入れるための方法の一つです。
特に頭皮のケアをしたい方にはいいでしょう。
ビオチンを含むシャンプーは、頭皮に潤いを与えて頭皮環境を整えます。
頭皮環境を整えることで、毛根へのダメージを減らすことができ、健康的な髪が生えやすくなります。
ビオチンや植物エキスが配合されたシャンプーです。髪や頭皮に栄養を与え、弱った髪を活性化させます。
ビオチンの効果が出るまでの期間
ビオチンを服用してもすぐに効果が出るわけではありません。
ビオチンの効果が出るまでには、一般的に半年から一年程度かかると考えられています。
肌や髪の毛が生まれ変わるには、一定程度の時間が必要なためです。
肌細胞が新たに生まれ変わる肌のターンオーバーの周期は、20代で28日程度と言われており、加齢とともに遅くなります。
髪の毛が抜けて、新しく生え変わるには、3〜4ヶ月程度かかります。
どちらも時間がかかるため、服用してからすぐに効果が出るわけではありません。
ビオチンの服用を検討している方は専門医に相談
今回は、ビオチンの効果について説明しました。
ビオチンは、肌や髪を健康的に保つだけでなく、さまざまな病気の予防・改善の効果もあります。
ビオチンが不足して、必要な場合は、医療用の内服薬を処方してもらうのが良いでしょう。
オンラインの美容皮膚科である「東京美肌堂」では、患者様一人ひとりの肌悩みに合わせた美容内服の処方を行っています。
肌悩みに合わせ効果的な処方を考慮し、ビオチンを含む複数の内服薬をセットで処方することがあります。
最後に「東京美肌堂」でのビオチンを含む過去処方例を紹介します。
| ビオチン | ビタミンB | ビタミンC | L-システイン | |
|---|---|---|---|---|
 |
 |
 |
 |
|
| ・皮膚や爪・髪の健康を維持する ・炎症を改善する |
・肌荒れやニキビ・湿疹に効果あり ・肌の新陳代謝を助け、健康を維持する |
・メラニンの生成を防ぐ ・シミ・そばかすを防ぐ |
ターンオーバーを正常化させて、毛穴詰まりを解消する |
| ビオチン | ビタミンB | ビタミンC | グルタチオン | ミヤBM | |
|---|---|---|---|---|---|
|
|
|
 |
 |
|
| ・皮膚や爪・髪の健康を維持する ・炎症を改善する |
・肌荒れやニキビ・湿疹に効果あり ・肌の新陳代謝を助け、健康を維持する |
・メラニンの生成を防ぐ ・シミ・そばかすを防ぐ |
・メラニンの生成を防ぐ ・美白効果や抗酸化効果がある |
・腸内環境を整える ・ビオチンの腸での吸収をよくする |
ほかにもさまざまな処方例があります。
気になる方は「東京美肌堂」のオンライン診察で医師に相談してみてください。
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東京山手クリニック
都丸真依子 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。