「アクアチム」のニキビ治療薬としての効果や軟膏・クリームの正しい使い方

アクアチムは、皮膚科でニキビ治療薬としてよく処方される薬です。

ニキビ以外にも、とびひや水虫などの改善効果も期待できます。

本記事では、アクアチムの効果や使用方法、副作用について紹介します。

正しく使用して、より効果的にニキビを改善していきましょう。

この記事でわかること

アクアチムはとびひ／ニキビ／ヘルペスに効果的な医薬品
肌を清潔にした状態で塗るとより効果的
長時間の使用や子供への使用は避ける必要がある

アクアチムとは

アクアチムはニューキノロン系（※）の抗菌薬。

一般名は、アクアチムの有効成分でもある「ナジフロキサシン」です。

抗生物質として、細菌による感染を防ぎます。

ニキビやとびひ、おできといった皮膚感染症の改善に効果を期待できます。

軟膏、クリーム、ローションの3種類があり、患部の状態や使用感に合ったものが処方されることが多いです。

アクアチムの効果や使用方法についてさらに詳しく見ていきましょう。

※耐性菌が出現しやすいオールドキノロンを改良したもの。オールドキノロンと比較して、薬の代謝が向上したほか、様々な病原菌に対して抗菌活性を示す。

アクアチムの効果

アクアチムは、主に炎症や化膿を伴う皮膚感染症の治療に用いられます。

アクアチムの有効成分ナジフロキサシンは、細菌の増殖を防ぐ抗菌作用を持ちます。

具体的にどのような症状に効果を示すか説明します。

ニキビ・とびひ・水虫・おできなどの改善

アクアチムは、ニキビやとびひなどの改善に効果を期待できます。

なかでも、膿疱やニキビの中でも赤く盛り上がって痛い症状に塗ると効果的と言われています。

細菌の増殖を抑制する作用を持つためです。

主に、以下のような皮膚感染症の治療に効果を示します。

ニキビ	アクネ菌
とびひ	黄色ブドウ球菌・溶血栓連鎖球菌
水虫	白癬菌（はくせんきん）
おでき	黄色ブドウ球菌

ニキビ治療においては、特に炎症を伴う赤ニキビに効果的です。

アクアチムには軟膏、クリーム、ローションがありますが、軟膏はニキビ治療には用いられません。

症状が強い場合は、アクアチムとほかの治療薬の併用で、処方されることもあります。

口唇・陰部の感染症（ヘルペス）の改善

アクアチムは、ヘルペス（※）の改善効果が期待できます。

口唇や陰部などにできやすく、皮膚や粘膜のただれが起こります。

ヘルペスは、皮膚の接触による感染や、皮膚などが触れる物を介した感染経路が多いと言われています。

アクアチムは、ヘルペスの原因菌を抗菌するため、ヘルペスの改善に効果的です。

※ヘルペスとは、ヘルペスウイルスによる皮膚感染症です。

アクアチムの使い方

治療薬を正しく使うことで、より効果的に症状を改善できます。

ニキビ治療におけるアクアチムの正しい使用法を紹介します。

患部を清潔にする

アクアチムの使用前に、洗顔で細菌やホコリを落としましょう。石鹸や洗顔料を使って洗浄し、清潔なタオルで優しく拭き取ります。

適量をニキビにやさしく塗る

適切な量のアクアチムを指の腹に取り、患部にのみ優しく塗ります。皮膚以外の目などには付着しないようにしましょう。

塗り忘れた場合も1回に多くの量を塗るのはNGです！

塗り終わったら手を洗う

アクアチムを塗布した後は、手を洗いましょう。

手についてしまった、余分な薬剤や細菌を手から洗い落として、かぶれや赤みがでるのを防ぎます。

アクアチム使用時の注意点

アクアチムを使用では、注意すべきポイントがあります。

起こり得る副作用や適切な使用期間を知っておきましょう。

大きく3つの注意事項をご紹介します。

長期間使用すると耐性菌が発現する

アクアチムは長期間の使用は避けましょう。

アクアチムは抗生物質にあたります。

抗生物質は、長期間使い続けると耐性菌（※）が出現して十分な効果が得られなくなります。

具体的には3ヶ月以上の継続使用で耐性菌が出現する可能性が高いと言われています。

そのため、ニキビ改善後に維持療法としての使用は控えた方がよいとされています。

患部の赤みや腫れが引いた場合にも使用を中止しましょう。

また、医師に指示された期間を過ぎても効果が出なかった場合は、一度休薬して医師に相談しましょう。

※耐性菌とは、薬への抵抗力をもった細菌のこと。

かゆみなどの副作用が現れることがある

アクアチムを使用する際、以下のような副作用が現れる可能性があります。

かゆみ
刺激感
ほてり
接触皮膚炎
皮膚の乾燥

使用開始後に異常を感じた場合は、速やかに医師に相談しましょう。

子供への影響については医師に相談する

アクアチムを子供に使用する際には、必ず医師に相談してください。

子供への使用実績がないため、安全性が確立されているわけではないためです。

妊婦・授乳中の方も同じく医師に相談しましょう。

アクアチム以外のニキビに効果のある処方薬

アクアチムは、主に炎症を伴うニキビやとびひの治療薬として用いられる医薬品です。

皮膚感染症に効果が期待できる医薬品は、ほかにもいくつかあります。

アクアチムで副作用が出た方や使用できない方は、別の抗菌薬が処方されることもあります。

炎症を伴うニキビに効果のある処方薬を3つ紹介します。

ダラシンTゲル（クリンダマイシン）

ニキビに効果的な処方薬の1つです。

ダラシンTゲルは、主に化膿を伴うニキビの治療に用いられることが多いです。

アクアチムとの違いは、副作用にあります。

ダラシンTゲルは、稀に副作用としてひどい下痢や腹痛を起こす可能性があります。

有効成分	クリンダマイシンリン酸エステル
使用方法	1日2回洗顔後、適量を患部に塗る
副作用	かゆみや発赤、刺激感、下痢、腹痛、肝機能異常
注意点	・妊婦の方や子供への利用は医師に相談する・耐性菌が発現しやすくなるため長期間の使用は避ける

ベピオゲル

ベピオゲルはニキビの治療に用いられる外用薬です。

抗菌作用に加え、ピーリング作用があります。

ニキビの原因となる毛穴詰まりを取り除く効果も期待できます。

そのため、赤ニキビ以外にもニキビの初期症状（黒ニキビ・白ニキビ）の改善にも効果的です。

有効成分	過酸化ベンゾイル
使用方法	1日1回洗顔後、適量を顔全体に塗布する
副作用	赤み、刺激感、皮むけ、乾燥
注意点	・子供への利用は医師に相談する・漂白作用があるので髪や服につかないようにする・涼しいところ（25℃以下）で保管する・塗布部分の紫外線対策を行う

ゼビアックス

ゼビアックスは、ニキビの炎症に効果的な抗菌薬。

ローションと油性クリームの2種類があります。

赤ニキビやとびひの治療に用いられます。

1日1回、患部にのみ塗って使用します。

有効成分	オゼノキサシン
使用方法	1日1回洗顔後、適量を患部に塗布する
副作用	かゆみ、乾燥、刺激感
注意点	・妊婦の方と子供への利用は医師に相談する・室温で（1~30℃）で保管する・耐性菌が発現しやすいため長期間の使用は避ける