「ミヤBM」という医薬品を、お腹の調子が悪いときに病院で処方されることがあります。
しかし、「症状が治まった後に飲み続けていいのかわからない」と迷ったことはありませんか?
結論、ミヤBMは健康な状態で飲んでも問題ない医薬品です。
ミヤBMとは整腸剤の一種で、腸内フローラを整え、便秘や下痢を改善する効果があります。
副作用も少ないため、多くの人にとってなじみのある医薬品と言えるかもしれませんね。
今回は、そんなミヤBMの効果や正しい服用方法について詳しく解説していきます。
目次
ミヤBM錠とは
ミヤBM錠とは、酪酸菌を主成分とする整腸剤です。
整腸剤には、腸内の環境を整え、お腹の調子をよくする効果があります。
化学物質ではなく、身体によい善玉菌を主成分としているため、安全に使える薬として処方されています。
酪酸菌を主成分とする整腸剤
ミヤBM錠は宮入菌という酪酸菌を主成分とする整腸剤です。
酪酸菌とはもともと動物の体内に生息している菌で、腸内環境を整える働きを持ちます。
酪酸菌は、腸に届いた食物繊維を発酵・分解し、「酪酸」を作り出します。
この酪酸とは有害菌の増殖を抑制したり、免疫を高めるなど様々な健康効果を持っています。
また、大腸のエネルギー源として細胞に働きかけることで腸内環境を整えていくのです。
腸内フローラを整える
ミヤBM錠は腸内フローラを整える医薬品ともいわれています。
腸内フローラとは、腸内に生息する多種多様な細菌が密集している様子のことを指します。
この多種多様な細菌は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」という3つの種類があります。
まずはそれぞれの役割を理解しましょう。
善玉菌:腸の運動を促し、お腹や肌の調子を整える。悪玉菌の増殖を防ぐ。
悪玉菌:脂質や動物性タンパク質から有害物質を生み出す。
日和見菌:2つの菌が多いほうに影響される。
ミヤBMはこの「善玉菌」が増殖しやすい環境を作るため、腸内フローラを整えることができるのです。
腸内フローラは、消化しきることの出来なかった食べ物を良い物質に変えたり、腸内の免疫機能を向上させたりする役割があります。
そのため、身体の健康を保つためにも腸内フローラを整えることはとても大切なのです。
ミヤBMの効果
ミヤBMは便秘や下痢を改善し、新陳代謝を促進する効果があります。
上記でも説明した通り、ミヤBMはおなかの調子を整える薬として知られています。
そのため、便秘や下痢などお腹の不調を改善する効果があるのです。
また、新陳代謝を促進するため、身体だけではなく肌にも良い効果を期待することができます。
ここでは、それぞれの効果について詳しく説明していきます。
便秘・下痢を改善する
ミヤBMは便秘や下痢を改善する効果があります。
これはミヤBMの有効成分である酪酸菌が腸内環境を整えることができるからです。
そもそも便秘は、便の水分量が少なく、硬い便が出たり便通が悪くなったりする状態のことを指します。
これは腸内環境が乱れ、善玉菌が不足している状態だと考えられます。
同じく、下痢も腸内環境の乱れが原因で、便の水分が過度に増加し、便が柔らかくなりすぎてしまいます。
そこで酪酸菌が善玉菌の増殖しやすい環境を作ることで腸内環境を整え、便秘や下痢を改善することができるのです。
新陳代謝を改善する
ミヤBMには新陳代謝を促進する効果があります。
腸内環境が乱れていると、毒素が身体中に送られ、代謝を悪くしてしまいます。
ミヤBMの作用により腸内環境が整うことで、体内の血液の循環が良くなり新陳代謝を改善することができるのです。
新陳代謝が良くなることで、皮膚細胞の生まれ変わり機能である肌のターンオーバーも促進されるため、美容効果にもつながります。
肌のターンオーバーが促進されるとどんな影響があるか、気になる方は以下の記事も合わせてチェックしてくださいね。
肌のターンオーバーのメカニズムからケア方法まで、詳しく解説しています。
ミヤBMのビオチン療法
ミヤBMと調べると「ビオチン療法」という治療法が出てくることがありませんか?
ビオチン療法とは、ミヤBMがビオチンという医薬品の働きを助ける作用があることで、併用される治療法のことなんです。
ビオチン療法はニキビや頭皮環境、その他皮膚疾患を改善する効果があります。
それぞれの効果について解説していくので、気になる方は読み進めてくださいね。
ビオチン療法とは、皮膚科において皮膚疾患に対して行う治療法です。
「ビオチン」「整腸剤」「ビタミンC」を同時に摂取することでビオチンの効果を最大限引き出すことができます。
そもそもビオチンとは、ビタミンB群の一種であり、ビタミンHと呼ばれることもあります。
糖や脂質、タンパク質の代謝を促進してエネルギー生成をサポートする働きを持ち、髪の毛や爪の健康を保ったり、疲労を改善したりする効果があるのです。
また、ビオチンは皮膚の炎症やかゆみなどの症状を引き起こすヒスタミンの生成を抑制します。
そのため、ビオチンを摂取することで皮膚疾患の改善が期待できるのです。
ビオチンは皮膚の健康維持のためのビタミン剤として、単体でも処方されることがあります。
ビオチンの働きや適切な摂取量、副作用などについて詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてくださいね。
ニキビを改善する
ミヤBMのビオチン療法はニキビを改善する効果があります。
これは、ビオチンのエネルギー生成作用により、新陳代謝を高めることができるからです。
新陳代謝が高まると肌のターンオーバーも促進されます。
肌のターンオーバーが正常に機能することで、毛穴の詰まりを解消し、ニキビを治療することができるのです。
ニキビの治し方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
【完全版】ニキビの治し方まとめ!即効性のある対策法と効果的なケア方法頭皮環境を改善する
ミヤBMのビオチン療法では頭皮環境を改善することもできます。
ビオチンは、代謝促進作用により皮膚を健康に保つと同時に、髪の毛を作るケラチンという成分の生成に重要な役割を果たします。
そのため頭皮だけでなく、髪の毛のハリやコシ、量などにも影響を与えるのです。
頭皮のニキビについてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
頭皮ニキビの原因と処方薬での治し方を解説!治らない原因に男女差は?掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を改善する
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)も、ミヤBMを使ったビオチン療法で改善することができます。
そもそも掌蹠膿疱症とは、手のひらや足の裏に膿が溜まった皮疹がみられる皮膚病です。
初めは水ぶくれが生じ、だんだんと膿が溜まった膿疱に変化していくことが特徴です。
掌蹠膿疱症はビオチンの欠乏により、発症するといわれています。
そのため、ビオチン療法で効果的にビオチンを摂取することで、掌蹠膿疱症を改善することができるのです。
アトピー性湿疹を改善する
アトピー性湿疹のある方も、ミヤBMのビオチン療法を行うことをおすすめします。
アトピー性湿疹はかゆみを特徴とする慢性的な皮膚炎です。
ビオチンには、このかゆみの原因となる「ヒスタミン」という成分を抑制する作用があります。
また、アトピー性湿疹はアレルギー反応により発症することが多いため、アレルギーに対する免疫機能をビオチンが高めることで症状を改善することができるのです。
【注意】生卵・タバコは治療の妨げになる
ミヤBMを使ったビオチン療法を行う際は、生卵を食べることとタバコを吸うことを控えてください。
まず、生卵の白身に含まれる「アビジン」というたんぱく質がビオチンの働きを妨げてしまいます。
これはもともと生卵を食べすぎている人もビオチン欠乏症が起きる可能性があるため、注意してくださいね。
アビジンは卵を加熱調理すると不活性化するため、ビオチン療法の妨げになることはありません。
また、タバコを吸うことでもビオチンが欠乏する可能性があります。
これは、タバコに含まれるニコチンを代謝するときにビオチンが消費されるからです。
特に、タバコはビタミンCも消費してしまうため、治療の際は喫煙を控えるようにしましょう。
東京美肌堂では「ミヤBM」だけでなく「ビオチン」、「ビタミンC(シナール)」も取り扱っています。
自分にあったスキンケアを皮膚科医に相談してみたい方は、以下の予約フォームから診察予約をしてみてくださいね。
診察は無料で自宅にいながらオンラインで行えるため、忙しい方や皮膚科までの通院が難しいという方におすすめです。
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ミヤBMの服用方法
ミヤBMには、錠剤と細粒といった2つのタイプがあり、それぞれ服用方法が異なります。
年齢や症状によって服用量は異なる場合はありますが、一般的には以下の通りに服用するようにしましょう。
また、2つとも成分に違いはないため、飲みやすいほうを選ぶようにしてくださいね。
錠剤タイプ「ミヤBM錠」:1回3~6錠を1日3回に分けて服用
細粒タイプ「ミヤBM細粒」:1日1.5~3gを1日3回に分けて服用
酪酸菌などの腸内細菌は、体内で増えるまで時間がかかるため、整腸効果を発揮するのは内服してから約5時間後と言われています。
しかし、これには個人差があるため、専門の医師のもと処方してもらい、用法・用量を守って服用しましょう。
ミヤBMの副作用
ミヤBMは、非常に副作用の少ない薬と言われています。
ミヤBMの主成分である酪酸菌は元々体内にいる菌なので、副作用のような症状はあまり報告されていないと言われているようです。
服用すると、排便回数が増えることはありますが、これはミヤBMの腸内環境を整える整腸作用なので安心してくださいね。
万が一、身体の異変を感じたときは直ちに使用を中止し、専門の医師に相談するようにしましょう。
ミヤBMと同じ効果を持つ市販薬
ミヤBMには処方される薬以外にも同じ効果を持つ市販薬がいくつかあります。
市販薬には酪酸菌以外の成分も含まれている場合があり、少しずつ効果が異なるため、自分の症状に合わせたものを選ぶようにしてくださいね。
強ミヤリサン
「強ミヤリサン」は、酪酸菌の一種である宮入菌を主成分とした市販薬です。
整腸作用があるため、便秘や下痢に悩んでいる方におすすめです。
1回3錠を1日3回、食後に服用するようにしましょう。
ビオスリーHi錠
「ビオスリーHi錠」は、酪酸菌と乳酸菌、糖化菌といった3つの活性菌を配合した市販薬です。
ミヤBMの主成分である酪酸菌に加え、2つの菌も取れるため、普段から活性菌が摂取できていない人におすすめです。
乳酸菌は乳酸を産生し、糖化菌は乳酸菌やビフィズス菌を増やす作用があります。
1回2錠を1日3回、食後に服用するようにしましょう。
太田胃散整腸錠
「太田胃散整腸錠」は、酪酸菌と2種の乳酸菌を配合した市販薬です。
ビフィズス菌とガッセリ菌という2つの乳酸菌を配合することで、整腸作用だけではなく免疫力を高める効果も期待できます。
また、善玉菌を増やす環境を作ると同時に悪玉菌の増殖を抑えるため、効果的に腸内環境を改善することができます。
1回3錠を1日3回、食後に服用するようにしましょう。
ミヤBMとビオフェルミンの違い
ミヤBMとビオフェルミンは同じ腸内環境を整える整腸剤ですが、少しずつ違いがあります。
共に善玉菌が配合された薬ではありますが、大きな違いは成分と作用です。
きちんと違いを理解して、自分に必要な方を服用するようにしてくださいね。
成分が異なる
配合成分 | |
---|---|
ミヤBM | 酪酸菌 |
ビオフェルミン | 乳酸菌・ビフィズス菌 |
ミヤBMとビオフェルミンは配合される成分が異なります。
ミヤBMは酪酸菌を配合した薬ですが、ビオフェルミンは乳酸菌とビフィズス菌を配合した薬です。
ビフィズス菌とは善玉菌の一種で、腸内環境を整える作用があるのです。
また、乳酸菌は免疫機能の向上に効果があり、ヨーグルトなどの乳製品に含まれる成分です。
作用が異なる
作用 | |
---|---|
ミヤBM | 酪酸を産生し、悪玉菌の増殖を抑制 |
ビオフェルミン | 病原菌の感染を予防、細菌の増殖を抑制 |
ミヤBMとビオフェルミンは配合される成分が異なるため、それぞれ作用が異なります。
ミヤBMの主成分である酪酸菌は大腸に働きかけ、酪酸を産生し、悪玉菌の増殖を抑制することで腸内環境を整えます。
また、酪酸菌はビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌が住みやすい腸内環境を作ることができるのです。
一方ビオフェルミンの主成分であるビフィズス菌や乳酸菌は、整腸作用に加え、病原菌の感染を予防したり、細菌の増殖を抑制したりします。
そのため、ビフィズス菌や乳酸菌を摂取することも大事ですが、それと同時に酪酸菌を摂ることでより効果的に腸内環境を整えることができます。
ミヤBM以外で腸内環境を整える方法
ここまでは、ミヤBMを服用することで腸内環境を整える方法をご紹介してきましたが、それ以外にも腸内環境を整えることができます。
主に大切なのは、適度な運動をすること、十分な睡眠をとること、朝食を食べることの3つです。
やはり体の調子を整えるためにはまず生活習慣が大切だということがわかりますね。
今すぐ完璧に改善しなくても、「ジョギングを15分してみる」「朝ヨーグルトを食べてみる」など日々の中で少しずつ意識していきましょう。
適度な運動をする
腸内環境を整えるためには適度な運動をすることが大切です。
適度な運動をすることで善玉菌の種類が増え、腸内フローラが整います。
また、身体を動かすことで血流が促進され、腸の働きが活発化します。
目安として、1日8,000歩歩くようにしてくださいね。
十分な睡眠をとる
十分な睡眠をとることで腸内環境を整えることもできます。
腸が活発化するのには副交感神経が優位に働いているときです。
副交感神経は睡眠や入浴などリラックスしているときに優位に働くため、十分な睡眠をとれていると腸も活発に働きます。
そのため、一日の睡眠は6~7時間程度取れるように心がけましょう。
朝ごはんを食べる
腸内環境を整えるためには朝ごはんを食べることがとても大切です。
朝ごはんを食べることで、体のリズムが整いやすく、胃や腸の動きが活発化します。
これは身体に食べ物を入れると胃や腸が刺激され、排便反射を促すからです。
特に、善玉菌を含む発酵食品や食物繊維などを積極的に摂るようにしましょう。
- ヨーグルト
- 納豆
- キムチ
- わかめ
- キノコ
- オクラ
ミヤBMに関するよくある質問
ここでは皆さんの疑問を解決するために、ミヤBMに関するよくある質問に藤原先生がお答えします。
ミヤBMに関する疑問がある方は以下の質問をチェックしてみましょう。
それ以外にもミヤBMに関して疑問がある場合は、皮膚科で相談することも大切です。
東京美肌堂はオンラインで専門医と話すことができるので、興味がある方は以下のボタンから予約してみてくださいね。
初回購入で使える!
特に症状がなくても飲み続けても問題ないか
飲み続けると逆にお腹がゆるくならないかが心配です…。
特に症状がなくても飲み続けても大丈夫ですか?
飲み続けても問題ありません。ミヤBMは腸内環境を整える作用があるため、症状が特にない場合でも善玉菌を増やすことで腸内を健康に保ちます。
子供も服用できるか
小さい子供でも服用はできますか?
ミヤBMは小さいお子様から、お年寄りの方まで多くの世代に服用していただくことができます。また、授乳中や妊娠中の服用についても問題ないため、安心してくださいね。
飲み合わせが悪いものはあるか
ミヤBMと飲み合わせの悪いものはありますか?
ミヤBMと飲み合わせの悪い薬は特にありません。ほかの整腸剤とも併用することもできますが、それぞれの整腸剤を過剰に服用することは推奨されていないため、用法用量をきちんと守って服用するようにしましょう。
ミヤBMは副作用も少なく安心して服用できる
ミヤBMは副作用が少なく、安心して服用できる整腸剤です。
腸内環境が整うと、身体全体の健康が保たれるため、便秘や下痢だけでなく肌悩みを改善することにもつながります。
特に酪酸菌は医薬品から摂取することが最も効果的なので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
また、ミヤBMについて気になることがある方は、皮膚科を受診することをおすすめします。
東京美肌堂では、
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藤原東華 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。