トラネキサム酸は美白有効成分であり、シミや肝斑の治療法として取り入られることで有名です。
しかし、ネットやSNSで「トラネキサム酸で白髪が増える」という噂を目にして、不安になっている方も多いのではないでしょうか?
トラネキサム酸は副作用が起きるリスクは低く、きちんと正しい方法で服用すれば安全な薬です。
そこで今回は、トラネキサム酸の効果や正しい服用方法、気になる噂の真偽まで詳しく解説します。
安全に服用してシミのない若々しい肌を目指しましょう!
この記事でわかること
- トラネキサム酸は美白効果だけでなく止血・抗炎症効果がある
- トラネキサム酸は効果が出るまで1~2か月飲み続ける
- トラネキサム酸の成分量が多い医薬品の方が効果を実感しやすい
目次
トラネキサム酸とはアミノ酸の一種
トラネキサム酸とは、人工的に作り出されたアミノ酸の一種で、トランサミンという処方薬の主成分です。
もともと医薬品に配合され、のどの炎症や口内炎の治療薬として処方されていました。
その後、トラネキサム酸は1990年代に入ってから肌に効果がある成分として注目され、2002年に美白有効成分として厚生労働省に認められました。
そこから、シミや肝斑などの治療薬として使用されるようになったのです。
トラネキサム酸の美白・抗炎症・止血効果
トラネキサム酸には、主に美白、抗炎症、止血の3つの効果があります。
この3つの効果にはトラネキサム酸の「抗プラスミン作用」という働きが関係しています。
この抗プラスミン作用がシミや肝斑といった肌悩みの改善だけでなく、のどの痛みや怪我による出血を抑制することも期待できます。
ここでは、それぞれの効果について解説していくので自分の悩みに合ったトラネキサム酸の効果を確認しましょう。
抗プラスミン作用とは、「プラスミン」というタンパク質の合成を抑制する働きのことです。プラスミンはメラノサイトの活性化、血液を固まりにくくする、炎症を誘発するといった作用があり、シミや炎症の発生、出血を引き起こします。そのため、抗プラスミン作用を持つトラネキサム酸が効果的に働くのです。
シミや肝斑への美白効果
トラネキサム酸はシミや肝斑への美白効果を期待できます。
肌は紫外線や摩擦、女性ホルモンによる刺激を受けると、プラスミンというメラノサイトを活性化する物質を産生します。
メラノサイトが活性化されると、メラニン色素が過剰に生成され、シミや肝斑のもととなるのです。
そこで、トラネキサム酸を服用することで抗プラスミン作用が働き、プラスミンの合成を抑制します。
これによりシミや肝斑の発生を抑え、美白効果を期待できるのです。
のどの痛みなどの炎症抑制
トラネキサム酸は、のどの痛みなどの炎症を抑制する効果もあります。
トラネキサム酸の抗プラスミン作用が炎症を抑制することにも効果を発揮します。
これは、プラスミンが炎症を起こす物質を生成するからです。
そのため、炎症を抑制するためにはプラスミンの生成を抑える必要があります。
トラネキサム酸の抗プラスミン作用により、プラスミンの生成を抑え、炎症を抑制するのです。
怪我や生理の止血
トラネキサム酸を服用することで、怪我や生理を止血することも期待できます。
怪我や生理などで出血が起こると、血管内に血栓ができて血を止める作用が働きます。
しかし、体内のプラスミンは血栓を溶かしてしまうため、プラスミンが活発な状態だと止血することが難しくなってしまいます。
そのため、トラネキサム酸の抗プラスミン作用により、プラスミンの働きを抑制することで出血を抑えやすくします。
実際に外傷性出血患者の死亡リスクを軽減することにも役立つほど、大きな効果を期待できるのです。
トラネキサム酸の副作用で白髪になる?
「トラネキサム酸」と調べると「トラネキサム酸 白髪」などと出てきたり、美白効果をもたらすことから服用することで白髪が増えるのではないかと不安になる方は、多いのではないでしょうか。
しかし、実際はトラネキサム酸を服用することで白髪が増える、ということは大きな誤解です。
そもそもトラネキサム酸は主成分がアミノ酸の一種であることから、安全性の高い医薬品なので、副作用はほとんど出ません。
ここでは、誤解が広まった理由や副作用、注意点について解説していきます。
白髪が増えるというのは誤解
冒頭でも言った通り、基本的にトラネキサム酸を服用することで白髪が増えるということは誤解です。
トラネキサム酸の作用により、メラニン色素の生成を抑制することは可能ですが、白髪を増やすということは医学的な根拠が何もないため、安心してくださいね。
誤解が広まった理由
トラネキサム酸の服用により白髪が増えるという誤解はなぜ広まったのでしょうか。
実際にトラネキサム酸を美白対策やシミ・肝斑治療として服用する女性は30代~50代といった、ちょうど白髪が増えやすい年代に達しているからだと言われています。
白髪が増えるのは、加齢やストレス、遺伝などさまざまな原因があるため、できるだけ頭皮にダメージを与えないようにケアするようにしましょう。
副作用・注意点
トラネキサム酸は副作用が基本的に少ない医薬品ですが、稀に以下のような症状がみられる可能性があります。
副作用だと感じた場合は、すぐに服用を中止し、専門の医師に相談してくださいね。
- 皮膚のかゆみ
- 頭痛
- 吐き気
- 食欲不振
- 下痢 など
また、血液状態が血栓症が起こりやすい状態にある場合は、トラネキサム酸の止血作用により、血栓症のリスクを高めてしまう可能性があります。
特に止血目的で使用される「トロンビン」やピルを服用している人、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓系の病気を発症した経験のある人は服用できない場合があるので、注意しましょう。
トラネキサム酸の服用方法
トラネキサム酸は安全性の高い医薬品として知られていますが、正しい服用方法を守らないと過剰摂取してしまったり、副作用を発症する可能性があります。
ここではトラネキサム酸の服用方法と服用期間について解説します。
トランサミン250・500mgの服用量を守る
トラネキサム酸の処方薬には「トランサミン250」と「トランサミン500」の2つの種類があります。
この2つの違いは、トラネキサム酸の成分配合量なので、1日に服用する量が異なります。
通常、成人の場合の服用量は1日当たり750mg~2000mgを3~4回に分けて服用するとされています。
それぞれの1回量は、以下の表を参考にしてください。
ただし、年齢や症状により服用量は異なるため、処方された専門の医師の指示に従うようにしましょう。
また、飲み忘れた場合は気がついた時点で1回分を飲んでください。
しかし、次の飲む時間が近い場合は忘れた分をスキップし、次の飲む時間に1回分を飲みます。
一度に2回分を飲むと過剰摂取の恐れがあるため、絶対にしないようにしましょう。
効果が出るまで1~2か月飲み続ける
トラネキサム酸は効果が出るまで1~2か月は飲み続けるようにしましょう。
トラネキサム酸は即効性のある薬ではないため、飲み続けないと効果が薄まってしまいます。
そのため、最低でも1~2か月は服用を続けることが推奨されています。
また、自己判断で服用を中止すると副作用のリスクが高まる可能性があります。
一方で、長期服用には血栓症のリスクも伴うため、むやみに服用を継続することは避けるべきでしょう。
血液検査などを通じて健康状態を確認しながら、必ず医師の診察のもと服用計画を立てるようにしてくださいね。
トラネキサム酸についてもっと詳しく知りたいときは、皮膚科で聞くことをおすすめします。
「皮膚科に行く時間がない」という方は、オンライン診療サービスで相談することも一つの手でしょう。
東京美肌堂はオンラインで専門医と話すことができるので、興味がある方は以下のボタンから予約してみてくださいね。
初回購入で使える!
トラネキサム酸に関するよくある質問
ここでは皆さんの疑問を解決するために、トラネキサム酸に関するよくある質問に尾崎先生がお答えします。
トラネキサム酸に関する疑問がある方は以下の質問をチェックしてみましょう。
それ以外にもトラネキサム酸に関して疑問がある場合は、皮膚科で相談することも大切です。
低用量ピルと併用できる?
トラネキサム酸は低用量ピルと服用できますか?
トラネキサム酸と低用量ピルは、併用禁忌ではありませんが、血栓発症のリスクが両方にあるため同時服用は避ける場合があります。もし不安であればトラネキサム酸の服用を避けておくか、トラネキサム酸をあまり長期服用せず、期間を設けて服用しましょう。
トラネキサム酸は飲み続けても大丈夫?
トラネキサム酸は飲み続けても大丈夫ですか?
ほとんどの方は飲み続けても問題はありませんが、副作用の心配がある方は1~2か月続けた後に、1か月程度の休薬期間を設けるようにしましょう。しかし、正しく服用しないと血栓症のリスクが高まるため、休薬する際も医師に相談するようにしてくださいね。
生理が止まってしまうことはある?
トラネキサム酸を服用することで生理が止まってしまうことはありますか?
トラネキサム酸は止血作用もあるお薬で、月経時の経血量が過度に多い状態の改善に使用されることもあり、生理中の経血量が少なることはありますが、生理が止まってしまうほどの効果はありません。万が一生理が止まってしまった場合は、一度産婦人科でご相談いただくことをおすすめします。
妊娠中・授乳中は服用できる?
トラネキサム酸は妊娠中や授乳中でも服用できますか?
トラネキサム酸は血栓症リスクの観点から、産婦人科の先生によっては中止される可能性があります。そのため通われている担当の医師にご確認するようにしましょう。
トラネキサム酸は美白効果の高い医薬品
トラネキサム酸は美白効果の高い医薬品で、シミや肝斑の治療にも使われています。
それ以外にも炎症を抑制する効果や、止血効果など多くの作用があるため、幅広い治療に使われている医薬品です。
比較的安全性が高いので、シミや肝斑の改善、美白効果を求める方は一度試してみてもいいかもしれませんね。
しかし、正しく服用をしないと血栓症のリスクが高まるなどの可能性があるため、服用を考えている方は一度皮膚科の医師に相談することをおすすめします。
東京美肌堂では、
- LINEで完結する「オンライン診察」
- 土日祝も夜10時まで受診可能
- 当日予約もできるから気になったときにすぐ診察
- あなたに合った医療用医薬品・内服薬・外服薬・漢方薬がわかる
- 初診料・再診料・処方箋料・相談料が0円
といった、忙しい方でも美容皮膚科を受診できるオンライン診療サービスを提供しています。
ご予約は下記ボタンから受け付けていますので、気になった方はチェックしてみてくださいね!
東京美肌堂の診察予約はこちらから
AI Beauty Clinic(エーアイ美容クリニック)
尾崎宥文 医師
美容外科・美容皮膚科
当院では、美容医療技術とテクノロジーを組み合わせた新しい治療を提案しています。特に痩身治療では、医療と最新のAIの技術を使いながら、確実に患者様のライフスタイルを改善して、目指す体型に導くサポートをいたします。 美容外科治療では、大手美容外科クリニックの院長を務めた経験を活かしながら、効果を最大限に引き出しつつリスクやコストを最小限にできるような治療を提供いたします。 これらの組み合わせにより、患者様の全身・局所両方にアプローチすることで、 健康と美を同時に実現し、自己実現欲求を満たすことを目指しています。