ベピオゲルは、ニキビ治療薬の一つです。
日本では2014年に使用が認められた比較的新しい医薬品に分類されます。
過酸化ベンゾイルを主成分としており、原因菌であるアクネ菌の増殖を抑えニキビの改善効果が期待できます。
また、毛穴に詰まった角質を剥がれやすくする作用を持ちます。
どのようなニキビに効果を示すのか、毛穴やシミへの効果はどうなのかなど、詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- ベピオゲルは白・黒・赤ニキビの改善に効果を期待できる「ニキビ治療薬」
- 抗生物質を含まないため、比較的長期間使用を続けられる
- 使用時は薬剤が髪・服につかないよう注意し、使用後は紫外線を避ける
目次
ベピオゲルとは
ベピオゲルとは、医療用医薬品で皮膚に直接塗る外用薬です。
海外では50年以上前から代表的なニキビ治療薬として使用されてきました。
日本では2014年に保険適用の処方が認められるようになり、現在ではニキビ治療でよく使用される薬のひとつとなっています。
過酸化ベンゾイルが主成分の治療薬
ベピオゲルの主成分は「過酸化ベンゾイル」という物質です。
ニキビの原因菌であるアクネ菌を構成する物質を酸化させることで、抗菌作用を発揮します。
濃度が濃いほど、期待できる効果も高まりますが、その分肌が乾燥しやすくなるため、2.5%程度の濃度での外用薬が処方されることが多い傾向にあります。
抗生物質を含まないニキビ治療薬
ベピオゲルには、抗生物質が含まれていません。
抗生物質とは、細菌による感染を防ぐのに有効な「抗菌薬」です。
ニキビの治療薬には、この抗生物質が含まれているものもあります。
抗生物質を含むニキビ治療薬は、長期使用で耐性菌を生み出す可能性があるため、使用期間に制限があります。
一方、ベピオゲルは抗生物質を含まないので、比較的長期間使用できるのが特徴です。
ベピオゲルの効果
ベピオゲルには毛穴詰まりの解消や、炎症を抑える効果が期待できます。
ニキビにはいくつか種類があるため、自分のニキビにベピオゲルが効果的か見分けていきましょう。
白ニキビ・黒ニキビの毛穴詰まりの解消
ベピオゲルは、毛穴詰まりが原因で発生する白ニキビ・黒ニキビの改善に効果が期待できます。
ベピオゲルにはピーリング作用があるためです。
ピーリング作用とは、皮膚表面の古い角質や皮脂を取り除く働きのこと。
白ニキビ・黒ニキビの原因である毛穴詰まりを解消することで、ニキビの改善に効果を発揮します。
赤ニキビの炎症を抑える
赤ニキビは細菌が増殖して、炎症を起こしている状態です。
ベピオゲルに含まれる過酸化ベンゾイルが分解されると「フリーラジカル」という活性酸素になります。
この「フリーラジカル」が、抗菌作用を持つため、赤ニキビの改善に効果が期待できます。
シミが消える効果は認められていない
ベピオゲルには、シミを薄くする効果は認められていません。
シミを改善する成分は、含まれていないためです。
ただし、古い角質を除去するピーリング作用があるため、トーンが明るくなってシミやくすみが取れたように見えることは考えられます。
ベピオゲルの副作用
ベピオゲルの使用で、以下の症状が見られた場合は、ベピオゲルの副作用であると考えられます。
副作用が強い場合や、なかなか改善されない場合は早めに医師に相談しましょう。
赤みやヒリヒリ感
ベピオゲルの使用で、赤みやヒリヒリ感を感じることがあります。
塗った際に成分の刺激を感じたら、水で洗い流しましょう。
赤みやヒリヒリ感は、使用開始から1カ月を過ぎるとおさまってくる傾向にあると言われています。
また、肌の乾燥がしやすくなる傾向にあり、皮むけが起こることもあるため注意しましょう。
かぶれや湿疹
個人によっては、ベピオゲルの成分が肌質に合わず、かぶれが起こることがあります。
ひどい場合は、強い赤み・かゆみ・ジュクジュクとした腫れが現れる可能性もあります。
このような症状が出た場合は、ベピオゲルの使用を中止し、早めに医師に相談しましょう。
ベピオゲルの使い方
1日1回洗顔後に塗布する
ベピオゲルは1日1回、洗顔後に患部に塗布します。
ベピオゲルを塗布した箇所が紫外線に当たると、副作用が発生しやすくなる特性があるため、陽の光のない夜の洗顔後のあとに塗るのがおすすめです。
顔のニキビだけではなく、胸部や背中など、顔以外のニキビへの使用も可能です。
顔以外のニキビの治療に使う場合は、入浴後に塗布しましょう。
塗る順番はスキンケアの最後
ベピオゲルを塗るタイミングは、基本的にはスキンケア用品を使った後にしましょう。
「広範囲に塗る保湿剤を塗る」→「ベピオゲルを最後に塗る」の順番です。
先にベピオゲルを塗ってから化粧水を塗り広げると、ベピオゲルの有効成分が広がり、健康な肌に副作用を起こすリスクがあがってしまいます。
また、ベピオゲルは、目や口唇、粘膜、傷口のまわりは避けて塗りましょう。
最初は少量から使い始める
ベピオゲルの成分は、肌に刺激を与えることがあります。
成分が肌質に合わないということも考えられます。
そのため、使用開始時は、ニキビのある患部のみに少量を塗布してください。
副作用の症状や肌への刺激が出ないと確認できてから、塗りたい部分にまんべんなく塗りましょう。
ベピオゲルの注意点
ベピオゲルを使用する際の注意点を紹介します。
基本的には、医療機関で医師の処方を受け、医師や薬剤師から指示のあった用法・用量を守ることが大切です。
市販では購入できない
ベピオゲルは、市販では購入することができません。
医学的に効果を認められている有効成分が含まれるため、副作用のリスクもあるためです。
そのため、医師が治療に必要と判断したときのみ、処方を受けられます。
妊娠中または12歳以下の方の使用は相談
ベピオゲルの使用による胎児への影響は特に確認はされていません。
ただし、妊娠中の場合は、念のためベピオゲルを使用しても問題ないか、医師に相談しましょう。
また、12歳以下へのベピオゲルの臨床実験は実施されていません。
そのため、基本的には12歳以下の方の使用は避けたほうがいいでしょう。
塗布後は紫外線を浴びない
ベピオゲルを塗った部分には、紫外線を長時間当てないことが重要です。
ベピオゲルを塗った部分に日光が当たると、皮膚が刺激を受けて、副作用が発生しやすくなります。
帽子や日傘を活用して、日差しを避けましょう。
髪や服には付かないようにする
ベピオゲルには漂白作用があります。
そのため、髪や服などに付着すると白く色が抜けてしまう可能性があります。
そのため、ベピオゲルは髪や服などの繊維には付けないように注意しましょう。
ベピオゲルのやめどきはいつ?効果が出るまでの期間は?
ベピオゲルでの治療を進めるにあたり、どのくらいの治療期間が必要かは気になりますよね。
効果が出るまでの期間とやめどきの目安を知っておきましょう。
効果が出るまでは約2週間~3カ月が目安
ベピオゲルの効果はいつ頃実感できるの?
ベピオゲルの効果を実感し始めるまでの期間は、個人差があります。
一般的には、約2週間~3カ月が目安と言われています。
3カ月近く使い続けても効果を実感できない場合や、副作用が出てしまった場合は、使用を中止する必要もあります。
ニキビの改善がなかなか感じられない場合は、医師へ確認しましょう。
やめどきは症状による
ベピオゲルはいつまで使い続ければいいの?
ベピオゲルは、抗生物質を含まない外用薬のため、比較的、長期間使用を続けることが可能です。
ベピオゲルでの治療を終了するタイミングは、個人の症状によって異なります。
そのため、処方を受ける際や、治療を続けていく中で使用期間が気になった場合に医師に確認してください。
ただし、副作用が強い場合やなかなか改善されない場合は早めに医師に相談しましょう。
ベピオゲルでのニキビ治療は医師へ相談
ベピオゲルは抗生物質を含まないニキビ治療薬のため、慢性的に繰り返しやすいニキビにお悩みの方などに相性のいい医薬品と言えるでしょう。
ベピオゲルでニキビ治療を進めたい場合は、医師からの処方が必要になります。
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藤原東華 医師
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