肌断食でニキビは治せるの？
肌断食をしたらニキビが増えた…。
肌断食とは、スキンケアやメイクを何も行わない美容法です。
ニキビができて、なかなか治らない場合は、肌断食をしてニキビが治るという場合もあります。
ただし、本来の正しいニキビの治療法ではないため、ニキビや肌荒れが悪化してしまうこともあります。
今回は、肌断食とニキビの関係性、肌断食が向いている人／向いていない人、やり方などを詳しく紹介していきます。
この記事でわかること
- 肌断食は肌への負担を減らすことでニキビが改善することがある
- 肌断食をする時は段階的にスキンケアを減らす「プチ肌断食」がおすすめ
- 肌断食は最低1ヶ月は経過を見る必要がある
目次
肌断食とは
肌断食の目的は「肌本来の機能を回復させること」です。
スキンケアを最低限にすることで、肌への負担を減らし、バリア機能（※）を回復させられる場合があります。
肌荒れの原因の一つである、過度で合っていないスキンケアによる肌悩みを抱えている方向けの対応策です。
※バリア機能…肌本来が持つ、乾燥や摩擦、紫外線や雑菌などのあらゆる外部刺激から肌を守る働きのこと。
スキンケアやメイクを行わない美容法
肌断食は、肌に休息期間を設ける美容法です。
ファスティングや断食のように、一時的にスキンケアやメイクを行わないスキンケア方法のため「肌断食」と言われています。
過度なスキンケアやメイクは、肌のバリア機能を低下させる原因の一つにもなります。
肌断食では、一定の期間内で、できる限りスキンケアやメイクを控え、肌への負担を減らすことで、肌のバリア機能を向上させることが期待できます。
段階的に実施する「プチ肌断食」がおすすめ
「プチ肌断食」とは、スキンケアやメイクを段階的に減らす方法のことを言います。
スキンケアやメイクを急に控える「肌断食」は、人によっては乾燥や肌荒れを引き起こします。
「プチ肌断食」のメリットは、少しずつスキンケアやメイクを変えるため、急激な変化による肌への負担を減らせる点です。
特に、肌状態がゆらぎやすい方や、敏感肌の方には「プチ肌断食」がおすすめです。
肌断食でニキビは増える？治る？
肌断食をすることで、ニキビが治る場合もあれば、ニキビが増えることもあります。
肌断食によって肌が治るメカニズムとニキビが増えてしまう理由を見ていきましょう。
合わないケアをやめることでニキビが治る
肌断食をして効果が現れる可能性があるのは、以下の人です。
- 今までのスキンケアが合っていなかった人
- 過度なスキンケアをしていた人
- 肌の表面のみツヤツヤで内側が乾燥している「ビニール肌」の人
上記に当てはまらない人が、肌断食をすると、乾燥して皮脂の過剰分泌が盛んになり、ニキビが悪化してしまう恐れがあります。
ビニール肌について詳しく知りたい方はこちら
「ビニール肌」とは？原因や見分け方＆改善方法【診断シート付】
一時的にニキビが増えることがある
本来「肌断食」は、ニキビの正しい治療法ではありません。
そのため、肌が乾燥して、かえって皮脂が多く分泌されて、ニキビが悪化したり増えることがあります。
少し期間が経っても、肌荒れが収まらない場合は肌断食が合っていないと判断して正しいスキンケアをしましょう。
ニキビ跡を治すには、肌のターンオーバーを促進する必要があります。肌断食は、肌が乾燥することによって、かえって肌のターンオーバー乱れる可能性があるので、ニキビ跡の改善には向きません。
ニキビを治すために「肌断食」をやめたほうがいい人
肌断食が合わずに、かえって肌荒れしてしまうケースも考えられます。
今回は、肌断食を避けたほうがいい人の特徴を紹介します。
皮膚疾患を持っている
敏感な肌やアトピー性皮膚炎、乾燥などの皮膚疾患を持っている人に肌断食は向いていません。
皮膚疾患のある肌は、バリア機能が低い状態ですが、肌断食でさらに乾燥することで、肌がさらに弱い状態になりやすいです。
肌が乾燥している
肌が乾燥している場合の肌断食もおすすめできません。
肌断食をすることで、肌本来の回復力を引き出すことはできますが、乾燥の根本的な解決にはなりません。
そのため、乾燥肌の人や、日焼けをした直後の乾燥した肌状態でのに肌断食は向いていません。
また、冬などの乾燥しやすい時期に肌断食を始めるのもなるべく避けましょう。
ニキビを治す「肌断食」のやり方
肌断食は、過度なスキンケアをやめることで肌本来の回復力を取り戻すための美容法です。
しかし、極端な肌断食は、肌荒れを引き起こす可能性があります。
今回は、少しずつ合わないスキンケアを減らしていく「プチ断食」のやり方を3ステップで紹介します。
スキンケアアイテムを減らす
まずは、今使っているスキンケアの点数を徐々に減らします。化粧水・乳液での保湿ケアのみにしてみましょう。
使用するアイテムは、美容に特化した成分を含んでいるものなどではなく、肌に優しい無添加・無香料のものを選びましょう。
肌断食をする際の保湿剤にワセリンを使う方法もあります。しかし、ワセリンは「保湿」ではなく「保護」の役割を持っています。肌の水分不足を補えるわけではありません。また、ワセリンの油分が毛穴をふさぐことでニキビの発生の原因になることもあるので注意しましょう！
お湯で落ちるメイクにする
メイクを落とすためのクレンジングは、スキンケアの中でも肌に負担のかかる工程の一つです。肌断食中のメイクは、お湯で落とせるメイクに変えることで、肌への負担を減らせます。また、日焼け止めもお湯でオフできるタイプのものを使いましょう。
メイク落としをする際は、目元や口元のポイントメイクは、ふき取りシートや専用のリムーバーを使って優しくふき取りましょう。
洗顔を石鹸に変更する
ニキビの原因となる皮脂汚れや古い角質は、洗顔料を使ったほうが落としやすくなります。
しかし一般的な洗顔料には「合成界面活性剤」が含まれていることが多く、皮脂の汚れとともに肌のバリア機能を守るために必要な「細胞間脂質」まで洗い流してしまいます。
そのため、肌断食中の洗顔は「天然界面活性剤」かつ、弱アルカリ性で比較的バリア機能の低下を防げる石鹸の使用がおすすめです。
ニキビを治すための「肌断食」を行うときの注意点
肌断食は効果に大きく個人差があり、場合によっては肌荒れしてしまうこともあります。
以下では、肌断食中に気を付けたい4つのポイントを紹介します。
皮膚を作る栄養素を摂る
肌断食中は、皮膚を健康的に保つために必要な栄養素をしっかり摂ることが重要です。
スキンケアで肌を直接ケアすることを減らすため、内側からアプローチしましょう。
偏った食事をしたり、糖分や油分を過剰摂取してしまったりすると、肌のターンオーバーが乱れニキビが悪化してしまいます。
ニキビを治すためには、ビタミンやタンパク質、食物繊維などを含む以下の食材をバランスよく摂取しましょう。
さらに詳しく以下の記事をチェック！
美肌効果のある「栄養素」とは？効率的な取り入れ方やおすすめ食材を解説
紫外線対策をする
肌断食中も、紫外線対策は必ず行いましょう。
紫外線は、肌へのダメージとなり、バリア機能を低下させてしまうため、ニキビの悪化の原因となります。
「日焼け止めを塗ると肌に負担がかかるのでは？」と考える方もいらっしゃいますが、紫外線による肌への負担の方がはるかに大きいのです。
家にいるときも日焼け止めを塗ったり、日傘や帽子で紫外線対策をしましょう。
- SPFが低め（30程度）
- 紫外線錯乱剤を使った「ノンケミカル処方」
- クレンジング不要で石鹸で落とせる
- ウォータープルーフ効果が無い
- 保湿成分が配合されている
クレンジングは続ける
肌断食中に、日焼け止めや皮脂の汚れを落とすためにクレンジングは必要です。
「クレンジング不要」と書かれている日焼け止めを使っている場合でも、肌に日焼け止めの成分が残らないようにすることが大切なため、落ち切らない場合はクレンジングを使いましょう。
クレンジング効果も兼ね備えている洗顔料を使ったり、肌に優しいクレンジングの使用も、肌への負担を軽減できるため、おすすめです。
- クリームタイプやミルクタイプ、ジェルタイプを選ぶ
- ヒアルロン酸・セラミドなどの保湿成分が配合されているものを選ぶ
- パッチテスト済み・低刺激性などの表記があるものを選ぶ
最低1ヶ月は肌の変化を観察する
肌細胞は、約28日の周期で行われるターンオーバーで生まれ変わるため、最低1ヶ月は肌の変化を観察することが重要です。
1ヶ月近く経っても肌荒れが収まらない場合や、途中で肌荒れが悪化した場合は、肌断食が合っていない可能性があるので、中断しましょう。
ニキビ治療は肌断食ではなく皮膚科へ
肌断食は、いままでのスキンケアのやり方などが合わずにニキビが悪化した人には、ある程度効果の期待できる美容法です。
しかし、肌断食はニキビ治療の正しい方法ではありません。
肌に負担がかかり、ニキビが悪化する可能性も高いです。
ニキビを治したい場合は、医師に相談することをおすすめします。
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藤原東華 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。