角栓ってなに?なかなか取れない毛穴詰まりのこと?
鼻や顎にできた白い塊の正体は「角栓」かもしれません。
毛穴に皮脂などが詰まっている状態のため、角栓を放置するとさまざまな肌トラブルが引き起こされます。
そのため、できるだけ早くケアをして、角栓を除去することが大切です。
今回は角栓の正体と原因、対策するためのスキンケアについてご紹介します。
セルフケアでなかなか改善しない場合は、美容皮膚科でできる治療法も参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 角栓とは汚れなどが固まり毛穴を塞ぐ栓のこと
- 無理やり押し出すと肌が傷つき肌荒れにつながるので要注意
- 皮脂を落とすスキンケアを続けることで改善・予防につながる
目次
角栓とは何か
まずは、角栓がどのような状態を指すかを理解しておきましょう。
角栓は、皮脂が多く分泌されて毛穴に詰まることで、できやすくなります。
空気に触れると表面が硬くなるため、触るとザラザラした感触があります。
この硬い塊の正体は何でしょうか。次からその点について説明していきます。
角質と皮脂が混ざってできた塊
角栓の正体は、角質(タンパク質)と皮脂が混ざってできた塊です。
角栓は、皮脂の分泌量が多い部位にできることが多く、鼻やTゾーンによく見られます。
皮脂が多い部位にできやすいため、皮脂の塊と思っていた方もいるかもしれません。
実は、角栓の約70%を占めるのは古い角質(タンパク質)で、残りの30%は皮脂です。
毛穴が詰まっている状態
角栓ができていると、毛穴に白い塊が詰まっているように見えます。
これは、毛穴の中に角栓がある状態で、「つまり毛穴」とも呼ばれます。
この状態を放置してしまうと毛穴トラブルやニキビの元となります。
脂性肌の人は、もともと皮脂の分泌が盛んで、角栓ができやすいので注意しましょう。
さらに、角栓が空気に触れ続けるとだんだん酸化して黒ずんでしまい、「黒ずみ毛穴」ができます。
ニキビとは毛穴の塞がりの程度が違う
角栓は、ニキビの初期段階である「白ニキビ」と似ていますが、角栓とニキビは別物です。
白ニキビは毛穴の出口が完全に塞がっていて、その中に皮脂と角質が詰まっている状態のことを指します。
一方で、角栓は毛穴は完全に塞がっているわけではありません。
ただし、角栓があると、ニキビの原因菌となるアクネ菌が皮脂をエサにして、繁殖しやすく炎症を伴うニキビに発展しやすくなります。
角栓の原因
ここまでは、角栓がどういう状態であるかを解説しました。
次に、角栓の原因を大きく3つ紹介します。
根本的に角栓を改善するためにも、原因を理解しておきましょう。
加齢によるハリ不足
年齢を重ねるにつれて、肌のハリや弾力は徐々に失われていきます。
これは、年齢とともに肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンを生成する働きが弱まるためです。
肌のハリが失われると、皮膚がたるみ、毛穴が開いてしまい汚れが溜まりやすくなります。
毛穴の中に角質や汚れが溜まりやすくなるため、加齢に伴う肌老化で角栓ができやすくなるのです。
肌のターンオーバーの乱れ
角栓ができる原因には、肌のターンオーバーの乱れも挙げられます。
通常、肌はターンオーバーによって、約28日かけて古い細胞が皮膚の表面から排出され、新しい細胞へと生まれ変わります。
しかし、紫外線や乾燥、加齢、生活習慣の乱れなどが要因で、肌のターンオーバーの働きが低下してしまうことがあります。
これにより、古い角質が肌の表面に残ったままになると、皮脂と混ざることで角栓ができやすくなります。
肌の乾燥
肌の乾燥も角栓ができる原因の一つです。
肌が乾燥していると、角栓を形成する皮脂の過剰分泌が一見、抑えられるように思うかもしれません。
しかし、肌は乾燥するとバリア機能(※)が働き、内部の潤いを保とうとして、皮脂が過剰に分泌されます。
これにより、過剰分泌された皮脂が角質と混ざり合い、角栓ができやすくなってしまいます。
※肌のバリア機能とは、外部からの刺激や細菌などの侵入を防ぎ、水分や栄養を保持する肌に備わっている機能のことです。
皮脂の過剰分泌
皮脂が過剰に分泌されて、排出されずに毛穴に留まり、角質が混ざると角栓が形成されてしまいます。
上記で紹介した肌のターンオーバーの乱れや、乾燥以外にも、もともとの肌質で皮脂の分泌量が多い方も角栓ができやすい状態です。
また、ホルモンバランスの乱れや、食生活やストレスの影響によっても皮脂量は増えやすくなります。
角栓を自宅でケアする方法
一日生活する中で、肌には、皮脂がたまっていくため、定期的にスキンケアで落とす必要があります。
スキンケアを怠ってしまうと、皮脂が溜まり角栓ができやすい肌環境になりやすいので毎日継続することが大切です。
普段何気なく行っているスキンケアが角栓を悪化させる可能性もあるため、角栓ケアのポイントを押さえていきましょう。
- 毛穴を柔らかくして汚れを落としやすくする
- クレンジングと洗顔で汚れを落とす
- 皮脂の分泌を抑制するアイテムを使う
ホットタオルで角栓を緩める
角栓は硬いタンパク質でできているため、そのまま洗顔やクレンジングをしてもなかなか取れないことがあります。
そこで、まずはホットタオルで角栓を柔らかくして緩めましょう。
ホットタオルの温度で角栓が柔らかくなり、取り除きやすくなります。
洗顔やクレンジングの前に、顔全体にホットタオルを5分程度当てておきましょう。
角栓が柔らかくなってから洗顔やクレンジングを始めることで、角栓をしっかりと落とすことができます。
- 顔が覆えるくらいの大きさのタオルを水に濡らして絞る
- 500Wの電子レンジで30秒~1分温める
- タオルを触って熱すぎない温度であれば顔に乗せる
オイルタイプのクレンジングで汚れを落とす
毛穴に詰まった角栓をケアするには、オイルタイプのクレンジングを使うのがおすすめです。
オイルタイプのものは、比較的洗浄力が高く、角栓を溶かして落とす効果を期待できます。
ただし、肌が乾燥しやすい時期には、肌への刺激を抑えられるミルクタイプなどのクレンジングを使うのがおすすめです。
皮脂を落としやすい洗顔料を使う
角栓を除去するには、皮脂を落としやすい洗顔料を使うこともポイントです。
毛穴汚れをかき出すのに効果的なクレイや酵素、炭などの成分が配合されたアイテムがおすすめです。
角栓は、毛穴の中に詰まっているため、表面をゴシゴシと擦ってもなかなか落ちません。
そのため、泡立てネットなどを使ってなるべくきめ細かい泡を作り、汚れを泡で吸着するようにして洗顔してくださいね。
収れん作用のある化粧水・乳液で保湿する
角栓を落とすケアをした後は、収れん作用のある化粧水で肌を保湿しましょう。
収れん作用とは、毛穴を引き締めることで、皮脂の分泌量を調節する働きのことです。
角栓によって押し広げられた毛穴を引き締め、毛穴に角質や皮脂が溜まることを予防します。
また、化粧水だけでスキンケアを終わらせてしまうと、肌の水分が蒸発して乾燥の原因になるため、皮脂が出やすい方も必ず乳液を使用しましょう。
化粧水
角栓を美容皮膚科で除去する方法
自宅のケアではなかなか角栓を取り除ききれない方や、より効果的に角栓を除去したいという方は、美容皮膚科を受診しましょう。
角栓は、放置するとさまざまな肌悩みを引き起こす可能性があるため、早めに対処することが大切です。
美容皮膚科では外用薬や内服薬、施術などの方法で角栓を除去します。
ここでは、角栓除去に用いられることのある治療法を紹介します。
外用薬
肌表面の角層をはがす「角層剥離作用」のある外用薬を肌に塗布することで、毛穴の詰まりを改善します。
アダパレン
「アダパレン」は、角栓の原因となる角質を除去する作用を持ちます。
角層剥離作用が毛穴の詰まりを解消し、角栓の発生を防ぐ効果を期待できます。
副作用として、赤みや皮剥けなどが現れる場合があるため、専門の医師の指示に従い使用しましょう。
アダパレンの「ニキビ治療の効果と副作用」を解説!正しい使い方と注意点をチェックベピオゲル
「ベピオゲル」は、過酸化ベンゾイルを主成分とする外用薬です。
角質の剥離を促進することで、毛穴に詰まった角栓を除去する効果が期待できます。
ただし、個人により適した使用期間が異なるため、必ず医師の指示に従って使用しましょう。
べピオゲルの効果と副作用を解説!赤みはいつ引く?やめどきと使い方のポイント内服薬
内服薬の成分が体内のバランスを整えることで、角栓ができにくい肌環境をつくることができます。
以下のような肌のターンオーバーを適正に保ったり、皮脂の過剰分泌を抑える作用がある内服薬があります。
シナール
「シナール」はビタミンCを主成分とする内服薬です。
ビタミンCの抗酸化作用で肌のたるみなどを防ぐとともに、肌のターンオーバーを促進することで、古い角質を体外に排出し、角栓を解消します。
下痢、嘔吐、胃の不快感などといった副作用が現れる場合があります。
シナールの効果的な飲み方を解説!シミやニキビへの美容効果と注意点も紹介ユベラ
「ユベラ」は血行促進作用を持つビタミンEが主成分の内服薬です。
ビタミンEの血行促進作用により肌のターンオーバーを正常化し、古い角質を体外へ排出します。
過剰摂取をすると、下痢や骨粗しょう症、血液が止まりにくくなる副作用が起こりやすくなるため用法・用量は守りましょう。
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「ピドキサール」は、皮脂の分泌を調節する働きを持つビタミンB6を主成分とする内服薬です。
特に脂性肌の方に効果的で、皮脂量が多いと感じている方に相性が良いと言えます。
稀に足のしびれなどの副作用や、食欲不振が起こる場合があります。
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施術は、肌に直接的にアプローチして角質を除去する方法です。
古い角質を直接取り除く施術や、肌のターンオーバーを正常に整えることで、角栓の除去を助けます。
施術によっては、肌質や肌状態との相性が悪く受けられない場合があるので、事前に医師に確認しましょう。
ケミカルピーリング
ピーリングは、肌表面に薬剤を塗布して、角質を除去する治療法です。
角栓は、古い角質や汚れが毛穴に詰まることで発生するため、原因となる角質を取り除くピーリングは効果的になります。
古い角質を排出させて、肌のターンオーバーを整えることで、角栓の予防にもつながります。
ダーマペン
ダーマペンは、専用の器具で肌に微細な穴を開け、肌に本来備わっている回復力を引き出す施術です。
肌は、新しい肌細胞への生まれ変わらせる働きで、傷ついた細胞を修復します。
この働きにより、古い角質の排出が促進されて、角栓の改善を助けます。
角栓ができた時のNG行動
角栓ができたときに、無理やり押し出そうとしたり、頻繁に洗顔したりしていませんか?
実は、無理に角栓を取ろうとする行動は、かえって肌の状態を悪化させることにつながりやすいので注意が必要です。
ここでは、角栓ができたときにやってしまいがちなNG行動をご紹介します。
角栓を無理に押し出す
毛穴に詰まった角栓が気になって爪やピンセットで無理に押し出そうとした経験はありませんか?
角栓を無理に押し出してしまうと、毛穴や周りの皮膚がダメージを受けて、傷ついてしまいます。
これにより、肌のバリア機能が低下し、乾燥が進み皮脂の分泌量が増えることで角栓の再発に繋がってしまうのです。
また、爪やピンセットには細菌がついている可能性もあります。
肌に細菌が付着すると、炎症しやすくなるため、角栓を無理に取ろうとするのやめましょう。
毛穴パックを頻繁に使う
毛穴パックを使うことで一時的に角栓をスッキリ取ることができるかもしれませんが、頻繁に使うと角栓の悪化に繋がります。
毛穴パックは、角栓を引っ張って取り除くアイテムなので、毛穴や周りの皮膚を傷つける原因になります。
そのため、粘着力の強いものを週に1回以上使うと、むしろ肌に悪影響を与えてしまいます。
さらに傷つき広がった毛穴には、角質がたまりやすくなり、かえって角栓が生じやすい環境を作ってしまいます。
一日に何度も洗顔する
角栓を取り除きたい、皮脂によるテカリを押さえたいがために、一日に何度も洗顔をしてしまうことは良くありません。
一日に何度も洗顔をしてしまうと、肌に必要な皮脂まで取り除き、乾燥を招きます。
肌のテカリやべたつきに悩んでいる方ほど、皮脂を必要以上に取り除くことで悪循環に陥っているかもしれません。
洗顔は朝と夜の1日2回の必要最低限にして、乾燥を防ぐようにしてくださいね。
保湿をしない
肌がべたつきやすいから、保湿はいらないと思っている方は要注意です。
保湿をしないと肌が乾燥し、肌の潤いを保とうと皮脂が過剰に分泌してしまいます。
特に、洗顔後の肌は水分が蒸発して乾燥しやすいため、化粧水と乳液で肌をしっかりと整えることが大切です。
皮脂の分泌量が多い方は、さっぱりとしたテクスチャーのものを選ぶなど工夫しながら保湿しましょう。
糖質や脂質を摂りすぎる
普段の食事で、糖質や脂質を摂りすぎることも、NG行動の一つです。
なぜなら、糖質や脂質の摂取過多は皮脂の過剰分泌を引き起こします。
糖質や脂質が体内で余分に取り込まれると、その一部が肌から皮脂として排出されてしまうのです。
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴の詰まりを招きやすくなります。角栓の原因にもなりかねません。
普段の食事内容を振り返って、糖質や脂質の摂取が過ぎていないか確認してみましょう。適量を心がけることが大切です。
メイクを落とさずに寝る
メイクを落とさずに寝てしまうことが多い方は、要注意です。
ほとんどの化粧品には油性成分が多く含まれており、メイクを落とさずに毛穴に詰まったままの状態が続くと角栓の原因となります。
そのまま落とさないで寝ると、雑菌が繁殖して炎症性のニキビなども発生しやすくなるので注意しましょう。
睡眠時間を確保しない
十分な睡眠時間を確保できていないと、肌のターンオーバーが乱れる原因になります。
肌のターンオーバーは、主に寝ている間に活発になります。
そのため、睡眠時間が短いと肌のターンオーバーが乱れ、余分な皮脂や角質を排出できずに、角栓ができやすくなります。
目安としては、毎日7~8時間の睡眠をとると良いと言われています。
角栓が取れない方は皮膚科医に相談しよう
角栓は皮脂と角質が硬く固まって、なかなか取れないものもあります。
自力でのケアでは限界があるようなら、是非とも皮膚科医に相談してみてください。
効果的な医薬品や施術によって、肌をできるだけ傷つけずに治療を進めることができます。
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