唇が乾燥すると皮がむけやすくなったり、リップも綺麗に塗りにくくなりますよね。
リップクリームを頻繁に塗っていても、唇の乾燥が改善しない方は、間違ったケアをしているかもしれません。
今回は、唇の乾燥を防ぐケア方法やNG習慣まで徹底解説します。
唇がすぐ乾燥してしまう方や、皮がむけることに悩んでいる方は、正しいケア方法を知って綺麗に治しましょう。
この記事でわかること
- 唇は角質層がもともと薄く乾燥しやすい部位の一つ
- 乾燥した唇は重点的な保湿ケアとインナーケアで改善を目指す
- 唇の皮をむいたり舐めると、乾燥が悪化しやすいので要注意
目次
唇が乾燥しやすい原因
唇の乾燥は、多くの方が抱える悩みの一つです。
以下で「なぜ唇は乾燥しやすいのか」その理由を説明していきます。
唇は角質が薄い
唇の角質層は非常に薄く、肌と比較すると約3分の1の厚さしかありません。
角質層には、皮膚の表面から水分が逃げるのを防ぐ役割がありますが、唇は角質層が薄いため、顔の中でも特に乾燥しやすい部位の一つなのです。
唇は皮脂腺・汗腺がない
唇には、皮脂を分泌する皮脂腺と汗を分泌する汗腺がないため、皮脂でできた保湿膜が形成されにくいという特徴があります。
そのため、唇の角質層は水分を保持するのが難しく、乾燥しやすくなります。
唇はターンオーバーの周期が短い
唇の細胞が生まれ変わるターンオーバーは、約3~7日の周期で行われます。
ほかの肌細胞のターンオーバーは約28日と言われています。
つまり、唇の細胞の生まれ変わりは、他の部位の約4倍の速さで行われているのです。
この短い周期のため、唇の皮膚は未成熟な状態にあります。
トラブルから早く回復しやすいメリットがありますが、他方で角質層が脆く、乾燥に弱くなるというデメリットも生じます。
唇は外的刺激を受けやすい
他の部位に比べて唇の角質層は非常に薄いので、バリア機能が弱くなっています。
バリア機能とは外的な刺激や細菌から肌を守ったり、皮膚からの水分蒸散を抑える働きのことです。
このバリア機能が弱いと、唇は刺激を受けやすくなり、ダメージを負って乾燥しやすくなります。
唇への刺激となる外的要因
夏に唇が荒れやすい方は、紫外線の影響かもしれません。
角質層の薄い唇は、紫外線のダメージを受けやすく、多くの紫外線を浴びると乾燥してかゆくなったり、皮がむけてヒリヒリすることがあります。
マスクをつけていると、話す時や着脱時に摩擦が発生します。
唇に摩擦が加わると、カサカサと乾燥したり、表面の皮が剝がれやすくなります。
また、マスク内は湿気が多く、潤っているようですが、マスクを外すときに一気に水分が蒸発することで、乾燥が進みます。
唇は角質層が薄く、水分が蒸発しやすい場所です。
そのため、空気の乾燥によっても水分を奪われやすく、唇の皮むけやカサカサを引き起こします。
特に外気の湿度が低い冬場や、冷房/暖房を使用している場所は乾燥しやすいため注意しましょう。
唇は、化粧品の成分の刺激によってかぶれやすい箇所です。
角質層が薄いため、肌質に合わない成分が含まれる化粧品を使用すると、影響を受けてしまいます。
香料・保存料・界面活性剤は、唇の刺激となりやすいため、使用している美容液やリップクリームや口紅の成分を一度チェックしてみてもいいかもしれません。
内臓の不調の影響を受けやすい
唇は、外部からの刺激だけではなく、身体の不調によって乾燥する場合があります。
特に、内臓の不調の影響を受けやすいと言われているため、内臓の調子を整えることを意識しましょう。
唇の乾燥を招く身体の不調
ビタミンが不足すると、身体にいくつかの不調が起こります。
その一つが、内臓の不調です。
内臓に不調が出て、脱水傾向や、免疫が低下してしまうと、肌のバリア機能が低下してしまいます。
内臓の健康に特に必要なのはビタミンA、ビタミンB群、亜鉛、鉄です。
食事だけで栄養をバランスよく摂取するのは難しい方は、サプリメントや医薬品で補うのもおすすめです。
ストレスが溜まると胃腸の不調が起こりやすくなります。
また、血行不良にもなりやすく、栄養や酸素が肌まで、行き渡りづらくなります。
その結果、肌が水分を保つのに必要な栄養素も不足して、唇が乾燥しやすくなってしまいます。
唇の乾燥による症状
唇が乾燥すると、以下のような症状が現れます。
- 唇のひび割れ
- 唇の皮剥け
- 唇からの出血
- 口角炎
- 口唇炎
それぞれ、どのような状態になるのか一つずつチェックしましょう。
唇のひび割れ
ひび割れは、唇に亀裂が入っている状態です。
乾燥が進むと唇の角質層が割れることで、ひびが入ってしまいます。
唇にひび割れがあると、話す際や食事の際に、口を開けると亀裂が引っ張られて、出血する場合があります。
唇の皮剥け
唇が乾燥すると、皮剥けが起こることがあります。
唇の皮は通常約5日~7日で生まれ変わり、皮剥けも修復されていきます。
しかし、乾燥している状態が続くと、唇の角質層の修復も遅くなり、皮剥けの状態が続いてしまいます。
唇からの出血
唇のひび割れや皮むけが悪化すると、出血することがあります。
唇が乾燥していると、もともと薄い角質が裂けやすくなり、出血してしまいます。
出血後、ケアをせずに放っておくと、唇全体に腫れや赤み、亀裂・ただれを伴う口唇炎になるリスクが高まります。
口角炎
口角炎は、唇の端が赤く腫れたり、皮むけしたり、かさぶたになったりと、炎症が起きている状態です。
口角炎になると口を大きく開けたときに、口角が切れて出血や痛みを伴うことがあります。
口唇炎
口唇炎は、唇全体に炎症や湿疹が現れている状態です。
唇に多くの刺激が加わり、唇のひび割れや皮むけ、出血が悪化した結果、起こります。
口唇炎になると、細菌やカビが感染して、炎症が続きやすいため、すぐに皮膚科を受診しましょう。
乾燥した唇の治し方
唇の乾燥がひどい場合や気になるときは、医薬品を有効活用して、効果的に治していきましょう。
薬用のリップクリームを使う
リップクリームは、医薬品・医薬部外品・化粧品の3つに分類されます。
医薬品 | 病気や特定の症状の「治療」が目的 |
医薬部外品 | 病気や特定の症状の「防止・衛生」が目的 |
化粧品 | 「清潔にする/美化する/魅力を増す/健やかに保つ」などが目的 |
唇のひび割れや出血がある方は、症状の改善により有効な医薬品のリップクリームの使用がおすすめです。
唇の炎症を抑える「グリチルレチン酸」、荒れた唇の修復を促す「アラントイン」、皮膚の新陳代謝を促す「ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)」の有効成分が含まれます。
唇のひび割れ・ただれ、口唇炎、口角炎の改善に効果を示します。
医療用の軟膏・クリームを使う
医療用の軟膏やクリームは、医師の診察を受けて、処方を受けられる治療薬です。
市販薬と比較すると、より高い効果を期待できます。
プロペトは、白色ワセリンから不純物を取り除いたものです。
添加物が一切配合されていないので、皮膚が薄くデリケートな唇にも使用しやすいのがメリットです。
プロペトに含まれる油分が保護膜となり、外部刺激から唇を保護します。
ヒルドイドは、高い保湿力を期待できるヘパリン類似物質が配合されている外用薬です。
比較的刺激が少なく、唇の水分の蒸発を防ぐ効果を期待できます。
ただし、唇に傷やただれがある場合は、出血を助長する恐れがあるため、使用を避けましょう。
【医師監修】ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の美容効果と正しい使い方を解説!ロコイドは、ステロイドの一種である外用薬です。
炎症を抑える作用で、赤み・かゆみなどを改善する効果があり、口角炎や口唇炎の治療に用いられることがあります。
ビタミン剤を服用する
ビタミンが不足することでも、肌は乾燥しやすくなります。
特にビタミンB2・ビタミンB6が不足すると「口角炎」になりやすいと言われています。
ビタミン剤を服用することで、乾燥を防ぐことも効果的な手段の一つです。
リボフラビンは、ビタミンB2を製剤化したものです。
ビタミンB2が不足によって発症している、口角炎・口唇炎などの治療に用いられます。
ピドキサール(ピリドキサール)は、ビタミンB6を製剤化したものです。
主に代謝を助ける作用を持ち、皮膚や粘膜の健康を維持に働きます。
口角炎・口唇炎の治療に用いられることがあります。
「ピドキサール」はニキビを治すビタミン剤!美容効果や副作用まで徹底解説乾燥した唇のセルフケア
唇の乾燥の悪化を防ぐためにも、セルフケアを続けることが大切です。
主に、保湿を意識して3つのケアを行いましょう。
リップクリームを塗る
唇には、油分を保つ皮脂膜がないため、リップクリームで唇の表面(角質層)を保護することが有効です。
唇に何も塗ってないと、エアコンの風や紫外線の影響を受けやすくなります。
週に一度のスクラブも交えて、以下の4ステップでケアしてみてください。
新しいリップクリームを使う
「リップクリームが気づいたら手元に何個も…。」なんてこともありますよね。
古いリップクリームには雑菌が付着しているので、唇の赤み、荒れ、かゆみ、刺激を招く可能性があります。
基本的にリップクリームは使用期限の記載がない限り、未開封は3年、開封済みは半年たったら使用を控えましょう。
その他、臭いや色、使用感に違和感を感じた時も使用を止めましょう。
唇の縦ジワに沿って優しく塗る
リップクリームを唇の横ラインに沿って塗っていませんか?
リップクリームは、唇の縦ジワに沿って塗りましょう。
縦に塗ることで、摩擦を抑えやすく、リップクリームがシワ部分にまで浸透しやすくなります。
ラップを使ってパックする
唇の荒れを1日で治すにはラップを使ったリップパックがおすすめです。
湯船につかるかわりに、電子レンジ500Wで30~60秒ほど温めたホットタオルを唇に乗せるのもよいですね。
①唇にリップクリームをたっぷり塗ってラップで覆う。
➁湯船につかりながら蒸気で唇を温め、成分を約5分間浸透させる。
➂ラップを外したら、リップクリームをなじませて、上からもう一度リップクリームを塗る。
週に1回リップスクラブをする
スクラブで、古い角質を取り除くことでリップクリームの保湿成分の浸透を促すことができます。
ただし、頻繁にスクラブを行うと必要な角質まで落としてしまい、乾燥を誘発するため、多くても週に一度の頻度で行いましょう。
洗い流さないタイプのスティック状のシュガースクラブです。
ザクロ種子油・ヨーロッパキイチゴ種子油・ブドウ種子油が配合されており、古い角質を落とすと同時に、唇を保湿します。
水分をこまめにとる
体内の水分が不足していると、唇も乾燥しやすくなります。
2時間にコップ1杯の水を飲むのが理想的と言われており、こまめに水分を補給しましょう。
ビタミンB群や亜鉛を補給する
ビタミンB群や亜鉛は、肌や粘膜のバリア機能を強化して、乾燥を防ぐのに役立ちます。
唇の乾燥を防ぐためには、ビタミンB群と亜鉛が含まれる以下などの食べ物を積極的に摂りましょう。
ビタミンB群を多く含む食べ物 | 亜鉛を多く含む食べ物 |
---|---|
・魚類 ・豚肉 ・レバー ・牛乳 ・卵 ・ほうれん草 |
・牡蠣 ・ほたて ・カニ ・ししゃも ・しじみ ・さざえ ・あさり |
唇の乾燥や荒れを悪化させるNG習慣
摩擦や唾は、唇への刺激となり乾燥や荒れを悪化させることがあります。
NG習慣を3つ紹介するので、唇の荒れを防ぐためにも気を付けましょう。
唇に刺激を与える
唇に直接触れと、摩擦が生じ刺激を与えてしまいます。
唇がかゆいときも、掻かないように注意しましょう。
かゆい部分を搔き壊してしまうと、水分を維持するバリア機能が低下することで、唇の乾燥が治りにくくなります。
唇の皮をむく
唇のめくれた皮を無理に剥がすと、唇の荒れが悪化してしまいます。
皮を剥がす際、出血したり細菌が入り込んだりすることで、炎症を引き起こしやすくなります。
治療薬や保湿剤で唇を保護しながら、自然にはがれるのを待ちましょう。
唇をなめる
唇を舐めると一時的に潤ったように感じますが、唾液で角質がふやけて水分が蒸発することで、より乾燥しやすくなります。
乾燥が気になるときは、リップクリームや保湿剤でケアしましょう。
唇の乾燥やカサカサが治らない場合は皮膚科へ
唇の乾燥やカサカサがなかなか治らない場合は、皮膚科で医師に相談してみましょう。
皮膚科では、必要に応じて保湿力の高い医薬品の処方を受けられます。
皮膚科に行く時間がない方は、処方薬を郵送で受け取ることができるオンライン診療サービスを活用してみてください。
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