防已黄耆湯にダイエット効果はあるの?
「防已黄耆湯でやせた」という口コミを目にしたことがある方も多いと思います。
実は、防已黄耆湯に、体重を減らす効果は認められていません。
しかし、むくみを改善する効果があるため、痩せたようにみえる可能性はあります。
本記事では防已黄耆湯の効果や副作用などについても詳しく解説しています。
また、効果が似ていると言われる防風通聖散との違いも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
- 防已黄耆湯は余分な水分を排出してむくみを解消する
- 1ヶ月程度の服用で効果を実感できる場合が多い
- 自分に合った漢方薬を知るには専門医への相談が大切
目次
防已黄耆湯とは?服用でやせたと言われる理由

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、代謝機能を高める作用を持つ漢方薬です。
そのため、体重を減らす効果は認められていません。
中医学では、人の身体を構成する基本的な要素は「気」・「血」・「水」と定義されます。
気・血・水の3つの要素のバランスが保たれることで、健康を維持できると考えられています。
防已黄耆湯は、発汗機能を調節する「気」や、水分の代謝をつかさどる「水」に作用します。
以下で、防已黄耆湯で痩せたと言われている理由と、防已黄耆湯に含まれる生薬の働きを紹介します。
「むくみ」が解消し見た目がスッキリする
防已黄耆湯には、体内の余分な水分を排出する利尿作用があり、むくみの解消に役立つとされています。
特に、防已や生姜などの生薬が水分代謝(※)を促進し、顔や足のむくみを和らげることで、見た目がスッキリと引き締まった印象になります。
むくみが取れて見た目がスッキリすることで、痩せたような印象をもたれるのかもしれません。
※水分代謝とは、摂取した水分が体の中を巡り、汗や尿として不必要なものを体の外へ出すことです。
「6つの生薬」が水分代謝を整え胃腸の働きを助ける
防已黄耆湯には、以下の6つの生薬が含まれています。

生薬 | 作用 |
---|---|
防已(ボウイ) | 余分な水分を排出する |
黄耆(オウギ) | 汗を抑える |
生姜(ショウキョウ) | 消化・血行を促進する |
白朮(ビャクジュツ) | 胃腸の働きを整える |
大棗(タイソウ) | 余分な水分を排出する |
甘草(カンゾウ) | 胃腸の働きを整える |
防已黄耆湯は、余分な水分を排出する利水作用や発汗を抑える作用で水分代謝を整えます。
利水作用を持つ「防己」や「大棗」、発汗を抑える「黄耆」などの生薬が含まれているためです。
防已黄耆湯の服用で、水分代謝が整うと、主に以下3つの症状が改善されやすくなります。
- 多汗症
- むくみ
- 関節痛
ダイエットに相性が良いのは防已黄耆湯と防風通聖散のどっち?

防已黄耆湯と防風通聖散は、どちらもダイエットを補助する生薬として注目されています。
しかしそれぞれ異なる特徴があるため、目的や体質に合わせて選ぶのが効果的です。
以下で、それぞれの違いを説明します。
むくみやすい方は防已黄耆湯との相性が良い
防已黄耆湯は、特に「むくみが原因で体が重く見える」・「体が冷えやすく水分が溜まりやすい」という方におすすめです。
防已黄耆湯には、水分代謝を整える成分が多く含まれているためです。
利尿作用により、体内の余分な水分を排出し、体の代謝を整えることで水分の巡りが改善されます。
巡りが良くなることによって水分バランスが整えられ、むくみが解消しスッキリとした印象となります。
脂肪が多い方は防風通聖散との相性が良い
防風通聖散は便秘気味で脂肪が蓄積しやすい方に適しています。
防風通聖散には、内臓脂肪・皮下脂肪を分解して燃やす働きと、余分な脂(食事に含まれる脂)を便と一緒に出す働きがあります。
そのため、食べ過ぎによる体重増加や脂肪燃焼をサポートしたい方に適しています。
▼防風通聖散について詳しくはこちらの記事をチェック

防已黄耆湯の効果が出るまでの期間

防已黄耆湯を実際に服用して、どのくらいで効果が実感できるのか、気になる方は多いと思います。
ここでは、防已黄耆湯の効果が出るまでの期間について紹介していきます。
ただ、効果を感じられるのは個人差があるのであくまでも目安として参考にしてみてくださいね。
2週間から4週間の服用で効果が出るのが一般的
一般的には、2週間から4週間の服用で効果が実感できるとされています。
むくみや肥満といった慢性的な症状の改善には、時間がかかることが多いです。
そのため、服用後すぐには改善効果が見られない可能性があります。
1ヶ月以上の服用で変化が見られない場合は医師に相談を
1ヶ月以上服用を続けても改善効果が見られない場合は、防已黄耆湯が体質に合っていない可能性があります。
漢方薬の服用では、体質によって効果を感じやすい方と感じられにくい方がいます。
1ヶ月程度、または医師から指定のあった期間で、服用を継続しても効果を実感できない場合は、医師への相談をおすすめします。

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防已黄耆湯の副作用

防已黄耆湯は、服用によって副作用が起きる可能性があります。
そのため、副作用の具体的な症状を理解して万が一の際に備えましょう。
防已黄耆湯の副作用には以下のようなものがあります。
発疹・赤み・かゆみ
防已黄耆湯の副作用として、発疹・赤み・かゆみが出ることがあります。
これは、体が漢方に含まれる生薬に反応してアレルギー反応を起こしている状態です。
アレルギー体質の方や、過去に漢方薬の服用で同様の症状が出た方は注意が必要です。
食欲不振・胃の不快感
防已黄耆湯の副作用として、食欲不振や胃の不快感を感じることがあります。
これは、漢方に含まれる生薬が胃腸などの消化器に負担をかけていることが考えられます。
一般的に、症状は軽度であることが多いといわれていますが、症状が現れた場合は服用を中止してください。
息切れ・息苦しさ
防已黄耆湯の副作用として、息切れや息苦しさを感じることがあります。
これは、漢方に含まれる生薬が体のアレルギー反応を引き起こしている可能性が考えられます。
また、漢方の服用が間質性肺炎という病気を引き起こし、息苦しさが起きている可能性があります。
間質性肺炎とは肺の間質と呼ばれる部分に炎症や損傷が生じる症状です。
間質性肺炎の原因は、不明であることが多く、そのメカニズムは解明されていません。
しかし漢方薬や風邪薬、抗がん剤の影響で発症する場合があると言われています。
息切れ・息苦しさの症状が現れた場合は、服用を中止し、ただちに医師に相談しましょう。
高血圧・手足のしびれ
防已黄耆湯の副作用として、高血圧・手足のしびれが出ることがあります。
これは、漢方の服用が偽アルドステロン症を引き起こすことで、起きてしまっている可能性があります。
血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、そのホルモンが過剰になっている時と似た症状(高血圧・むくみ症状・手足のしびれ)が現れる状態です。
甘草などの生薬に含まれるグリチルリチンを含む医薬品を大量に摂取することで、血中のカリウムの喪失やナトリウム値の上昇が起こることが原因であると考えられています。
上記のような症状が現れた場合には、服用を中止し、ただちに医師に相談しましょう。
防已黄耆湯の処方薬・市販薬

防已黄耆湯には、医療機関で取り扱いのある処方薬のほか、市販薬があります。
防已黄耆湯の処方薬と市販薬の違いについてご紹介していきます。
効果をより実感したい方は「処方薬」
一般的に処方薬には、市販薬よりも有効成分が多く配合されていることが多いです。
そのため、効果を実感できる可能性が高いといえます。

医師の処方が必要である医療用医薬品の防已黄耆湯です。
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割して服用します。
年齢・体重・症状により適宜増減するので、医師の指示に従って服用してください。
副作用をできるだけ抑えたい方は「市販薬」
市販薬は医師の処方箋が不要で、比較的軽度な症状を対象にしています。
成分や使用量が処方薬に比べ、軽めに設定されているため、副作用の心配が少なく自己判断で使用できます。
顆粒タイプで、市販薬の防已黄耆湯です。
成人の1日の服用で摂取する生薬の含有量は、医療用医薬品のツムラの約1/2となっています。
副作用のリスクをなるべく抑えたい方や、他にも薬を併用していて、生薬の摂取量を調整したい方に向いています。
錠剤タイプで、市販薬の防已黄耆湯です。
錠剤タイプのため、漢方特有の風味が苦手な方におすすめです。
自分に合った漢方薬の処方は東京美肌堂のオンライン診療で相談

今回は、防已黄耆湯の効果や服用におすすめの方の特徴などを解説しました。
防已黄耆湯を服用してみたい方は、専門医への相談をおすすめします。
症状や体質を考慮してアドバイスをもらえるため、より効果的な治療ができる可能性が高いです。
クリニックに行く時間がなかなか取れないという方には、皮膚科のオンライン診療を利用する選択肢もあります。
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