黄ニキビの治し方を正しく理解したい。
そんな方に向けて、今回は黄ニキビの原因や治し方を詳しく解説していきます。
黄ニキビの治し方を誤ると、さらに悪化したり、ニキビ跡になる可能性があるため注意が必要です。
少しでも早く対処することが治療のカギになるため、今日から実践していきましょう。
この記事でわかること
- 黄ニキビとは炎症が悪化して膿となって膨れ上がった状態
- 黄ニキビを自分で治すには正しいスキンケアと市販薬の使用が効果的
- 跡を残さず、きれいに治すには皮膚科や美容皮膚科での治療がおすすめ
目次
黄ニキビとは
黄ニキビとは、ニキビが化膿して膨れ上がった状態です。
肌表面から膿が黄色く見えることで「黄ニキビ」と呼ばれています。
ニキビの炎症が悪化して膿を持つと、黄ニキビへと進行します。
黄ニキビの炎症は、肌表面の表皮層だけでなく、表皮の奥の層である「真皮層」にまで広がっています。
強い炎症で、周辺の肌組織が破壊されるため、痛みやかゆみを伴うことが多いです。
黄ニキビができるのは、皮脂が過剰に分泌するためです。
ストレスによってホルモンバランスが乱れることで毛穴が詰まり、皮脂をエサとするアクネ菌が増殖します。
アクネ菌が増殖し続けることで炎症が悪化して化膿することで黄ニキビができます。
ニキビは症状の違いから、4種類に分けられます。
| 白ニキビ | ・毛穴に皮脂が詰まっている状態 ・白くプツっと盛り上がりがある |
| 黒ニキビ | ・毛穴に皮脂が詰まり酸化した状態 ・黒くプツっと盛り上がりがある |
| 赤ニキビ | ・毛穴でアクネ菌が繁殖し炎症した状態 ・皮膚が赤く盛り上がっている |
| 黄ニキビ | ・炎症がさらに悪化して膿を持つ状態 ・全体的に赤く中心部分のみ白／黄色に見える |
白ニキビ→黒ニキビ→赤ニキビの順に症状が進行して悪化し、その最終形態が「黄ニキビ」と言われています。
さらに詳しくはこちら
「ニキビの種類」を画像付きで解説！症状の違いや原因を知って効果的に治そう
自分で行える黄ニキビの治し方
自分で黄ニキビを治す方法を、詳しく紹介していきます。
ただし、自分で黄ニキビをきれいに治すのは難易度が高い場合が多いです。
既に炎症が強く出ているため、少しの刺激でも悪化する懸念があるためです。
自身でケアを行っても、症状が改善しない場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
肌に負担の少ないスキンケアを継続する
黄ニキビを自分で治す方法には、まず肌に負担の少ないスキンケアを継続的に行うことが大切です。
スキンケアには、肌の衛生面を保つ役割があります。
肌表面の皮脂を取り除くことで、黄ニキビの原因菌の繁殖を抑えて悪化を防ぎます。
また、保湿を行い、肌に水分が十分にある状態を維持することで、肌の新陳代謝を高められます。
洗浄力の高い製品を使うと、肌に刺激となるため以下の手順で肌に優しくスキンケアを行いましょう。
32°C～35°Cくらいのぬるま湯で予洗いをする
冷たすぎず熱すぎない温度のぬるま湯を使うのがポイントです。
冷たい温度では、皮脂を落としづらくなります。
また、一方で、温度が高すぎると、本来肌に必要な皮脂まで取り除かれて、肌の乾燥を招きます。
泡で包み込むように「泡洗顔」することが大切です。
泡洗顔のメリット
- 泡が肌と手の間のクッション材となり摩擦ダメージを軽減できる
- 細かい気泡が毛穴の奥の汚れに絡まり除去する
皮脂が多いTゾーン（額・鼻・顎先をつないだT字形部分）から先に泡を乗せ、そこから円を描くように顔全体に広げます。
洗顔後は、雑菌が繁殖していると肌に付着して、さらなる炎症を招きやすくなります。
また、黄ニキビの炎症をこれ以上悪化させないためには、摩擦などの刺激を与えないことが大切です。
黄ニキビにかゆみや痛みを伴う場合は、洗顔料の成分が刺激となり、肌荒れを悪化させる懸念があります。洗顔料を使うと肌がつっぱる感じや、ヒリヒリと感じる場合は、ぬるま湯のみで洗顔を行いましょう。
洗顔料は、天然成分のみで作られた製品を使用しましょう。
天然成分は、化学的な処理は加えず、自然の中にあるものから抽出した成分です。
植物の成分や、有機栽培で育てられたオーガニックなものを物理的に処理して作られる場合が多いです。
肌への刺激となりやすい化学成分が含まれないため、ニキビの悪化を防ぎやすくなります。
天然成分のみで作られた洗顔料
天然成分のみでできた洗顔料。3種類のクレイを配合していて、汚れや古い角質などの吸着効果に期待できます。
洗顔後は、低刺激な設計の化粧水と乳液で、保湿しましょう。
洗顔では、肌を乾燥から守る役割を持つ油分の皮脂が、取り除かれます。
また、水が付着した後に、肌の水分が一緒に蒸発することで、肌が乾燥します。
肌が乾燥した状態では、皮脂が過剰に分泌されてニキビができてしまいます。
化粧水・乳液に含まれる成分の中には、保湿成分が多く入っています。
そのため、化粧水・乳液を洗顔後に使用することで、肌の乾燥を防ぎましょう。
低刺激のものを選択することで、肌に負担がかかりづらくなります。
ニキビケアのための化粧水選びは以下を参考に
【ニキビ化粧水選び】大人と思春期で違う！おすすめ商品＆効果的な使い方をご紹介
黄ニキビのセルフケアでよくある質問
- 黄ニキビは自然にとれますか？
- 黄ニキビは通常、自然に消えることはありません。炎症が進行した状態であるため、適切な治療や管理なしでは改善が難しく、むしろ悪化する可能性があります。
市販薬を使用する
黄ニキビを自分で治すには、市販薬を使用しましょう。
炎症が悪化した状態のため、少しでも炎症を抑えるようケアすることが大切です。
炎症を抑えるには、抗炎症作用や抗菌作用を持つ成分配合の市販薬を選択しましょう。
黄ニキビに効果的な成分
- クロラムフェニコール：主に赤みや腫れの強い黄ニキビに相性が良い
- イブプロフェンピコノール：主に化膿が強い黄ニキビに相性が良い
黄ニキビの治療に効果的な市販薬を、配合成分とともに、紹介していきます。
黄ニキビの治療には、クロラムフェニコール配合の軟膏が効果的です。
抗生物質で黄ニキビの原因となる細菌の増殖を抑制します。
細菌の増殖を抑えることで、炎症を鎮め、痛みや不快感の軽減にも期待できます。
細菌感染を抑えるため、膿が大きい黄ニキビに有効です。
クロラムフェニコール配合の市販薬
クロロマイセチン軟膏2％A 15ｇ
100g中にクロラムフェニコールが2g配合されている軟膏タイプの外用薬。
黄ニキビの腫れや原因菌の増殖を抑えて、黄ニキビの改善に効果を発揮します。
目の近くに塗らないようにしましょう。目の周りの皮膚は他の部位に比べて薄いため、炎症や痛みを引き起こす恐れがあります。
クロマイ－P軟膏AS 6ｇ
クロラムフェニコールが配合された白色ゼリー状の外用薬。
クロラムフェニコールと、同じく細菌の増殖を抑えるフラジオマイシン硫酸塩の2つの抗生物質が配合されています。
カサカサした患部の他、ジュクジュクした患部にも使用できます。
黄ニキビの治療には、イブプロフェンピコノール配合のクリームが効果的です。
抗炎症作用を持つ非ステロイド性の成分の一種で、黄ニキビの炎症を抑制します。
皮膚への浸透性が高く、ある程度深部の炎症にも作用するため、炎症が強い場合に相性が良いでしょう。
ステロイド剤と比較すると、長期使用による皮膚萎縮などの副作用リスクへの懸念が少ないのが特徴です。
イブプロフェンピコノール配合の市販薬
ペアアクネクリームW
イブプロフェンピコノールが配合されたクリームです。
アクネ菌を殺菌し、炎症を鎮めることで、ニキビを改善します。
白色のクリームで肌にのばすと透明になり、しっとりとなじみます。
マキロン ACNEIGE
イブプロフェンピコノールが配合されたクリームです。
アクネ菌を殺菌する「ベンゼトニウム塩化物」、抗炎症作用を持つ「イブプロフェンピコノール」、血行を促進し肌の生まれ変わりを促す「トコフェロール酢酸エステル」の3つの作用でニキビを治療します。
黄ニキビのセルフケアでよくある質問
- 黄ニキビは何日で治りますか？
- 黄ニキビの治癒期間は個人差が大きく、1・2日で完治することはありません。
一般的に、適切な治療を行った場合でも、完全に消えるまでには1週間から数週間かかることが多いです。
皮膚科での黄ニキビの治し方
皮膚科での黄ニキビの治療においては、処方薬が用いられることが多くあります。
医師の診断にもとづき処方される薬は、個々の症状や肌質に合わせて選択されます。
ただし、症状が重症の場合は、施術が必要になる場合もあります。
皮膚科で治療を行うメリットには、以下が挙げられます。
皮膚科で黄ニキビの治療を行うメリット
- 処方薬には市販薬より有効成分量が多く含まれている傾向にある
- 症状の程度に応じて適切な治療方針を組んでもらえる
- 医師の監督下で治療を進めるため、副作用などの困りごとや症状の経過を相談しやすい
黄ニキビの治療に用いられる処方薬には、外用薬と内服薬があります。
まずは、外用薬と内服薬に分けて代表的な処方薬とその特徴を押さえておきましょう。
【外用薬】アクアチアクリーム
アクアチアクリームは、クリンダマイシンを含む外用の抗生物質です。
主成分のクリンダマイシンが、黄ニキビの原因となる細菌の増殖を抑制し、炎症を鎮めます。
日本皮膚科学会が発表している「尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017」においても、黄ニキビのような炎症性皮疹に対する外用薬として推奨されています。
ただし、長期使用により耐性菌が発生する可能性があります。
医師から指示のある期間または、4週間以上使用しても改善が見られない場合は、再度医師に相談しましょう。
アクアチムクリームは顔全体に塗るのか、ニキビだけに塗るのかどっちが正しいの？
アクアチムクリームは、1日2回朝と夜に、炎症を起こしているニキビにピンポイントで塗布してご使用ください。
さらに詳しくはこちら
「アクアチム」のニキビ治療薬としての効果や軟膏・クリームの正しい使い方
【外用薬】クリンダマイシン
クリンダマイシンは、強い抗菌力をもつリンコマイシン系の抗菌剤です。
黄ニキビの原因となる細菌の増殖を抑制します。
皮膚への浸透性が高く、抗炎症作用も持ち合わせているため真皮層まで達した炎症も和らげます。
クリンダマイシンは、抗生物質のため、長期使用によって薬に抵抗力を持つ耐性菌が出現します。
医師から指示のあった期間または4週間以上使用しても、改善が見られない場合は、再度医師に相談しましょう。
黄ニキビに効く医療用医薬品は、オンライン診療で処方を受けられるケースもあります。
「東京美肌堂」は美容皮膚科のオンライン診療サービスです。
アクアチムクリーム・クリンダマイシンなどを始めとする黄ニキビに有効な処方の取り扱いがあります。
診療は無料なので、肌トラブルにお悩みの方はぜひ検討してみてくださいね。
初回購入で使える！
【内服薬】ビブラマイシン（ドキシサイクリン）
ビブラマイシン（一般名：ドキシサイクリン）は、広範囲または重症の黄ニキビに対して使用される内服薬です。
強力な抗菌作用を持つため、黄ニキビの原因菌を抑えることで、症状の改善を目指します。
抗炎症作用もあるため、黄ニキビの悪化を防ぐとともに、炎症を起こしている赤ニキビから黄ニキビへの進行を妨げるのにも役に立ちます。
長期使用により耐性菌が発生する可能性があるので注意しましょう。
【内服薬】ミノサイクリン
ミノサイクリンは強力な抗菌作用を持つことで細菌の増殖を抑制する内服薬です。
抗炎症作用により、赤みや腫れを軽減します。
重症や広範囲の黄ニキビに対して処方されることが多い傾向にあります。
めまいや頭痛などの副作用が起こる可能性があるので気を付けましょう。
即効性を期待できる黄ニキビの治し方
黄ニキビに効果的な施術の特徴と内容を解説します。
黄ニキビを少しでも早く治したい場合は、美容医療が効果的です。
美容医療は、通常の薬物療法よりも即効性を期待できるため、症状の早期改善を望む方に適しています。
黄ニキビに効果的な美容施術
- コメド圧出
- アグネス
- LED治療
黄ニキビに効果的な施術はいくつか挙げられます。
コメド圧出
コメド圧出は、黄ニキビの改善に効果的な施術の一つです。
専用の器具を使用して毛穴に詰まった皮脂や膿を押し出します。
- 細い専用のハリで穴を開けて皮脂のコメドの出口をつくる
- 穴に圧をかけ、清潔な状態で毛穴の詰まりを押し出す
- 毛穴の詰まりが改善し、黄ニキビが治る
黄ニキビの中身（膿・皮脂）を直接除去することで、症状を改善します。
ただし、コメド圧出は、衛生管理や技術面の観点から専門医が行う必要があります。
自己処理で濃を取り出そうとすると、肌を傷つけてニキビ跡になりやすいため、避けましょう。
アグネス
アグネス（AGNES）は、難治性のニキビや黄ニキビに効果的な施術です。
微細な絶縁針を用いて高周波を直接皮脂腺に照射します。
- 汗や皮脂によって毛穴が詰まっている
- アグネスを用いて皮脂腺を焼灼させる
- 高周波の加熱によってコラーゲンが増産される
- 皮膚の弾力が増して毛穴が収縮する
ニキビの発生や悪化を引き起こす根本的な原因となる皮脂腺を直接ターゲットにして、対処します。
LED治療
LED治療は、黄ニキビに効果的な施術の一つです。
特定の波長の光（LED光）を肌に照射します。
- LEDの適した波長を肌に浸透させる
- 青色LEDを浴び続けることで黄ニキビの原因菌が酸化される
- 酸化されることで黄ニキビの原因菌が殺菌される
LED治療には、青色・赤色・白色の3種類の波長があります。
黄ニキビの治療には、主に青色LEDが使用されます。
LED治療は、即効性と安全性を兼ね備えた黄ニキビの治療法の一つと言えます。
光が皮膚の深層部まで到達するため、肌の奥の層（真皮層）まで炎症が及んでいる黄ニキビに効果的です。
また、副作用が少なく、繰り返し施術を受けやすいため、長期的な黄ニキビ対策としても有効です。
黄ニキビの治療でよくある質問
- 黄ニキビを一晩で治す方法はありますか？
- 黄ニキビを一晩で完全に治すことは現実的に難しいです。
黄ニキビは炎症が進行した状態であり、膿が形成されているため、治癒には一定の時間が必要です。
しかし、適切な治療法を選択することで、症状の改善スピードを上げることは可能です。
黄ニキビをきれいに完治させるには早めに医師に相談
今回は、黄ニキビの治し方について詳しく紹介してきました。
黄ニキビは、一度できたら、自力できれいに治すのが難しい症状の一つです。
効果的に治したい場合は、専門医に相談して、それぞれのニキビの状態に合った治療を進めましょう！
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