ユベラに市販薬はあるの?
ユベラは、ビタミンEが有効成分に含まれる医薬品の呼称です。
ユベラには、処方薬(医療用医薬品)だけでなく、市販薬(一般用医薬品)も存在しています。
本記事では、ユベラの市販薬の特徴や種類、処方薬との違いについて解説していきます。
どのユベラの市販薬を買うべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ユベラの市販薬は商品によって異なるビタミンE以外の成分が配合されている
- ユベラの市販薬は治療の目的に沿って適切な商品を選ぶのがおすすめ
- ユベラを美容目的で服用したい場合は市販薬よりも処方薬が有効
目次
ユベラの市販薬の効果
ユベラには市販薬があります。
そもそも、ユベラの市販薬にはどのような効果があるのか気になりますよね。
まずは、ユベラの市販薬に謳われている7つの効果を紹介します。
※製品によって、効果・効能は異なり、それらを総合的に見た際の効果の紹介となります。
ビタミンE欠乏症を予防する
ユベラの市販薬には、ビタミンEが不足することで起こるビタミンE欠乏症を予防する効果があります。
なぜなら、ユベラの主成分はビタミンEであるためです。
ビタミンE欠乏症は、普通に食事をとることができていればほとんど発症することはありません。
ただし、ビタミンEの主要な摂取源は、植物油であるため、脂肪の吸収を妨げる病気をお持ちの方はビタミンE欠乏症を発症しやすい傾向にあります。
末梢血行障害を和らげる
ユベラの市販薬には末梢血行障害を和らげる効果が期待できます。
末梢血行障害とは、血液循環が悪くなることで手指の冷え、しびれ、しもやけなどの症状が現れる病気です。
ユベラの主成分であるビタミンEには、末梢血管を拡張する作用があります。
そのため、血流が滞っている部位に血液を届けられるようになり、手足の冷えやしびれ、しもやけなどの症状の改善が期待できます。
更年期障害を緩和する
ユベラの市販薬は、更年期症状を緩和することがあります。
更年期症状の原因の一つは、加齢に伴いエストロゲンという女性ホルモンが急激に減少することです。
ユベラの主成分であるビタミンEには、ホルモンバランスを整える作用があります。
その作用により、ユベラの市販薬を服用することで更年期症状に伴う症状の緩和が期待できます。
月経不順を改善する
ユベラの市販薬を服用することで月経不順が改善されることがあります。
月経不順の原因の一つには、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの乱れが挙げられます。
ユベラの主成分であるビタミンEには、ホルモンバランスを整える作用があります。
その作用により、ユベラの市販薬を服用することで月経不順の改善が期待できます。
歯ぐき・鼻からの出血を予防する
ユベラの市販薬には歯ぐきや鼻からの出血を予防する効果を感じられることがあります。
これはビタミンCが細胞同士を結びつける役割のあるコラーゲンの生成を促して、毛細血管を丈夫にする働きを持つためです。
ただし、ビタミンCはユベラの主成分ではありません。
そのためビタミンCが含まれるユベラの市販薬でのみ、歯ぐき・鼻からの出血を予防する効果が期待できます。
シミ・そばかすを改善する
ユベラの市販薬にはシミ・そばかすを改善する効果が期待できます。
シミやそばかすは、メラニン色素が肌に過剰に蓄積してしまうことが原因の一つです。
ユベラには、このメラニン色素の排出を促す作用があります。
そのため、ユベラの市販薬を服用することでシミ・そばかすの改善効果が期待できるのです。
日焼け・かぶれによる色素沈着を緩和する
ユベラの市販薬には、日焼けやかぶれによる色素沈着を緩和する効果を感じられることがあります。
ユベラの主成分であるビタミンEは、血行を促進することで、肌の新陳代謝を促進し、色素沈着の治りを助ける効果が期待できます。
また、ビタミンCに色素沈着の原因となるメラニン色素の生成を抑える作用があります。
ただし、ビタミンCはすべてのユベラの市販薬に含まれているわけではないため、注意しましょう。
ユベラの市販薬の種類と用途
ここからはユベラの市販薬の種類とそれぞれの用途を紹介していきます。
ぜひ自分の症状に合う必要な種類の市販薬を探す参考にしてみてください。
幅広い効果を求める場合は「錠剤」や「飲み薬」
複数の幅広い効果を求める場合は「錠剤」や「飲み薬」の相性が良いと考えられます。
錠剤や飲み薬などの内服薬では、胃や小腸で溶けて吸収された後、成分が血液によって体全体に運ばれます。
局所的ではなく身体全体的への有効性が期待できるため、幅広い効果を求める場合は錠剤や飲み薬が適していると言えます。
しもやけ・手荒れには「軟膏」
しもやけや手荒れの改善を目的とする場合には、「軟膏」がおすすめです。
軟膏などの外用薬では、患部に直接成分を塗り込むことで、治療効果を発揮します。
薬に含まれる有効成分が皮膚や粘膜から吸収されるため、肌表面のバリア機能が損なわれて現れる手荒れやしもやけなどへの有効性が高いと考えられます。
また、軟膏は保湿力が高く、皮膚を保護する効果があるのも特徴です。
そのため、しもやけや手荒れなどの肌トラブルの改善を目的とする場合は、軟膏タイプが適していると言えます。
ユベラのおすすめの市販薬
ユベラの具体的な市販薬を紹介します。
どの市販薬もビタミンEを配合していますが、製品によっては、ビタミンCなど他の成分が配合されている場合があります。
各市販薬の有効成分一覧
有効成分(1日最大量) | |
---|---|
ユベラックスa2 | d-α-トコフェロール(天然ビタミンE)300mg |
ユベラ-Cソフト | トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)300mg アスコルビン酸(ビタミンC)600mg |
ビトン-ハイECB2 | 酢酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE)300mg アスコルビン酸(ビタミンC)1000mg リボフラビン酪酸エステル(ビタミンB₂酪酸エステル)12mg |
オリザファインE | d-a-トコフェロール(ビタミンE)300mg ガンマ-オリザノール10mg |
ユベラ軟膏 | トコフェロール(ビタミンE)20mg ビタミンA油5mg ※1本あたりにつき |
ユベラックスa2
ユベラックスa2はd-α-トコフェロールというビタミンEを配合したカプセル状の内服薬です。主な効能は肩こりや手足のしびれ・冷えなどの改善、またホルモンバランスの調整による月経不順・更年期症状の緩和です。成人(15歳以上)で1回1カプセルを1日3回食後に水またはお湯で服用します。15歳未満の方は、服用できません。
副作用
発疹やかゆみ、胃部不快感、便秘や下痢
服用後に生理が予定より早く来たり経血量が普段より多くなったりすることがあります。
※副作用の症状が続くまたはひどい場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。また生理による出血が長く続く場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
ユベラ-Cソフト
ユベラ-Cソフトはトコフェロール酢酸エステルというビタミンEとアスコルビン酸というビタミンCを配合した顆粒状の内服薬です。主な効能は肩こり、手足のしびれ・冷え・しもやけの緩和、色素沈着やシミ・そばかすの緩和、歯ぐき・鼻からの出血予防です。成人(15歳以上)で1回1包を1日3回食後に水またはお湯で服用します。7歳未満の方は服用できません。
副作用
発疹やかゆみ、吐き気・嘔吐、胃部不快感、便秘や下痢
服用後、生理が予定より早く来たり経血量が普段より多くなったりすることがあります。
※副作用の症状が続くまたはひどい場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。また生理による出血が長く続く場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
ビトン-ハイECB2
ビトン-ハイECB2は酪酸d-a-トコフェロールというビタミンEとアスコルビン酸というビタミンC、リボフラビン酪酸エステルというビタミンB₂の仲間を配合した顆粒状の内服薬です。主な効能は肩こり、手足のしびれ・冷え、しもやけの緩和、色素沈着やシミ・そばかすの緩和、歯ぐき・鼻からの出血予防です。成人(15歳以上)で1回1包を1日1〜3回水またはお湯で服用します。食前・食後はどちらでも大丈夫ですが、1日2回の場合は朝夕、3回の場合は朝昼晩に服用します。7歳未満の方は服用できません。
副作用
発疹やかゆみ、吐き気・嘔吐、胃部不快感、胃部膨満感、食欲不振、便秘や下痢
服用後、生理が予定より早く来たり経血量が普段より多くなったりすることがあります。
※副作用の症状が続くまたはひどい場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。また生理による出血が長く続く場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
オリザファインE
オリザファインEは、d-a-トコフェロールというビタミンEとガンマ-オリザノールを配合したカプセル状の内服薬です。主な効能は肩こり、手足のしびれ・冷え・しもやけの緩和、ホルモンバランスの調整による更年期症状や月経不順の改善です。成人(15歳以上)は1回1カプセルを1日2〜3回食後に服用します。1日2回の場合は朝夕、3回の場合は朝昼晩に服用します。15歳未満の方は、服用できません。
副作用
発疹やかゆみ、胃部不快感、便秘や下痢など
服用後、生理が予定より早く来たり経血量が普段より多くなったりすることがあります。
※副作用の症状が続くまたはひどい場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。また生理による出血が長く続く場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
ユベラ軟膏
ユベラ軟膏はトコフェロールというビタミンEとビタミンA油を配合した軟膏タイプの外用薬製品です。主な効能はしもやけ・手荒れ・毛孔性苔癬の症状緩和です。毛孔性苔癬とは、二の腕や背中にできるブツブツのようなものです。通常1日1〜数回適量を患部に塗布します。特に決められた回数はありませんがお風呂上りには皮膚が乾燥するので、塗布することをおすすめします。市販の他のクリームとは併用を避けましょう。15℃以下の冷所保管をする必要があります。
副作用
皮膚の赤みやかゆみなど
※症状が続くまたはひどい場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。
膀胱炎になってしまい、市販薬を試してみようと思うのですが、今服用しているシナールとユベラは、併用してはいけない薬がありますか?
ユベラとの併用が禁忌とされている薬剤はありません。
ただし、ユベラの有効成分であるビタミンEは、サプリメントなどにも含まれていることがあります。
したがって、ビタミンEを含むサプリメントなどを併用する場合は、過剰摂取に注意してください。
内服薬を飲むタイミングが知りたいです。一番効果的なタイミングはいつですか?
基本的には食事の影響を受けず、食前・食後・空腹時いずれの服用でも大丈夫なものですので、どのタイミングで服用されても変わりはありませんが、ユベラ錠(ビタミンE)は脂溶性ビタミンですので食事中の油分に溶け込むことで吸収が良くなると考えられます。
そのため食後に服用されると良いかもしれません。
※オンライン診療サービス「東京美肌堂」で処方している医療用医薬品のユベラに対して寄せられた質問に対する所属医師からの回答です。
ユベラの市販薬と処方薬の違い
ここからは、ユベラの市販薬と処方薬の違いについて詳しく解説します。
どんな風に違うのか、一緒にチェックしてみましょう。
ビタミンEの最大接種量が違う
ユベラの市販薬と処方薬では1日あたりのビタミンEの最大接種量が違います。
それぞれどのくらい違うのか見てみましょう。
処方薬では通常、成人は1日あたり最大600mg服用することができます。
ユベラ錠という処方薬では、1錠にビタミンEが50mg含まれており、成人の場合で、1回2錠までを、1日~3回服用します。
ユベラNという処方薬では、1カプセルにビタミンEが100mg含まれるタイプと200mg含まれるタイプのものがあり、どちらも1日600mgまでを3回に分けて経口投与します。
ただし、年齢や症状によって1日に600mg服用するのは不適切である場合もあるため、医師の指示に従いましょう。
市販薬では通常、成人は1日あたり300mg服用することができます。
300mgを1日の中でどのように分けて服用するのかはそれぞれの製品ごとに異なります。
ただし、年齢によって1日に300mg服用するのは不適切である場合もあるため、記載されている用法・用量を守って服用しましょう。
市販薬には他の成分が配合されることが多い
ユベラの市販薬では、主成分であるビタミンEの他に、別の成分が配合されることが多いです。
ユベラの市販薬には、ビタミンCやビタミンB2が含まれることがあります。
ユベラの市販薬にはビタミンCが含まれることがあります。
お肌のハリを保つコラーゲンの合成促進作用もあるため、シワや肌のハリ増加も期待できます。
ビタミンEとビタミンCを一緒に接種すると、相乗効果により抗酸化力が持続されやすくなります。
ビタミンCの効果:シミやそばかすの原因となるメラニン色素を抑え美白効果が期待できる
ビタミンB2
ユベラの市販薬にはビタミンB2が含まれることがあります。
ビタミンB2には、ビタミンEのはたらきを助ける効果も期待できます。
ビタミンB2の効果:皮脂の分泌量を調整する作用で、皮脂の過剰分泌や皮脂不足による乾燥などで起こる肌荒れの予防・改善を期待できる
美容目的での服用はユベラの市販薬ではなく処方薬が有効
美容目的でユベラを服用したい場合は、市販薬よりも処方薬が効果的です。
処方薬である医療用医薬品のほうがビタミンEの最大接種量が多いため、より効果を実感しやすいケースがあります。
また、医療用医薬品のユベラは、美容皮膚科で美容目的での処方が認められており、美容内服としての取り扱いがあります。
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都丸真依子 医師
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