トラネキサム酸でシミが消えるって本当?
どのくらい飲み続けたらいいの?
シミにはトラネキサム酸が良いと聞いて、詳しい効果や服用方法が知りたい方が多いのではないでしょうか?
トラネキサム酸は、美白成分として厚生労働省から認可を受けているシミ改善に有効な成分です。
本記事では、トラネキサム酸のシミへの効果や、効果が出るまでの期間、化粧品・市販薬・処方薬の効果の違いについて詳しく解説していきます。
トラネキサム酸でシミを薄くしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
- トラネキサム酸の抗プラスミン作用はシミのもとであるメラニンの生成を抑制する
- トラネキサム酸でシミを改善するには最低でも1ヶ月以上の服用が必要な傾向にある
- トラネキサム酸でシミを効果的に薄くするなら医療用医薬品が有効
目次
トラネキサム酸とは?シミに有効なの?
トラネキサム酸とは、人工的につくられたアミノ酸の一種です。
タンパク質を構成するリシンという必須アミノ酸をベースにつくられています。
トラネキサム酸は、薬品名だと思う人も多いと思いますが、実は成分名を指しています。
トラネキサム酸は、シミの改善に効果を示します。
特に、レーザー治療で悪化するリスクを伴うシミの一種「肝斑」に対しては、治療の第一選択と考えられています。
トラネキサム酸は「抗プラスミン作用」と呼ばれる働きで、主に3つの効果をもたらします。
トラネキサム酸の効果
- 炎症を抑える
- 止血を助ける
- メラノサイトの活性化を抑える
炎症を抑える効果や止血を助ける効果から、医療現場ではのどの炎症や過多月経(月経時の出血量が多くなるなどの症状)の治療目的で処方されることがあります。
従来は、病気の治療薬として用いられてきたトラネキサム酸ですが、1990年代に入り、肌への効果も認められるようになりました。
1995年には肌荒れを防ぐ成分として、2002年にはシミ改善に効果のある成分として、厚生労働省により認可されたことで、今では肌悩みの美容目的での治療にも使用されています。
トラネキサム酸の効果
炎症を抑える | 止血を助ける | メラノサイトの活性化を抑える | |
---|---|---|---|
肌悩み |
炎症後色素沈着(炎症後に現れるシミ) ニキビ跡 |
ー | 肝斑 老人性色素斑・そばかす(紫外線ダメージで濃くなったシミ) |
症状 | のどや口内の炎症や腫れ 湿疹・蕁麻疹(肌へのアレルギー反応) |
怪我による出血 月経過多や月経困難症(経血量の多さなど) |
ー |
トラネキサム酸は、様々な症状に効果を発揮しますが、今回はシミへの効果について詳しく解説していきます。
▼トラネキサム酸のシミ以外への効果を知りたい方はこちらをご覧ください
トラネキサム酸の効果を解説!「トラネキサム酸錠250mg」のシミ・肝斑への美白効果は?トラネキサム酸のシミへの効果
ここでは、トラネキサム酸のシミへの効果について解説していきます。
一般的にシミは6種類に分類されます。
トラネキサム酸はそのなかでも、肝斑・老人性色素斑・そばかす・炎症後色素沈着という4種類のシミの改善に効果的です。
名称 | 肝斑 | 老人性色素斑 | そばかす | 炎症後色素沈着 |
---|---|---|---|---|
特徴 | 頬や鼻の下に現れる 薄くぼんやりと広がる |
茶色~黒色の丸い形が多い | 頬や鼻上に帯状に点々と現れる 薄い茶色で細かい斑点の見た目が特徴 |
炎症が起こった箇所に茶褐色で現れる |
原因 | 明確な原因は不明だが、ホルモンバランスの乱れの影響が大きいと言われている | 紫外線によるダメージが主な原因だと言われている | はっきりとした原因は不明だが、遺伝的な影響が大きいと言われている | 肌で炎症が起こった際にメラニン色素が過剰分泌されることが原因である |
トラネキサム酸のシミへの効果には、「抗プラスミン作用」による「メラノサイトの活性化を抑える効果」と「炎症を抑える効果」が深く関わっています。
トラネキサム酸は、メラニンの生成を抑えることで、肝斑・老人性色素斑・そばかすを改善します。
これらのシミは、メラニン色素が過剰に生成されることで発生・悪化します。
シミが発生するまでの過程
- 紫外線などのダメージで、表皮組織「ケラチノサイト」が刺激される
- 「ケラチノサイト」が刺激されることで、「プラスミン」が産生される
- 「プラスミン」がシミのもととなるメラニン色素をつくる「メラノサイト」を活性化させる
- メラニン色素が過剰分泌されることで色素沈着が発生しシミになる
トラネキサム酸は、プラスミンを抑制する抗プラスミン作用により、「メラノサイトの活性化を抑える」という効果があります。
新しいシミを予防すると同時に、既にできてしまった色素沈着も徐々に改善していくことに期待ができます。
トラネキサム酸の「炎症を抑える作用」は、炎症後色素沈着の改善と予防に効果を発揮します。
炎症後色素沈着とは、炎症が起こった箇所に、茶褐色などで現れるシミです。
肌で炎症が起こった際に、メラニン色素が過剰分泌され、色素沈着してしまうことで発生します。
炎症後色素沈着が発生するまでの過程
- やけどやニキビの悪化などにより炎症が発生する
- 炎症がきっかけで「メラノサイト」が活性化する
- メラニン色素が過剰分泌される
- メラニン色素が蓄積し色素沈着してしまうことでシミになる
トラネキサム酸には、「メラノサイトの活性化を抑える」他にも「炎症を抑える」効果があります。
つまり、トラネキサム酸は、炎症を抑えると同時に、炎症がきっかけで生成されるメラニンの蓄積を抑制することで、炎症後色素沈着の予防と改善に貢献するのです。
トラネキサム酸の服用でシミへの効果が出るまでの期間
トラネキサム酸の服用を始めてから、シミへの効果を実感するには、1ヶ月(4週間)以上の長期服用が必要な傾向にあります。
シミのもととなるメラニンを排出するには、最低1ヶ月程度の周期で行われる肌のターンオーバーが関わるためです。
メラニン色素は、肌のターンオーバーを通じて肌の表面から排出されます。
シミ治療でトラネキサム酸の処方薬を服用する場合は、1ヶ月以上での長期服用が提案されることがあります。
効果の実感までの期間には個人差があり、1ヶ月以上の長期服用が必要な場合もあります。
トラネキサム酸によるシミ治療では、トラネキサム酸が新たなメラニン色素の生成を防ぐ間に、蓄積されていたメラニン色素が新陳代謝で排出されていくことで、シミを改善していきます。
シミの大きさや濃さなどシミの症状の度合いと肌状態などによって、効果を実感するまでの期間には、個人差があります。他の美容内服薬(医薬品)との併用で、より効果的に治療が進められると判断された場合もあります。
Q.長期間の服用は問題ないの?
以前肝斑でトラネキサム酸を飲んだ時に3ヶ月以上飲んだら1回休んでから再開するように言われたのですが1年間続けて飲んで大丈夫でしょうか?
健康な方で、決められた用法用量を守って服用していただいていれば、休薬をせずに長期服用していても特別問題はないかと思われます。
自己判断での服用の中止や長期服用は、副作用のリスクや治療効果の実感ができない可能性があるので、やめましょう。
トラネキサム酸配合の化粧品・市販薬・処方薬のシミへの効果の違い
トラネキサム酸という成分は、化粧品や市販薬にも配合されることがあります。
ここでは、トラネキサム酸が配合されている化粧品・市販薬・処方薬のシミへの効果の違いについて解説します。
化粧品は特に予防効果が期待できる
トラネキサム酸配合の化粧品は、シミの改善よりも予防に効果が期待できると言えます。
トラネキサム酸配合の化粧品のみで、シミを改善することは難しいと考えられます。
化粧品は、肌の表面にある角質層までしか浸透しないためです。
角質層は肌を守るバリア機能を担っており、あらゆる物質が肌の奥へと浸透するのを防ぐ役割を持つためです。
シミの発生の元凶となる「メラノサイト」は、肌の基底層から有棘層にかけて木の枝のように存在します。
化粧品に含まれるトラネキサム酸は、メラノサイトのうち「角質層まで伸びた部分」の活性化の防止にのみ貢献します。
そのため、トラネキサム酸配合の化粧品にはシミの予防効果はあるものの、完全にシミを薄くするまでの効果を得づらい傾向にあるのです。
シミの予防ではなく、改善を目指したい方は、化粧品に併せて医薬品の服用が有効です。
トラネキサム酸配合の化粧品
オルビスユー ドット エッセンスローション
エイジングアに特化している化粧水。
肌に潤いを与え、ハリや透明感をもたらします。
トラネキサム酸の他、「スイカズラエキス」「メマツヨイグサ抽出液」など大人の肌を多角的にケアする植物由来の成分が配合されています。
トイロ バランシングドロップ
20~30代のうるおい不足・テカリ・肌荒れの原因に着目して開発された化粧水。
トラネキサム酸によるシミやそばかすの予防効果や、グリチルリチン酸2Kによる肌荒れ・ニキビの防止効果が期待できます。
Bi&DR.
東京美肌堂のオリジナルドクターズコスメ「Bi&DR.」は、医薬用の内服・外用薬による治療現場で数多くのお客様と向き合った医師が開発・監修に携わりました。
「メディトラセラム」には、トラネキサム酸や3つのヒアルロン酸が配合されており、エイジングに負けない美しい肌を目指します。
「メディビタジュリー」には、6つのビタミンやヒアルロン酸などが配合されているため、肌にハリや弾力をもたらし、たるみを予防します。
「Bi&DR.」についてより詳しく知りたい方は、以下よりチェックしてみてください!
市販薬は肝斑に限り効能が認められている
トラネキサム酸配合の市販薬は、そのほとんどが風邪薬など健康目的の医薬品です。
現在販売されている美容目的でのトラネキサム酸配合の市販薬のうち、シミの改善効果が認められているのは「トランシーノEX」のみです。
トランシーノEXはシミのうち、肝斑に限り効能が認められています。
すなわち、トラネキサム酸配合の市販薬は、肝斑に限り効能が認められていると言えます。
老人性色素斑・そばかす・炎症後色素沈着の改善を希望する方は、美容皮膚科を受診して医療用医薬品を処方してもらいましょう。
トラネキサム酸配合の市販薬
トランシーノEX
トランシーノEXは、市販薬が含有できる最大量のトラネキサム酸を含有しているのが特徴です。
こちらは第1類医薬品なので、購入時には必ず薬剤師の指導を受けましょう。
医療用医薬品は様々なシミへの効果が期待できる
医療用医薬品は、肝斑はもちろん、肝斑以外のシミ(老人性色素斑・そばかす・炎症後色素沈着)の改善も期待できます。
市販薬の1日当たりのトラネキサム酸最大含有量(最大摂取量)は750mgであるのに対し、処方される医療用医薬品の最大含有量(最大摂取量)は1日当たり2,000mgとなっています。
医療用医薬品は医療機関を受診し、医師に処方してもらうことで購入できます。
ただし、シミ・肝斑治療などの美容目的で服用が必要な場合は、トラネキサム酸の取り扱いがある美容皮膚科でのみ処方可能です。
以下で一般的に美容目的で使用される、トラネキサム酸配合の医療用医薬品を2つ紹介します。
「トランサミン錠250mg」はトラネキサム酸を250mg含む医療用医薬品です。
通常、成人の場合は1日当たり750mg~2,000mgを3~4回に分けて服用します。
そのためトランサミン錠250㎎の1回量は基本的に1~2錠程度になります。
ただし、年齢や症状により服用量は異なるため、医師の指示に従いましょう。
「トランサミン錠500mg」はトラネキサム酸を500mg含む医療用医薬品です。
通常、成人の場合の服用量は1日当たり750mg~2,000mgを3~4回に分けて服用します。
そのためトランサミン錠250㎎の1回量は基本的に1~2錠程度になります。
ただし、年齢や症状により服用量は異なるため、医師の指示に従いましょう。
Q.他の薬とトラネキサム酸の飲み合わせは問題ないのか
せき止めを飲みたいのですが、市販の薬で、こちらで処方していただいている薬と一緒に飲んではいけないものはありますでしょうか?
市販の咳止めにトラネキサム酸が含まれていなければ併用可能です。
トラネキサム酸が含まれている風邪薬を服用される場合は、中止するようにしましょう。
低用量ピルなど、血栓症のリスクがある薬との併用にも注意が必要です。
トラネキサム酸でシミを効果的に薄くするなら長期服用が必要
トラネキサム酸配合の内服薬の服用が必要な方は、市販薬を購入するか、医師に医療用医薬品を処方してもらいましょう。
海外からの個人輸入という手段も存在しますが、偽造医薬品が届く可能性や思わぬ副作用・悪影響を及ぼすリスクなどを伴うためおすすめできません。
また、トラネキサム酸でシミを効果的に改善するなら、トラネキサム酸配合の内服薬を長期服用する必要な傾向にあります。
トラネキサム酸配合の内服薬の長期服用が必要であれば、「東京美肌堂」のオンライン診療での処方がおすすめです。
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藤原東華 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。