桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)という薬を知っていますか?
実はニキビやシミ、肌荒れなど多くの肌悩みに効果のある漢方薬なんです。
それだけでなく、血の巡りをよくする効果があるため、月経不順や子宮筋腫など女性の悩みにも効果的です。
今回は、そんな桂枝茯苓丸加薏苡仁についてご紹介します。
他の薬との飲み合わせや副作用についても詳しく解説するので、本記事で気になる疑問を解決してくださいね。
目次
桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)とは
「桂枝茯苓丸加薏苡仁」とは、「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」に「薏苡仁(ヨクイニン)」が合わさった漢方薬です。
血の巡りをよくする効果があり、肌荒れや体の不調など、さまざまな悩みの改善が期待できます。
「桂枝茯苓丸」は5種類の生薬を配合した漢方薬であるのに対し、「桂枝茯苓丸加薏苡仁」はさらに「薏苡仁」を配合された6種類の生薬からなる漢方薬です。
「薏苡仁」は、イボを改善する漢方薬としてよく知られていますが、それ以外にも腸内環境を整える効果などがあります。
そんな2つの漢方薬が合わさった、「桂枝茯苓丸加薏苡仁」の効果や特徴について詳しく見ていきましょう。
血の巡りをよくする漢方薬
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、血の巡りをよくする漢方薬です。
漢方では血の流れが悪くなり、滞っている状態のことを「瘀血(おけつ)」と言います。
血の流れが悪くなると、身体の冷えや肩こり、新陳代謝の乱れなど多くの不調が引き起こされてしまうのです。
桂枝茯苓丸加薏苡仁を服用することで、血の流れが改善でき、身体に栄養がいき渡りやすくなります。
そのため、肌悩みから婦人科系の悩みまでさまざまな体の不調を改善することができるのです。
6種類の生薬を配合する漢方薬
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、6種類の生薬を配合する漢方薬です。
そもそも桂枝茯苓丸加薏苡仁に含まれる「桂枝茯苓丸」には5種類の生薬が配合されており、冷えを伴う生理痛などを改善する効果があります。
桂枝茯苓丸にはケイヒ・ブクリョウ・ボタンピ・トウニン・シャクヤクが含まれています。
それにヨクイニンという生薬が含まれているものが桂枝茯苓丸加薏苡仁なのです。
- ケイヒ
- ブクリョウ
- ボタンピ
- トウニン
- シャクヤク
- ヨクイニン
体力の衰えがない人向けの漢方薬
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、身体が弱っている方には注意が必要な漢方薬です。
というのも、著しく体力の衰えている方の場合、副作用が現れやすく、症状が強く出てしまう場合があるからです。
また貧血気味の人の服用も推奨されていません。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、血の巡りに働きかける漢方薬のため、元々血が少ない人が服用してしまうと効果を実感することができない、または具合が悪くなる可能性があります。
漢方薬は体質的に合う/合わないがあるため、自分に合ったものを服用する必要があります。
そのため、自分の体質に合った漢方薬を知りたい方は皮膚科で相談することをおすすめします。
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気になる方は以下の予約フォームをチェックしてみてくださいね。
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桂枝茯苓丸加薏苡仁の効果
桂枝茯苓丸加薏苡仁には、肌悩みから婦人科系の身体の悩みまで多くの症状を改善する効果があります。
これは全身を巡る血の流れを改善するからです。
それぞれの効果とメカニズムについて解説するので、自分の悩みに合わせて読み進めてくださいね。
シミやニキビなどの肌悩みの改善
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、シミやニキビなど多くの肌悩みの改善に効果があります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の作用として血の巡りをよくする働きがありますが、これにより新陳代謝が促進されます。
新陳代謝が肌悩みにどのようにつながるのかというと、新陳代謝が促進されることで、肌のターンオーバーが正常に機能しやすくなります。
肌のターンオーバーとは皮膚内部の細胞の生まれ変わりのことです。
ターンオーバーが乱れると、シミのもとであるメラニン色素が蓄積したり、ニキビを発生させる毛穴詰まりを引き起こしたりしてしまいます。
そのため、肌のターンオーバーを正常化することで、シミやニキビが改善するのです。
冷え性やめまいの改善
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、冷え性やめまいの改善効果があります。
冷え性は、血行が悪くなることで血液が毛細血管に流れにくくなってしまうことが原因でおこります。
筋力不足や生活習慣の乱れなどにより、血流が悪くなることで上半身と下半身のバランスが崩れ、手や足など心臓から遠い部位が冷えてしまうのです。
また、この身体の冷えがめまいを引き起こす場合もあります。
めまいは頭に血液が正常に送られていないときに発生するケースが多いです。
そのため、桂枝茯苓丸加薏苡仁の服用により血の巡りをよくすることで、冷え性やめまいを改善することができるのです。
むくみや便秘の改善
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、むくみや便秘の改善を期待できます。
むくみやすく、足や顔がパンパンになった経験はありませんか?
このむくみは血流の低下によって、必要な栄養素や水分が一定の部位に溜まることで引き起こされているのです。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は血流を良くする作用があるため、血液とともに水分を全身にいきわたらせ、むくみを改善します。
また、桂枝茯苓丸加薏苡仁に含まれる「茯苓(ブクリョウ)」には、利水作用があるため、水分を排出させることでむくみづらい身体づくりをすることができます。
さらに、桂枝茯苓丸加薏苡仁が血の巡りをよくすることで、代謝が良くなり、腸の運動を活発化させるため、便秘の改善も期待できます。
このように桂枝茯苓丸加薏苡仁は老廃物の排出をサポートする漢方薬でもあるのです。
月経不順の改善
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、女性にとって大きな悩みとなりやすい月経不順の改善にも効果があります。
特に、身体の冷えによって起こってしまう月経不順に効果的です。
体が冷えることで体内に血が滞ってしまうため、月経の周期が長くなります。
そのため、通常よりも月経周期が長いと感じる方は桂枝茯苓丸加薏苡仁を服用することで改善効果が見込めます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の血の巡りをよくする作用により、身体を温めることができます。
子宮筋腫の改善
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、子宮筋腫の改善にも効果を期待できます。
子宮筋腫とは、子宮内に発生する良性の腫瘍のことです。
発症率は婦人科疾患の中でも高く、30歳以上の女性のおよそ20~30%の方に発症するといわれているほどです。
発症する主な原因は、血の流れが滞る瘀血(おけつ)であると考えられているため、桂枝茯苓丸加薏苡仁の血流促進作用により改善できるということです。
しかし、漢方薬の効能は体質や症状によっても個人差があります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の「桂枝茯苓丸」は回復薬である「桂枝湯」の流れをくむ漢方であり、この桂枝湯は一般的に体質によって合う合わないがはっきりと分かれやすいとされています。
そのため、服用の際はきちんと専門の医師への相談のもと、指示に従うようにしてくださいね。
不妊症の改善
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、不妊症の改善にも効果があります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁が血の巡りをよくし、子宮や卵巣などの生殖機能への栄養を十分にいきわたらせることで妊娠しやすくなるといわれています。
卵巣機能を活性化させることで女性ホルモンの分泌を促進し、不妊症の改善が期待できるのです。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の副作用
桂枝茯苓丸加薏苡仁を服用する際は、皮膚や消化器に現れる副作用に注意しましょう。
特に体力が著しく衰えている方は、副作用の症状が現れやすくなります。
以下のような症状がみられる場合は、直ちに使用を中止し、かかりつけの医師に相談するようにしてくださいね。
皮膚
- 発疹
- 発赤
- かゆみ
消化器
- 食欲不振
- 胃の不快感
- 下痢
これ以外の副作用として「肝機能の異常」を引き起こす可能性があります。
ひどい吐き気や、倦怠感などの症状が現れたら、肝機能が異常を起こしていて、重い副作用の反応である可能性が高いため、必ず医師に相談しましょう。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の服用方法
桂枝茯苓丸加薏苡仁は副作用の出る可能性がある漢方薬なので、正しく服用しましょう。
ここでは、服用方法と効果が出るまでどのくらい飲み続けるかについて解説していきます。
1日2〜3回に分けて服用する
桂枝茯苓丸加薏苡仁を服用する際の用法・用量は製品によって異なります。
一般的に病院で処方される医療用の桂枝茯苓丸加薏苡仁の場合、1回7.5gを1日2~3回に分けて服用します。
食前または食間に服用し、水やぬるま湯で服用しましょう。
もし飲み忘れてしまった場合には、気づいたときに服用するか、次に服用する時間が近くなった場合は飲み忘れた分を飛ばしてしまっても問題ありません。
1か月程度を目安に飲み続ける
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、体質や症状により個人差がありますが、効果が出るまでは約1か月を目安に飲み続けましょう。
正しい用法・用量を守って、1か月程度服用していても全く症状が改善しないという場合には、薬の服用を中止し、かかりつけの医師に相談するようにしてください。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は瘦せる?
「桂枝茯苓丸加薏苡仁の服用によって痩せるか」という質問が良くありますが、桂枝茯苓丸加薏苡仁はダイエット薬ではありませんので、痩せる効果は期待できません。
しかし、上記で説明した通り、桂枝茯苓丸加薏苡仁の血流促進作用によりむくみや便秘を改善することができます。
それにより、身体の老廃物が体外に排出され、結果的に代謝が良くなることは期待できます。
ただし、肥満の原因が過食や運動不足によるものである場合は、桂枝茯苓丸加薏苡仁によるむくみを改善することはできないため、注意しましょう。
桂枝茯苓丸加薏苡仁のツムラとクラシエの違い
桂枝茯苓丸加薏苡仁が使われている医薬品としては、2種類あります。
病院で処方してもらわないといけない「ツムラ」の漢方薬と、市販の「クラシエ」の漢方薬です。
それぞれの作用は同じですが、入手方法が異なります。
どちらを購入するか迷う場合は、医師の診断のもと適切な処方をしてもらえる医薬品(医療用医薬品)を選択することをおすすめします。
ツムラ125
「ツムラ125」は、医療用医薬品の桂枝茯苓丸加薏苡仁です。
顆粒タイプの医薬品で、1包に7.5g入っています。
成人の方は、1回1包、1日2~3回に分けて、水やぬるま湯で服用します。
医薬品のため、皮膚科で処方してもらうことで入手できます。
体質や症状を医師が診断したうえで処方してもらえるため、市販のものより安心して使いやすいでしょう。
「漢方薬について相談したいけど皮膚科に行く時間がない」という方にはオンライン診療サービスをおすすめします。
東京美肌堂では診察から処方、薬の配送までオンラインで完結するため、忙しい方でも皮膚科を受診することが可能です。
診察は無料なので、相談だけでもしてみたいという方も、気軽に予約してみてくださいね。
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クラシエ 漢方桂枝茯苓丸料加ヨク苡仁エキス錠
「クラシエ 漢方桂枝茯苓丸料加ヨク苡仁エキス錠」は、市販されている桂枝茯苓丸加薏苡仁です。
錠剤タイプの医薬品で、1錠342mgでできています。
15歳以上の方は、1回4錠、水やぬるま湯で食前または食間に服用するようにしましょう。
ドラッグストアや薬局で手に入るため、今すぐにでも漢方薬を服用したい方にはおすすめです。
桂枝茯苓丸加薏苡仁のよくある質問
ここでは皆さんの疑問を解決するために、桂枝茯苓丸加薏苡仁に関するよくある質問に藤原先生がお答えします。
桂枝茯苓丸加薏苡仁に関する疑問がある方は以下の質問をチェックしてみましょう。
飲み合わせの悪い漢方薬はありますか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁と飲み合わせの悪い漢方薬や医薬品はありますか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、基本的に飲み合わせの悪い医薬品はありませんが、他の漢方薬と併用する場合は成分が重複する場合があるので注意しましょう。特に成分が重複しない場合は併用しても問題ないので安心してくださいね。
妊娠中は服用できますか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁は妊娠中に服用することはできますか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁は妊娠中の方は服用を避けた方が良い漢方薬です。医薬品や漢方薬は妊娠中の方でも服用できるものもありますが、服用の可否は通われる産婦人科の先生の判断になりますので、通われる病院で確認してください。
副作用で太ることはありますか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁の服用により副作用で太ることはありますか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁の副作用で太るということはありません。一般的に漢方薬が原因で太ることはないですが、胃腸の調子が改善され、栄養分が吸収されるようになり、標準的な体重になりやすくなることは考えられます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は血の流れを改善し、肌もきれいにしていく漢方薬
桂枝茯苓丸加薏苡仁は血の巡りをよくし、新陳代謝を促進することで肌荒れを改善する漢方薬です。
それだけではなく、婦人科系の症状の改善などさまざまな身体の不調にアプローチします。
しかし、漢方薬は体質や症状により個人差があるため、服用の際は専門の医師による診察を受けることをおすすめします。
最後に専門の医師にオンラインで相談ができる東京美肌堂のサービスを紹介します。
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藤原東華 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。