ゼビアックスは、繰り返すニキビの治療に効果的な医薬品です。
ただし、治療できるニキビが限られています。
今回は、「ゼビアックス」のニキビ治療の効果や正しい使い方、効果が出るまでの期間などを解説します。
ゼビアックスについて学び、ニキビをより効果的に治していきましょう!
目次
ゼビアックスとは
ゼビアックスは、炎症を抑える「オゼノキサシン」という有効成分を含む抗菌薬です。
炎症を伴う赤ニキビの改善に効果が期待できます。
抗菌作用の強さに期待ができ、ニキビの治療薬として処方されることが多い医薬品です。
医薬品のタイプや効果を詳しく見ていきましょう。
ニキビの原因菌に効く抗菌薬
ゼビアックスには、ニキビの原因菌である「アクネ菌」の増殖を防ぐ作用があります。
そのため、特に、ニキビの炎症を鎮静してくれる効果を期待できます。
ニキビは、毛穴に皮脂や角質が詰まると、アクネ菌が増殖して発生します。
ニキビができた状態で、さらにアクネ菌が増殖すると、ニキビが炎症を起こします。
ゼビアックスは抗菌薬のため、この炎症を伴うニキビの改善に効果が期待できるのです。
また、ほかにも、毛包炎の原因菌である「黄色ブドウ球菌」や、とびひの原因菌である「溶連菌」を抗菌する作用があります。
とびひへの効果については、後ほど詳しく紹介します。
ゼビアックスはローションとクリームの2種類がある
「ゼビアックス」には、2種類のタイプがあります。
この2種類のタイプの違いは、使用開始年と、アルコール含有の有無です。
ゼビアックスローション2%
水分が多く、アルコール成分が含まれています。
アルコールを含まないクリームタイプと比較すると、アルコールによる肌への刺激が強いと言えます。
有効成分である「オゼノキサシン」を2%含んでいます。
ゼビアックス油性クリーム2%
ローションタイプとの違いは、アルコール成分を含んでいない点です。
そのため、ローションタイプと比較して、アルコールによる肌への刺激は少ないと言えます。
有効成分「オゼノキサシン」の含有量は、ローションタイプと変わらず2%です。
「ゼビアックス」の効果
ゼビアックスは、菌の繁殖によって起こる肌トラブルの原因菌を殺菌する効果をもちます。
主に、炎症を起こしたニキビ・とびひの治療に用いられます。
それぞれの症状に、どのように作用するのか詳しく解説していきます。
炎症を起こしたニキビに有効
「ゼビアックス」は、赤ニキビや黄ニキビの炎症を抑える効果を持ちます。
ニキビは「炎症を起こしているニキビ」と「炎症を起こしていないニキビ」に分けられます。
- 炎症を起こしているニキビ:赤ニキビ・黄ニキビ
- 炎症を起こしていないニキビ:白ニキビ・黒ニキビ
ニキビは、大きく4種類に分けられます。
炎症を伴う「赤ニキビ」「黄ニキビ」には、ゼビアックスの抗菌作用で炎症を和らげる効果が期待できます。
菌の繁殖により炎症の起きたニキビであれば、顔以外の背中や頭皮にできたニキビにも有効です。
一方、「白ニキビ」「黒ニキビ」は、炎症は伴わないため、ゼビアックスで治療することはできません。
また、ニキビ跡も炎症しているわけではないので、ゼビアックスでの改善効果は期待できません。
▼白ニキビと黒ニキビについての治療法は、以下の記事を参考にしてみてください。
白ニキビはニキビの初期段階!原因と治し方を徹底解説 「黒ニキビ」を撃退!原因と正しい対処法を解説皮膚感染症「とびひ」に有効
ゼビアックスは、「とびひ」の治療にも用いられます。
とびひは、細菌による皮膚の感染症のことを指します。
正式には「伝染性膿痂疹」という皮膚疾患にあたります。
火事の飛び火のように、接触すると簡単に感染して広がるため「とびひ」と呼ばれています。
ゼビアックスで治療できる「とびひ」
とびひは、傷口など皮膚のバリア機能が低下した箇所に、細菌が感染して広がります。
軽症の場合は、一部分のみに症状が出るだけで落ち着きます。
とびひの原因菌は、黄色ブドウ球菌・溶連菌です。
とびひが軽症の場合は、ゼビアックスによる抗菌作用が、黄色ブドウ球菌・溶連菌に作用することで治療効果が期待できます。
ただし、約1週間程度ゼビアックスを使用しても効果が現れない場合は、使用を中止する必要があります。
ゼビアックスでは治療できない「とびひ」
とびひが重症化すると、全身に症状が広がってしまう可能性があります。
重症化し、全身に広がってしまうと、ゼビアックスだけでは、改善できない可能性が高いです。
とびひが広がった面積が広い場合は、抗生物質の内服薬を並行して使用する必要があります。
「ゼビアックス」の使い方
ゼビアックスは、炎症を伴うニキビや、軽度のとびひへの改善効果が期待できます。
しかし、ゼビアックスには副作用があり、使い方を減ると、肌トラブルを起こす危険性があります。
そこで、この章では、ゼビアックスの正しい使い方を解説していきます。
炎症したニキビ(赤ニキビ・黄ニキビ)ができてしまった方に向けて、スキンケアで注意したいポイントも一緒にお伝えします。
1日1回スキンケア後に塗布する
ゼビアックスは1日に1回、洗顔とスキンケアが終わった後に塗布してください。
また、顔全体に塗るのではなく、炎症箇所にピンポイントで塗りましょう。
ゼビアックスを塗ると、使用箇所がかゆくなる恐れがあります。
そのため、できるだけ塗る範囲は必要箇所のみに限定して使いましょう。
ゼビアックスを塗る際の手順は以下の通りです。
まずは、肌に刺激を与えないように優しく洗顔しましょう。
特に炎症を伴うできものがある場合、肌は摩擦などの刺激に敏感です。
洗顔ネットでしっかり泡立てた泡でやさしく汚れを落としましょう。
肌への刺激が強いスクラブ入りの洗顔料は使わないようにしましょう。
洗顔後も、タオルでやさしく水分を拭き取ってください。
化粧水を塗る際も、肌に刺激を与えないよう、やさしく塗りましょう。
顔をパンパンと叩くように化粧水を塗るのはNGです。
500円玉ほどの量を手に取り、化粧水の成分を馴染ませるように肌に乗せてください。
乳液は、化粧水の水分を逃さないように蓋をする役割があります。
乳液には油分が多く含まれるため、塗りすぎには注意して保湿しましょう。
特に鼻は非進歩分泌量が多いので、少なめにつけましょう。
頬は乾燥しやすいので、鼻よりも多くの乳液を塗るのがおすすめです。
ゼビアックスは保湿した後、患部にピンポイントで塗りましょう。
ゼビアックスを塗った後に、化粧水や乳液を塗布すると、ゼビアックスの成分が薄まり、効果も半減してしまいます。
また、ニキビ以外の部分にも成分が広がると、正常な肌に医薬品成分の刺激を与えてしまいます。
4週間で効果が認められない場合は使用を中止する
ゼビアックスを使用していて、なかなか効果が出ずに悩んでいる方もいるかもしれません。
炎症性のニキビをゼビアックスで治療する場合、4週間で効果が認められない場合は使用を中止しましょう。
ゼビアックスは、炎症を伴う赤や黄色のニキビに対して効果が期待できますが、炎症が消失した時点で医師の判断に基づき使用を中止する場合があります。
なお、長期間の使用は耐性菌出現のリスクがあるため、避けるべきです。
また、ゼビアックスは炎症を伴わない白ニキビや黒ニキビには効果がありません。ニキビの種類や原因によっては、ゼビアックスを使用しても改善しないことがあります。
「ゼビアックス」の注意点
ゼビアックスは「妊娠中には使用不可」など、使用上の注意点がいくつかあります。
この章では、ゼビアックスの使用上の注意点を解説していきます。
正しく理解して、医薬品を使用する際のリスクを減らしましょう。
傷口への塗布は避ける
ゼビアックスは、肌への刺激が強い抗生物質です。
そのため、傷口には使用しないようにしましょう。
患部が傷口と密接している場合は、使用可否を医師に確認しましょう。
例外として、傷口がかさぶたになった場合には、使用することができます。
13歳未満と妊娠中の方は使用を避ける
ゼビアックスの使用がそもそも認められない場合があります。
それは、「13歳未満の方」と「妊娠中の方」です。
13歳未満の方は、原則「ゼビアックス」を使用することができません。
13歳未満の小児を対象とした、臨床試験が実施されておらず、安全が保証されていないためです。
妊娠中・授乳中の方も「ゼビアックス」を使用することは禁止されています。
ゼビアックスを妊娠中・授乳中に使用すると、胎児・乳児の身体に悪影響を与える可能性があるため、使用を禁じられています。
万が一、誤って使用してしまった場合は、直ちに使用を中止し、医師に相談するようにして下さい。
13歳未満の方や、妊娠中・授乳中の方でニキビを治療したい方は、医師に相談してみてください。
皮膚科に行く時間がなかなか取れない方は、オンライン診療を使うのもおすすめです。
東京美肌堂では、土日祝日を含め夜22時まで無料で診療を受け付けています。
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「ゼビアックス」で起きる副作用
ゼビアックスを使用することで、副作用が生じる可能性もあります。
この章では、ゼビアックス使用時に起こりやすい代表的な副作用を3つ紹介していきます。
皮膚が乾燥しやすくなる
「ゼビアックス」を使用すると、肌が乾燥しやすくなります。
肌は乾燥すると、外部からの刺激から肌を守るバリア機能が低下して、ニキビができやすくなってしまいます。
ゼビアックスを使う際は、普段より入念に乾燥対策を行いましょう。
乾燥対策は、以下の項目を参考に実施してみてください。
- 季節問わず日焼け止めを塗る
- 約3~4時間で日焼け止めを塗り直す
- 洗顔後はすぐに化粧水・乳液を塗る
- 十分な睡眠時間を確保する
- 就寝時間・起床時間を一定に保つ
かさぶたが剝がれやすくなる
かさぶたのような「鱗屑(りんせつ)」ができやすくなるのも、ゼビアックスの副作用の一つです。
鱗屑とは、皮膚の表層である角質層が、カサカサになり、剥がれ落ちる状態です。
ゼビアックスを使用すると、肌が乾燥しやすくなることで、鱗屑が発生しやすくなります。
症状がひどい場合には、医師に相談するようにしてください。
皮膚にかゆみが出やすくなる
ゼビアックスを使用すると、肌にかゆみが出ることがあります。
かゆみが出た際に、かゆみを和らげる応急処置方法としては、保湿もしくは冷却をしてみてください。
かゆい部分をかいてしまうと、肌を傷つけて細菌が入り込み、炎症を起こしてしまう可能性があります。
かゆみがひどい場合は、医師に相談するようにしてください。
「ゼビアックス」以外のニキビに効果を持つ市販薬
ゼビアックスは、医師の処方が必要な医薬品です。
ゼビアックスの主成分である「オゼノキサシン」が含有された市販品はありません。
市販薬でニキビの治療薬を探したい方に向けて、ニキビ治療の効果を期待できる市販薬を3つ紹介します。
どれもゼビアックスと同じく、炎症性のニキビに有効なものを紹介していきます。
イハダ アクネキュアクリーム
「イハダ アクネキュアクリーム」は、炎症を伴うニキビの改善に効果が期待できる市販品です。
炎症を沈める「イブプロフェンピコノール」と、ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌する「イソプロピルメチフェノール」との2つの有効成分が含まれています。
弱酸性・ノンアルコールなど、肌に比較的やさしい設計になっています。
ジェルクリームタイプで、さっぱりした使い心地が好きな方におすすめです。
メンソレータムアクネス ニキビ治療薬
「メンソレータムアクネス ニキビ治療薬」は、炎症を伴うニキビの改善に効果を期待できる市販薬です。
レゾルシン・硫黄・グリチルレチン酸・ビタミンE誘導体の4つの有効成分が、炎症性のニキビの改善に作用します。
レゾルシンは、アクネ菌を殺菌する効果を持ちます。硫黄は、角質を柔らかくする脱脂作用で毛穴を詰まりにくくします。
ビタミンE誘導体は、肌の血行を促進し、肌のターンオーバー(※)を促す効果が期待できます。
※ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚が剥がれ落ちるサイクルのことです。このターンオーバーを通じて、ニキビの原因菌が好む皮脂や古い角質も排出されます。
マキロン アクネージュメディカルクリーム
「マキロン アクネージュメディカルクリーム」は、炎症性のニキビの改善効果が期待できる市販薬です。
ベンゼトニウム塩化物・イブプロフェンピコノール・トコフェノール酢酸エステルという3つの有効成分を含みます。
ベンゼトニウム塩化物には、殺菌作用があります。
イブプロフェンピコノールには、抗炎症作用があり、赤みや炎症を抑える効果が期待できます。
トコフェノール酢酸エステルには、肌の血行促進作用により、ターンオーバーを促す効果を期待できます。
比較的ベタつきが少なく、肌に塗ると透明になるクリームです。
「ゼビアックス」以外のニキビに効果を持つ処方薬
ゼビアックス以外にも、ニキビの治療に有効的な医薬品はあります。
この章では、ゼビアックスのほかにも、ニキビ治療に用いられることの多い治療薬を3つ紹介します。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
「ベピオゲル」はゼビアックスと併用されることもある
ベピオゲルは、ニキビの原因であるアクネ菌を抑える効果が期待できます。
ゼビアックスとベピオゲルとの違いは、ピーリング作用の有無です。
ベピオゲルには、皮膚表面の古い角質を取り除くピーリング作用があります。
ゼビアックスは、炎症性の赤・黄ニキビに改善効果を期待できるのに対して、ベピオゲルは、白・黒・赤・黄の4種のニキビの改善に効果を期待できます。
ベピオゲルは抗菌薬ではないため、赤ニキビ・黄ニキビを治したい方は、ゼビアックスで炎症を抑える治療薬をするほうが、有効と言えます。
ゼビアックスとベピオゲルを併用することは問題ありません。
複数の種類のニキビが同時に発生した場合は、医薬品の併用が有効な場合もあります。
「アダパレン」は非炎症性のニキビに有効
ゼビアックスとアダパレンとの違いは、抗菌薬かそうでないかです。
ゼビアックスは抗菌薬で、炎症を伴う赤ニキビ・黄ニキビの改善に有効です。
それに対してアダパレンは、毛穴のつまりを改善する外用薬です。
アダパレンは、ニキビの初期症状である白ニキビ・黒ニキビの改善に効果が期待できます。
ゼビアックスとアダパレンは、併用が可能です。
アダパレンについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
アダパレンの「ニキビ治療の効果と副作用」を解説!正しい使い方と注意点をチェック「ダラシンT(クリンダマイシン)」はゼビアックスと抗菌力が違う
ゼビアックスとダラシンTの違いは、抗菌力の強さです。
両者ともに、ニキビ菌の炎症を抑える効果が期待できるのある抗菌薬ですが、ゼビアックスの方が抗菌力が強いという違いがあります。
どちらも炎症のある赤ニキビ・黄ニキビの改善効果が期待できます。
医師と相談しながら、自分にあった薬を処方してもらうようにしましょう。
「ゼビアックス」についてよくある質問
最後に、ゼビアックスについてよくある質問を、当メディア監修医の藤原先生に聞いてみました。
アダパレンと併用する場合は、いつ塗ればいいですか?
ゼビアックスとアダパレンを併用したいです。それぞれいつ塗れば良いですか?
ご使用いただく順番としては、下記の通りです。
洗顔→化粧水→乳液・クリーム→アダパレンゲル→ゼビアックスローション
アダパレンゲルはニキビのできやすい箇所であれば、広範囲に塗布できます。
ただし、目の周囲や唇に近い範囲への使用は避けましょう。
ゼビアックスは、炎症を起こしている患部にピンポイントで使用して下さい。
ハイドロキノン、トレチノインと併用しても問題ありませんか?
ハイドロキノンやトレチインと併用したいです。問題はないですか?
問題ありません。
ただし、併用する場合は、混合または塗り重ねを避けましょう。
塗布していた薬剤を洗顔で落とした後に、もう一方の薬剤を塗布するようお願いします。
夜→トレチインとハイドロキノン
朝→ゼビアックス
などのように、使い分けましょう。
「ゼビアックス」を使ってニキビを治そう
今回は「ゼビアックス」の効果や使い方、副作用などを紹介してきました。
ゼビアックスを処方されている方は、正しく使用して、ニキビをより効果的に治していきましょう。
炎症性のニキビに悩んでいる方、または、ゼビアックスを3ヶ月以上使用してもニキビ改善しない方は、皮膚科に相談してみましょう。
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