「皮膚の構造」をわかりやすい画像付きで解説!イラストで簡単に理解できる

皮膚の構造はどうなっていて、どのような働きをしているか知っていますか?

皮膚は身体の中で最も大きな器官で、私たちの身体を守る大切な役割をしています。

皮膚を美しく保つために、スキンケアや食事など様々な取り組みをすることが多いかと思います。

そこで、皮膚を美しく保つためにまず知っておきたいのが「皮膚の構造」です。

本記事では皮膚の構造についてイラストを用いて分かりやすく説明します。

はじめて知るという方でも簡単に理解できるように解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事でわかること

  • 皮膚の構造は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層からできている
  • 皮膚を構成する3つの組織がそれぞれ異なる働きをすることで肌の健康を保っている
  • 皮膚の機能を正しく働かせるためには適切なケアが不可欠

皮膚の構造は3層で成り立ってい

皮膚の構造は「表皮」「真皮」「皮下組織」の大きく3層の組織から成り立っています。

表皮

肌のもっとも外側にある「表皮」は、物理的刺激から皮膚を守るバリア機能や、細胞の生まれ変わりを起こす働きがあります。

さらに表皮は「角質層」「顆粒層」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層」の4つの層があり、それぞれ異なる役割を持っています。

ただし手のひらと足の裏のみ、角質層と顆粒層の間に透明層があり、5層構造になっています。

真皮

「真皮」は皮膚の中間層で、コラーゲンやエラスチンなどの線維細胞でできており、皮膚の弾力性やハリを与える層です。

表皮の数倍~数十倍の厚さをもち、血管や神経、リンパ管が通っています。

皮下組織

「皮下組織」は皮膚の最も深い部分で、大部分が皮下脂肪で構成されています。

動脈や静脈が通っており、肌組織に栄養を届けたり、体温を保つなどの役割を担ってます。

この3層の組織が複雑に連携することで、皮膚の保湿機能やバリア機能、弾力性などが保たれています。

皮膚を構成している各層の機能

そもそも皮膚には、水分を保持することで肌のバリア機能を保ったり、体温調節をする大切な働きがあります。

皮膚の働き
  • 皮膚の乾燥を防ぎ外部の刺激から守る
  • 発汗・血管収縮により体温を調節する
  • 感覚器官として働く
  • 皮下脂肪を蓄える
  • 体内の老廃物を排泄する
  • 微生物や化学物質から身体を守る

皮膚を構成する3層の組織はそれぞれが異なる機能を担うことで、皮膚の機能を形作っているのです。

この章では「表皮」「真皮」「皮下組織」といった角層の機能について詳しく解説します。

「表皮」は外部の刺激から皮膚を守る

表皮は0.2mm程度の厚さしかありませんが、外部の刺激から皮膚を守る大事な役割をしています。

表皮は主に4つの層から構成されており、それぞれに異なる役割があります。

基底層

まず、表皮の最も下にある「基底層」は新しい細胞を生み出す働きをしています。

この基底層には、表皮を構成する重要な細胞である「ケラチノサイト(角化細胞)」が存在します。

ケラチノサイトは常に分裂を繰り返して新しい細胞を作り出し、肌の再生の源となっているのです。

また、基底層にはメラノサイトというメラニン色素を生産する細胞があります。

メラノサイトは紫外線や摩擦などの外的刺激が加わると、メラニン色素を生み出して細胞を守る役割をしているのです。

有棘層

基底層の上にある「有棘層(ゆうきょくそう)」は、ケラチノサイトが基底層から押し上げられ、徐々に角質化していく過程にある細胞で構成されています。

主に真皮から酸素や栄養素を受け取る働きをしているため、肌を健康に保つために重要な役割を担っています。

顆粒層

有棘層の上に位置する「顆粒層」は、2~3層の細胞でできており、角層が正常に働くためのセラミドなどの保湿成分を作っています。

また、紫外線の侵入を防ぐケラトラヒアリン顆粒を含むことで、細胞を紫外線から守る役割も果たします。

角質層

表皮の最も外側にある角質層は、物理的刺激や紫外線、乾燥などの外的刺激から肌内部を守ります。

角質層には押し上げられた古い細胞が蓄積しており、通常は約28日~56日かけて剥がれ落ちます。

さらに、角質層には天然保湿因子やアミノ酸、乳酸といった成分を含むことで、高い吸水性や保湿性を持っています。

皮膚の細胞を守るために「表皮」に炎症や色素沈着が起こる

皮膚には外的刺激から身体を守るバリア機能があります。
このバリア機能が過剰に反応することで、ニキビやシミなどの肌トラブルが生じます。
このような肌の防御反応は必ずしも望ましいとは言えません。
肌悩みにつながる生理反応を改善するには、専門医の診断を受けることをおすすめします。
皮膚科医は皮膚の仕組みを熟知しているため、適切な治療で肌を健康な状態に導いてくれます。

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「真皮」は皮膚の形や弾力を保つ

皮膚の中間層である「真皮」は、皮膚の形や弾力を保つ役割を担っており、部位によって厚みは異なります。

真皮はコラーゲンやエラスチンなどの線維成分でできており、ゼリー状のヒアルロン酸も含まれています。
これらの成分が皮膚のクッションやバネの役割を果たし、皮膚が変形してもすぐに元の形状に回復する弾力性を生み出しています。

皮膚を引っ張ってもすぐに元の形に戻るのは真皮のおかげなのです。

また、真皮にある神経は「熱い・冷たい・痛い」などの温度や痛みを感知し、脳へ届ける働きをしています。

さらに、血管やリンパ管を通じて、栄養や酸素、水分を表皮へ送り届ける役割も持ちます。

加齢とともに真皮の細胞は減少・断片化していき、ハリや弾力が低下することでシワやたるみの原因にもなります。

「皮下組織」は皮膚を支える

皮膚最深部に位置する「皮下組織」は、皮膚と筋肉・骨をつなぎ合わせることで皮膚の安定性を保つ役割を持ちます。

大部分が皮下脂肪でできており、部位によっては異なりますが約2㎜~約10㎜以上ある層です。

これにより体温調節や衝撃の吸収、栄養を運び出す役割を持っており、皮膚全体の恒常性維持に重要な役割を担っています。

また、皮下組織は、動脈や静脈などの血管・神経・汗腺・毛包などの組織が含まれます。

そのため、皮膚の細胞に栄養を届けたり老廃物を運び出したりする役割をもち、皮膚を物理的にも生理的にも支える重要な組織なのです。

皮膚の構造と美容の関係性

皮膚の構造とその機能は密接に関係しています。
そのため、健やかな肌を保つには、皮膚の機能を正常に維持する必要があります。

日頃のスキンケアで皮膚の特性を理解し、個々の肌悩みに対応したケアを実践していきましょう。

次からは、皮膚の構造や働きに着目した具体的なケア方法を解説していきます。

皮脂や角質を排出して肌の代謝を活発化させる

皮膚の働きには皮脂の分泌や角質を排出する作用があり、肌の代謝を活性化させる役割があります。

肌の角質層には常に新陳代謝が機能することで、基底層から押し上げられた古い角質が肌表面から排出されています。

これが肌の生まれ変わり機能である「肌のターンオーバー」なのです。

しかし、乾燥や紫外線のダメージによりターンオーバーが乱れると、古い角質が肌表面に蓄積し毛穴の詰まりなどを引き起こします。

毛穴が詰まることで、毛穴トラブルやニキビなどの多くの肌悩みが生じてしまうのです。

さらに、皮脂や汗を分泌することで老廃物を体外に排出する役割や、皮脂が肌表面を覆うことで肌のうるおいを保つ役割があります。

このように肌悩みが生じないようにするためには、もともと備わっている皮膚の機能を正常に働かせることが重要です。

美容成分を吸収して肌のうるおいやハリを保つ

皮膚には物質を吸収する作用があるため、スキンケアによる美容成分を内部へ届ける役割をしています。

表皮や毛穴から化粧品や薬剤に含まれている成分を吸収します。

こうした栄養補給を通じることで、肌の潤いやハリが支えられているのです。

しかし、スキンケアによる成分が届くのは表皮の角質層の部分までです。

これは肌のバリア機能の働きにより、外部からの物質を防いでしまうためです。

そのため化粧品のキャッチコピーによくある「肌の奥深くまで浸透」という言葉は、あくまでも「角質層まで」を意味するということに注意するようにしてくださいね。

肌のバリア機能の仕組み

皮膚の構造を正しく理解してケアしよう

前述したように、皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造をとっており、それぞれの層にある細胞・組織が連携して全体の機能を維持しています。

皮膚は複雑ながらも非常に重要な役割を担う器官です。
この仕組みを理解した上で適切な商品を選び、日常のスキンケアを心がけることが肌の健康維持には欠かせません。
皮膚本来の機能を正常に保つことを念頭に、自分の肌に合ったケアを実践してくださいね。

清潔にする

日頃のスキンケアではまず「清潔にする」ことを意識しましょう。

皮膚の汚れや老廃物は、毛穴の詰まりやニキビなど様々な肌トラブルの原因となります。

表皮で起こる肌のターンオーバーもこうした汚れによって乱れてしまいます。

そのため、適切なクレンジングと洗顔を行うことで、皮膚を常に清潔な状態に保つことが大切です。

ただし、洗顔も皮膚のバリア機能を壊さない範囲で行わないと肌の乾燥を進め、更なる肌悩みを生み出してしまうかもしれません。

クレンジングや洗顔は肌に摩擦を与えないよう優しく行うことがポイントです。

また、皮脂量が気になって一日に何度も洗顔してしまう方もいますが、これは肌に必要な皮脂まで取り除いてしまいます。

肌の機能の一つである皮脂の保湿機能を守るためにも多くても朝と夜の1日2回に抑えるようにしてくださいね。

保湿する

化粧水や乳液を使って保湿することで、肌内部の水分量を一定に保つことも大切です。

肌の乾燥が進むと、皮脂が過剰に分泌したりバリア機能が低下して紫外線のダメージを受けやすくなります。

これにより、ニキビやシミやそばかすなどの色素沈着が生じます。

また、皮膚の水分量が低下することでしわも目立ちやすくなり、多くの肌悩みをひき起こします。

乾燥は肌にとって大敵であり、健やかな肌を保つためには、表皮と真皮の保湿力が欠かせません。

化粧水で水分を与え、乳液で蓋をすることで十分な保湿効果を期待でき、肌にうるおいを与えます。

さらにビタミンCやコラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分の配合された美容液を使うことで、より効果的な保湿ができます。

紫外線対策をする

一年を通して紫外線対策はどのくらい行っていますか?

紫外線はシミやシワといった光老化の原因となるだけでなく、皮膚ガンのリスクも高めます。

そのため、肌の健康を維持するためには徹底した紫外線対策が必須なのです。

紫外線からのダメージを防ぐには、日傘や帽子などによる物理的遮光のほか、正しい日焼け止めを使用することが大切です。

顔だけでなく身体の露出部位も含めて十分に塗布し、紫外線によるダメージから肌を守りましょう。

日焼け止めのSPFとPA値の選び方は以下の表を参考にしてみてくださいね。

十分な睡眠をとる

肌の健康を保つためには十分な睡眠をとりましょう。

睡眠不足は肌のターンオーバーを乱れやすくするだけでなく、ストレスホルモンの分泌を高め、肌の老化を早めます。

そのため、できるだけ1日7~8時間の睡眠を心がけでくださいね。

質の良い睡眠をとるためには、就寝1~2時間前までに入浴することがポイントです。

入浴で身体を温め、就寝時に深部の体温が下がることで睡眠導入を促します。

また、枕元に好みの香りを置いたり、リラックスできる睡眠環境を整えることも大切です。

肌に必要な栄養素を摂る

美しい肌のためにはバランスのよい食事が欠かせません。

タンパク質はコラーゲン合成の材料、ビタミンAは表皮のターンオーバーを正常化し、ビタミンCは抗酸化作用でシミやシワの防止に効果的です。

こうした栄養を含む食品を積極的に取り入れ、内側から肌をサポートしましょう。

普段の食事でバランス用栄養を取るのが難しいという方は、皮膚科での美容内服もおすすめです。

市販のサプリメントよりも成分配合量が高く、より効果的に皮膚に栄養を与えることができます。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

都丸真依子 医師

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当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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