毛穴にぶつぶつができる原因は?毛孔性苔癬などの治し方やかゆみの対処法を紹介

毛穴にぶつぶつが突然できてしまった…。

身体にぶつぶつができて、お困りの方もいるかと思います。
なにより目立ってしまうし、原因がわからないと、効果的な対策もできずに、厄介ですよね。

単に「毛穴のぶつぶつ」と言っても症状の種類や状態は、さまざまです。

今回は、毛穴のぶつぶつの種類を紹介するとともに、効果的な対処法を解説していきます。

※記事中の画像は一部イメージで使用しているものがあります。

この記事でわかること

  • 毛穴のぶつぶつを伴う皮膚疾患はいくつも存在する
  • 疾患の種類ごとに毛穴の対処法や改善策が異なる
  • 炎症を起こしている可能性が高く外用薬を用いて治療することが多い

毛穴の「ぶつぶつ」の種類とその原因

毛穴のぶつぶつの伴う皮膚疾患は、いくつもあります。
疾患の種類ごとに、原因や症状が異なるため、適切な対処法も変わってきます。

ここでは、毛穴にぶつぶつが現れる5つの症状の特徴と、その原因を詳しく解説していきます。

毛孔性苔癬

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、ブツブツが複数現れる皮膚病の一種です。
腕や太ももに発症することが多いです。

大きさは1~2ミリの粟粒程度で、赤みやかゆみはほとんどありません。
触ってみると、鮫肌のようにザラザラと感じ、特に乾燥しているのが特徴です。

古い角質が排出されずに蓄積されると、この毛孔生苔癬が現れます。
古い角質が詰まると、毛穴が塞がり、皮膚が部分的に肥厚(厚くなること)を起こし、ブツブツができるためです。
例えば、肌のターンオーバーが乱れると、角質が排出されず、毛孔性苔癬が現れやすくなります。

根本的な原因は、解明されておらず、遺伝的傾向でできやすいと考えられています。
遺伝的な要素が原因だと考えられているため、家族に毛孔性苔癬を発症している人がいる方に起こりやすいです。

※肌のターンオーバーとは、肌の新陳代謝のことで、肌細胞が生まれ変わる際に、不要な角質や皮脂が排出されます。

毛嚢炎・毛包炎

毛嚢炎(もうのうえん)・毛包炎は、毛穴の奥の毛根を包んでいる「毛嚢」や「毛包」と呼ばれる部分に、炎症が現れる皮膚病の一種です。

毛根を包む部分のなかでも、比較的浅い層に現れる炎症のことを毛包炎と言います。
一方で、毛根を包む部分の下部にまで炎症が及んでいる場合は、毛嚢炎になります。

毛穴が赤く腫れていて、かゆみや痛みが伴う場合は、毛包炎や毛嚢炎の可能性が高いでしょう。

原因は、細菌への感染で、黄色ブドウ球菌・表皮ブドウ球菌が原因菌になります。
特に、ムダ毛処理などで、毛穴周辺が傷ついた際などに起こりやすくなります。
そのため、主にムダ毛の自己処理を頻繁にされる方に発症しやすい症状です。

マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎は、マラセチアと呼ばれる真菌(カビ)に感染することで発症する感染症です。

見た目は、ニキビに似て赤くぶつぶつしていますが、ニキビよりもテカテカと光沢感があるのが特徴です。
膿んでいることもあり、中央が膨らんでいます。

また、かゆみを伴うことが多く、背中や胸元にできやすい傾向にあります。
そのため背中や胸元などに、かゆみをともなう赤いぶつぶつがある場合は、マラセチア毛包炎の可能性が高いでしょう。

原因は、マラセチア菌の増殖です。
マラセチア菌は、元々皮膚に存在しますが、汗や湿気によって、増殖すると毛包炎を発症しやすくなります。
脂の分泌量が多い方(特に思春期など)や、よく汗をかきやすい方に発症しやすいと言えます。

ニキビ

ニキビとは、毛穴の出口が塞がれて、毛穴に皮脂が詰まることで発症する皮膚疾患です。

初期のニキビは、見た目は白くぷつっと隆起しています。
これは毛穴の中に皮脂が溜まっている状態で、炎症は伴わない白ニキビや黒ニキビと呼ばれる段階のニキビです。

毛穴内で、アクネ菌が増殖すると、炎症を伴う赤ニキビができることがあります。
赤ニキビの症状が悪化すると、膿を伴う黄ニキビに進行します。

ニキビは、毛穴のある箇所であれば、全身のどこにでもできる可能性があります。
ただし、皮脂の分泌が多い顔や生え際などに、現れやすい傾向にあります。

ニキビの原因には、皮脂の過剰な分泌や肌のターンオーバーの乱れが挙げられます
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴が詰まることでニキビが発生しやすくなります。
さらに、肌のターンオーバーが正常に行われないと、余分な皮脂が排出されずに、ニキビを誘発してしまいます。

そのため、皮脂の分泌が多い方や、睡眠不足などで肌のターンオーバーが乱れている方は、ニキビができやすい傾向にあります。

ニキビの種類について詳しくはこちら

「ニキビの種類」を画像付きで解説!症状の違いや原因を知って効果的に治そう

埋没毛

埋没毛は、皮膚の下に生えてしまっている毛のことを指します。
表面から見ると黒くぶつぶつして見えることが多いです。
感触がざらざらしていて、毛穴の中心が少し隆起し、黒い場合には、埋没毛の可能性が高いでしょう。

また、埋没毛の周辺で炎症が起こる場合もあります。
炎症が伴う場合の埋没毛では、皮膚表面からは赤く見えることもあります。

原因は、肌のターンオーバーの乱れです。

ムダ毛処理や乾燥など、さまざまな要因で肌にダメージが掛かることで、肌の新陳代謝であるターンオーバーが鈍化します。
すると、古い角質が蓄積して毛穴が詰まり、生えてくるはずだった体毛が毛穴の外に出れずに埋まってしまうという仕組みです。

主にムダ毛の自己処理を頻繁にされる方や、ムダ毛処理をした部位に発症しやすい傾向にあります。

毛穴の「ぶつぶつ」の治し方

では、実際にできてしまったぶつぶつを治すためにはどうすれば良いのでしょうか?

上記で紹介した5つの症状別に、治療法を紹介していきます。
ご自身に当てはまる症状を見極めて、効果的な治療を行いましょう。

医療用医薬品での治療を希望する場合は、医師からの処方を受けることが必要なため注意しましょう。

毛孔性苔癬には尿素配合の薬を使う

毛孔生苔癬の場合は、尿素が配合された薬を用いましょう。

毛孔性苔癬は、毛穴に角質が詰まった状態です。
尿素には角質をやわらかくし、余分な角質を取り除く作用があります。

【市販薬】ニノキュア

尿素配合のクリームタイプの塗り薬です。高濃度の角質軟化成分(尿素)が、毛穴に詰まった角質を軟らかくしてブツブツを治します。抗炎症効果があるため、赤みを伴う場合にも効果的です。1日数回、適量を患部にすりこみます。
使い続けることで、ブツブツの気にならない滑らかな二の腕になっていきます。

【医療用医薬品】パスタロンソフト軟膏10%

尿素を含んだ軟膏です。尿素の水分保持作用によって、皮膚の乾燥を防ぎ、角質をやわらかくすることで、毛厚生苔癬を改善していきます。一般的には、1日2~3回、清潔にした患部にすりこんで使用します。

毛嚢炎には抗炎症作用を持つ薬を使う

毛嚢炎には、炎症を抑える「抗炎症作用」のある医薬品を使うことが効果的です。
黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が毛穴に入り込み、炎症を起こしている状態のため、炎症を抑えることが必要になります。

皮膚科を受診すると、抗炎症作用を持つステロイドのほかに、抗生物質が処方されることがあります。

【市販薬】ドルマイコーチ軟膏

ステロイド成分であるヒドロコルチゾン酢酸エステルと、2種類の抗生物質であるバシトラシンとフラジオマイシンが配合された塗り薬です。かゆみと炎症を抑える効果を期待できます。1日1~数回、適量を患部に塗布します。

【医療用医薬品】アクアチム

アクアチムは、抗菌作用を持つ外用剤です。表皮ブドウ球菌などを殺菌して、炎症を抑える効果を期待できます。通常の場合は、1日2回適量を清潔に洗った患部に塗布します。

長期間塗り続けると耐性菌が発現するリスクがあるため、医師に指定された用法・用量を守って使用しましょう。

さらに詳しくはこちら

「アクアチム」のニキビ治療薬としての効果や軟膏・クリームの正しい使い方

マラセチア毛包炎には抗真菌薬を使う

マラセチア毛包炎は、原因菌の増殖を抑えられる抗真菌薬で治療を進めます。
マラセチアという真菌に感染している状態のため、抗菌することが必要です。

症状がひどい場合や、外用薬のみではあまり治療効果を期待できない場合は、内服薬を併用する場合もあります。

また、マラセチア毛包炎は、市販薬では治りにくい場合もあります。
ここでは、改善効果を期待できる医療用医薬品の外用薬と内服薬を1つずつ紹介します。

【医療用医薬品】ケトコナゾールクリーム2%「イワキ」

ケトコナゾールというイミダゾール系の外用の抗真菌薬です。ほとんどにおいのない白色のなめらかなクリーム状の軟膏剤になります。一般的には、1日1回を清潔な患部に塗布します。

【医療用医薬品】フルコナゾールカプセル

トリアゾール系の抗真菌作用持つカプセルタイプの内服薬です。真菌の増殖を抑制する効果を期待できます。50mg~100mgを1日1回経口投与する場合があります。

※医療用医薬品は、症状によっても用法・用量が異なる場合があるので、詳しくは医師に確認してください。

ニキビにはアクネ菌の増殖を抑える薬を使う

ニキビには、アクネ菌を抗菌・殺菌する成分を含む治療薬を用いることが効果的です。
ニキビの原因の一つは、アクネ菌の増殖です。
また、毛穴詰まりが起こった初期段階のニキビの状態でも、アクネ菌が繁殖して悪化するリスクを伴います。

一方で、毛穴詰まりが原因で現れるニキビには、角質を取り除く作用を持つ治療薬が効果的です。

赤や黄色の炎症を伴うニキビに効く治療薬

【市販薬】クロマイセチン軟膏2% 15g

抗生物質クロラムフェニコール配合の外用薬です。アクネ菌を殺菌して、化膿した患部を改善します。白色のクリーム剤で、1日数回、適量を患部に塗布して使用します。

【医療用医薬品】ゼビアックスローション2%

炎症を抑えるオゼノキサシンという有効成分を含む抗菌薬です。炎症を伴う赤ニキビの改善効果を期待できます。ローションタイプとクリームタイプの2種類があり、ローションのほうが水分が多く含まれているのが特徴です。

さらに詳しくはこちら

「ゼビアックス」はニキビに効果あり!油性クリームの使い方や副作用を解説

白や黒の炎症を伴わないニキビに効く治療薬

【市販薬】オロナインH軟膏チューブ 50g

クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された軟膏です。殺菌作用で、アクネ菌の増殖を防ぐ効果を期待でき、炎症を伴わないニキビへの改善効果が認められています。ただし、湿疹タイプのニキビに有効で、乾燥しているニキビへの効果はあまり期待できません。5~6日使用しても、症状がよくならない場合は使用を中止して、医師に相談してください。

【医療用医薬品】アダパレンゲル 0.1%

角質剥離作用で毛穴の詰まりを改善する効果が期待できる外用薬です。毛穴詰まりによって発生する白ニキビ・黒ニキビを治療します。毛穴詰まりを改善する一方で、肌のバリア機能を弱めてしまいやすいため、医師の指示に従い、用法・用量を守って使用しましょう。

さらに詳しくはこちら

アダパレンの「ニキビ治療の効果と副作用」を解説!正しい使い方と注意点をチェック

埋没毛はターンオーバーを促進させる

埋没毛は、ターンオーバーの乱れが原因で発生します。
そのため、埋没毛を治すには、ターンオーバーを正常化させることが重要です。
肌のターンオーバーが行われると、古くなった肌細胞がアカとして剥がれ落ちることで、埋もれていた毛が押し出されるためです。

まずは、セルフケアで肌を清潔に保ち、保湿を行いましょう。

肌を乾燥や摩擦などのダメージから守ることも、大切です。
無理に埋没毛を抜くと、炎症や毛嚢炎を引き起こす可能性があるので絶対にやめましょう。 

セルフケアでも、なかなか改善されない場合や炎症が起きている場合は、皮膚科で治療を行いましょう。

毛穴の「ぶつぶつ」を予防する方法

ここまでは、毛穴のぶつぶつの治療法について、症状別に解説しました。
毛穴のぶつぶつは生活習慣の乱れから発生する場合もあるため、生活習慣を見直さないと再発する恐れもあります。

では、毛穴の「ぶつぶつ」を作らないためにはどんな対策ができるでしょうか。
毛穴のぶつぶつを予防するために、日常生活の中で心がけたい5つのポイントを紹介します。

①肌を清潔に保つ

毛穴にぶつぶつを作らないためには、毎日身体を洗い、清潔な衣服を着用して、肌を清潔に保ちましょう。

毛穴のぶつぶつには、いくつか種類がありますが、汗や湿気による細菌の繁殖や古い角質汚れの蓄積などは、共通の要因に挙げられます。
そのため、肌を清潔に保つことが予防の一つになります。

また、ムダ毛処理を行うときは、清潔なカミソリを使いましょう。
清潔でないカミソリには細菌が繁殖している可能性があり、肌に細菌が付着する可能性があるためです。

②肌への刺激を抑える

毛穴のぶつぶつができるのを防ぐには、肌になるべく刺激を与えないようにしましょう。
肌に刺激が加わると、肌の新陳代謝であるターンオーバーの鈍化を招き、毛穴のぶつぶつが発症しやすくなります。

具体的には、ムダ毛処理の際などは、クリームを塗って刺激を抑える、ゴシゴシと洗わないことなどで、摩擦を抑えることが重要です。

③肌を保湿する

毛穴のぶつぶつを予防するためには、こまめに保湿をしましょう。

肌が乾燥すると、本来持つ肌のバリア機能(※)が失われてしまい、さまざまな細菌に感染しやすくなります。
また、肌にかかるダメージを防ぎきれないと、肌のターンオーバーが鈍化して、毛穴のぶつぶつが出来やすくなります。

そのため、化粧品や医薬品などを使用して、肌を保湿しましょう。
なかでも医療用医薬品の「ヒルドイド」は、角質層の水分を保持する効果が高く、肌を効果的に保湿してくれます。

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※肌のバリア機能とは、肌を紫外線やホコリなど外部の刺激から守る肌にもとから備わっている機能のことです。

④十分な睡眠をとる

毛穴のぶつぶつの発生を防ぐためには、十分な睡眠をとりましょう。
肌の新陳代謝である、肌のターンオーバーは、睡眠時に促進されます。

肌のターンオーバーが促されると、その過程で、古い角質が排出され、肌のバリア機能も保たれるため、肌トラブルが起こりにくい肌状態をキープしやすくなるのです。

⑤バランスの取れた食事をする

バランスの取れた食事で、毛穴のぶつぶつの発生を防ぎましょう。
例えば、脂質の多い食べ物を多く摂取していると、毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビが発生しやすくなります。
また、偏った食事をすることで、肌のターンオーバーが乱れやすくなり、その他の毛穴のぶつぶつの発生も招いてしまいます。

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美肌効果のある「栄養素」とは?効率的な取り入れ方やおすすめ食材を解説

毛穴のぶつぶつが治らない場合は専門医に相談

今回は、毛穴のぶつぶつの種類ごとに、原因と治し方について解説してきました。

毛穴の「ぶつぶつ」は、放置しておくと、炎症や更なる悪化を招いてしまいます。
そのため、早めに治療を進めることが大切です。
また、症状を見誤り、効果的でない薬を使用すると、なかなか治らない可能性も考えられます。

そのため、毛穴のぶつぶつの種類の見分けが難しい方は、一度専門医に相談してみてください。
忙しく皮膚科を受診しづらい方には、オンライン診療の活用もおすすめです。

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この記事の監修医

東京総合美容医療クリニック

福田麻衣 医師

美容皮膚科/美容外科

美しさを求めるすべての人たちに

当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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