黒クマを治すには?セルフケア方法からクリニックでの治療法を徹底解説

黒いクマができている…。

複数あるクマの種類の中で、最もできやすいと言われている黒クマ。
老けて見られる、コンシーラーで隠し切れないなどの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

黒クマは加齢によって、発生するイメージがあるかもしれません。
たしかに、加齢が原因で発生することが多いですが、若い頃から発生してしまうケースもあります。

この記事では、黒クマ悪化を防ぐセルフケア方法と、美容治療での治療法、黒クマを隠すコンシーラーの使い方などを解説していきます。

この記事でわかること

  • 黒クマの原因は「目の下のたるみ」
  • 黒クマの悪化を防ぐためにはセルフケアが大切
  • 本格的に黒クマを改善したい場合は美容皮膚科での治療が必要

黒クマと他のクマの見分け方

目の下のクマは、大きく分けて「黒クマ」「青クマ」「茶クマ」の3種類に分かれます。

黒クマは、皮膚のたるみなどによってできた窪み(くぼみ)に、黒い影がかかって見える状態です。
影ができているだけなので、上を見上げてクマが薄くなる場合は、黒クマの可能性が高いです。

以下では、他の2種類のクマと黒クマの違いを解説します。

目の下を引っ張ると薄くなる「青クマ」

青クマは、目元の毛細血管が薄く見えている状態です。
目の下をやさしく引っ張ると、色が薄くなる場合は、青クマの可能性が高いです。
皮膚が伸びると、血管は見えにくくなり、青クマが表面から見えづらくなるためです。

一方で、黒クマの場合は、目の下を引っ張っても薄くなりません。

青クマの原因と改善策

青クマの原因は、目の周りの血行不良です。
寝不足による血行不良や、貧血による血液中の酸素濃度の低下は、青クマの発生につながります。
他にも、長時間のパソコンやスマホでの作業で目を酷使すると、青クマができやすくなります。

青クマを改善するには、血行改善マッサージを行う、体を温める、運動不足の解消をする、目を酷使しないことなどが重要です。

目の下を引っ張っても薄くならない「茶クマ」

茶クマは、色素沈着により、目の下が薄茶色にくすんでしまっている状態です。
目の下をやさしく引っ張った時に薄くならない場合は、茶クマの可能性が高いです。
肌の層に蓄積した色素が、シミとして皮膚表面に現れているため、皮膚を引っ張っても薄くなりません。

また、黒クマとの見分け方は、角度を変えたときにクマが薄くなるかどうかです。
茶クマは色素沈着しているため、クマを見る角度を変えても薄くなりません。

一方で、黒クマは、影ができている状態のため、角度を変えると薄く見えることがあります。

茶クマの原因と改善策

茶クマの原因は、メラニン色素の蓄積です。
メイクの落とし残しや摩擦刺激、紫外線によるダメージなどによってメラニン色素は蓄積します。

茶クマを改善するには、肌のターンオーバー(※)を促進させて、メラニンを排出させることが重要です。
肌のターンオーバーを促進するには、スキンケアで乾燥を防ぐ・摩擦や紫外線の刺激を避ける・良質な睡眠をとる・栄養バランスの良い食事をとる・適度な運動をするなどのセルフケアを行いましょう。

※肌のターンオーバーとは、肌の細胞が一定の周期で生まれ変わる仕組み

茶クマについてさらに詳しくはこちら

茶クマの原因と治療法を解説!目の下のくすみの正しい消し方と予防法を知ろう

黒クマの原因

黒クマの原因は、「目の下のたるみ」です。

目の下のたるみは、大きく2つの要因で起こります。

一つ目の要因は、皮膚の弾力の低下です。

肌は、肌の奥の層の「真皮層」内に、コラーゲンやエラスチンが十分にあることで、ハリを保っています。そのため、お肌のハリを支える「真皮層」内で、これらの成分が減少または衰退することで、たるみが生まれます。

二つ目の要因は、目の下にある脂肪が前方に突出することです。

上下のまぶたには、脂肪の塊が入った袋が存在しています。これを「眼窩脂肪(がんかしぼう)」と呼びます。眼窩脂肪が、前に押し出されてしまうと、まわりの肌表面との間で、凸凹が現れることで、たるみが生まれます。

この「たるみ」は大きく3つの要因で起こりやすくなります。

加齢

年齢を重ねるとともに、お肌のハリや弾力を維持するコラーゲンやエラスチンは減少します。

これにより、肌の層のハリを維持する力が衰えることが、たるみの原因の一つです。

肌は表面から「角質層」「真皮層」「皮下組織」という構造に分かれています。

真皮層は、コラーゲン線維とエラスチン線維でできた繊維組織から構成されており、この繊維組織が皮膚の弾力性やハリを保っています。

しかし、加齢やストレス、紫外線ダメージの影響を受けると、線維組織成分が減少・劣化し、たるみの目立つ肌質になります。

また、加齢による表情筋の衰えもたるみの原因です。

特に眼輪筋(がんりんきん)の衰えは、眼窩脂肪の突出を招くだけではなく、目元のたるみに直結しやすく、結果的に黒クマを形成します。

遺伝

若い年齢で黒クマが見られる人は、遺伝的な要素が大きく関与している可能性が高いです。

頬骨は、目の下の脂肪をせきとめる役割がありますが、頬骨が生まれつき低い場合、脂肪が前方に突出しやすくなります。

このように、生まれつき眼窩脂肪が突出しやすい構造によっても、たるみが生じて、黒クマが形成されてしまいます。

皮膚への刺激

日常的に、目の下に力を加え、押したり引っ張ったりする動作を繰り返すと、次第に皮膚が伸びてしまいます。そして皮膚がたるむことで、黒クマが現れます

例えば、コンタクトレンズの付け外しなどで目の下を強く引っ張ったり、メイクの際にブラシで強く皮膚を叩いたり、メイク落としのときに、擦りすぎたりすることで、皮膚のたるみが起きてしまいます。

そのため、日頃から目の周りの皮膚には、できるだけ刺激を与えないように、優しく扱うことが重要です。

黒クマの悪化を防ぐセルフケア

黒クマは皮膚のたるみが原因のため、なかなかセルフケアのみで、「完全に消す」ことが難しいです。

しかし、正しいセルフケアによって黒クマの予防や、悪化を防ぐことは可能です。

以下では、黒クマの悪化を防ぐ3つのセルフケア方法を紹介します。

目元にハリを与える「アイクリームでの保湿」

黒クマの悪化を防ぐには、アイクリームなどを使って保湿しましょう。

乾燥や加齢による線維組織の減少は、お肌のハリや弾力の低下につながります。皮膚のたるみを引き起こす原因となるため、日頃のケアで、目元の水分を保ち、ハリを与えることが重要です。

目元は、肌が薄く刺激を受けやすいため、アイクリームや目元美容液など、目元専用に設計されたスキンケアアイテムを使用しましょう。

さまざまなスキンケア商品の中でも、レチノール配合のものが効果的です。

レチノールは、ビタミンAの一種で、お肌のハリや弾力を維持するコラーゲンやエラスチンの生成を促します。また、肌のターンオーバーを改善し、肌のハリや潤いを保つ効果が期待できます。

また、乾燥対策として、保湿力の高いセラミドや、ヒアルロン酸が含まれる商品も、効果的です。

肌ラボ 極潤 プレミアム ヒアルロンアイクリーム

乾燥によるハリの低下が気になる方におすすめの商品です。

7種のヒアルロン酸が配合されており、高い保湿力が期待できる商品です。

塗った瞬間にピタッと肌に密着する高濃度のクリームで、潤いが長続きすることが魅力的です。

エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム

目元のシワが気になる方におすすめの商品です。

朝と夜のお手入れの最後に、目や口のまわりなど、シワが気になる部分にやさしくなじませて使用します。

シワを改善する効能効果が認められている有効成分、純粋レチノールが含まれているため、シワを改善し、ふっくりとした肌になることが期待されます。


筋肉のこりをほぐす「ツボ押しマッサージ」

黒クマの悪化を防ぐには、目元の筋肉をほぐして、血流をよくしましょう。

目周りは、筋肉がこり固まり、血流が滞りやすい部位です。

筋肉は、血液を全身に送るポンプの役割を果たしているため、こり固まると、筋肉が収縮できなくなり、血流が悪くなってしまいます。

血流が悪くなると、身体の中の老廃物が蓄積しやすくなることで、肌に必要な栄養分が行き渡らなくなってしまいます。すると、肌のハリや弾力が低下し、たるみが発生しやすくなる可能性があります。

そこで、「ツボ押し」を行い、血流とリンパの流れをよくしましょう。

人差し指・中指・薬指の3本の指の腹を使い、眉頭から眉尻、目の下の骨に沿って、目頭から目尻まで優しく指で押し流す
人差し指・中指・薬指の3指の腹をこめかみに当てる
ゆっくりクルクルと円を描くようにしてほぐす( 5回×3セット)

指でこめかみをグッと引き上げる( 5秒間×3セット)

目の下は皮膚が大変薄いので、強い力で手元を横に滑らせると、肌への摩擦になります。

目元の筋肉を鍛える「表情筋トレーニング」

目の周りには「眼輪筋」と呼ばれる筋肉があります。

眼輪筋は、目の下の眼窩脂肪を支える役割があるため、ここを鍛えて発達させると、黒クマの原因になる膨らみを防ぐことができます。

ここでは2つのトレーニングを紹介します。

トレーニング①
  • 下まぶたに力を入れ目を細める
  • 力を入れたまま20秒キープする

5回を1セットとして1日3セット行うようにしましょう。

トレーニング②
  • 力を込めて目を閉じ、5秒キープする
  • 目をパッと見開いて5秒キープする3.1と2を5回、交互に繰り返す

トレーニングを行う際のポイントは、ただ目を細めるだけではなく、下まぶたに力が入るよう意識することです。

生活習慣の中に取り入れ、毎日継続することが重要です。

黒クマを治すクリニックでの治療法

セルフケアのみで、黒クマを消すには限界があります。

そこで、本格的に黒クマを改善したい場合は、美容皮膚科などでの治療を検討しましょう。

クリニックでできる黒クマ治療は、セルフケアと比較すると即効性が期待できます。

以下では、黒クマの5つの代表的な治療方法を紹介します。

脱脂 (だっし)

目の下の脂肪の突出が強い方は、脱脂の施術が効果的な場合があります。

脱脂では、黒クマの原因である前方に押し出された余分な眼窩脂肪を直接除去することができるからです。

しかし、目の下は、ふくらみとくぼみが混在しているため、ふくらみとくぼみの程度が大きい方の場合、脂肪を除去しふくらみを解消しても、くぼみがそのままの状態であるとたるんで見えてしまいます。

そのため、目の下のくぼみが強い方は、脱脂に加え、脂肪注入やヒアルロン酸注入という施術を併用する場合があります。

脂肪注入やヒアルロン酸注入によってボリューム感を与え、くぼみを目立たなくすることで、黒クマが改善されます。

メリット

  • 目の下のたるみ・クマを根本から改善できる
  • まぶたの裏側を切開するため、皮膚表面に傷跡が残らない
  • 個人やクリニックによっては翌日から洗顔やメイクが可能

デメリット

  • 腫れ・内出血・疼痛・出血・血腫などの副作用が現れる場合がある
  • 脂肪注入などの施術と併用が必要な場合がある
  • 脂肪の除去のムラ/脂肪の取りすぎで、クマが濃くなる場合や、目の下が凹んで、シワやたるみが増えるリスクを伴う

ヒアルロン酸注入

目の下の眼窩脂肪による膨らみが軽度である方や、頬骨の突出が少なく目の下に凹みがある方は、ヒアルロン酸注入の施術が効果的な場合があります。

ヒアルロン酸は、体内にもともとある物質で、肌の水分を保つ役割があります。ヒアルロン酸注入の治療では、目の下の凹みにヒアルロン酸を注射して、目の下と頬の境の溝を埋め、段差を解消します。

メリット

  • ヒアルロン酸は、水分保持力に優れているため、目元の乾燥を防ぐとともにハリも高め、シワが改善しやすい

デメリット

  • 効果の持続期間が数カ月から1年程度で、効果を維持するためには、繰り返しの注入が必要
  • 人工的に凹みを埋めるため、仕上がりや色味で不自然さが残る場合がある

脂肪注入

目の下の眼窩脂肪の膨らみが軽度である方や、頬骨の突出が少なく目の下が凹んでいる方は、脂肪注入の施術が効果的な場合があります。

脂肪注入は、自身のお腹や太ももなどから採取した脂肪を目の下の凹みに注入することで、目の下と頬の境の溝を埋め、段差を解消します。

メリット

  • 脂肪は肌の色味に近いため、仕上がりや色味が比較的自然
  • 自身の組織の一部を活用するため、異物反応やアレルギー反応が起こる可能性が低い

デメリット

  • 注入する脂肪の量が少ないと、脂肪が定着せず、効果が続かない場合がある
  • 注入する脂肪の量によって不自然な表情になってしまう場合がある
  • 1週間〜2週間前後のダウンタイムがある

ハムラ法

眼窩脂肪による膨らみに加え、皮膚が余るほどのたるみが気になる方には、ハムラ法の施術が効果的な場合があります。

特に、加齢によって皮膚のたるみが進行している50代以上の方などに相性がいいでしょう。

目の下の皮膚を切開し、凹み部分に再配置させて固定することで目の下を平らにする施術です。また、同時に余分な脂肪も切除するため、皮膚のたるみの解消も期待できます。

メリット

  • 目の下のたるみ・クマを根本から改善できる
  • 余分な皮膚も同時に切除するため、シワも改善しやすい
  • 自身の脂肪を再配置するため、滑らかな仕上がりになりやすい
  • 脂肪を固定するため、脂肪の位置が移動しづらく、再発のリスクを軽減できる

デメリット

  • 切開を伴う施術のため、ダウンタイムが発生する
  • 切開を行うため、一時的に傷跡が残る
  • 眼輪筋を切開する場合は、眼輪筋の厚みでできている涙袋が薄くなる可能性がある
  • 外反(下まぶたが外側に反り裏側の結膜が露出してしまう)のリスクがある

裏ハムラ法

目の下の眼窩脂肪の膨らみが気になる方には、裏ハムラ法の施術が効果的な場合があります。

下まぶた裏側(経結膜側)から、目の下のたるみの原因である脂肪を切除し、凹み部分に固定することで目の下を平らにする施術です。

メリット

  • 内側からアプローチするため、外部に傷跡が残りにくい
  • 脂肪を固定するため、脂肪の位置が移動しづらく、再発のリスクを軽減できる
  • 皮膚を切らないので外反(下まぶたが外側に反り裏側の結膜が露出してしまう)のリスクを抑えられる

デメリット

  • 皮膚がたるんでしまっており、切除が必要となる場合には対応できない


黒クマを隠すコンシーラーの塗り方

施術を受けるまでやセルフケアでの改善を目指す間は、黒クマをうまく隠したいですよね。

黒クマは影ができている状態のため、明るめのイエロー系やパールタイプのコンシーラーを使うことで消えやすくなるでしょう。

また、黒クマがかなり濃い場合は、オレンジカラーのコンシーラーを下に重ねて使用することで、色を中和することができます。

NARS ラディアントクリーミー カラーコレクター

濃いクマに悩む方におすすめの商品です。

オレンジカラーで、ファンデーションやコンシーラーの下に重ねて使用することで、黒クマ色を補正することが期待できます。

マイクロパウダーが小さなシワやシミ、溝など肌の気になる箇所に入り込んで埋め、肌の凹凸をなめらかに見せることで、化粧ノリを良くすることも魅力です。

ジルスチュアート ダイヤモンドティップス コンシーラー (パールタイプ)

クマを適度にカバーしながら、肌にツヤと明るさを与えてくれる商品です。

みずみずしいのび広がりで、負担感のないつけ心地を求める方におすすめの商品です。

グロウダイヤモンドパウダーが配合されているため、カバー力に加え、自然なツヤのある仕上がりになることが魅力的です。

具体的に以下の手順に沿ってコンシーラーを塗ることで、黒クマを消しやすくなります。

黒目下あたりの一番クマが濃い部分にオレンジカラーのコンシーラーをのせる。

目の下全体に塗るのではなく、一番隠したい黒目下あたりのクマが濃い部分に、コンシーラーをのせましょう。

指でぽんぽんぼかす。指についた残りのテクスチャーは目頭の方へ薄くのばす。

STEP1でコンシーラーをのせた黒目下を出発点にして、まわりに馴染ませるよう、指でぽんぽんぼかしていきましょう。

自身の肌の色に合ったベージュ系のコンシーラーを同じように重ねてぼかす。
肌よりもワントーン明るいコンシーラーを影に入れて明るくする。

黒クマは皮膚のたるみによる影がつくりだしているので、メイクで隠すのは非常に難しいです。そのため、ハイライトによって明るさやツヤ感を与えることで光を集め、黒クマを目立たなくしましょう。

黒クマが消えない場合は美容皮膚科へ

黒クマの予防や悪化を防ぐためには、スキンケアやマッサージなど、セルフケアが必要です。

しかし、黒クマは皮膚のたるみが原因ということもあり、なかなかセルフケアのみで、「完全に消す」というところまでは難しいです。

そのため、なかなか黒クマが消えない場合は、美容皮膚科での治療がおすすめです。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

都丸真依子 医師

美しさを求めるすべての人たちに

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