「トレチノインの効果ってどのくらいで出るの?」「トレチノインの使用方法とは?」
トレチノインについて、こんな疑問をお持ちではありませんか?
トレチノインは、ニキビやシミ、毛穴、シワなど様々な肌悩みの治療に使われる医薬品です。
しかし、正しい使い方をしないとかえって肌を傷めてしまうかもしれません。
本記事では、そんなトレチノインの効果と使用方法について解説します。
注意点を抑えながら、肌悩みの改善に活かしてみてくださいね。
目次
トレチノインとはビタミンA
トレチノインとはビタミンAの誘導体で、シミやシワだけでなく、ニキビや毛穴の治療といった多くの肌悩みの改善に使用される医薬品です。
もともと欧米ではニキビの治療薬として20年以上の長い歴史があり、「皮膚の若返り薬」としても使用されています。
日本でも病院での処方は可能ですが、厚生労働省の認可が下りていないため保険適用外となり、自費診療のみの扱いとなっています。
ビタミンA(レチノール)の誘導体とは、ビタミンAの50~100倍の生理活性(※)を持つ成分です。
ごく微量ではありますが、血液中に流れている成分なのでアレルギーを起こす心配はありません。
角層剥離作用や皮脂分泌抑制作用、潤い成分増加作用、ターンオーバー促進作用など、多くの働きを持つことで様々な肌悩みの改善を期待できます。
一方、強力な作用のある医薬品であるため、使用する際は用法・用量をきちんと守ることが大切です。
この記事では使用時の注意点や副作用についても解説しています。
※生理活性とは、体の各器官の機能を正常化・活性化させる性質のこと。ビタミンは生理的活性を起こす物質であるため、細胞の生成やエネルギーの産生を促している。
トレチノインの効果
トレチノインは「シミ」「シワ」「ニキビ・ニキビ跡」「毛穴」といった多くの肌悩みの改善に効果があります。
上記で説明したように、トレチノインには角層剥離作用や皮脂分泌抑制作用、潤い成分増加作用、ターンオーバー促進作用といった働きがあります。
肌の生まれ変わり自体を多方面から促進することで、様々な肌悩みに対応できるのです。
ここでは、トレチノインの効果について一つ一つ解説していきます。
自分の肌悩みに合わせた改善効果があるかをチェックしてみてくださいね。
シミの改善
トレチノインはシミの改善に効果的です。
シミ改善をするためには、メラニン色素の生成を抑えるだけではなく、肌に蓄積されたメラニン色素の排出を促すことが必要です。
トレチノインはターンオーバー促進作用を持っているため、表皮に存在するシミを薄くすることができます。
そもそもターンオーバーが正常に機能している場合、通常メラニン色素は約1か月~3か月程度で垢となって剥がれ落ちます。
しかし、シミが何か月も肌表面に滞在している状態は、肌のターンオーバーが乱れている可能性が高いです。
そのため、トレチノインを使用することで肌のターンオーバーサイクルを早め、シミを改善することができるのです。
シミの原因やセルフケアについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
【顔のシミを消す方法】簡単なセルフケアと皮膚科での治療法シワの改善
トレチノインはシワの改善にも効果が期待できます。
シワを改善するためには肌の潤いを保つことが必要です。
肌の潤いは、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどの潤い成分によって保たれています。
トレチノインにはそのような潤い成分の分泌を促進し、肌内部に不足している成分を増加させる働きがあるため、シワの改善が期待できるということです。
ニキビ・ニキビ跡の改善
ニキビやニキビ跡で悩んでいる方もトレチノインを使用することをおすすめします。
ニキビは皮脂の分泌量が増加し、毛穴が詰まることが原因で発生します。
トレチノインは皮脂腺の機能を低下させることで、皮脂分泌を抑制する作用を持つため、ニキビの原因となる皮脂の分泌量を減らすことができます。
皮脂分泌の抑制作用と同時に、毛穴の出口を塞ぐ角質をはがす角層剥離作用も持つことで、毛穴詰まりを解消し、ニキビを改善することができるのです。
また、ニキビ跡の改善には肌のターンオーバーを促進することが必要です。
トレチノインを使用することで肌のターンオーバーが促進され、すでにできたニキビだけでなく、ニキビ跡をも目立ちにくくする効果が期待できます。
ニキビやニキビ跡については以下の記事をチェックしてみてください。
【完全版】ニキビの治し方まとめ!即効性のある対策法と効果的なケア方法 【本気でニキビ跡を治したい人必見】ニキビ跡の効果的な治療法のご紹介!毛穴の改善
毛穴の改善にもトレチノインが使用されます。
皮脂や大気中の汚れが毛穴内部に溜まることで黒ずんだり、開いたりすることが肌悩みの原因の一つになります。
毛穴悩みを改善するためには、毛穴の詰まりを解消することが大切です。
トレチノインは肌のターンオーバーを促進し、肌表面に残った古い角質をはがれやすくします。
古い角質をはがすことで毛穴の詰まりを解消し、毛穴の開きを改善することができるのです。
毛穴の悩み改善についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
【即効】簡単にほっぺの毛穴をなくす方法!開いた毛穴を引き締めるケアとは?トレチノインの使用方法
ここでは、トレチノインの使用方法について解説します。
トレチノインは強い作用を持つ医薬品なので間違った方法で使用すると、かえって肌荒れを起こす可能性があります。
トレチノインを使用する際は、事前に正しい使用方法を理解してからトレチノインを使うようにしましょう。
一日一回就寝前に使用
トレチノインは一日一回就寝前に使用します。
入浴と洗顔が終わった後、化粧水で保湿します。
しっかりと保湿したら、シミやニキビなどが気になる部分だけに清潔な綿棒で薄くとり、重ね塗りをしましょう。
トレチノインが乾いたら上から美容液や乳液を重ねて肌を整えます。
翌日の朝はトレチノインを洗顔でしっかり落とすようにしてくださいね。
遮光保存・冷蔵保存
トレチノインは、遮光保存と冷蔵保存で管理して使用しましょう。
トレチノインに含まれる成分は、安定性がデリケートなため、日光に当たったり、高温の場所に置いておくと、すぐに効力を失ってしまいます。
そのため、日に当たらない、冷蔵庫の中などで保管するようにしてくださいね。
冷蔵庫のなかで保管する場合は、温度が低いチルド室や冷気の吹き出し口付近に置くのは避けましょう。
トレチノインの注意点
トレチノインは強力な作用を持つ医薬品のため、効果を期待できる反面、使用時に注意しないといけないことも多くあります。
注意点を知らずに使用してしまうと副作用が強く出てしまったり、体に悪い影響を与える場合もあるなど、とても危険です。
トレチノインの使用を考えている方はしっかりと注意点を理解しておきましょう。
休薬期間を設ける
トレチノインを使用する際は休薬期間を設ける必要があります。
トレチノインには長く使い続けていると、効果が得られにくくなる「耐性」が生じる場合があります。
そのため、最長8週間を目安に使用を休止する期間を設けましょう。
1か月以上休薬したのちに使用することで、再度効果が得られるといわれています。
妊娠中や授乳中は使用できない
トレチノインは妊娠中や授乳中には使用できません。
トレチノインは過剰摂取すると、催奇形性の可能性があるといわれています。
催奇形性とは、薬物によって胎児が奇形になってしまうことです。
たとえ塗り薬であっても危険性はゼロではないため、妊娠中や授乳中には使用は禁止されます。
トレチノインを使用している期間は必ず避妊を行い、授乳も控えるようにしてくださいね。
濃度が合わないと副作用が出やすい
トレチノインは、濃度が肌に合わないと副作用が出やすくなってしまいます。
一般的にニキビやシミの改善に使用されるのは低濃度(0.05%)、シミを漂白する際に使用されるのは高濃度(0.4%)など、目的によって処方される濃度が異なります。
濃度が高いもののほうが赤みや皮剥けといった副作用が起こりやすくなっています。
そのため、副作用がひどい場合には専門の医師の診察を受け、低濃度のトレチノインに変えてもらうなどの対応をしてくださいね。
トレチノインの副作用
トレチノインを塗布すると発赤、皮剥け、痒みといった副作用が生じる場合があります。
このような症状は「レチノイド皮膚炎」といいます。
レチノイド皮膚炎とは別名A反応とも呼ばれ、特に使用初期によくみられる症状です。
トレチノインを使用することで、肌のターンオーバーが促進され、角質の排出が早くなることで皮剥けが生じます。
また、角質がはがれることにより起こるのが肌のバリア機能の低下です。
バリア機能により紫外線や摩擦による刺激から肌内部を守っていますが、これが低下することにより、刺激を感じやすくなってしまいます。
その結果赤みや痒み、乾燥といった症状が生じる場合があります。
万が一レチノイド皮膚炎が生じた場合は、使用を中止するか頻度を減らすようにしましょう。
自己判断せずに専門の医師としっかり相談するようにしてくださいね。
トレチノイン治療におけるスキンケア
トレチノイン治療においてスキンケアを徹底することも大切です。
特に十分な保湿と紫外線対策は必須なので、ここでしっかりと確認するようにしましょう。
肌を美しく保つためのスキンケアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【目指せ美肌!】正しいスキンケア方法で美肌を手に入れよう十分な保湿
トレチノイン治療を行っているときは十分な保湿をしましょう。
トレチノインの作用としてターンオーバーを促進したり、角質を剥離したりすることから、トレチノイン治療をしている肌はバリア機能が低下した状態になっています。
そのため、水分を肌内部に保つためには化粧水で水分を与えるだけでなく、乳液や保湿剤でふたをしてあげることが必要になります。
また、スキンケア用品も保湿成分がたっぷりと含まれたものを選ぶとより良い効果が実感できるでしょう。
セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンetc
徹底した紫外線対策
紫外線対策を徹底することも大切です。
トレチノイン治療を行っている間は、紫外線の影響をとても受けやすい状態になっています。
そのため、紫外線のケアを怠るとかえってシミが悪化し、治療を始めた当初よりも濃くなってしまう可能性があります。
紫外線は夏だけではなく冬にも降り注いでいるので、一年中のケアを心がけてくださいね。
紫外線ケアをする際は、肌への刺激が少ない「紫外線吸収剤不使用の日焼け止めクリーム」を使うようにしましょう。
トレチノインはハイドロキノンと併用されることもある
トレチノインはシミ治療の際に「ハイドロキノン」という医薬品と併用されることがあります。
これを「トレチノイン・ハイドロキノン併用療法」と言います。
それぞれの役割と療法効果、使用方法について解説するので、シミ治療を考えている方は確認してみてくださいね。
トレチノインの役割
トレチノインの役割は、メラニン色素の排出を促し、「今あるシミをなくすこと」です。
肌のターンオーバーの促進作用を持つため、表皮に滞在しているメラニン色素を体外に排出します。
ハイドロキノンの役割
ハイドロキノンの役割は、メラニン色素の生成を抑制し、「これからのシミの予防をすること」です。
ハイドロキノンはメラニン色素を生成するメラノサイトの働きを弱める作用を持ち、ダメージを受けた肌がメラノサイトを活性化させることを抑制します。
また、強い還元作用を持つことで、すでに生成されたメラニン色素を薄くする効果も期待できます。
特にハイドロキノンは「肌の漂白剤」ともいわれるほど高い美白効果を持つため、シミ治療にはトレチノインと併用することをおすすめします。
ハイドロキノンについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
「ハイドロキノン」とは?効果的な使い方や副作用を解説!いつから効果を感じられる?トレチノイン・ハイドロキノン併用療法の効果
トレチノイン・ハイドロキノン併用療法の効果は、シミの改善です。
2つの医薬品を併用することで美白効果が高まるため、シミ治療にはトレチノインだけでなくハイドロキノンを同時に処方するクリニックが多くあります。
シミの中でも特に有効なのが、老人性色素斑や炎症後色素沈着、肝斑です。
治療期間としては、初めの1か月~1か月半程度はトレチノイン・ハイドロキノン併用療法で治療をし、その後、併用期間と同じ期間をハイドロキノン単体で治療を続けます。
その際、耐性が出てしまう可能性があるため、効果が出たところで1か月ほど治療を休止し、その後再開するといった治療になります。
トレチノイン・ハイドロキノン併用時のポイント
ここではトレチノイン・ハイドロキノン併用療法のポイントについて説明します。
大きく4つのポイントがあるので、一つ一つチェックしていきましょう。
摩擦によるダメージを与えないように化粧水で保湿します。
化粧水はたたいたりこすったりせず、優しく肌になじませるようにつけましょう。
トレチノインをシミができている部分に薄く塗ります。
清潔な綿棒を使用してピンポイントで塗るようにしてください。
トレチノインを塗った後2~3分ほど乾かしたら、ハイドロキノンを上から塗ります。
この時、トレチノインを塗った部分の周りから内側に向けて塗り始めるように注意しましょう。
トレチノインを塗った部分から外側へ塗り始めると、トレチノインを広げてしまいます。
ハイドロキノンは顔全体に塗っても問題ないため、あまり白くならない程度に塗り広げてくださいね。
最後に肌を整えるために乳液やクリームで保湿します。
べたつきが気になる方は、さらさらとしたテクスチャーのものを選ぶのがおすすめです。
トレチノインは医療機関以外でも購入できる?
よくある質問で多いのが、「トレチノインは医療機関以外でも購入できるのか」ということです。
トレチノインはシミ、シワ、ニキビや毛穴など多方面の肌悩みに作用するため、自分でトレチノインを購入して、使用したいと考えている人もいるでしょう。
使用を検討している場合は、トレチノインの取り扱いがある場所をしっかりと確認してくださいね。
取り扱いは医療機関のみ
トレチノインは強力な作用があるものの、日本では国から承認を得ていません。
そのため、医療機関の中でも取り扱いをしているところが限られている薬です。
通常はドラックストアや薬局での市販はされていないので、きちんと専門の医師の診察のもと処方を受けるようにしてくださいね。
また、個人輸入しているケースもしばしばみられますが、副作用や治療期間など配慮が必要なことが多くあるため、おすすめはしません。
トレチノインは多くの肌悩みを解決する医薬品
トレチノインはシミやシワ、ニキビ、毛穴など多くの肌悩みの改善を期待できる効果を持ちます。
副作用や注意点をきちんと理解して正しく使用することが大切です。
ただし、医療機関での処方のみでしか取り扱いがないため、皮膚科や美容皮膚科を受診する必要があります。
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尾崎宥文 医師
美容外科・美容皮膚科
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