鼻が乾燥してヒリヒリする…。皮剥けしてる…。
鼻の中や周りの乾燥が進行して、痛いと感じている方もいるかもしれません。
例えば、鼻の中が乾燥すると鼻炎や鼻血が出るといった症状が現れる場合があります。
そこで、今回は鼻の乾燥の原因や効果的な改善方法、対策法を詳しく解説します。
この記事でわかること
- 鼻の乾燥を改善するには、まず原因を知ることが大事
- 原因や状況に合わせて保湿や洗浄を行うことで改善を目指すことが多い
- 乾燥の悪化や再発を防ぐためには保湿が欠かせない
目次
鼻の乾燥で引き起こされる症状

鼻が乾燥すると、さまざまな症状が引き起こされます。
外側と内側、また症状によっても改善方法が異なります。
次の項目の中に、当てはまるものがある場合は、鼻が乾燥していると捉えられます。
鼻の内側の症状
鼻の外側の症状
鼻の乾燥によって起こるそれぞれの症状を解説していきます。
鼻内の粘膜が乾燥状態になる「ドライノーズ」
何らかの原因によって、鼻内の粘膜が乾燥状態になっていることを「ドライノーズ」と言います。
気候の変化などで、一時的な乾燥が影響しているケースもある一方で、鼻炎などの慢性化した鼻の病気が原因で起こることがあります。
ドライノーズの方に起こりやすい症状
- ムズムズする
- ピリピリする
- 鼻血が出る
- 鼻水がかさぶた状に固まる
ドライノーズの方に起こりやすい4つの症状や状態を詳しく解説します。
ムズムズしてかゆい
ドライノーズにより、粘膜が乾燥すると、かゆみを感じやすくなるためです。
粘膜の表面が乾燥すると、通常は内側にある「かゆみ」を感じ取る繊維が表面近くにまで伸びてきて、通常時よりもかゆみを感じやすくなります。
また、粘膜が乾燥すると、鼻の中にある異物やウイルスを外に出している線毛の働きが鈍くなります。
鼻がウイルスの侵入などの影響を受けやすくなり、違和感やかゆみを覚えやすくなります。
ピリピリして痛い
ドライノーズになると、違和感やかゆみだけでなく痛みを感じることがあります。
粘膜は、乾燥すると、肌を外部の刺激から守るバリア機能が低下します。
痛みは、体にある末梢神経が刺激を感知した際に発生します。
バリア機能が低下すると、刺激に敏感になるため、痛みを感じやすくなるのです。
ささいな刺激やウイルスなどの侵入で、痛みを感じることがあります。
また、バリア機能が低下することで、雑菌が入りやすくなり炎症が起こることで、痛みが伴う場合があります。
鼻血が出る
ドライノーズが悪化すると、粘膜が少しの刺激にも傷つきやすい状態になります。
これは、粘膜のバリア機能が低下しているためです。
鼻の粘膜には血管が多く、乾燥や鼻を噛むなどの物理的な刺激を受けることで粘膜が傷つき、鼻血が出てしまうことがあります。
鼻水などがかさぶた状に固まり息苦しい
鼻の中が乾燥した状態だと、鼻水は、乾燥して固まりやすくなります。
粘膜が乾燥すると、鼻の中にある「線毛」の動きが悪くなります。
線毛とは、やわらかな産毛のことで、鼻の粘膜にも生えており、異物の吸着や除去の役割を持ちます。
線毛の動きが悪くなると、鼻水がうまく排出されずに、鼻の中に停滞します。
結果として、鼻水などがかさぶた状に固まり、息苦しさを感じることがあります。
鼻の外側が乾燥状態になる「乾燥性皮膚炎」
乾燥性皮膚炎とは、乾燥した状態の肌に不調が起きて現れる症状のことを指します。
鼻の外側が次のような状態になっている場合は、乾皮症または乾燥性皮膚炎の可能性があります。
- 皮が剥ける
- 炎症で赤みが出る
最初は、皮剥けから始まり、徐々に炎症につながります。
それぞれどのような状態であるかを以下で解説します。
皮が剥ける
乾燥性皮膚炎の前段階の症状として、乾皮症になっていることが考えられます。
乾皮症が起こると皮が剥けやすくなります。
肌の水分や皮脂量が不足して、外部の刺激から肌を守るバリア機能が低下した状態のためです。
乾皮症 | 皮膚の表面の脂が減少することにより皮膚の水分が減少して、乾燥を生じてしまう病気 |
鼻の皮剥けの原因について詳しくはこちら

炎症で赤みが出る
肌の乾燥が悪化すると、炎症につながり赤みが出やすくなります。
一般的には、乾燥性皮膚炎と呼ばれる状態です。
この状態がさらに悪化すると、出血につながる場合もあります。
また、炎症を伴うニキビができていることで、赤みを伴うこともあります。
鼻の周りにできるニキビについて詳しくはこちら

鼻の乾燥の原因
鼻が乾燥する原因は、さまざまです。
原因を理解することは、適切な治療を進めるために重要です。
自身の鼻の乾燥を引き起こしているものはないか、確かめましょう。
花粉の付着

花粉の付着は、鼻の乾燥の原因の一つになります。
肌の外側に花粉が付着すると、肌のバリア機能が低下して、アレルギー反応を起こし炎症することがあります。
また、鼻の内部に花粉が付着して、アレルギー性鼻炎を引き起こすことがあります。
アレルギー性鼻炎とは、何らかのアレルゲンに反応して、くしゃみ・鼻水などの症状が出る病気です。
アレルギー性鼻炎が重症化したり、慢性化すると、炎症が長く続くことで、さらにバリア機能が低下して、乾燥につながります。
細菌・ウイルスの侵入

ウイルスの感染、アレルゲンの侵入は、乾燥の原因の一つです。
ウイルスの侵入によって慢性鼻炎/萎縮性鼻炎に伴う炎症が起きやすくなるためです。
慢性鼻炎 | 鼻の粘膜が炎症してくしゃみ、鼻水などの症状が長期間起こる |
萎縮性鼻炎 | 鼻の粘膜が薄く硬くなり、鼻腔が広がって鼻の中が乾燥する |
炎症が起こると、鼻の粘液の分泌が少なくなる傾向にあります。
そのため、鼻の乾燥につながります。
特に、生活習慣や体調によって抵抗力が落ちている時は、ウイルスなどに感染しやすいため注意しましょう。
空気の乾燥

空気の乾燥は、鼻の乾燥につながります。
空気が乾燥していると、鼻から吸い込む空気に水分量がほとんど含まれないためです。
また、乾燥した空気に触れ続けていると、肌や粘膜のバリア機能は低下してしまいます。
例えば、エアコンが効いている部屋では空気が乾燥しやすくなります。
他にも湿度の低い秋や冬などの乾いた外気は、鼻の乾燥につながります。
誤った鼻のケア

誤った鼻のケアを行っていると、鼻が乾燥しやすくなります。
具体的に以下の3点に当てはまる場合は、鼻のケア方法が誤っていると捉えられます。
- そもそもケアが不十分である
- 合わないケア用品を使っている
- ケア以前に負担をかけすぎてしまっている
以下では、誤った鼻のケアの具体例を紹介します。
保湿をしていない
鼻の中・外側の両方とも、保湿をしていないと鼻の乾燥につながります。
乾燥を防ぐためには、保湿剤などを使った直接的に肌や粘膜の保護しましょう。
さらに、部屋の湿度調節など、間接的なケアの両方を行えると良いでしょう。
合わない点鼻薬を使用する
合わない点鼻薬を使うことは、誤った鼻のケアの一つです。
市販の点鼻薬などには、血管を収縮させる「血管収縮剤」が含まれていることが多いです。
何度も使用するうちに、血管周囲の粘膜の血液が足りなくなり、鼻づまりや薬剤性鼻炎という鼻炎が起こりやすくなります。鼻炎になると、鼻の粘膜が荒れやすくなり、乾燥につながる可能性があります。
無理に鼻毛処理をする
鼻毛は、呼吸の際にホコリやウイルスが入るのを防ぐ、フィルターとしての役割を持ちます。
無理に鼻毛を処理すると、細菌の侵入を防ぐ働きや乾燥を防ぐ働きが阻害されて、鼻の乾燥につながってしまいます。
また、雑に鼻毛処理を行うことで粘膜が傷ついてしまうと、バリア機能が低下して、乾燥につながります。
鼻の乾燥の治し方

鼻の乾燥を改善するためには、主に保湿と清潔な状態を維持することが重要です。
鼻の乾燥を治すために効果的な方法を4つに分けて紹介します。
鼻の乾燥の治し方
- ワセリンを塗る
- スプレーを噴射する
- 鼻洗浄をする
- 処方薬を用いる
ワセリンを塗る
ワセリンは、水分の蒸発を防ぐことで保湿に役立ちます。
うるおいを与える作用はないですが、低刺激のため、乾燥した肌への刺激を抑えて保護する特徴を持ちます。
鼻の外側だけでなく、内側にも塗ることができます。
内側に塗る際には、鼻の中を傷つけないよう、綿棒などを使い、直接粘膜に触れないようにしましょう。
石油から得た混合物を精製した黄色ワセリンを、さらに精製して不純物を取り除いた高純度のワセリンです。
高い保湿効果があり、乾燥した肌の保湿に最適です。
高純度の白色ワセリンをさらに精製したワセリンです。
防腐剤無添加など、低刺激性な設計なので敏感な肌や粘膜にも安心して使うことができます。
ただし、湿疹やただれがひどい場合は、相性が悪い可能性があるので、事前に使用可否を薬剤師などに相談しましょう。
スプレーを噴射する
特に、鼻の内部の乾燥がひどい場合は、保湿効果のあるスプレーを用いましょう。
鼻の内部に直接噴射できるため、有効成分が粘膜に浸透させやすいのが特徴です。
体液に近い成分である塩化ナトリウムと精製水を配合した細かい霧状のスプレー。
乾燥した鼻の中に噴射することで粘膜を加湿して、乾燥を防ぎます。
また、鼻の中の洗浄にもつながるため、侵入した花粉や細菌を取り除くことが期待できます。
保湿効果のあるグリセリンとヒアルロン酸を配合したミストタイプのスプレー。
細かいミストが、鼻の粘膜に保湿成分をまんべんなく届け、乾燥を防ぐことができます。
乾燥のせいで、鼻呼吸がしづらく、眠りが浅くなりがちな方におすすめです。
鼻洗浄をする
鼻が乾燥すると、細菌が侵入して炎症を起こすことがあります。
鼻の乾燥に伴う炎症を改善するには、鼻洗浄を行い、細菌を洗い流すことで、清潔に保ちましょう。
鼻の中に付着しているウイルス・花粉・細菌などの異物を洗い流します。
生理食塩水のみを使っており、副作用の心配なく使えます。
体液に近い成分で構成されているため、刺激が少なく安心して使えます。
鼻に液体を入れて、口から流れ込んだ洗浄液を吐き出します。
鼻腔の中の花粉やハウスダスト、雑菌などを取り除くことができます。
処方薬を用いる
鼻の乾燥は、病院で処方される処方薬で治療するのが効果的です。
処方薬には、改善効果を医学的に認められている有効成分が含まれます。
また、市販薬と比較すると、有効成分を多く含有することが承認されている傾向にあります。
特に症状が長引いていたり、慢性化している方には医療機関の受診をおすすめします。
ここでは、鼻の外側・内側それぞれの鼻の乾燥に処方される場合がある処方例を紹介します。

ヒルドイドは、角質層の水分を保持するヘパリン類似物質を含む外用薬です。
肌の水分を保つことで、鼻の外側の乾燥を改善する効果を期待できます。
また、抗炎症作用があるため、乾燥に伴って炎症や赤みが出ている肌にも効果的です。
美容皮膚科の内服薬や外用薬は、医師からの処方が必要です。
ヒルドイドについてさらに詳しくはこちら

リボスチンは、鼻の中の乾燥を改善する点鼻液です。
ヒスタミンというアレルギーを発症する物質の働きをブロックすることで、ドライノーズにつながるアレルギー性鼻炎を改善します。
皮膚科に行く時間が無い方は「オンライン診療」をおすすめします。
東京美肌堂では、外用薬を始めとする医療用医薬品をオンラインで処方可能なサービスを提供しています。
外用薬「ヒルドイド」の取り扱いもあるため、必要な方は、以下より診察予約をしてみてくださいね。

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鼻の乾燥の対策法

鼻は、日頃の生活環境や習慣によって、乾燥しやすくなります。
そのため、乾燥しないように、前もって対策を行うことは重要です。
鼻の乾燥対策のポイント
- 環境など外部の物理的な乾燥を防ぐ
- 体の内側から乾燥を防ぐ
具体的には、以下などで、鼻の乾燥を防ぎましょう。
保湿クリームを塗る
鼻の乾燥を防ぐには、鼻周りの皮膚に保湿クリームを塗りましょう。
特に、鼻の外側の皮膚の乾燥を防ぐのに有効な対策法になります。
鼻の外側の皮膚の乾燥を防ぐことのできるアイテムを紹介します。
鼻の外側の皮膚の保湿に使える天然保湿成分のハトムギエキスを配合したジェル状の化粧品。
肌にのせると液状に変化するみずみずしい使用感が特徴です。
アルコールフリー・ノンコメドジェニックテスト済み(※)など低刺激な設計に加えて、大容量のため毎日継続して使いやすいでしょう。
※ノンコメドジェニックテスト済みとは、製品のサンプルを塗布して、ニキビの初期段階のコメドが発生しないかを確認する検査を行い、コメドが発生しなかったことを指します。
部屋を保湿する
部屋の湿度に気を使い、乾燥させないようにすることは重要です。
部屋の湿度は、40〜60%程度が理想的です。
具体的には、クーラーの使用時間を短くしたり、加湿器を使用したり、濡れタオルを干すことで室内を保湿しましょう。
水分補給をする
鼻の乾燥の予防には、水分補給が欠かせません。
鼻の粘膜は、粘液で満たされています。
特に、鼻の内側の粘膜は、体内の水分が不足すると、体は粘液を供給できなくなり、乾燥してしまいます。
そのため、こまめな水分補給を心がけましょう。
マスクを着用する
鼻の乾燥を予防するには、マスクを着用し、マスク内の湿度を高めるのが一つの手です。
乾燥した空気を吸い込むと、粘膜から水分が蒸発し、乾燥してしまいます。
湿度が高くなると、吸い込んだ空気が水分を持つため、粘膜が乾燥せず、鼻の乾燥を防げます。
ただし、マスクを外すとその中の水分が一気に蒸発することで、肌の水分も奪われてしまう可能性があります。
そのため、頻繁にマスクを着脱することは控えましょう。
鼻の乾燥がひどい場合は専門医に相談
今回は、鼻の乾燥の原因や治し方などについて紹介しました。
鼻の乾燥には、さまざまな原因が存在しており、自分で判断することは難しいかもしれません。
鼻の内側の粘膜が乾燥する場合は、耳鼻科を受診しましょう。
一方で、鼻の外側の皮膚が乾燥する場合は、皮膚科または美容皮膚科を受診しましょう。
最後に処方薬の取り扱いがあるオンラインでの美容皮膚科『東京美肌堂』を紹介します。
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東京山手クリニック
藤原東華 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。