ニキビに「オロナインH軟膏」は効果的?医薬品の正しい使い方を解説!

「ニキビにはオロナインを塗っておけば大丈夫」と思ってはいませんか?

オロナインはさまざまな肌トラブルに使えるため、常備している家庭も多く「ニキビにも効く薬」というイメージがありますよね。

しかし、オロナインだけではニキビが治らない可能性があります。

オロナインはニキビ治療を目的とした薬ではないため、完治に時間がかかってしまい、ニキビ専用の薬を使用した方が効果的な場合があるからです。

そこで、今回はオロナインのニキビへの効き目を詳しく解説します。

ニキビの適切な対処法を知り、ニキビのないきれいな肌を目指しましょう。

オロナインの特徴

オロナインは皮膚の保護や傷口の治療など、幅広い肌トラブルに使われる第二類医薬品です。

アレルギーを持つ方や炎症性のニキビ以外であれば、用法・用量を守ったうえで、小児や乳幼児、妊娠中にも使用できます。

大塚製薬の公式サイトでは以下の症状に効果があると紹介されています。

にきび / 吹出物 / はたけ / やけど(軽いもの) / ひび / しもやけ / あかぎれ / きず / 水虫(じゅくじゅくしていないもの) / たむし / いんきん / しらくも

このように、ニキビだけでなく、傷の治療のためにも使用できます。

また、オロナインの主成分は、クロルヘキシジングルコン酸塩液という殺菌・消毒薬として広く用いられている成分です。(オロナイン軟膏公式サイトより)

このクロルヘキシジングルコン酸塩液という成分は、ニキビの原因菌となるアクネ菌の繁殖を抑えるため、ニキビの改善に効果を期待できるというわけです。

ただし、オロナインだけでニキビを完治することは難しいとも考えられます。

その理由を次で詳しく解説します。

オロナインでニキビは完治するって本当?

オロナインはニキビに効くと言われていますが、実際はオロナインでニキビを完治させることは難しいと考えられます。

オロナインはニキビ治療を目的とした薬ではなく、ニキビの治療ガイドラインでも推奨されていないためです。

オロナインの主成分である「クロルヘキシジングルコン酸塩」には殺菌作用や抗菌作用があるため、ニキビの原因菌であるアクネ菌の繁殖を抑える程度であれば、効果を期待できます。

クロルヘキシジングルコン酸塩は、「低水準」の消毒薬の成分にも用いられます。

「高水準」の消毒薬は細菌を死滅させる程度の効果がありますが、「低水準」の消毒薬には細菌の繁殖を抑える程度の効果しかないと言われています。

ニキビを効果的に治療するためには、ニキビ治療用の薬を使うことがおすすめです。

記事後半で、ニキビ治療用の薬を紹介しているので、参考にしてください。

オロナインの使用前に押さえておきたいこと

ここではオロナインを使用する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

ニキビの治療には、ニキビ用の治療薬を使うことが効果的ですが、すぐに手に入らないというときもあるかと思います。

そんなときにオロナインを持っている方は、応急処置的な治療として使ってみるのもいいかもしれません。

ただし、約5~6日オロナインを使用しても、症状がよくならない場合は使用を中止し、医師へ相談しましょう。

以下のポイントはニキビの治療においても大事になるので、覚えておきましょう。

肌を清潔に保つ

オロナインを使用する前には、肌を清潔にしましょう。

ニキビが発生する主な原因は皮脂の過剰分泌と毛穴詰まりです。

ニキビの原因菌であるアクネ菌は皮脂をエサとして繫殖するため、皮脂が過剰に分泌されて毛穴が詰まるとニキビができやすくなります。

毛穴詰まりを防ぐためには特に洗顔が重要です。

洗顔は朝と夜に1回ずつ行い、自分の肌に適した刺激の少ない洗顔料を選びましょう。

肌を清潔に保つために何度も洗顔したり、ゴシゴシと強く顔をこすってしまうと、必要な皮脂まで洗い流してしまうため注意が必要です。

その結果、必要な皮脂までなくなると肌が乾燥状態になります。肌が乾燥すると、肌を乾燥から守るために皮脂が過剰に分泌されやすくなります。

また、寝具や髪の毛など、肌に直接ふれるものを清潔に保つことも大切です。

枕やタオル、濡れた髪は特に雑菌が繁殖しやすく、その雑菌が肌に触れることでニキビができやすくなります。

枕カバーやタオルは頻繁に洗濯し、入浴後はすぐに髪を乾かすようにしましょう。

▼以下の記事ではニキビができたときの洗顔方法について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

【思春期やメンズの方も】1日でも早く治すニキビ洗顔とは?

保湿する

オロナインを使用する前には、肌を保湿することが大切です。

肌が乾燥すると、必要以上の皮脂分泌を促し、毛穴を詰まらせる原因となります。

皮脂が増えたり、毛穴が詰まるとニキビの原因菌であるアクネ菌が繁殖しやすくなります。

洗顔後には、化粧水と乳液とクリームを使用してしっかり保湿しましょう。

ニキビができた方やできやすい方は、「ノンコメドジェニック()」と記載のあるアイテムを使うのがおすすめです。

また、保湿をすることで、ニキビの予防にもつながります。肌が潤っていると、肌のバリア機能も高まるためです。

肌のバリア機能とは体を守るための皮膚の働きの一つで、感想や摩擦、紫外線、雑菌などあらゆる外部刺激から保護してくれます。

肌の外側をケアする以外にも、身体の内側に水分を補給することも大切です。

体内の水分が不足すると、肌の乾燥にもつながるため、こまめに水分補給をしましょう。

※ノンコメドジェニックとは、コメドと呼ばれる皮脂で毛穴が詰まった状態の初期段階のニキビが一定の基準で現れないかという、テストに合格した製品につく印です。

▼以下の記事では正しいスキンケア方法について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

【目指せ美肌!】正しいスキンケア方法で美肌を手に入れよう

ニキビを潰さない

オロナインを使用する際は、ニキビを潰さないようにしましょう。

自分でニキビを潰すと症状が悪化する恐れがあります。

ニキビを潰すと指や爪についた細菌が患部に侵入しやすくなり、より深刻な状態になる可能性が高まります。

また、ニキビを潰すことで周囲の健康な皮膚にも菌が広がり、炎症が周りに拡大する恐れがあります。

さらに、潰したニキビは跡として残ってしまう可能性があります。

肌の表面が凹凸になってしまった場合、自宅での治療が難しくなり、治るまでに時間がかかってしまいます。

ニキビ治療におけるオロナインの使い方と注意点

オロナインをニキビ治療に使用する際は使い方に注意しましょう。

アレルギーを持つ人や炎症性のあるニキビに対しては、オロナインを使用してはいけません。

また、大量のオロナインを強く塗りこむと逆効果になってしまいます。注意事項を詳しく見ていきましょう。

ニキビに少量軽くすりこむ

オロナインを使用する際は少量のオロナインをニキビに軽く塗りましょう。

オロナインを大量に使用すると毛穴を塞ぎ、かえってアクネ菌の繁殖を促す可能性もあります。

オロナインを患部や患部以外の皮膚に大量に塗ると、アクネ菌だけでなく肌に常に存在する常在菌まで殺菌し、肌のバリア機能を弱めてしまう可能性があります。

肌のバリア機能が弱まると、紫外線や摩擦など外部のダメージから肌を守る力が低下してしまいます。

ニキビの症状を悪化させないためには、少量を指先に取り、ニキビがある箇所に薄く伸ばすようにしましょう。

患部を強くこすってしまうと、ニキビに刺激を与えてしまい症状が悪化する原因にもなるため、軽くすりこむことがポイントです。

アレルギーを持つ人は使用を控える

オロナインが肌質に合わない場合は、赤みやかゆみ、腫れが生じる場合があります。

このような症状がみられた場合はすぐに使用を中止してください。上記の症状がすぐにひかない場合は、医師に相談しましょう。

ニキビ治療では、肌に優しい化粧品や医薬品を選ぶことが大切です。

オロナイン以外にもニキビに有効な治療薬はたくさんあるので、有効成分に注意しつつ肌に合ったニキビ治療薬を利用することをおすすめします。

炎症のあるニキビには使用しない

オロナインは炎症のあるニキビに対して効果がないため、使用を控えてください。

ニキビは進行状態に応じて白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビの4つに分類できます。

赤ニキビとは、毛穴に角質や皮脂、老廃物が詰まった所に、アクネ菌が繁殖して炎症を起こした状態です。

黄ニキビとは、炎症性のニキビが進行し、化膿した状態を指します。

オロナインの有効成分である「クロルヘキシジングルコン酸塩液」には抗菌作用がありますが、消炎作用はないため炎症のあるニキビ治療には適しません。

オロナインは、ニキビの初期段階である白ニキビや黒ニキビに対する補助的な治療薬として使用しましょう。

オロナイン以外のニキビ治療で使用される市販薬

ここではオロナインのほかに、ニキビ治療に効果が高いとされる市販薬を紹介します。

自分に適した薬を使用することでより早くニキビの症状を改善できます。薬によって効果や成分が異なるため、自分の症状に合った外用薬や内服薬を選んでみてくださいね。

イハダアクネキュアクリーム

「イハダアクネキュアクリーム」はニキビや吹き出物に効果がある低刺激設計の市販薬です。

「イハダアクネキュアクリーム」に含まれる「イブプロフェンピコノール」という成分が炎症を鎮め、「イブプロピルメチルフェノール」という成分がアクネ菌を殺菌します。

ニキビの初期段階である白ニキビの生成を抑え、赤ニキビの炎症を抑える効果が期待できます。

弱酸性、ノンアルコール、ノンステロイドという刺激が少ない設計になっているため、敏感肌の方でも比較的使いやすい市販薬です。

アポスティークリーム

「アポスティークリーム」は抗炎症・殺菌成分を含み、肌代謝を促すニキビ治療薬です。

「アポスティークリーム」もニキビの種類を問わず効果が期待できます。

「ビタミンE酢酸エステル」が含まれているため、血行をよくし、肌代謝と殺菌効果を高めます。

肌代謝が高まると、皮膚が生まれ変わるターンオーバーの周期が正常になり、古い角質が溜まりづらくなるためニキビ予防につながります。

洗顔後に適量を患部に塗布してください。

クロロマイセチン軟膏

「クロロマイセチン軟膏」は化膿したおできやふきでものの治療薬です。

炎症が強い赤ニキビや黄ニキビの症状を効率的に改善する効果が期待できます。

「クロロマイセチン軟膏」には「クロラムフェニコール」という抗生物質が、細菌の発育や増殖を阻害します。

約3日以内に効果を実感できる場合が多いため、1週間以上使用しても変化が見られない場合は治療薬の変更を検討してみてくださいね。

長く継続的に使うと、抗生物質に対して抵抗力のある耐性菌が発生しやすくなります。そのため、2週間以上継続して使用することはやめましょう。

ハイチオールBクリア

「ハイチオールBクリア」は肌あれを改善する内服薬です。

肌あれ、にきび、湿疹、皮膚炎、かぶれ、ただれ、口内炎、口角炎、口唇炎、舌炎、目の充血、目のかゆみ、赤鼻などに効果があります。

「ハイチオールBクリア」に含まれるL-システインとビタミンBが肌のターンオーバーの周期を正常に戻し、毛穴詰まりを改善する効果があります。

ニキビの症状に直接作用するというより、ニキビ発生の原因を防ぐために効果的と言えます。用法・用量は、1日1回食前・食後に関わらず、服用できます。

そのため、慢性的にニキビができやすい方が継続的に服用する薬としてもおすすめです。

▼以下の記事ではニキビ用の治療薬についてさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

【医師監修】ニキビ治療薬を解説!「市販薬」と「処方薬」の効果や塗り方

オロナイン以外のニキビ治療で使用される医薬品

ここではニキビ治療に効果的な医薬品を紹介します。

医薬品は市販薬と比べて、有効成分の含有量が多いため、市販薬と比較するとより効果的な症状の改善に期待ができます。

以下を参考に使用したい医薬品があれば、ぜひ皮膚科で医師に相談してみてくださいね。

アダパレンゲル

「アダパレンゲル」は「アダパレン」を主成分としたニキビの治療薬です。

ニキビの原因菌であるアクネ菌が好む毛穴の詰まりを改善する効果があります。

「アダパレンゲル」はニキビの初期段階で毛穴詰まりによって発生する白ニキビに効果があります。

「アダパレンゲル」は1~2か月ほどで徐々に症状の改善がみられるケースが多いため、継続的に使用する必要があります。

使用開始から2週間以内に、乾燥や赤みなどの副作用が起こる場合があります。副作用が現れた場合は、医師に相談しましょう。

ベピオゲル

「ベピオゲル」は「過酸化ベンゾイル」を主成分としたニキビ治療薬です。

ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑制し、古い角質を取り除く効果があります。

抗菌効果があるため直接的にアクネ菌の繁殖を防ぎます。「ベピオゲル」は、すべてのニキビに効果があります。

効果が出るまで2~3週間程度かかる場合が多いため、継続的な使用が必要です。使い始めに赤み・乾燥などの症状が現れることがよくあります。

多くの場合は、1か月程でこのような副作用は消えますが、症状がひどかったり、ずっと続いてしまう場合は速やかに医師に相談しましょう。

クリンダマイシンゲル

「クリンダマイシンゲル」は「クリンダマイシンリン酸エステル」を有効成分とするニキビ治療薬です。

クリンダマイシンリン酸エステルは、リンコマイシン系の抗生物質で、アクネ菌の増殖を抑制する効果があります。

炎症の腫れや赤みの改善が期待できるため、細菌が繁殖し炎症を起こした赤ニキビに効果を示します。

1日2回洗顔後に使用するようにしましょう。

副作用として、かゆみ・赤み・胃腸の調子の悪化などが挙げられます。胃腸やお腹の不調を感じた場合はすぐに医師に相談してください。

アクアチム

「アクアチム」は「ナジフロキサシン」を有効成分とするニキビ治療薬です。

アクネ菌を殺菌する効果があり、赤みや腫れなど赤ニキビの症状の改善が期待できます。

適量を洗顔後に1日2回患部に塗布するようにしましょう。副作用として、赤みや乾燥が現れることがあるので、副作用が気になったら医師に相談しましょう。

ビブラマイシン

「ビブラマイシン」はテトラサイクリン系の抗生物質でニキビの治療に処方される内服薬です。

ニキビの原因菌となるアクネ菌に作用し、炎症と菌の増殖を抑えます。

「ビブラマイシン」は炎症を起こしたニキビに効きやすいため、ニキビの初期段階である白ニキビや黒ニキビには効きにくいです。炎症のある赤ニキビや黒ニキビには改善効果が期待できます。

通常、内服を始める初日に200mgを1回または2回に分けて、2日目以降は100mgを1日1回内服します。

副作用として、下痢や発疹などが起こる場合があります。急激な腹痛などが起こった場合は薬の服用を中止し、すぐに医師に相談するようにしましょう。

ルリッド

「ルリッド」はマクロライド系の抗生物質でニキビの治療に処方される内服薬です。

アクネ菌の増殖を抑制する効果があります。

妊娠中でも小児にも使用できるケースがあります。念のため、妊娠中に薬を服用する場合は、必ずかかりつけの医師に相談してからにしましょう。

「ルリッド」を長期的に使用すると、成分に耐性を持つ菌が出現し、効果が低下することがあるため、医師の指示通りの用法を守って服用することが大切です。

▼そのほか、場所別のニキビの治し方については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

【完全版】ニキビの治し方まとめ!即効性のある対策法と効果的なケア方法

ニキビの症状が悪化した場合は皮膚科へ

ここまで説明したように、オロナインのみで効果的にニキビを治療することは難しいと言えます。

オロナインはニキビ菌の繁殖を抑える抗菌効果はありますが、殺菌効果や炎症を抑える力はあまり強くないためです。

ニキビをより効果的に治すためには医薬品の使用がおすすめです。

ニキビ専用薬で治療をしたい方は、皮膚科の医師に相談して医薬品を処方してもらいましょう。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

藤原東華 医師

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