「背中に茶色くてシミみたいなものがあるけど、痛くない?」
ふと友人から言われた言葉で、背中にシミがあることに気づいた…。
背中のシミは、自分では気づきくいですが、他人からは見えてしまう厄介なシミです。
背中にシミがあると、背中の空いている洋服や水着が着づらくなってしまいますよね。
背中のシミは、できるだけ早く対処することが綺麗に治すためのカギになります。
今回は、背中のシミの種類から、原因、治し方や予防方法まで、詳しく解説します。
シミの種類によっても治療方法が異なるため、正しく見極めて適切なケアをして、背中のシミを治しましょう!
目次
背中にできやすいシミの種類と原因
背中にできやすいシミにはいくつか種類があり、シミの種類によって原因も異なります。
また、見た目はシミのように見えても「メラノーマ」という皮膚がんや、「癜風(でんぷう)」といった感染症の可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、背中にできやすいシミの種類と原因について解説していきます。
画像も参考にしながら、自分のシミの種類を見極めてみてください。
「老人性色素斑」は紫外線が主な原因
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)は、背中にできやすいシミで、紫外線によるダメージや加齢が主な原因です。
肌年齢の加齢により、肌のターンオーバーが乱れてしまうと、メラニン(※)が排出されにくくなります。
メラニンが排出されないと、肌の表皮にメラニンが蓄積されて、くすんだ色のシミが出現します。
老人性色素斑の特徴は、1cm程度の大きさで、褐色から黒色であると言われています。
※メラニンとは、肌や髪を構成する黒色の色素のことです。この色素が肌内部に過剰に蓄積され、表面に現れるとシミになります。
▼より詳しい解説については、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
【老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)】シミの代表格の原因と治療法「光線性花弁状色素斑」は強い日焼けが原因
光線性花弁状色素斑(こうせんせいかべんじょうしきそはん)は、強い日焼けが主な原因で発生します。
肌が紫外線のダメージを受けると、シミの原因であるメラニンが過剰生成されてしまい、シミができやすくなります。
光線性花弁状色素斑は、肩や上背部などにできやすく、大きさは1cm以内のことが多いです。
花形や金平糖のような形をしています。
「炎症後色素沈着」は皮膚へのダメージが主な原因
炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)は、肌の炎症がきっかけとなり、メラニンが蓄積されてできてしまうシミです。
例えば、ニキビ跡やヤケドや傷跡が茶色く変色したものが、炎症後色素沈着に含まれます。
また、肌への過度な摩擦や、金や銀などの化学物質へのアレルギー反応で発生してしまうこともあります。
▼炎症後色素沈着については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
炎症後色素沈着とは?シミが治る期間や跡が残りやすい人の特徴を知ろう「脂漏性角化症」は老化が主な原因
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、肌の老化や紫外線によるダメージが主な原因です。
肌の老化により、メラニンの排出が正常に機能しなくなったり、紫外線の影響を多く受けることで発生します。
また、「老人性色素斑」が進行すると、茶色く盛り上がったイボのような状態になることがあり、これも「脂漏性角化症」に当てはまります。
そのため、「老人性イボ」と呼ばれることもあります。
見た目だけではメラノーマとの判別がつきにくいため、医療機関での診断を受けることをおすすめします。
背中のシミの治療方法
背中のシミは、老人性色素斑・光線性花弁状色素斑・炎症後色素沈着・脂漏性角化症のいずれかであることが多いですが、基本的に、シミは自己処理だけでは完全に消すことはできません。
医療用医薬品など、シミの改善効果が認められているものを使用することで、効果的にシミを薄くすることができます。
ここでは、美容皮膚科でのシミ治療と、シミのセルフケア方法に分けて解説していきます。
美容皮膚科でシミ治療をする
美容皮膚科でのシミ治療は、シミの種類やお肌の状態を考慮した治療を受けられるため、高い効果が期待できます。
背中は、自分では見えづらく手が届きにくい点からも、治療を行ってもらえるのは安心ですよね。
レーザー治療を受ける
レーザー治療は、美容皮膚科で受けられる代表的なシミ治療方法の一つです。
メラニンが蓄積されているシミ部分にレーザーを当てることで、溜まったメラニンを分解する効果があります。
分解されたメラニンは肌のターンオーバーによって、垢として排出され、シミが薄くなる仕組みです。
レーザー治療後は、レーザーを当てた部分にかさぶたができたり、副作用が出ることがあります。
美容皮膚科での治療は、他の治療に比べると、比較的費用がかかることが多いですが、即効性が期待できるため、効果的にシミを改善したい方におすすめです。
医療用の塗り薬を使う
シミ治療に使われる代表的な医薬品は、「ハイドロキノン」と「トレチノイン」の2種類です。
ハイドロキノンには、2つの効果があります。
- シミのもとであるメラニンの生成を抑制させる
- メラニンを作る工場(メラノサイト)そのものを減少させる
過剰に生成されたメラニンは、排出しきれずに肌内部に蓄積されると、シミとなります。
ハイドロキノンは、メラニンの生成を抑制できるため、シミの発生や悪化を予防する効果が期待できます。
ハイドロキノンは、市販の化粧水などにも含まれていることが多いですが、病院でもらえる処方薬のほうがハイドロキノンの濃度が高いため、より高い効果が期待できます。
▼「ハイドロキノンについて詳しく知りたい!」と思った方は、以下の記事もチェックしてみてくださいね。
「ハイドロキノン」とは?効果的な使い方や副作用を解説!いつから効果を感じられる?
トレチノインは、肌細胞を生まれ変わらせるターンオーバーを促進して、シミを改善する効果が期待できます。
シミのもととなるメラニンは、通常肌のターンオーバーによって約1~3カ月程度で垢として剥がれ落ちます。
しかし、生活習慣の乱れなどで、肌のターンオーバーの周期が遅れると、肌の内部にメラニンが蓄積されてしまいます。
それに対して、トレチノインが、乱れてしまった肌のターンオーバーを正常に戻すことで、シミの改善が期待できるのです。
▼「トレチノインの効果について詳しく知りたい」と思った方は、以下の記事をチェックしてみてくださいね。
トレチノインの効果と使い方とは?ハイドロキノンとの併用療法や副作用も解説!医療用の飲み薬を使う
シミ治療のための医療用の飲み薬には、「L-システイン」と「トラネキサム酸」の2種類がよく用いられます。
L-システインには、2つの効果があります。
- 肌のターンオーバーを正常化し、肌の内部に蓄積されたメラニンの排出を促す
- 抗酸化作用がメラニン生成の抑制と、肌に蓄積した黒色メラニンを無色化する
シミの原因であるメラニンは、チロシナーゼという酵素が活性化されることで生成されてしまいます。
L-システインは、このチロシナーゼの働きを抑える成分です。
これによって、メラニンの生成を抑制・無色化する効果が期待できます。
▼「L-システインの働きや効果について詳しく知りたい」と思った方は、以下の記事もチェックしてみてくださいね。
ハイチオールは医薬品?シミ改善だけではない美容効果や副作用を解説
トラネキサム酸は、肌内部での炎症を抑えて、シミの原因であるメラニンの合成を抑制する効果があります。
トラネキサム酸は、人口アミノ酸の一種で、紫外線が原因となる肌悩みの改善効果に期待ができます。
通常は、紫外線を浴びるとメラニンの生成が活性化し、シミができやすくなりますが、この働きを抑えることで、シミができるのを防止するのです。
▼トラネキサム酸は、シミ以外にも赤み症状の改善などが期待できます。詳しくは、以下の記事を見てみてください!
トラネキサム酸の美白効果や副作用を解説!飲み続けると白髪になる?上記で紹介した医薬品は、皮膚科に行かないともらうことができない薬です。気になる薬が見つかった方は、ぜひ一度、皮膚科医に相談してみてください。
なかなか皮膚科に行くのが難しい方には、オンラインで診療からお薬の処方までが完結するオンライン診療サービスの活用もおすすめです。「東京美肌堂」では無料で、診察を受け付けています。
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セルフケアでシミ改善をする
病院でもらえる処方薬が欲しい方がいる一方で、「病院に行かずに、シミを自分で改善したい…」と思う方もいるのではないでしょうか?
市販薬だけでは、シミを完全に消すことは極めて難しいですが、セルフケアでシミを薄くしたりシミ予備軍(※)の進行を抑えることができます。
ここでは、シミのセルフケア方法を2つ紹介します。
※シミ予備軍とは、肌にメラニンが停滞し、色素沈着を起こす手前の状態のことを指します。肌表面には表れていないため、自分で見て判断することは難しいです。
市販の飲み薬を使う
市販薬は、病院に行かずに購入することができるので、試しやすいですよね。
しかし、ドラッグストアなどに売っている薬にもシミに効果のある薬とない薬があります。
シミ治療に効果のある市販薬を選ぶポイントは以下の通りです。
シミ治療に効果のある市販薬を選ぶポイント
- 「第二類医薬品」「第三類医薬品」いずれかの記載があるか
- 「L-システイン」もしくは「トラネキサム酸」が含まれているか
第二類医薬品・第三類医薬品は、症状への一定の有効性が認められている薬です。
なかでも「L-システイン」や「トラネキサム酸」というシミへの有効成分が含まれているものを選びましょう。
次に、上記のポイントをどちらも満たしている市販薬を紹介します。
「トランシーノ ホワイトCクリア」は、第3類医薬品でシミの改善効果が認められています。
L-システインは240mg含まれており、これは市販薬に含むことのできるL-システインの成分量の最大に当たります。
ほかにもビタミンC配合で、できてしまった黒色メラニンを無色化する効果を期待できます。
「トランシーノEX」は、第1類医薬品でシミの改善効果が認められている市販薬です。
また、トラネキサム酸が750mg、L-システインが240mgと、それぞれ市販薬に含むことのできる最大量含まれています。
シミクリームを使う
シミ用クリームには、「シミを進行・増加させない」効果を期待できます。「シミを薄くする」働きはないため注意しましょう。
シミ用クリームを塗るときは、、両頬・額・鼻・あごに5点置きをして、肌に優しく浸透させましょう。
「ハイドロキノン」や「レチノール」の含まれたクリームは、シミへの効果を感じやすいですが、副作用の心配もあるので、少量を手に塗ってかぶれなどが発生しないか、確認してから使いましょう。
ここでは、有効成分が含まれているおすすめのシミ用クリームを2つ紹介します。
「ドレススノー ナイトクリーム」は、シミの原因となる肌内部のメラニンの排出を促す効果があります。
肌のきめを整える「推進性カテキン」とメラニンの生成を抑制する「ナイアシンアミド」が含まれているので、シミだけではなく、美肌への効果も期待できます。
「HAKU メラノフォーカスEV」は、シミの原因に根本的にアプローチするシミクリームです。
メラニン色素の過剰生成を抑える「4MSK」とメラノサイトの活性化を防止する「トラネキサム酸」の2つの有効成分が豊富に含まれているため、シミの改善や予防に期待できます。
【注意】背中のシミを放置すると悪化する
背中のシミは「すぐに悪化しないだろう。」
「服を着れば見えないから気にしなくていいかな。」
と思って、背中のシミを放置してしまっている人はいませんか?
背中のシミをそのまま放置したり、さらに紫外線を浴びてしまうと、シミが進行したり増加してしまいます。
特に、背中の出る服を着る機会が多い夏場は、知らない間に紫外線のダメージを受けやすいので注意が必要です。
日焼け止めが塗りにくい場所ではありますが、スプレータイプの日焼け止めや日傘を使用して、なるべく背中に紫外線のダメージを与えないように工夫しましょう。
背中のシミの予防方法
一度背中にできてしまったシミは、治るまでに時間がかかります。
背中にシミを作らないためには、日頃から予防することが大切です。
シミの予防方法には、いくつかの方法がありますが、大きく2つの手段に分けて紹介していきます。
シミの予防方法
- メラニンの過剰生成を防止する
- シミ予備軍をシミとして発現させない
ここからは、具体的なシミの予防方法について詳しく紹介します。
正しいスキンケアでターンオーバーを整える
肌のターンオーバーは、古い肌の層が新しく生まれ変わる過程のことです。
通常は、約28日の周期で新しい肌へと生まれ変わります。
肌のターンオーバーは、肌の内部にできてしまったメラニンを外に排出するために欠かせません。
肌のターンオーバーを正常に保つためには、「古い角質を落とす」「美白化粧品を使う」という2つが大切になります。
入浴時に古い角質を落とす
肌のターンオーバーが正常に機能しない状態が続くと、古い角質が溜まってしまいます。
古い角質が溜まると、シミの色が濃く進行してしまうことがあります。
背中は、汗をかきやすく、汚れもたまりやすいので、入浴時には背中全体が洗えるように意識しましょう。
美白化粧品で有効成分を浸透させる
そもそも、「美白化粧品は普通の化粧品と何が違うの?」と思う方も多いと思います。
「美白化粧品」と書かれている商品には、ビタミンCやトラネキサム酸など、美白有効成分が含まれていることが、他の化粧水との違いです。
ビタミンCには、メラニンを生成を抑えるとともに、黒色メラニンを還元する効果が期待できるため、肌の深層にいるシミ予備軍がシミになってしまうのを防ぐことができます。
例えば、背中を美白化粧品のクリームで保湿をして、シミ予防をしてみましょう。
背中の紫外線対策をする
顔や手と比べて、背中の日焼け対策は、怠りがちかもしれません。
日焼けをしてしまうと、シミのもととなるメラニンが過剰生成されてしまうので、紫外線対策は徹底して行いましょう。
背中の紫外線対策には、以下のようなポイントをおさえましょう。
- 塗りやすいスプレータイプを選ぶ
- スプレーを吹きかけた後は、ムラができないように伸ばす
- ノンケミカル(紫外線吸収剤なし)の日焼け止めを選ぶ
「うっかり背中に日焼け止めを塗るのを忘れて、日焼けしてしまった…!」という場合は、肌を冷やしてから保湿をしましょう。
日焼けをしてしまった後は、素早いアフターケアが大切です。
▼以下の記事では、日焼け後のアフターケアについて紹介しているので、チェックしてみてくださいね。
日焼けを治す「アフターケア」を解説!72時間以内に行う黒くならない方法十分な睡眠時間を確保する
シミを治すために欠かせない肌のターンオーバーを正常に保つためには、十分な睡眠時間の確保が大切です。
肌が生まれ変わるターンオーバーは、成長ホルモンが多く分泌される睡眠中に活発化します。
睡眠時間の目安としては、自然に目が覚める時間がいいと言われています。
ただし、10時間以上睡眠をとると、体の不調を起こしやすくなるため気を付けましょう。
背中への摩擦を防ぐ
背中の皮膚には、無意識のうちに摩擦によるダメージがかかっていることがあります。
例えば、洋服と肌との接触や、体を洗う時に強くこすってしまうことが挙げられます。
摩擦が起こると、肌が傷つき色素沈着を起こし、シミの色が濃くなってしまう可能性があります。
そのため、肌着を一枚挟んで洋服を着る、体を洗う時は優しく洗うなどの工夫をして、背中への摩擦を防止しましょう。
背中のシミを綺麗に治したい方は皮膚科に相談しよう
背中のシミは、紫外線や肌のターンオーバーの乱れが原因で発生することがあります。
背中のシミにはいくつか種類がありますが、どのシミも、治すためには、肌の内部に蓄積してしまったメラニンの排出することと、メラニンを作らせないことが大切です。
背中のシミは、種類によっては皮膚科での治療が必要になるため、医師に相談して診断してもらうと安心です。
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