「ビニール肌」とは、必要な角質がとれてデリケートになっている肌のこと。
放っておくと、シミやシワなど肌の老化につながってしまうんです。
しかし、ビニール肌は、表面がツルツルとして一見キレイな肌に見えるため、自分では気付けないことも…。
今回の記事では「ビニール肌」の見分け方、原因、改善方法を解説します。
この記事を通して、肌質改善をしてシミ・シワの予防をしましょう。
この記事でわかること
- ビニール肌は健康的なツヤ肌とは別物!チェックシートで診断
- ビニール肌改善のためには、肌に刺激がかかるスキンケアを控える
- ビニール肌の改善には、最低約28日間が必要
目次
ビニール肌とは?
ビニール肌は、肌の角質層がはがれて薄くなり、キメ(※)がなくなった状態のことです。
ビニール肌かどうかは、見た目ではわかりづらいので、要注意です。
※肌のキメとは、角質細胞が綿密に並んで水分でうるおっている状態。肌にキメがあると、肌表面に細かな凹凸があります。
ビニールを張ったようなツヤ肌
「ビニール肌」の名前の由来は、“ビニールに似ている”ことからきています。
肌が薄く、ツルツルと光るように見えるためです。
一見ツルツルとした美肌のように見えますが、実際は肌荒れしている状態です。
ビニール肌の最大の特徴は、角質層が薄いことです。
ビニール肌を放っておくと、ニキビ・くすみ・シミ・シワ・たるみといった肌トラブルも起こりやすくなります。
健康的なツヤ肌と全くの別物
健康的なツヤ肌 | ・バリア機能が高い ・肌内部に潤いあり ・肌荒れしにくい |
ビニール肌 | ・バリア機能が低い ・肌内部が乾燥 ・肌荒れしやすい ・スキンケアの成分にかゆみなどを感じる |
健康的なツヤ肌とビニール肌は、見た目は似ていますが、肌質が異なります。
特に、「バリア機能」の状態に差が出ます。
バリア機能とは、外部からの刺激や異物(アレルギー物質や細菌・ウイルス)の侵入を防ぐ役割を持ちます。
肌のバリア機能が低下すると、水分保持能力が弱くなり「乾燥」します。
また、皮脂の分泌が少なくなり、肌を守る皮脂膜が作りにくくなります。
その結果、肌が外部からの刺激に弱い敏感な状態になります。
そして、ニキビやシミなど、さまざまな肌トラブルが起こりやすくなるのです。
あなたは大丈夫?「ビニール肌」診断シート
健康な肌とビニール肌の見た目は似ています。
そのため、見た目で自分がビニール肌か判断するのは、難しいかもしれません。
以下のチェックシートで、自分がビニール肌に当てはまりそうチェックしてみましょう。
あなたが選択したのは0個!
当てはまる項目が多かった方は、ビニール肌である可能性が高いので要注意です。
【美容好きな人は要注意】ビニール肌の原因は?
ビニール肌の原因の一つは、“過度なスキンケア”です。
良いと思って習慣化しているスキンケアが、もしかしたらビニール肌の原因になっているかもしれません。
ビニール肌になりやすい具体的なスキンケアについて紹介します。
角質ケア・毛穴ケアのしすぎ
ピーリングや毛穴パックを必要以上に行うと、ビニール肌になりやすくなります。
必要な角質層まではぎ取り、角質層が薄くなりやすいためです。
本来、ピーリングや毛穴パックは古い角質や角栓を取り除くことで、肌の再生を促すものです。
しかし、頻繁に行うことで、必要な角質まで取り除いてしまいます。
その結果、角質層が薄いビニール肌の状態になってしまいます。
商品に記載のある使用方法を目安に、毎日ピーリングや毛穴パックをするのは避けましょう。
洗浄力の強いクレンジング・洗顔
洗浄力の強いクレンジングや洗顔を使うと、肌に必要な皮脂まで落として、角質層が薄くなります。
その結果、角質層が薄いビニール肌になる可能性があります。
クレンジングは、洗浄力の高いオイル・バーム・リキッド・シートなどのアイテムは、比較的肌に負担がかかります。
洗顔料では、洗浄力の高いものや、添加物が使用されているものが、比較的肌に負担がかかります。
洗いあがりに、肌にツッパリ感がある人は、今使っている洗顔やクレンジングが自分に合っていない可能性が高いです。
記事の後半では、ビニール肌の方におすすめの洗顔料とクレンジングを紹介しています。
スクラブ洗顔による刺激
スクラブが入った洗顔料を使用すると、角質層が必要以上に薄くなってしまうことがあります。
スクラブ洗顔は、細かい粒子を配合した洗顔料で顔を洗うことです。
普段のスキンケアでは落としきれない汚れや、古い角質を取り除きやすくなるのが特徴です。
肌表面のくすみがとれて肌に透明感が出やすくなります。
しかし、肌に必要な皮脂や角質まで除去する可能性があり、肌に負担もかかります。
そのため、高頻度での使用や、乾燥肌や敏感肌の人が使用すると、ビニール肌になりやすくなります。
スクラブ洗顔にもさまざまなタイプがあります。
スクラブ洗顔をする際には、肌への負担が少ない「こんにゃく」「米ぬか」などが配合されたアイテムがおすすめです。
また、スクラブ洗顔は製品の使用方法に則った適切な頻度で行いましょう。
スキンケア時の摩擦
肌に摩擦が生じると、ビニール肌になりやすくなります。
スキンケア時は、手で肌に触れる時間が多くなります。
その時に、肌に強い摩擦が起こると、皮膚の表面の角質層が傷つきます。
肌本来の保湿機能である皮脂膜も剥がれやすくなります。
肌に摩擦を与えやすいNG行動は以下の通りです。
- クレンジングや洗顔料を少量しか使わない
- 洗顔ブラシやスクラブを毎日使用する
- 洗顔後、タオルでゴシゴシこする
- コットンで過度なパッティングをする
- シートタイプのスキンケア用品をよく使う
- 顔のマッサージを毎日する
思い当たる項目がある方は、今後のスキンケアで気を付けていきましょう。
濃度の高いレチノールの使用
高濃度のレチノールを使用し続けると、ビニール肌になりやすいです。
レチノールはビタミンAの一種です。
表皮細胞を活性化させて肌のターンオーバー(※)を促す働きがあります。
高濃度のものを必要以上に塗り続けると、肌の新陳代謝が過剰に促進されます。
そうすると、皮膚表面のキメがなくなり、ビニール肌につながります。
※肌のターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚が剥がれ落ちるサイクルのことです。規則正しい周期で行われることで、バリア機能の高い肌細胞へと再生されやすくなります。
ビニール肌の治し方①スキンケア
ビニール肌は、毎日のスキンケアを見直すことで改善が期待できます。
最も大切なのは「肌に負担をかけない」「保湿」の2点です。
具体的に正しいスキンケア方法を見ていきましょう。
クレンジングや洗顔は低刺激のものを使う
ビニール肌は角質層が薄くなって刺激に弱い状態です。
クレンジングや洗顔料は低刺激のものを使いましょう。
洗顔料には、以下の表記があるものが比較的低刺激です。
- 敏感肌向け
- 乾燥肌向け
- パッチテスト済み
- アレルギーテスト済み
- スティンキングテスト済み(※)
固形石鹸の場合は、アミノ酸やベタイン系の洗浄成分が含まれているものは、比較的低刺激です。
今回は、おすすめの洗顔料を3つ紹介します。参考にしてみてくださいね。
※スティンキングテスト済みとは、特定の物質に敏感な方を対象に、商品の使用中の肌への刺激がないことを確認するテストです。テストで刺激感覚が少なかったものに記載がつきます。
敏感肌向け
洗浄成分はアミノ酸系です。
肌にうるおいをもたらす働きがあるグリセリンが配合されています。
敏感肌向け(※)
キメ細かい泡と肌に優しいアミノ酸系の洗浄成分の洗顔料。
肌あれ防止有効成分のグリチルリチン酸ジカリウムが配合されています。
ポンプ式で簡単にふわふわの泡を作ることができます。
※敏感肌の方の協力によるパッチテスト済み・スティンギングテスト済み
敏感肌向け(※)
一般的な洗浄成分が配合されておらず、皮脂汚れをなじませて落とす力がある美容成分が含まれています。
ミルクタイプの洗顔なので、みずみずしく顔全体に伸ばしやすいのが特徴です。
※敏感肌向け・パッチテスト済み・スティンギングテスト済み
次に、おすすめのクレンジングを紹介します。
クレンジングにもタイプがいくつかあります。
比較的肌への負担が少ないのは「ミルクタイプ」です。
中でも以下の“保湿成分”が含まれているものは、敏感肌の方も比較的使いやすいかもしれません。
保湿成分 | 効果 |
セラミドEOP | 保湿・外部の刺激からの保護 |
セラミドNS | 保湿 |
セラミドNP | 保湿 |
セラミドAP | 保湿・ターンオーバー促進 |
ヒアルロン酸Na | 保湿・外部の刺激からの保護 |
エチルヘキサン酸セチル | 保湿・肌をやわらかくする |
コウキエキス | 保湿・外部の刺激からの保護す果 |
ミルクタイプのクレンジングは、洗浄力があまり高くないというデメリットがあります。
ビニール肌の方は、メイクとクレンジングによる肌負担を軽減したいところ。
普段から薄めのメイクを心がけましょう。
そうすることで、洗浄力が弱いクレンジングでもメイク汚れを落としやすくなります。
おすすめの「ミルクタイプ」のクレンジングを2つ紹介します。
美容液成分でスキンケアしたかのようなお肌を導きます。
肌をやわらかくして保湿効果が期待できるエチルヘキサン酸セチル配合。
温泉水配合のクレンジングミルク。
保湿効果と外部からの刺激から肌を守る効果が期待できるヒアルロン酸Naが含まれています。
洗い流すことも、ふき取ることもできる2wayで使える点が特徴です。
ピーリング・毛穴パックを控える
ピーリングや毛穴パックは、古い角質や角栓を除去する効果があります。
ビニール肌は、角質層が薄く、古い角質や角栓がない状態です。
なるべくピーリングや毛穴パックは控えましょう。
むしろ肌に刺激が加わって乾燥したり、紫外線などの外部の刺激によるダメージを受けやすくなります。
肌への摩擦を減らす
ビニール肌は、角質層が薄く、通常よりも外部からの刺激に弱くなります。
肌に摩擦が加わると、シミやシワができやすい状態にあります。
肌の角質層に負担をかけないためにも、普段から摩擦を避けましょう。
例えば、美顔ローラー・マッサージ・パッティングなどを、強い力で行うと肌に摩擦が生じやすくなります。
摩擦を避けるためには、以下のポイントを意識しましょう。
- クレンジングや洗顔料は適量使う
- 洗顔は朝晩の2回のみにする
- 洗顔料をしっかり泡立てる
- 優しく撫でるように洗う
- 洗顔後はタオルで優しく拭く
正しいスキンケア方法は、以下の記事でも詳しく紹介しています。
【目指せ美肌!】正しいスキンケア方法で美肌を手に入れよう保湿ケアを徹底する
ビニール肌を改善するには、保湿も行いましょう。
肌が乾燥すると、肌が刺激に弱くなります。
肌がうるおっていると、肌のターンオーバーも正常化して健康的な角質層が育ち、肌のバリア機能が高まります。
以下の保湿成分が含まれる化粧品でスキンケアするのがおすすめです。
<おすすめの保湿成分>
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・セラミド
・スクワラン
・アミノ酸類(セリン、グリシン、プロリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン酸など)
・グリセリン
・BG(プチレングリコール)
・DPG(ジプロピレングリコール)
・糖類(トレハロース、エリスリトール、スクロース、キシリトールなど)
・ヘパリン類似物質
中でも、特に高い保湿効果を期待できるのが「ヘパリン類似物質」を含むスキンケア用品です。
ヘパリン類似物質を含む医薬品ヒルドイドについては、以下で解説しています。
【医師監修】ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の美容効果と正しい使い方を解説!紫外線対策をする
ビニール肌は外部からの刺激を受けやすい状態です。
摩擦に加えて、注意したいのが紫外線です。
紫外線は、肌老化の主な原因と言われています。
ビニール肌の肌のバリア機能が低下している状態です。
その状態で紫外線を浴びると、よりシミや赤みなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
今回は、ビニール肌の方向けの紫外線対策を紹介します。
日焼け止めには、「紫外線吸収剤」か「紫外線錯乱剤」のいずれかが必ず含まれています。
紫外線吸収剤 | 紫外線を吸収して、熱エネルギーに変えて放出させる。 |
紫外線散乱剤 | 紫外線を反射して錯乱させる。 ノンケミカル処方 ※化学物質を使用していない |
ビニール肌の方には、刺激が少ない「紫外線散乱剤」がおすすめです。
紫外線錯乱剤は、ノンケミカルのため、肌に負担がかかりにくいのがメリットです。
日焼け止めには、さまざまなタイプがあります。
自分の好みや状況に応じて使い分けて、使いやすいアイテムを選びましょう。
ミルク・クリーム・スプレー・ジェル以外にも、スティックタイプなどがあります。
液漏れなどの心配がなく、手を汚さずに塗り直せるため、持ち運びにも向いています。
日焼け止めは季節を問わず、毎日塗るのが重要です。
肌に負担をかけないためには、簡単にオフできるものがおすすめです。
クレンジング不要の日焼け止めは、比較的肌に負担をかけずにオフできます。
ビニール肌の方は「クレンジング不要」「石鹸オフ」と表記された日焼け止めがおすすめです。
ビニール肌の方には、クレンジングなしでオフしやすい日焼け止めがおすすめです。
しかし、暑い夏や外でスポーツ、アウトドアを楽しむときには、オフしやすい日焼け止めは落ちやすく、紫外線ダメージを受けやすくなります。
暑い夏や外でスポーツ、アウトドアを楽しむときは、汗や水に強いウォータープルーフの日焼け止めを使うといいでしょう。
普段使いはクレンジング不要の日焼け止めを、外に長時間いる時はウォータープルーフの日焼け止めを使用するなど、使い分けてみてください。
ビニール肌の治し方➁体質改善
ビニール肌の方は、肌に負担をかけないスキンケアが重要です。
それに加えて、内側から肌質改善することも必要になります。
ビニール肌の方が、日頃から意識したいことを紹介します。
生活習慣を整える
ビニール肌を改善するには、生活習慣の乱れをなくしましょう。
生活習慣が乱れていると、肌の生まれ変わりであるターンオーバーが乱れます。
その結果、角質が早く剥がれて刺激に弱い肌細胞が生まれてしまいます。
以下のポイントを少しでも意識していきましょう。
- 十分な睡眠をとる
- 栄養バランスのとれた食事を心がける
- 適度に運動する
- 過度なアルコール摂取は控える
- 湯舟につかる
- ストレスをためない
皮膚を作る栄養素を摂り入れる
ビニール肌の方は、バランスのとれた食事をとることが重要です。
特に、ビニール肌を治すにはビタミン類やタンパク質を積極的に摂り入れましょう。
ビニール肌は外部からの刺激に弱く、シミやシワができやすい状態です。
そのため、できるだけ肌の酸化(老化)を防ぐ栄養素を摂りましょう。
ビタミン類には抗酸化作用があり、肌の老化を防ぐ効果が期待できます。
特にビタミンCやビタミンEは、活性酸素を除去し、肌のシミやたるみを防ぐ働きがあります。
また、タンパク質は、コラーゲンを生成して肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
ハリや弾力がないビニール肌を改善するためにタンパク質も積極的に摂取しましょう。
それぞれ以下の食材表を参考にしてみてください。
漢方で肌質改善する
内側から体質や肌質を改善するには、漢方薬もおすすめです。
漢方薬には、血液の巡りを良くしたり、水分の代謝を活発にしたりする効果が期待できます。
今回は、ビニール肌の改善に効果を期待できる漢方を2つ紹介します。
肌に栄養分とうるおいを与える効果を期待できる漢方薬
体内の血液を巡らせることで、肌に栄養を届け、皮膚を潤すことができます。
そのため、ビニール肌のような乾燥しやすい肌の改善にも効果を期待できます。
血液循環をよくし、ホルモンバランスを整える効果の期待できる漢方薬
皮膚がかさかさとしていて色ツヤが悪い方、生理不順などになりやすい方におすすめです。
肌に栄養素を届けることと、ホルモンバランスの調子を整えることで、ビニール肌を改善へと導く効果が期待できます。
ビニール肌が治るのに必要な期間
ビニール肌が改善されるには約1ヶ月必要になります。
その理由は。お肌が生まれ変わるターンオーバーと関係しています。
30代や40代になると、ターンオーバーの周期が遅くなることもありますが、通常肌が生まれ変わるターンオーバーの周期は、約28日と言われています。
ビニール肌は角質層が薄くなっている状態のため、新しく機能性の高い肌細胞が生まれることで、改善していきます。
そのため、新しい健康な皮膚が生成されてビニール肌が改善されるには約1か月は必要です。
ビニール肌に悩む方はオンライン診療で医師に相談
角質を必要以上に取り除くと、ビニール肌につながります。
スキンケアは大切ですが、過剰なスキンケアはお肌によくありません。
「ビニール肌」をより効果的に治したい方は、皮膚科での受診も検討してみてください。
皮膚科に直接通う時間が取りづらい方は、まずはオンラインで専門の医師に相談する方法もあります。
スキマ時間を使って気軽に専門の医師に肌に関する相談ができるので、日中忙しい子育て中の方にもおすすめです。
東京美肌堂では、
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藤原東華 医師
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