30代から50代になると突然現れる「肝斑」の原因、ご存じですか?
実は肝斑はシミの一種ですが、紫外線だけが原因で発生するものではありません。
そのため、肝斑に一般的なシミケアをしてしまうと悪化する恐れもあるんです。
今回は、肝斑の特有の原因について解説します。
肝斑ができる原因を知り、根本からケアすることで透明感のある肌を取り戻してくださいね。
この記事でわかること
- 肝斑の原因は30代以降のホルモンバランスの変化
- ホルモン由来なので肝斑は左右対称になる
- 肝斑が自然に消えるのは閉経後だが、内服薬や外用薬で対策可能
うえだメディカルクリニック
上田 康彦 院長
内科/美容皮膚科
薬剤師であり医師として、薬のことからちょっとした悩みまで様々な相談を受けてきました。悩みの重さは人それぞれであり、他人にとっては大したことのない悩みでも、本人にとっては将来のかかった重大な悩みであることもあります。そんな患者様のお悩みに寄り添っていける医師でありたいと思っています。
目次
肝斑とは?
肝斑は一般的なシミとは形状や見た目が大きく異なります。
まずは肝斑の特徴をチェックして、自分のシミが肝斑かどうかを見分けてみてくださいね。
一般的なシミとは形状と原因が異なる
肝斑とは、頬やあご、額、鼻の下にできる薄茶色をしたシミのことです。
肝斑は、左右対称で同じ大きさをしていて、一般的には30代から50代の更年期にさしかかる時期に発生します。
また、閉経とともに薄くなることも特徴の1つです。
肝斑はシミと思われている症状の中で、30代以降で徐々に増えてくるとされています。いわゆる普通のシミは日焼けしやすい肌にできるため、車通勤されている方だと片側に多くなります。しかし肝斑は体内にあるホルモンが原因でできるため左右対称にできてきます。さらに、部位が頬骨や額と限られているため、「該当部位に左右対称にシミがある」場合、実が肝斑であったという可能性が高いです。
自分が肝斑かどうか今すぐチェック
シミに悩む20~59歳の約3人に1人が「肝斑」だといわれています。
ずっとシミだと思っていたものが実は肝斑だった、というのはよく聞く話です。
以下の自己診断できるチェックリストを使って、肝斑かどうかを確かめてみましょう。
特に上位3つのチェックが多いほど、肝斑の可能性があります。
あなたが選択したのは0個!
肝斑は一般的なシミとは見た目も異なる点が多いことがわかりますね。
ここまでで自分は肝斑かもしれないと感じた方は、このあと適切な治し方をご紹介するので、しっかり確認してみましょう。
肝斑の原因
肝斑ができる原因は主に5つあります。
自分が思い当たる原因を見つけて、これ以上悪化させないようにしましょう。
女性ホルモンの変化
肝斑は主に女性ホルモンの変化により発生します。
更年期にさしかかる30代後半から40代、50代くらいの女性によくみられるのも、この女性ホルモンが原因です。
更年期になると女性ホルモンの1つである「エストロゲン」が急激に減少し、ホルモンバランスが乱れます。
ホルモンバランスが乱れると、メラノサイトが活性化されるため、黒色メラニンが多く作られるようになり、肝斑として現れます。
そのため、妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用によってホルモンバランスに変化があったときに、肝斑が発症する場合もあります。
食事、睡眠などの生活習慣を見直すことで、ホルモンバランスを安定させることができます。
ホルモンの分泌を乱す要因となるストレスを軽減するには、何も考えずぼーっとする時間を作り、リラックスすることが大切です。
皮膚への摩擦
肝斑の原因として皮膚の摩擦もあげられます。
肌に摩擦による刺激が加わるとメラノサイトに作用し、メラニンの活性化を促してしまうため肝斑を悪化させます。
特に肝斑が発生しやすい30代はカバー力のある化粧をしたりと、顔に刺激を与えやすい年代です。
その刺激がメラニン色素を生成するメラノサイトを活性化させ、肝斑の原因になるのです。
クレンジングは摩擦の少ないクレンジング剤を使い、指の腹を使ってたっぷりのクレンジングで落としましょう。
洗顔はしっかりと泡立て、泡で汚れを落とすような感じで洗いましょう。
タオルはこすらず、スキンケアも手のひらでなじませるようにすることが大切です。
スキンケアは肌を美しく保つためにはとても大切です。
以下の記事では正しいスキンケアの方法を解説しているのでチェックしてみてくださいね。
【目指せ美肌!】正しいスキンケア方法で美肌を手に入れよう皮膚のバリア機能の低下
バリア機能が低下することも肝斑の原因の一つです。
紫外線を受けすぎたり、肌が乾燥したりすると肌のバリア機能が低下します。
肌のバリア機能が低下するとウイルスや菌、外部からの刺激を受けやすくなってしまいます。
特に、紫外線を受けることはバリア機能低下の原因にもなりますが、直接肝斑を悪化させる原因にもなるため注意が必要です。
これは、もともと肝斑の場所には慢性炎症の病態があるため、紫外線によって表面化してしまいます。
そのため、紫外線に当たることによってメラニンを形成し、肝斑を目立ちやすくしていることが憎悪原因とされています。
曇りや雨の日でも対策は必要で、2時間に1回は日焼け止めを塗りなおすように心がけましょう。
日焼けに関してもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
日焼けを治す「アフターケア」を解説!72時間以内に行う黒くならない方法生活習慣の乱れ
肝斑は生活習慣の乱れが原因で発生します。
生活習慣が乱れると、肌のターンオーバーが正常に働かなくなってしまいます。
肌のターンオーバーとは通常、約28日で細胞を生まれ変わらせる働きのことです。
この働きが正常に機能していると、メラニン色素が生成されたとしても、やがて外に排出されるため残ることはありません。
しかし生活習慣の乱れにより、肌のターンオーバーが機能しなくなると、メラニン色素はいつまでも滞留し、肝斑として肌表面に残ってしまうのです。
精神的ストレス
肝斑は精神的要因によっても発生します。
精神的要因とはつまりストレスのことであり、ストレスを受けることで発生する活性酸素が肝斑の原因になります。
まず、ストレスを受けると血管が収縮し、血液の流れが悪くなってしまいます。
活性酸素は体の免疫機能として働いているため、血流を正常に戻そうとするときに大量に発生します。
その活性酸素によりメラノサイトが刺激され、肝斑の原因となるメラニン色素の生成を促すのです。
肝斑を治す方法
すでにできてしまった肝斑は皮膚科や美容クリニックで治すのが効果的です。
肝斑は閉経とともに消える傾向にありますが、それ以外で自然に治ることはありません。
外用薬や内服薬を使う
肝斑を適切に治したい方は美容皮膚科で薬を処方してもらいましょう。
ここでは、一般的に処方される2つの内服薬をご紹介します。
トラネキサム酸という成分は、メラニンを作り出すメラノサイトに働きかけ、色素沈着を抑制する効果を期待できます。
しかし止血作用も持つため、担当の医師と相談しながら服用するようにしてくださいね。
また、ハイドロキノンは安全性の高い美白剤で、表皮基底層のメラニン細胞のメラニン産生を抑制します。
メラニン色素を押し出す『トレチノイン』との相性がいいため、併用をお勧めします。
「皮膚科に行くのが面倒…」という方はオンラインで一度相談してみることをおすすめします。
自分の肌質にあった医薬品がきっと見つかります。
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美容クリニックで除去する
肝斑を適切に治したい場合は、美容クリニックで除去することもおすすめです。
美容クリニックで行う治療法は主に、「レーザートーニング」というレーザー治療です。
レーザートーニングとは、低出力のレーザーを顔全体に照射することでメラニン色素を減少させ、肝斑を改善していきます。
しかし、ここで注意したいのが高出力レーザーによる治療はかえって悪化させる可能性があるということです。
そのため、きちんと専門の医師のカウンセリングのもと治療を行うようにしてくださいね。
肝斑に関する治療法についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてくださいね。
肝斑治療に保険適用はされる?皮膚科での治療方法や効果的な飲み薬を解説肝斑特有の原因は女性ホルモンバランスの乱れ
肝斑特有の原因は女性ホルモンのバランスの乱れです。
それ以外にも、摩擦やバリア機能の低下、生活習慣、ストレスなど多くの原因により肝斑は発生します。
思い当たる原因がある場合は、これ以上悪化させないように意識して予防をしてくださいね。
また、今回ご紹介したトラネキサム酸やハイドロキノンは、皮膚科で処方してもらうことができます。
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