肝斑(かんぱん)はシミと何が違う?原因と治し方を解説!

「肝斑」とは…?シミにお悩みの皆さんなら一度は聞いたことがあるかもしれません。

しかし実際、肝斑とはどういうものなのかご存じですか?

よく知らずにシミだと思ってケアしていたら肝斑だった、なんてことも珍しくありません。

肝斑にシミのケアをしているとかえって悪化してしまうケースも…!

そうならないために、一度気づいたらきちんと判断することが大切です。

今回は、肝斑の特徴や原因、治し方を解説します。

この記事を読んで、自分にできているのが肝斑かどうかしっかりと理解してくださいね。

この記事の監修医

東京総合美容医療クリニック

福田麻衣 院長

美容皮膚科/美容外科

美しさを求めるすべての人たちに

当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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肝斑とはシミの一種

肝斑とはシミの一種であり、一般的にシミと呼ばれる老人性色素斑とは大きく区別されます。

ここでは一般的なシミと肝斑とではどのような違いがあるか、見た目の特徴や症状に合わせて解説します。

まずは自分のシミが肝斑かどうかをチェックしてみてくださいね。

見た目の特徴・症状

肝斑は、ほぼ同じ大きさと形のシミが左右対称に発生することが大きな特徴です。

一般的なシミは輪郭がはっきりとしていますが、肝斑はぼんやりとしていて濃淡が均一であるという大きな違いがあります。

また、目の周りにはできずに頬骨の高い部分を中心に、口周りや額にできるのも特徴です。

肝斑は他のシミとの識別が難しく、異なる種類のシミが同時に発症していることが多くあります。

さらに刺激に弱いため、シミ治療でよく使用されるレーザーで悪化する可能性があり、治療が難しいと言われています。

肝斑ができる主な原因

肝斑ができる原因は、主にホルモンバランスの乱れや皮膚への摩擦、バリア機能の低下、生活習慣の乱れ、精神的要因があげられます。

日頃の生活を振り返りながら、原因をひとつずつチェックしていきましょう。

女性ホルモンの変化

肝斑は主に女性ホルモンの変化により発生します。

更年期にさしかかる30代後半から40代、50代くらいの女性によくみられるのも、この女性ホルモンが原因です。

更年期になると女性ホルモンの1つである「エストロゲン」が急激に減少し、ホルモンバランスが乱れます。

ホルモンバランスが乱れると、メラノサイトが活性化されるため、黒色メラニンが多く作られるようになり、肝斑として現れます。

そのため、妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用によってホルモンバランスに変化があったときに、肝斑が発症する場合もあります。

皮膚への摩擦

肝斑の原因として皮膚の摩擦もあげられます。

肝斑が発生しやすい30代はカバー力のある化粧をしたりと、顔に刺激を与えやすい年代です。

顔の皮膚はとても薄く、クレンジングや洗顔などによる少しの摩擦でも刺激になってしまいます。

その刺激がメラニン色素を生成するメラノサイトを活性化させ、肝斑の原因になるのです。

バリア機能の低下

バリア機能が低下することも肝斑の原因の一つです。

紫外線を受けすぎたり、肌が乾燥したりすると肌のバリア機能が低下します。

肌のバリア機能が低下するとウイルスや菌、外部からの刺激を受けやすくなってしまいます。

紫外線を受けることはバリア機能低下の原因にもなりますが、直接肝斑を悪化させる原因にもなるため注意が必要です。

生活習慣の乱れ

肝斑は生活習慣の乱れが原因で発生します。

生活習慣が乱れると、肌のターンオーバーが正常に働かなくなってしまいます。

肌のターンオーバーとは通常、約28日で細胞を生まれ変わらせる働きのことです。

この働きが正常に機能していると、メラニン色素が生成されたとしても、やがて外に排出されるため残ることはありません。

しかし生活習慣の乱れにより、肌のターンオーバーが機能しなくなると、メラニン色素はいつまでも滞留し、肝斑として肌表面に残ってしまうのです。

精神的要因

肝斑は精神的要因によっても発生します。

精神的要因とはつまりストレスのことであり、ストレスを受けることで発生する活性酸素が肝斑の原因になります。

まず、ストレスを受けると血管が収縮し、血液の流れが悪くなってしまいます。

活性酸素は体の免疫機能として働いているため、血流を正常に戻そうとするときに大量に発生します。

その活性酸素によりメラノサイトが刺激され、肝斑の原因となるメラニン色素の生成を促すのです。

肝斑の治療法

肝斑は医療用の医薬品で治療するのが一般的です。

ここでは主に皮膚科で処方される内服薬と外用薬をご紹介します。

内服薬による肝斑の治療法

肝斑を治すために使われる内服薬には「トラネキサム酸」「シナール」「ハイチオール」「ユベラ」があります。

それぞれの効能と服用方法をチェックしてみましょう。

トラネキサム酸

トラネキサム酸の写真

肝斑の治療法では、特にトラネキサム酸の服用が効果的であるとされています。

トラネキサム酸は肝斑を改善するための美白効果があります。

肝斑の発生要因であるメラニン色素を生成する細胞活性化を抑制し、結果的に肝斑の改善につながるということです。

トラネキサム酸は副作用が起きる可能性の低い成分ですが、まれに皮膚のかゆみや食欲不振、眠気などを引き起こすことがあります。

また、血栓症のリスクが高まる点からも専門の医師の診断を受けたうえで使用するようにしましょう。

「トラネキサム酸によって白髪が増えるのではないか」という噂がありますが、トラネキサム酸の使用によって白髪が増えるような医学的根拠や報告はないので安心してくださいね。

シナール

シナールの写真

シナールはビタミンCの一種であるアスコルビン酸を主成分とした内服薬です。

アスコルビン酸は、肝斑のもととなるメラニン色素の生成を抑制する作用を持ちます。

また、抗酸化作用により老化とともに増加する活性酸素から、細胞を守る働きをします。

シナールはこれらの作用から、できている肝斑を薄くする効果が期待できることに加え、これからの予防にもつながります。

ビタミンCは水溶性なので、尿と一緒に排出されやすく、効果を実感するまでの時間がかかります。

最低でも1か月は服用するようにしてくださいね。

ハイチオール

ハイチオールの写真

ハイチオールはアミノ酸の一種であるL-システインを主成分とした薬です。

L-システインは、肝斑の原因となるメラニン色素の生成の抑制に加え、ターンオーバーを促進する作用があります。

そのため、紫外線によるメラニン色素の過剰生成を抑え、ターンオーバーにより今できている肝斑を改善することを期待できます。

ハイチオールの副作用のリスクはとても低いですが、まれに下痢や口の渇きなどの症状が起きる場合があります。

きちんと専門の医師に相談してから服用するようにしてくださいね。

ハイチオールは、ターンオーバーのサイクルに合わせることが大切なので、1か月~2か月程度は服用を継続するようにしてくださいね。

ユベラ

ユベラの写真

ユベラは肌の老化を抑え、肝斑のできにくい肌を作る効果を持つ薬です。

ビタミンEを主成分とし、抗酸化作用やホルモンバランスを整える作用、血流を改善する作用を持ちます。

特に、ユベラは脳下垂体や卵巣などの働きを助け、乱れたホルモンバランスを調整するため、肝斑特有の原因である女性ホルモンの変化も改善します。

ビタミンEの血流促進作用により、ターンオーバーが促進することで肝斑のもととなるメラニン色素が対外へ排出されます。

ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、摂取しすぎると副作用を起こしてしまう可能性があるため注意しましょう。

服用の際は必ず医師の処方のもと、適切な量を服用するようにしてくださいね。

外用薬による肝斑の治療法

内服薬に加え、外側から治療するために外用薬を併用することも多くあります。

皮膚科で処方される肝斑に効く外用薬は、主に「トレチノイン」と「ハイドロキノン」です。

ここではそれぞれの特徴をご紹介します。

トレチノイン

トレチノインクリームの写真

トレチノインはメラニン色素を体外へ排出し、肝斑を治療する外用薬です。

主成分はビタミンA誘導体で、皮膚のターンオーバーを早め、皮膚細胞の分裂や増殖を促進させる作用を持ちます。

通常肌のターンオーバーのサイクルは約1~2か月ですが、トレチノインを使用することで約2週間~4週間ほどに早まります。

この作用により、メラニンの排出を促すことで肝斑の改善が期待されます。

また、コラーゲンの生成を促し肌の弾力を高める働きも持つため、肝斑だけでなくしわや毛穴などのお肌のトラブルを改善する効果が期待できます。

血液中に流れている物質なので、アレルギー反応は起こりにくいですが、日本では医療機関でしか処方されていません。

使用方法は、スキンケアをしっかりと行ってから1日1回気になるところに塗布してください。

トレチノインを使用する際に注意したいのが、レチノイド反応という皮膚が赤く炎症を起こす副反応が起きる可能性があることです。

これはトレチノインの使用により一時的に角質層が薄くなることで、肌のバリア機能が低下してしまうことが原因です。

使用に関して不安な方は専門の医師に相談して、容量を調節しながら使用するようにしてくださいね。

ハイドロキノン

ハイドロキノンクリームの写真

ハイドロキノンは、メラニンに対して高い還元性を持つ外用薬です。

 肝斑の原因となるメラニン色素を生成するメラノサイトを減少させる働きがあり、シミの発生原因に直接ダメージを与えます。

また、主成分であるヒドロキノンが主にメラニン色素の生成を阻害する働きを持ち、新しいシミができるのを予防する効果も期待できます。

また、ハイドロキノンはトレチノインとの併用で効果を高めるとされている薬剤なので、同時に処方されることがほとんどです。

市販薬では配合濃度が低いものが多いため、低リスクで効果的に使用するためにもきちんと皮膚科で処方してもらうのがおすすめです。

ハイドロキノンは紫外線に当たると逆に肝斑を濃くしてしまう可能性があるため、1日1回夜の洗顔後に使用します。

また、ハイドロキノンは強い薬のため、長期で使用するとメラノサイトの機能が低下してしまい、白斑を起こす可能性があります。

そうならないためにも、きちんと使用期間や使用方法を守って使いましょう。

ハイドロキノンについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてみてくださいね。

ハイドロキノンの「効果と副作用」を解説!シミやニキビ跡をケア

日頃からできる肝斑の予防法

肝斑は日頃から予防することが大切です。

毎日心がけることとしては、生活習慣を見直すこと、紫外線対策をすること、摩擦対策をすることの3つです。

予防方法をきちんと確認して、今日から気を付けていきましょう。

生活習慣の見直し

生活習慣を見直すことは肝斑の予防法になります。

ホルモンバランスを整えるためには、十分な睡眠や栄養の取れる食事、適度な運動などの整った生活習慣が必要です。

特に更年期に減少しがちな女性ホルモンを増やすためには、食事に気を付けましょう。

女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」を積極的に摂取することで、減少した女性ホルモンの働きを補うことができます。

大豆イソフラボンは豆腐や納豆、味噌など日常的に食べている食材に多く含まれています。

毎日の食事の中に取り入れるようにしてみてくださいね。

紫外線対策

肝斑は紫外線のダメージを受けることで悪化するため、毎日の紫外線対策は必須です。

紫外線は夏だけでなく冬でも降り注いでいます。

そのため、1年を通して日焼け止めやUVカット効果のある下地を使うようにしましょう。

特に夏はそれだけでは対策しきれないため、日傘や帽子を合わせて使うことをおすすめします。

また、日焼け止めは時間が経つと効果がだんだん薄れていくので、3時間に1度を目安に塗りなおすようにしてくださいね。

摩擦対策

肝斑を予防するには摩擦対策も欠かせません。

私たちの肌は、毎日のメイクやスキンケアなどで知らず知らずのうちに摩擦を受けています。

そのため、まずはスキンケアの方法を見直しましょう。

洗顔の時はよく泡立てて、できるだけ刺激を与えないようにし、化粧水をつけるときも優しくなじませるようにつけるようにします。

ほんの少しの意識が肝斑の予防につながるので、ぜひ今日からやってみてくださいね。

正しいスキンケア方法をもっと知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

【目指せ美肌!】正しいスキンケア方法で美肌を手に入れよう

肝斑は専門の医師に相談して治療をするのがおすすめ

肝斑はさまざまな種類のシミが混在している可能性もあるため、なかなか自己判断しづらいシミです。

また、放置していたり、間違った方法でケアしたりしてしまうと、さらに肝斑が濃くなって目立つ可能性もあります。

そのため、肝斑かな?と思った方は皮膚科で専門の医師に相談することをおすすめします。

肝斑にレーザー治療はできる?

肝斑は一般的なシミ治療に使われるレーザーでの治療には向いていません。

なぜなら、メラニン色素に強く反応してしまい、肌に強い炎症を起こす可能性があるからです。

炎症を起こすことでそのまま色素沈着し、肝斑が悪化します。

肝斑治療の場合、強い炎症を起こさない範囲内でメラニン色素を優しく分解する、または代謝を促進させてメラニンの排泄を促すレーザーを使用します。

しかし、このレーザーの出力の調整は相当な技術が必要であり、失敗するリスクを考えると、レーザー治療は肝斑にはあまり向いていないと言えます。

東京美肌堂ならオンラインで専門医師に相談できる

肝斑はシミとは治療法が異なるため、自分のシミが肝斑かも?と思った方はすぐに適切な方法で治療をするようにしてくださいね。

そのうえで原因を知り、自分で改善できることをきちんと理解することも大切です。

また、治療するときには皮膚科の専門医に相談してみましょう。

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