- 「アダパレンでニキビが治るって本当?」
- 「ニキビが繰り返して治らない…」
- 「アダパレンを使ってみたいけど副作用が怖い…」
こんな悩みを抱えていませんか? 今回は、アダパレンの効果や副作用、使い方などアダパレンに関することを幅広くご紹介していきます。
アダパレンは繰り返すニキビを予防するのにとても効果的である一方、副作用があるので正しく使わないとさらにニキビ肌が悪化してしまう可能性があります。
ぜひ、アダパレンの正しい知識を身につけて肌トラブルを解決しましょう。
目次
アダパレンとは?
アダパレンは、ニキビ治療に用いられた2008年頃「日本のニキビ治療を変える」とまで謳われていました。
アダパレンという成分を解説すると以下のような特徴があります。
- 毛穴の詰まりを改善する成分
- 外用薬に含まれる成分
- 過酸化ベンゾイルと抗菌作用の有無が違う
1つずつ詳しく見ていきましょう。
毛穴の詰まりを改善する成分
アダパレンには、角質剥離作用があり、毛穴のつまりを改善する効果が期待できます。
角質を調整するアダパレンは毛穴の詰まりを改善する一方、肌のバリア機能を弱めてしまうため副作用を伴います。
副作用については後半で詳しく解説していくので最後まで読んでみて下さいね。
外用薬に含まれる成分
アダパレンは、新薬「ディフェリンゲル」に含まれています。
また、ディフェリンゲルのジェネリック医薬品はアダパレンゲルと呼ばれています。ジェネリック医薬品のアダパレンゲルは、ディフェリンゲルに比べ安価に手に入れることができます。
過酸化ベンゾイルと抗菌作用の有無が違う
ニキビ治療薬「ベピオゲル」に含まれる成分、過酸化ベンゾイルはアダパレンと並び、ニキビ治療に使われる薬です。
その過酸化ベンゾイルとアダパレンは、どちらも毛穴の詰まりに効果があるものの、アクネ菌への抗菌作用の有無が両者の違いです。
アダパレンには抗菌作用がありませんが、過酸化ベンゾイルはアクネ菌への抗菌効果があります。そのため炎症が起き、アクネ菌が繁殖した赤ニキビにも有効だと言われています。
逆に、アダパレンはアクネ菌を抗菌する作用がないので、初期段階のニキビ(白ニキビ、黒ニキビ)にのみ有効です。
アダパレンの効果
アダパレンを使うことで期待できる効果は大きく2つあります。
1つずつ見て行きましょう。
ニキビ予防
アダパレンとは、角質剥離作用によって毛穴の詰まりを改善すると説明させていただきました。
ニキビは毛穴詰まりが原因でできるため、アダパレンはニキビ予防の効果が期待できます。
繰り返しにはなりますが、毛穴の詰まりを改善することでニキビを改善する作用があるので、既に炎症が起きてしまっている黄ニキビ、赤ニキビには効き目が無いので注意が必要です。
アクネ菌が繁殖し、炎症が起きてしまっている黄ニキビについては以下の記事で解説しているので参考にしてみてくださいね。
ニキビのパンパンな膿を潰すのはNG!正しい対処法と効果的な治療薬を解説いちご鼻の改善
いちご鼻は、毛穴に角栓が詰まって酸化した状態なので、毛穴の詰まりが改善されることでいちご鼻が改善されることがあります。
ですが、毛穴を小さくする作用はないので本格的にいちご鼻を改善したい方は「角栓除去」「クレンジング」等いちご鼻専用の対策を取る必要があります。
いちご鼻・クレンジングについては以下の記事で解説しているので参考にしてみてくださいね。
【図で解説】いちご鼻と一生おさらばのクレンジングとは?アダパレンの正しい使い方
ここまで読んで、アダパレンを使ってみたいと感じた方も多いのではないでしょうか。
アダパレンは副作用を伴う医薬品なので、間違った使い方をするとニキビ肌が悪化してしまうこともあります。
そこでここでは、アダパレンの正しい使い方を具体的にご紹介していきます。アダパレンを正しく使って肌悩みを改善していきましょう。
洗顔後の就寝前に塗る
アダパレンは洗顔後の就寝前に塗るようにして下さい。
詳細な手順をご紹介していきます。
洗顔ネットでしっかり泡立てて、肌に負担がかからないよう優しく洗います。泡を顔に乗せていくようなイメージで洗うと良いでしょう。
アダパレン塗布前に保湿剤を塗ることで、副作用を軽減することができます。これは塗った薬が保湿剤と混ざり肌に薄く広く浸透していくためです。
しかし、逆に言うと薬が薄く広く広範囲に広がるため、薬を狙った部位のみに塗布することが難しくなるということです。
初めはアダパレンを直接肌に塗布してみて、あまりに副作用がひどい場合は事前に保湿剤を塗るなどの工夫をすると良いでしょう。
保湿を行う際は、ニキビができにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」で低刺激の保湿剤の使用をおすすめします。
ノンコメドジェニックとは、白ニキビの餌となる成分を含まない化粧品のことです。
(多くの化粧品には、白ニキビの原因菌であるアクネ菌の餌になる油分を含んでいる)
薬を塗る際は以下の項目にしたがって使用するようにして下さい。
- 塗布量 :顔全体で、人指し指の第一関節あたり
- 使用頻度 :1日1回(前日に塗り忘れた場合、1日2度塗り等はNG)
- 使用禁止部位:目の周囲、鼻周り、口周り
- 禁止事項 :顔以外への塗布、塗布後の激しい日焼け
- 保管上の注意:必ず室温5度~30度
目や鼻、口など粘膜が薄い部分に塗布してしまうと、かぶれてしまう危険性があるので必ず避けるようにして下さい。
塗布が完了したら、必ず手を洗うようにしましょう。
アダパレン成分が手に付着したまま就寝すると、目や口にアダパレンに成分が付着してしまう危険性があります。
アダパレンを長く安全に使うために必ず守るようにして下さいね。
最低2ヶ月は継続して使用する
副作用については次で詳しく紹介しますが、アダパレンを使用すると約80%の人に副作用が起きます。
カサつき、かゆみ、痛みなど人により反応は様々で、辛いと感じる人も多いでしょう。
しかし、この副作用は肌の変化の表れで、この副作用の先にニキビ改善があるということです。
また、アダパレンは塗ってすぐに効果が現れる薬ではないので、副作用が辛くても使用開始から2ヶ月は継続した使用を心がけるようにして下さい。
※どうしても治療を中断したい場合は、自己判断で中止するのではなく医師に相談すると良いでしょう。
使用開始~4日 | 副作用があらわれ始める、肌の改善もまだ見られない。 |
2週間~2ヶ月 | 徐々に副作用がなくなっていくと共にニキビが減少する。 |
2ヶ月~6ヶ月 | 副作用が落ち着き始め、ニキビも目に見えて減少する。 |
6ヶ月~1年 | 継続した使用で、さらにニキビの減少が見られる。 |
アダパレンの5つの副作用
先程少し触れさせていただいた通り、アダパレンを使用すると副作用が生じてしまいます。
ここでは、副作用の代表的な症状を、発症しやすい順にご紹介させていただきます。
もし副作用が生じてしまっても、以下の5つの症状に当てはまっていれば心配する必要はありません。
①乾燥(カサつき)
アダパレンは角化細胞の分化抑制作用により角質層の細胞を調整します。
しかし、その角質は水分を保ち肌を乾燥から守る役割を担っています。そのため副作用として肌がカサつきやすくなります。
②痛み(ヒリヒリ感)
角質は、乾燥から肌を守る以外にも外部のあらゆる刺激から肌を守る働きをします。
そのため、角質細胞が調節されているアダパレン使用時は、肌が外部からの刺激に敏感になり痛みを感じることがあります。
場合によっては低刺激の化粧水をつけるだけでも痛みが生じることもあるため、症状があまりにひどい場合は医師への相談が必要でしょう。
③落屑(皮向け)
アダパレンの効果により、ターンオーバーが促進され新しい角質と入れ替わる際に起きる症状です。
日焼けした後のように皮膚が剥けてしまいますが、無理に剥くのではなく自然に皮膚が剥がれるのを待つようにして下さい。
④赤み
角質が薄くなるため、真皮層の毛細血管が透けて見えてしまい、それによって肌が赤く見えてしまう現象です。
⑤かゆみ
角質が薄くなったことにより、肌が外部からの刺激に弱くなった結果、痛みではなく痒みが生じる症状です。
掻きたくなる気持ちもわかりますが、皮膚がとても弱くなっている状態なので絶対に掻かないでくださいね。
痒みがあまりにひどい場合は、医師に相談してみるようにしましょう。
アダパレン使用時の注意点
アダパレンを使用する際にいくつか注意点があるのでご紹介します。
- 妊娠中は使用しない
- 粘膜の薄い部位には使用しない
- 黄ニキビ、ニキビ跡、シミ等には直接的な改善効果はない
1つずつ解説していきます。アダパレンを正しく使って安全に肌を治療していきましょう。
妊娠中は使用しない
アダパレンの副作用に催奇形性があるため、妊娠中の方・妊娠希望の方は使用を禁じられています。催奇形性とは、妊娠中の女性が薬を服用することで遺伝にはなかったはずの奇形が胎児の身体に生じてしまうことです。
妊娠中・妊娠希望の方は絶対にアダパレンの使用を控えるようにしましょう。
粘膜の薄い部位には使用しない
先程、「アダパレンの具体的な使い方」で少し触れさせていただきましたが、粘膜の薄い部位(目の周り・鼻の周り・口周り)の使用は、かぶれや炎症を引き起こす可能性が高いので避けるようにしましょう。
黄ニキビ・ニキビ跡・シミを直接治療する効果はない
アダパレンは、毛穴のつまりを改善することでニキビが出来るのを防ぐ薬なので、アクネ菌が繁殖して炎症が起きている黄ニキビには、直接的な消炎効果がないので注意が必要です。
ただし、ピーリング作用により、皮膚の角化抑制やターンオーバー促進効果は望めるため、間接的に黄ニキビの予防につながると言って良いでしょう。
また、同様の理由でニキビ跡・シミに対する作用も限定的です。
ニキビ跡の形成や新たなニキビを予防したり、薄い色素沈着の軽減には寄与するでしょう。
ただし、すでにあるニキビ跡やシミの根本治療にはほかの薬剤が処方されることが多いです。
皮膚科によくある質問
最後にアダパレンのよくある質問を、当メディア監修医の福田先生が回答させていただきます。
アダパレンの副作用が辛いです…
カサつきや、皮むけなどアダパレンの副作用が辛いです、それでも1日1回塗布すべきでしょうか
我慢できないほどの刺激でしたら、2~3日に1回の使用にする等、頻度をさげても良いかと思われます。
また、保湿の後にアダパレンを塗布すると副作用を緩和できます。保湿力の高いヒルドイドと合わせて使うと良いかもしれません。
アダパレンを使用していますが、新しく白ニキビができていまいます…
アダパレンを使用中ですが、塗布箇所に白ニキビができてしまうことがあります。
これは、一時的なものなのか、塗布を継続して良いのか教えて下さい。
3ヶ月くらいは、白ニキビが以前と同じくらい続くことがあります。
また、数は減っているが新しくできる、という状況は1年くらい続くこともあります。
ただ、反応が悪い場合は別のお薬(ベピオゲルなど)に変えてみるのもひとつの手です。
アダパレン使用を始めたのですが、今までと同じ化粧品を使用しても良いのでしょうか?
アダパレン使用を始めたのですが、今までと同じ化粧品を使用しても良いのでしょうか?
アダパレンゲル使用中は、お肌が敏感になっておりますので、ピーリング効果のあるお化粧品の使用や施術は避けていただいた方が良いです。
アダパレンを正しく使って肌トラブルを解決しよう
ここまで、アダパレンの成分、効果、使い方、副作用、注意点などを紹介してきました。
アダパレンはピーリング作用のある毛穴詰まりの改善に効果的な成分です。
肌の変化にともない副作用がでることがあります。あまりに症状がひどい場合は医師に相談してくださいね。
塗るタイミングや使用期間など、アダパレンを正しく使って毛穴・ニキビゼロの美肌を目指しましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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美容外科・美容皮膚科
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