顔の皮膚がポロポロむけてきた…。
顔の皮膚がポロポロむけてしまうのは、肌の乾燥がかなり深刻なサインです。
スキンケアによる刺激や紫外線のダメージなど、さまざまな要因で肌は乾燥してしまいます。
日常的に保湿ケアを重点に気を付けていきましょう。
今回は、皮むけが起きてしまう原因や対処法、予防策まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
- 顔の皮膚がポロポロむけるのは肌の乾燥が深刻であるサイン
- 乾皮症・乾燥性皮膚炎など、症状の出方によって様々な病気に区別される
- いずれの病気の場合も保湿を中心とした治療と予防を行うことが必要
目次
顔の皮膚がポロポロむける原因
顔の皮膚がポロポロむける原因は、肌の乾燥です。
肌が乾燥しているときは、次の2つの問題が起きています。
肌のバリア機能が低下している
肌のバリア機能とは、外部の刺激や細菌などの侵入から肌を守る力のことを指します。
このバリア機能は、肌が乾燥していると力を弱めてしまいます。
つまり、肌が乾燥すると、バリア機能が弱まります。その結果、外的な刺激に対して無防備になり、皮がむけてしまいます。
以下の要因によって、肌のバリア機能の低下が起こりやすくなります。
本来、肌には水分と油分を十分に保つ仕組みが備わっています。
しかし、空気が乾燥していたり、保湿が不足すると、その仕組みが正常に働かなくなってしまいます。
すると肌が乾燥し、バリア機能も低下してしまいます。
摩擦や紫外線などのダメージが肌に加わると、肌は乾燥し、バリア機能が低下してしまいます。
摩擦は肌表面への直接的な刺激となり、紫外線は細胞間の隙間を広げて水分を蒸発させます。
ターンオーバーの周期が乱れている
肌には、ターンオーバーと呼ばれる新陳代謝の機能が備わっています。
このターンオーバーが正常に行われることで、肌表面の細胞が、水分を保持しやすい新しいものへと生まれ変わります。
新しく生成された肌細胞は、徐々に表面に現れて、古い肌細胞は垢となって排出されます。
しかし、乾燥している肌では、肌表面の角質層が厚くなる「角質肥厚」が起こり、古い肌細胞が垢として排出されにくくなります。
これにより、ターンオーバーの周期が乱れて、肌細胞が水分を保持できなくなると、乾燥が悪化して、皮がむけてしまうのです。
ターンオーバーの周期は乾燥以外に、以下のような要因によっても乱れやすくなります。
歳を重ねると、肌の水分を保つコラーゲンやエラスチンの生成量が減少して、肌の衰えが目立ちやすくなります。
加齢による肌の変化は、肌のハリや水分の不足によってターンオーバーの周期が長くなることも含まれます。
さらに、新陳代謝の機能が加齢とともに低下することで、ターンオーバーの周期が乱れやすくなります。
肌のターンオーバーが正常に行われるためには、肌をつくるタンパク質やビタミンB群などの、さまざまな栄養素が必要になります。
これらの栄養素が不足してしまうと、ターンオーバーの周期が乱れやすくなります。
顔の皮膚がポロポロむける症状を伴う病気
顔の皮膚がポロポロむけてしまう場合は、乾燥がかなり深刻なため、皮膚科の受診を推奨します。
乾燥の原因や、症状の出方によって、治療法が異なります。
まずは、次のような病気が自身に当てはまるか確認してみましょう。
乾皮症
乾皮症(かんぴしょう)とは、肌の水分や皮脂が減少することで、乾燥状態になる病気です。
症状としては、皮膚がカサカサして剥がれ落ちたり、ひび割れなどが生じます。
特に、空気が乾燥しやすい秋・冬の季節に発症しやすい傾向にあります。
乾燥性皮膚炎
乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)は、乾皮症が進行した状態の病気です。
ポロポロむける皮むけに加えて、強いかゆみや赤み、水ぶくれなどの湿疹が伴うことが多い傾向にあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、小さくブツブツとした湿疹ができる病気です。
かゆみを伴うことが多く、湿疹加えて、カサカサと乾燥して皮膚がむけてしまうこともあります。
ストレスやアレルゲン物質(ほこり・食べ物など)などの多様な要因が重なって、皮膚が反応することが主な原因と言われています。
摩擦や乾燥による外的要因だけではなく、もともとの肌質としてバリア機能が弱い人に起こりやすい特徴を持ちます。
乾癬(かんせん)
乾癬(かんせん)とは、皮膚が炎症を起こす病気で、盛り上がりのある赤い発疹に、垢が付着してポロポロ剥がれ落ちる症状が現れます。
炎症を起こす細胞が集まることによって、毛細血管が拡張することで、皮膚が赤みを帯びます。
明確な原因は解明されていませんが、体質や感染症、精神的ストレスなどの要因が積み重なり、発症すると言われています。
顔の皮膚がポロポロむけるときの対処法
顔の皮膚がポロポロむけるときは、医療機関で治療を進めることをおすすめします。
さらに、治療とあわせて保湿中心のスキンケアを行うことで、より効果的に皮むけを改善しやすくなります。
保湿中心の刺激を抑えたスキンケアを行う
ミルクタイプのクレンジングを使う
クレンジングには、オイル・バーム・ジェルなど、さまざまな種類があります。
なかでも、乾燥している肌には、洗浄力が強すぎず、うるおい成分を落としにくいミルクタイプの使用がおすすめです。
ミルクタイプのクレンジングは洗浄力がマイルドで、肌に刺激を与えにくい特徴があります。
ぬるま湯のみで洗顔する
乾燥している肌では、洗顔料の成分が刺激となり、炎症を引き起こす可能性があります。
顔の皮がむけている場合は、洗顔料を使わずに、ぬるま湯のみで洗顔することがおすすめです。
洗顔料を使用したい場合は、摩擦によるさらなる皮むけを防ぐために、手の平を逆さにしても、泡が落ちない程度まで洗顔料を泡立ててから洗顔しましょう。
洗顔後すぐに化粧水を塗る
洗顔には、顔の皮脂や汚れを落とす役割があります。
皮脂は、肌を乾燥から守る保護膜になるため、洗顔で皮脂を落とすことで、洗顔後の肌は乾燥しやすくなります。
そのため、洗顔後はなるべく早くすぐに化粧水を塗るのが理想的です。
保湿力の高い乳液・クリームを使用する
肌の潤いを保つためには、化粧水で水分を補った後に、乳液・クリームを塗って、水分を逃がさないようにすることが大切です。
乳液・クリームの保湿力が低いと、せっかく補った水分が蒸発しやすくなるため、保湿力の高いアイテムで、しっかりフタをしましょう。
市販品や処方された保湿剤で保護する
顔の皮膚がむけている場合は、科学的に効果が認められている医薬品を使用して保湿を行いましょう。
保湿力の高さや症状の緩和については、これらの医薬品が有効であるとされています。
化粧品によるケアも重要ですが、改善を目指すには医薬品の使用が必要です。
皮むけの治療には、市販薬または処方薬の中でも、「ヒルドイド」や「ワセリン(プロペト)」などの保湿剤が有効です。
ヒルドイド
ヒルドイドには、高い保湿力を期待できます。肌のハリやうるおいを保つコラーゲンやヒアルロン酸よりも高い保湿力を持つ「ヘパリン類似物質」成分が含有されているためです。
ただし、血行促進作用があり、出血を促してしまうリスクがあるため、皮むけに加えて出血がある場合は使用を避けましょう。
「ヒルドイド」についてさらに詳しくはこちら
【医師監修】ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の美容効果と正しい使い方を解説!ワセリン
ワセリンは、皮膚の保護膜の代わりとなるような役割を果たし、肌を乾燥から守ります。
肌への刺激が極めて低いことから、皮がむけてバリア機能が低下した肌に、負担をかけずに治療を進められる点がメリットです。
処方薬の使用を希望する場合は、皮膚科などを受診して処方を受ける必要があります。
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顔の皮膚がポロポロむけたときの注意点
顔の皮膚がむけていると、つい気になって触ってしまったり、皮をキレイにむきたくなってしまうかもしれません。
しかし、顔の皮膚がポロポロむけているときは、なるべく患部を刺激せず、保湿を重点的に行うことが重要です。
以下の4つの行動は、皮むけや乾燥を悪化させてしまうNG行動に当てはまるため、注意しましょう。
皮膚をむかない
皮膚を無理にむいてしまうと、肌が傷ついてしまいます。
最悪の場合、出血してしまう可能性もあります。
皮膚をむいてしまうと、乾燥が悪化してさらなる皮むけを引き起こしたり、皮むけのない美しい肌を取り戻すまでの期間が長引いてしまうリスクがあります。
ピーリング剤やスクラブを使用しない
むけている皮膚をキレイにしようとして、ピーリング剤やスクラブで取り除くのはやめましょう。
これらは、角質を剥がす「剥離作用」を持つため、皮がむけている肌には、刺激が強すぎる場合が多いです。
肌が擦れることで、バリア機能が回復せず、より一層乾燥を招きやすくなるので注意しましょう。
添加物を含む化粧品を使用しない
皮膚の皮むけがあるときは、成分の刺激が強いアルコールやパラベンなどの添加物配合の化粧品の使用は避けましょう。
皮がむけていてバリア機能が低下している肌に、刺激の強い成分を使用すると、より肌が乾燥しやすくなり、皮むけが悪化しやすい状態になります。
アルコールフリー・無着色・無香料など、無添加の化粧品を使用するのがおすすめです。
入浴時に40℃以上の湯舟に長湯しない
熱いお湯は、肌のうるおい成分を溶かしてしまったり、必要以上に皮脂を洗い流してしまうリスクがあります。
また、長湯することで、水分が蒸発して、肌が乾燥しやすくなります。
そのため、入浴は40℃以下のお湯を使用して、湯舟に浸かる際は15~20分を目途にそれ以上は浸からないようにしましょう。
また、洗顔時は、32~35℃のお湯を使用するとよいでしょう。
顔の皮膚が剥けないようにする予防法
顔の皮膚がポロポロとむけてしまうのを防ぐためには、肌が乾燥しやすい状況をつくらないことが重要です。
肌を保湿する・乾燥の要因となる行動や環境を避けることで、予防しましょう。
常に肌にうるおいを与える
肌の乾燥を防ぐには、常日頃から肌のうるおいを保つことが大切です。
そのためには、周囲の環境を整えたり、こまめに保湿することが必要になります。
室内の湿度を60%以上に保つ
空気が乾燥していると、肌も乾燥しやすくなります。
加湿器や霧吹きを使用して、室内の湿度は常に60%以上を保ち、肌の乾燥を防ぎましょう。
こまめにミスト化粧水をふりかける
ミスト化粧水とは、霧状に吹き出るスプレータイプの化粧水のことです。
日中の室内の乾燥や外気による乾燥から肌を保護する対策として、日中はこまめにミスト化粧水をふりかけましょう。
メイクの上から使えるアイテムも、複数販売されています。
持ち歩きやすいミスト化粧水
メイクの上から使用可能なミスト化粧水。
保湿成分であるセラミドが肌に浸透して、潤いのあるやわらかな肌へと導きます。
ボトルの高さは、13.8cmと、かばんやポーチに入れて持ち歩くのに便利なサイズです。
摩擦を避ける
摩擦の刺激が加わると、肌のバリア機能が低下してしまい、水分が逃げやすい状態になります。
日々の生活の中で生じやすい摩擦を避けて、肌を乾燥から守るように意識しましょう。
顔をできるだけ触らない
顔を触ると、摩擦が生じてしまうため、できるだけ肌を手で直接触らないようにしましょう。
スキンケアの際は、手の平や指先で保湿剤を伸ばしたり、浸透させるイメージで肌にそっと触れましょう。
また、顔のかゆみが気になる際は、濡れタオルや保湿剤で冷やすことで鎮静させましょう。
マスクを使用しない
マスクを装着すると、常に顔とマスクの素材が接触していることで、摩擦が生じる機会が多くなります。
特に、顔の皮がむけているときは、肌が敏感な状態のため、マスクの使用は避けましょう。
一見、マスク内は湿度が高く乾燥を防ぐのに効果的に思う方もいるかもしれませんが、マスクを外すときに水分が一気に蒸発して、乾燥してしまいます。
化学繊維の寝具を使用しない
ポリエステル・アクリル・ナイロンなどの繊維が比較的ごわごわしていたり、通気性が悪い素材の寝具の使用は避けるようにしましょう。
特に枕カバーは、寝ている間に顔と擦れやすい寝具のため、顔の乾燥を招く一因となります。
通気性の高い綿や、摩擦が起こりにくい絹などの素材のものを使用するのがおすすめです。
肌の新陳代謝を促進する
肌の新陳代謝が促進されると、水分を保持しやすい健康な肌細胞が生成されやすくなります。
そうすることで、乾燥しにくい肌状態へと導くことができます。
主に、肌の新陳代謝を正常に保つには、生活習慣を整えることと、肌に必要な栄養を補うことを心がけましょう。
十分な睡眠をとる
肌の新陳代謝は、睡眠中に特に活発になります。
睡眠時間が短いと、十分に肌の新陳代謝が行われないため、1日7~8時間を目安に睡眠をとりましょう。
適度な運動をする
ウォーキングやストレッチ・ヨガなどの有酸素運動を取り入れると、体温が上がり新陳代謝が促進されます。
汗をかきすぎると、肌のうるおいを保つ皮脂膜まで流れ出てしまうリスクがあるため、じんわり汗をかくことが大切です。
栄養バランスの良い食事をとる
健康な肌を保つのに有効に働く栄養素をとり、肌を乾燥しにくい状態へと導きましょう。
栄養はバランスよくとることが必要ですが、肌のハリやうるおいを保つには、特に、以下の栄養素が不足しないよう心がけましょう。
- レバーや魚介類に多く含まれるビタミンB群
- 赤ピーマンやいちごなどの野菜や果物に多く含まれるビタミンC
- 鶏肉や赤身の魚に多く含まれるタンパク質
「肌にいい栄養素」について詳しくは以下へ
美肌効果のある「栄養素」とは?効率的な取り入れ方やおすすめ食材を解説肌のうるおいを保つ美容内服を続ける
肌が弱い方や、もともと乾燥しやすい肌質の場合、生活習慣を整えるだけでは乾燥を防ぎきれない場合もあります。
また、肌に必要な栄養を食事だけで摂ることが難しいときは、美容内服を取り入れるのがおすすめです。
美容内服とは、肌悩みを解消する効果を認められている有効成分を含む内服薬のことです。
「美容内服」について詳しくは以下へ
「美容内服薬」の効果的な飲み薬とは?セット処方への保険適用有無まで解説!顔の皮膚がポロポロむける場合は皮膚科へ
顔の皮膚がポロポロむける場合は、なるべく早く皮膚科を受診しましょう。
すぐに通院できない場合は、オンライン診療サービスを活用する方法もあります。
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