腕にもニキビができることがあります。
はじめて腕にニキビができて驚いている方もいるかもしれません。
ニキビは顔や背中など特定の部位にできやすいと思われがちですが、実は腕にもできることがあります。
二の腕の赤みのあるニキビが人から見られると気になる…。
ブツブツ腫れたニキビがかゆい…。
など、腕にニキビがあると生活するうえで気になりますよね。
今回はそんな腕のニキビの原因や治し方を解説します。
この記事でわかること
- 腕のニキビの主な原因は皮脂、汗、スキンケア不足による毛穴詰まり
- 腕のニキビは適切なセルフケアや皮膚科の薬で治療することができる
- 肌にやさしい衣類を選ぶなど、肌がダメージを受けないようにすることが予防策
目次
腕にニキビができる原因
腕にニキビができる要因はさまざまです。
皮脂の分泌、汗の影響、または適切なスキンケアの不足がニキビを引き起こす要因となります。
これらの要因によって皮脂や角質が毛穴詰まり、ニキビができてしまいます。
腕のニキビが発生する具体的な原因を説明していきます。
石鹸の洗い残し
腕にニキビができる原因の一つは、ボディソープの洗い残しです。
皮脂の分泌をコントロールすることは肌の健康に重要であり、洗浄力の高いボディソープを選ぶ際には、十分なすすぎを心がけましょう。
特に、腕が曲がる関節付近は洗い流しが不十分になりがちで、残留したボディソープが皮脂の過剰分泌を招く原因となります。
これにより、アクネ菌が増殖し、ニキビが発生する可能性が高まります。
衣服の蒸れや摩擦
衣服の蒸れや摩擦もニキビができる原因の１つです。
着用中に肌と衣服が擦れあうと、肌にストレスを与えて乾燥を引き起こします。
乾燥した肌ではアクネ菌の増殖が促進され、ニキビが発生しやすくなります。
また、蒸れた状態では汗をかきやすくなるため、肌の乾燥が進みます。
通気性のある素材の衣類を選ぶか、長時間同じ下着や上着を着用せずにこまめに取り替えることがニキビ予防につながります。
紫外線によるダメージ
紫外線によるダメージも、腕にニキビができる原因の１つです。
紫外線は肌に直接的な刺激を与え、肌の乾燥を引き起こし、バリア機能を低下させます。
これにより、皮脂のバランスが崩れ、アクネ菌の繁殖が促進され、ニキビが発生しやすくなります。
ニキビを防ぐには紫外線対策が重要であり、日焼け止めの利用や遮光性のある衣服の着用が推奨されます。
また、紫外線による肌への影響を最小限に抑えるために、適切なスキンケアと保湿も必要です。
空気の乾燥
腕にニキビができる原因の一つとして、空気の乾燥もあげられます。
乾燥した環境では、肌の水分が奪われやすくなり、それによって肌のバリア機能が低下します。
乾燥した状態が続くと、肌は過剰に皮脂を分泌しようとし、その結果としてニキビが発生しやすくなります。
また、季節や気候の変化により保湿が不足することも要因です。
正しい保湿ケアや適切なスキンケア製品の使用が、腕のニキビ予防に効果的です。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れることで、ストレスなどの影響を受けやすくなり、腕にニキビができるリスクが高まります。
ストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、ホルモン分泌に影響が出ます。
また、女性ホルモンのエストロゲンは年齢によって血中濃度が変動し、ホルモンバランスの乱れにつながることもあります。
ホルモンバランスが崩れると全身の皮膚が影響を受けるため、腕にもニキビが発生しやすくなります。
ホルモンバランスが崩れることで皮脂分泌が増え、毛穴が詰まるのでニキビが出来やすくなるのです。
ストレスと適切に向き合うことや、リラックスする習慣をつけることでホルモンバランスが整い、腕のニキビ予防つながります。
腕ニキビの治し方
腕にできたニキビは、正しい治療法とスキンケアが必要です。
炎症を抑えつつ、適切なケアを施すことで、ニキビを早く改善することが可能です。
ここでは腕のニキビの治し方に焦点を当て、健康な肌を取り戻す方法を具体的に解説します。
市販薬で治療する
4つの有効成分が赤いニキビ・痛いニキビを効果的に改善する、クリームタイプです。
毛穴に詰まった皮脂（ニキビの芯）・汚れを吸収し、抗菌作用でニキビを治します。
また、殺菌有効成分レゾルシンが、ニキビの原因菌となるアクネ菌を殺菌して積極的に治します。
そして、抗炎症成分グリチルレチン酸が炎症をおさえ、ニキビの腫れ・赤みをしずめます。
▼赤ニキビや痛いニキビについてさらに知りたい方はこちらの記事を参考にしてください
赤ニキビの治し方と予防方法を解説！ニキビ跡を作らないで治す
痛いニキビには要注意！原因と対処法を徹底解説
アクネ菌による白ニキビ（白い膿）の生成を抑えるクリームタイプです。
炎症（赤ニキビ）をしずめ、吹き出物・ニキビをもとから治療します。
その後、症状を悪化させるアクネ菌などを殺菌し、吹き出物・ニキビの進行を抑えます。
▼白ニキビやについて毛穴がつまって硬くなったニキビについてさらに知りたい方はこちらの記事を参考にしてください
白ニキビはニキビの初期段階！原因と治し方を徹底解説
「しこり」のあるニキビの治し方と「粉瘤」との違いや見分け方を解説！
医薬品で治療する
ベピオゲル
ベピオゲルはニキビの原因菌が増えるのを防ぎます。
また、角質細胞の結合をゆるめ毛穴の閉塞を改善させます。
その結果、炎症性皮疹（赤いニキビ）、非炎症性皮疹（白ニキビ、黒ニキピ）が減少します。
▼ベピオゲルについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
べピオゲルの効果と副作用を解説！赤みはいつ引く？やめどきと使い方のポイント
クリンダマイシンゲル
皮膚の表面に塗布して、ニキビの原因であるアクネ菌を引き起こす細菌を抑制します。
キノロン系の外用抗菌剤で、細菌のDNAの複製を防ぐことにより、殺菌作用を示します。
これにより、炎症や化膿性炎症を伴うざ癒（ニキビ）を軽減し、新しいニキビの発生を防ぐことが期待されます。
上記の医薬品は、皮膚科での処方が必要になります。
気になる方は、一度皮膚科に相談してみてください。
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腕ニキビのセルフケア
美容皮膚科への通院が難しい場合でも、自宅で腕のニキビに対する適切なケアが可能です。
日常的の簡単なスキンケアで、腕のニキビを軽減できる方法を解説します。
腕をやさしく洗い保湿する
①泡でなでるように洗う
ゴシゴシと洗ってしまうと腕の肌がダメージが受けてしまい、乾燥しやすくなってしまいます。
泡でなでるようにして洗うことで、肌へ与える刺激を最小限に抑えるようにしましょう。
②シャワーで優しく洗い流す
弱めのシャワーでやさしく洗い流すようにしましょう。
蛇口から出る水やお湯を、直接腕に当てて洗い流すと水圧によって角質を落とし過ぎる場合があります。
③ぬるめの湯船につかる
38〜40度のぬるめのお湯に15分程度浸かりましょう。
湯温が熱すぎると皮脂が過剰に取り除かれ、肌を乾燥させる可能性があるので注意しましょう。
④化粧水やクリームで保湿する
化粧水やクリームで保湿するようにしましょう。
以下の3つの順番で意識して行うようにしましょう。
①タオルで軽く押さえるように拭く
②化粧水を塗る
③体にボディケアアイテムを塗る
また、③ではヒルドイドなどの皮膚に適度な水分を保持させ乾燥や刺激などから皮膚を守るものでボディケアをしましょう。
▼ヒルドイドについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください
ヒルドイド（ヘパリン類似物質）の保湿・美容効果や使用時の注意点を解説！
紫外線対策をする
紫外線は肌を乾燥させ、肌の保湿力を低下させます。
その結果、皮脂の過剰分泌とアクネ菌の増殖が起こりやすくなり、腕のニキビの原因となります。
したがって、紫外線対策は腕のニキビを予防する上で非常に重要です。
ここでは、効果的な紫外線対策の方法を2つ紹介します。
日焼け止めを塗る
日焼け止めを塗ることで、紫外線によるダメージから肌を保護できます。
ニキビ肌には、毛穴詰まりを防ぐノンコメドジェニックな日焼け止めを選ぶことをおすすめします。
日焼け止めは、UVBをカットするSPF30以上の製品を選び、外出時はかならず塗るようにしましょう。
日傘をさす
日傘を使うことで、直接の日光を遮断し紫外線によるダメージから肌を保護することができます。
日傘を使用する際は、できるだけ紫外線カット率の高いものを選びましょう。
また、先述した日焼け止めと併用することで、肌へのダメージを最小限に抑えることができます。
肌にやさしい素材の衣類を選ぶ
腕のニキビは衣類との接触により悪化することがあるため、肌に優しい素材を選ぶことが大切です。
摩擦の多い衣類は肌を刺激し、乾燥を招きます。その結果、アクネ菌が増えてニキビが悪化します。
柔らかく肌ざわりの良い素材を選ぶことで、この影響を緩和できます。
ここでは、ニキビに適した3つの素材を紹介します。
綿
綿は通気性があり、肌に優しい素材です。
汗を吸収して蒸れを防ぎ、肌を快適な状態に保ちます。
また、綿は天然繊維であり、化学的な処理が少ないため、肌に対する刺激が少ないとされています。
レーヨン混
レーヨン混は通気性が高く、蒸れにくい素材です。
ただし、個人差があるため、敏感肌の人は刺激を感じる可能性があります。
はじめは患部の大部分は覆わず、部分的に試してみて肌の反応を確認すると良いでしょう。
シルク
シルクの繊維は滑らかで柔らかく、通気性があります。
シルクは吸湿性があり、余分な油分を吸収してくれるため、過剰な皮脂がニキビの原因となるのを緩和してくれる可能性があります。
また、シルクは肌に与える刺激が少ないため、敏感肌やアレルギーを持つ人にも適しているとされています。
腕のニキビが治らない人は医師に相談
腕のニキビは様々な原因で発生しますが、適切なセルフケアと治療によって改善できます。
特にセルフケアでは、肌を優しく洗浄して保湿を心がけること、紫外線対策を徹底すること、肌に優しい素材の衣類を選ぶことが大切です。
こうした日常のスキンケアを継続することで、腕のニキビを軽減させることが期待できます。
しかし、自宅でのケアで改善しない場合は、早めに医師の診断を受けることをおすすめします。
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福田麻衣 医師
美容皮膚科/美容外科
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