ピルはニキビに効果がある?低用量ピルによる肌荒れ悪化の真偽について解説

カレンダーと内服薬

ピルでニキビの改善ができるのか、多くの女性が気になるところではないでしょうか。
生理不順や生理痛改善などの女性の悩みの解決を主な目的として使用されるピルは、実は、ニキビの改善効果もあると言われます。

ピル服用から2~3ヵ月で肌がつるつるになったと実感する人もいるようです。

この記事では、ピルがニキビ改善に果たす役割と、「肌荒れが悪化する」という噂の真偽について解説します。

この記事でわかること

  • ピルはホルモンバランスを整えてニキビを改善することができる
  • ピルの飲み始めは、一時的にニキビが増える可能性がある
  • ピル以外にも、漢方薬や内服薬、外用薬など、ニキビに効果的な治療薬がある
この記事の著者

ARK SKIN CLINIC

吉武 彰子先生

美容皮膚科

患者様に愛されるクリニックを目指して

患者様のライフスタイルや価値観に寄り添い、治療提案ができるよう幅広いメニューをご用意しております。 美容治療が初めての方にもご安心いただける明瞭な料金システムのもと、早くお悩みが解消できるよう適切的確な診療に努めております。 ご来院いただいた際には、心安らぐ気持ちの良い空間と接遇で患者様をお迎えすることをお約束いたします。

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ピルはニキビを改善する効果がある

ニキビの原因のひとつに、ホルモンバランスの乱れがあります。
ホルモンバランスが乱れると、皮脂が過剰に分泌されニキビができてしまいます。

ピルは、避妊薬としてだけではなく、ホルモンバランスを整えてニキビを改善する効果があります。

ピルがニキビ改善にもたらす影響について詳しく見ていきましょう。

「黄体ホルモン」の分泌を抑える

ピルを服用すると、ニキビの原因となる「黄体ホルモン」の増加を抑えることができます。
黄体ホルモンには、皮脂の分泌を促す働きがあります。
そのため、黄体ホルモンの増加が、皮脂の過剰分泌とニキビの発生につながるのです。

「生理前ににニキビができやすい」と感じるのも黄体ホルモンの増加が関係しています。
ピルは、黄体ホルモンの分泌を抑え、皮脂の過剰な分泌を抑制しニキビができるのを防いでくれます。

「エストロゲン」の減少を防ぐ

ピルは、肌のバリア機能を高める「エストロゲン」の減少を防ぐ働きがあります。
エストロゲンは、女性らしい体をつくったり、コラーゲンの生成を促進することから「美人ホルモン」とも呼ばれています。
エストロゲンが減少すると、肌のバリア機能が低下しニキビや肌荒れが起こりやすくなります。

生理前・生理中に減少する傾向があるので特に要注意です。
ピルの服用によってエストロゲン減少が防がれることで、肌のバリア機能が保たれ、ニキビのできにくい肌へと導かれます。

ニキビの改善効果があるピルの種類

そもそも、ピルがニキビに効果をもたらすのは、ピルに配合されているエストロゲン(女性ホルモン)がアンドロゲン(男性ホルモン)を抑えるからです。

ただ、全てのピルがアンドロゲンを抑えるわけではありません。

今回は、アンドロゲンを抑え、ニキビ治療に効果のあるピルを3つ紹介します。

マーベロン

マーベロンは低用量ピル(経口避妊薬)の一つです。
黄体ホルモン「デスゲストレル」が配合されており、男性ホルモン(アンドロゲン)を抑えられるのが特徴です。
男性ホルモンを抑えることで、皮脂の分泌を抑制でき、他のピルよりもニキビを改善することができるというわけです。

ファボアール

ファボワールは、マーベロンのジェネリック医薬品です。
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品と同じ有効成分で作られ、厚生労働省から認可を得たお薬のことです。

唯一の違いは、価格です。
ジェネリック医薬品は、研究開発に要する費用が低く抑えられるので先発医薬品よりも安く購入することができます。
つまり、ファボワールは費用を抑えながらマーベロンと同じ効果を期待できます。

ヤーズフレックス

ヤーズフレックスは、比較的ホルモンの量を抑えた「超低用量ピル」のことです。
含まれているホルモンの量が少ないため、副作用が出る可能性が低いのが特徴です。
また、もともと超低用量ピルは、子宮内膜症や月経困難症の治療に用いられます。

そのため、生理痛や生理前の食欲増加、むくみがひどいという方にもおすすめです。

ピルでニキビが悪化することもある

ピルの服用はニキビを悪化させることがあります。
特に、ピルの「飲み始め」とピルを「やめた時」はニキビができやすいので注意しましょう。

ピルの飲み始めはニキビが増えやすい

ピルの飲み始めは、ニキビが増えることがあります。
原因は、一時的なホルモンバランスの乱れです。
ホルモンバランスの乱れが皮脂分泌を刺激し、ニキビができるのです。
たいていは、継続して飲んでいれば自然に治まります。

ピルの服用をやめたら肌荒れする場合もある

ピルをやめた時もニキビや肌荒れに注意しなければいけません。
ピルをやめると、今まで調整していたホルモンバランスが乱れてしまいます。
ホルモンバランスが乱れると、ニキビが増えたり肌荒れしやすくなったりします。
ピルをやめた時にニキビができてしまった方は、これから紹介するピル以外でのニキビ治療法も考えてみましょう。

ピル以外のニキビ治療薬

ピルの主な目的は生理痛の改善です。
そのため、ニキビ治療のみを考えている方は専用の治療薬の使用がおすすめです。

また、ニキビの原因が紫外線や睡眠不足、乾燥などホルモンバランスの乱れ以外の方は、ピルでのニキビ改善は期待できません。

次からは、ニキビへの治療効果があるピル以外の「漢方薬」「内服薬」「外用薬」を紹介します。

生理痛も緩和する「漢方薬」

漢方薬は、体質改善を目的としており、服用することでニキビのできにくい肌を目指すことができます。

以下では、ニキビと女性特有の悩みを解決してくれる漢方薬を4つ紹介します。

当帰芍薬散

特徴
血行を改善し身体を温める
効果

更年期障害の緩和
不妊・妊娠などの症状緩和
毛穴詰まりによるニキビの改善 
むくみ・便秘の改善
副作用

食欲不振
▼さらに詳しくは以下の記事をチェック!
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の効果は?副作用や合わない人の特徴を解説

桂枝茯苓丸加薏苡仁

特徴
血行を良くする
体力の衰えがない人向け
効果

シミやニキビなどの肌悩みの改善
冷え性やめまい の改善
むくみや便秘 の解消
子宮筋腫 ・不妊症・月経不順の改善
副作用

皮膚の発疹・発赤・かゆみ・食欲不振・胃の不快感・下痢・肝機能の異常
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桂枝茯苓丸加薏苡仁の美肌効果とは?効くまでの服用期間や副作用を解説!

加味逍遙散

特徴
血行を良くする
ホルモンバランスを整える
効果

ニキビや肌荒れの改善
冷え性の改善
生理不順・生理痛・PMSの改善
更年期障害の緩和
抑うつ、不妊症、めまいの改善
副作用

皮膚の発疹・発赤・かゆみ・胃の不快感・吐き気・手足のだるさやしびれ・皮膚や白目の黄色化
▼さらに詳しくは以下の記事をチェック!
加味逍遙散(かみしょうようさん)の効果や副作用で合わない人の特徴とは

肌のターンオーバーを促進する「内服薬」

ここで紹介する内服薬は、医療用医薬品のなかでも肌悩みの改善に効果的な「美容内服」とよばれるものです。

美容内服は、医療機関での処方が必要となります。

化粧品やサプリよりも効能が強いため、より効果を感じたいという方におすすめのニキビ治療法です。

ユベラ

特徴
ビタミンEが主成分
抗酸化作用と血行促進作用をもつ
ホルモンバランスを整える
効果

ニキビ・シミの改善
しわ・たるみの改善
冷え性の緩和
コレステロール・中性脂肪の軽減
着床障害の改善
副作用

便秘・胃の不快感
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ユベラという内服薬の画像 「ユベラ」の効果と副作用を徹底解説!処方薬と市販薬の違いとは?

ハイチオール

特徴
主成分はL-システインというアミノ酸
抗酸化作用と肌の代謝を促す作用を持つ
効果

ニキビ・ニキビ跡の改善
シミ・そばかすの改善
疲労・二日酔いの改善
副作用

悪心・下痢・口の乾き・軽度の腹痛
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ハイチオールは医薬品?シミ改善だけではない美容効果や副作用を解説

シナール

特徴
ビタミンCビタミンB5)が含まれている
メラニンの生成を抑制する作用と抗酸化作用・肌のバリア機能を回復する作用がある
効果

シミの予防
ニキビの改善
肌にハリとツヤを与える
副作用

下痢・嘔吐・胃の不快感・悪心
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シナールという内服薬の画像 シナールの効果的な飲み方を解説!シミやニキビへの美容効果と注意点も紹介

内服の併用リスクを避けられる「外用薬」

ピルと美容内服は相性の悪いものがあります。

ピルは血液を固まりやすくする作用があるため、同じ作用を持つ、例えば「トランサミン」のような美容内服は、同時に服用することで血栓症のリスクを高めてしまいます。

内服との併用リスクを抑えたい方は、から紹介する外用薬の使用がおすすめです。

アクアチム

特徴
抗生物質として、細菌による感染を防ぐ
長期間使用すると効果が薄れる 
効果

ニキビ・とびひ・水虫・おできの改善
口唇・陰部の感染症(ヘルペス)の改善
副作用

かゆみ・刺激感・ほてり・接触皮膚炎・皮膚の乾燥
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「アクアチム」のニキビ治療薬としての効果や軟膏・クリームの正しい使い方

ベピオゲル

特徴
主成分は過酸化ベンゾイル
抗生物質は含んでいない
抗菌作用とピーリング作用がある
効果

ニキビの改善
副作用

赤み・刺激感・かぶれ・湿疹
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ベピオゲルという外用薬の画像 べピオゲルの効果と副作用を解説!赤みはいつ引く?やめどきと使い方のポイント

よくある質問

ニキビにお悩みで、効果的に肌質を改善したい場合、ピルと美容内服の併用をしたいと考える方も多いかと思います。
今回は、ピルと美容内服の併用について、「アークスキンクリニック」の吉武先生にお答えいただいています。

ピルと美容内服は併用していいの?

相談者
相談者

ピルと美容内服は併用していいんですか?

吉武先生
吉武先生

ピルの服用中は、血液が固まりやすく、血栓を引き起こす可能性があります。血液を固まりやすくする作用のある美容内服である「トランサミン」などとの飲み合わせが気になる方は医師に相談してください。

当院では、種々のビタミン剤やイソトレチノイン、ピルを組み合わせてオーダーメイドの内服をご提案しております。ニキビにお悩みの方は一度診察にお越しください。

ピルの服用やニキビ治療をしたい方は医師に相談

ピルは、ホルモンバランスの乱れによるニキビの改善に効果があることがわかりましたね。

ただ、ピルの本来の目的は生理痛の緩和です。

また、ホルモンバランスの乱れ以外の睡眠不足や栄養不足といったニキビを治すことはできません。

ニキビを治すには、ピル以外の選択肢もあります。

ピル以外のニキビ治療薬は東京美肌堂にあるので、オンライン診療で自分にあったニキビ治療薬を処方してもらいましょう。

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