足にニキビみたいなものができた…。
ニキビは、背中などの身体のさまざまな箇所にできるため、ニキビができたと思う方も多いですよね。
足にニキビができることもありますが、足の皮疹は毛包炎などの皮膚炎の可能性が高いです。
毛包炎の場合は、ニキビと違う治し方になるため、自分の症状を正しく把握することが大切です。
この記事では、足にできるニキビのようなものの正体を解説していきます。
症状の簡単診断もついているので、参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
- 足にもニキビはできるが他の皮膚炎の可能性がある
- 皮膚疾患ごとに治し方が異なるので正しく症状を見分けるのが重要
- 足にできやすい代表的な症状には毛包炎・化膿性汗腺炎などが挙げられる
目次
足にニキビができることはある?
足にニキビができるのは、不思議に思う方も多いかもしれません。
ですが、足にもニキビができることはあります。
毛穴があるためニキビができることはある

ニキビは、皮脂や汚れが毛穴に詰まったり、アクネ菌が繁殖することで発生します。
皮脂の分泌量多く毛穴が詰まりやすい顔や背中には、ニキビができる方が多い傾向にあります。
同様に足にも毛穴はあるため、毛穴に皮脂や汚れが溜まってしまったり、アクネ菌が繁殖することで、ニキビができる可能性があるのです。
ニキビではない他の症状の可能性もある
足は、立つ・歩くなどによる摩擦や衝撃で、角質が硬く厚くなりやすい特徴があります。

また、靴や靴下による蒸れも発生しやすい部位です。
これらがきっかけとなり、毛包炎などのニキビと似た別症状を起こす可能性もあるのです。
足のニキビの見分け方と症状
足にぽつっとできたものの正体は、場所や色などの特徴から判断できる場合があります。
「見た目の色や硬さ」・「匂いの有無」・「できた場所」から、自分の症状を診断してみましょう。
診断
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※診断結果は、参考程度にご活用ください。
皮脂の毛穴詰まりでできる「ニキビ」

ニキビは、皮脂や汚れにより毛穴が詰まり発生する皮膚炎です。
ぽつんと単体でできることが多く、においはありません。
炎症していると赤色になりますが、炎症していない場合は、白っぽく現れます。
皮脂量の多い場所や乾燥による皮脂分泌によって発生し、足ではスネや膝にできる方が多いです。
足の付け根にできる「化膿性汗腺炎」

化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)は、摩擦などの刺激により毛包や脂腺が塞がることが原因です。
毛包・脂腺・アポクリン腺などの皮脂や汗を排出する部分に、分泌物が溜まることで発生します。
皮膚内で細菌感染を繰り返し、赤くぶつぶつした状態や柔らかく膿を持った状態になります。
膿を持つと、何度も赤みや痛みを繰り返す場合もあります。
足にできる場合は、太ももの内側や付け根にできることが多いです。
赤く炎症して広範囲に出る「毛嚢炎(毛包炎)」

毛嚢炎(もうのうえん)は、ムダ毛処理後の傷などから毛穴に細菌が入り込み炎症することが原因です。
毛包とは、毛穴の奥の毛根を包んでいる部分を指します。
赤く炎症を起こし、しばしば痛みも伴い、広範囲に現れるのが特徴で、稀に酸っぱい匂いがすることがあります。
ムダ毛処理をする部分にできやすいですが、特にムレやすい太もも付近に現れたりします。
角質が厚くなる「タコやウオノメ」

タコやウオノメは、日々の生活の中での負担や摩擦により、角質が厚くなることが原因です。
患部の真ん中に芯のような硬い部分ができ、硬くなった部分を少し削っても出血しないのが共通点です。
硬くなった部分を押したときの痛みの有無で見分けることが多く、痛みがある場合はウオノメの可能性が高いです。
摩擦や圧迫を受けやすい、足の裏の突出したところや、足の指のふちにできやすい傾向にあります。
丸いこぶの中心が黒い「粉瘤」

粉瘤(ふんりゅう)の主な原因は不明ですが、外傷からの刺激により皮膚に下に袋ができ、その中に角質や皮脂が溜まることでできると考えられています。
患部の真ん中に開口部と呼ばれる黒く丸いこぶができ、魚が腐った時のような独特のにおいを持つ点が特徴です。
粉瘤は、足の裏に発症することが多いです。
小さな水ぶくれができる「掌蹠膿疱症」

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の詳しい原因は不明ですが、扁桃炎などの慢性的な感染症が関係してできると言われています。
膿を持った膿疱が足の裏・スネ・膝に数多くできる特徴を持ちます。
良くなったり悪くなったりを周期的に繰り返すため、慢性化しやすい皮膚病とされています。
足にできたニキビや皮膚疾患の治し方
足にできやすい皮膚疾患には、さまざまな種類があり、それぞれ治し方が異なります。
自身の足の症状の見分けがついたら、次は治し方を理解しましょう。
ニキビはアクネ菌を殺菌する
ニキビを治すには、毛穴の中で繁殖したアクネ菌を殺菌することが大切です。
また、ニキビを予防するには、足を毎日きちんと洗い、適度に保湿することで毛穴の詰まりを防ぐ必要があります。
次からは、ニキビ治療において代表的な外用薬と内服薬をいくつかご紹介します。
足にできたニキビを治すには、外用療法が推奨されていますが、外用薬と内服薬を併用することで、より効果的に治療を進めることができます。

ベピオゲルは、アクネ菌の増殖を阻害して、毛穴が塞がるのを防ぐ効果を期待できる医療用医薬品です。
この外用薬は炎症性・非炎症性の両方のニキビに使用できます。
以下でさらに詳しく解説!


ノイロビタンは、ビタミンB2やB6を始めとした4種類のビタミンが配合された医療用医薬品です。
皮脂分泌量を調整する働きがあり、ニキビの原因である毛穴詰まりを改善する効果が期待できます。
また、皮膚の炎症を抑える働きも持つため、炎症性ニキビの症状に効果的です。
以下でさらに詳しく解説!

化膿性汗腺炎は抗菌薬で細菌の繁殖をおさえる
化膿性汗腺炎は、皮膚の中の黄色ブドウ球菌・表皮ブドウ球菌・大腸菌が炎症を引き起こしています。
症状の重度に個人差があるため、治し方が異なります。
軽症の場合は、患部の清潔を保ちつつ抗菌薬を使用することで改善を期待できます。
重症の場合、皮下注射や外科手術が必要になることもあるため、症状の進行度を正しく見極めることが必要です。
化膿性汗腺炎の細菌を抑える薬としては、以下のような外用薬や内服薬が使われます。

クリンダマイシン酸エステルは、細菌タンパク質の合成を防止する作用がある医療用医薬品です。
この作用により、化膿性汗腺炎の原因菌「黄色ブドウ球菌」の増殖を防ぐことができるのです。
抗生物質は耐性菌が発生するため、長期間使用すると効果が薄れてしまう可能性があります。医師に指示された通りの使用期間を守りましょう。
毛嚢炎は肌を綺麗に保つ
毛嚢炎は肌自身の治癒力で改善することが多い疾患です。
肌への物理的な刺激や汚れを避け、清潔に保つことで毛嚢炎の悪化を予防できます。
ただし、放置すると炎症が進み、茶色い色素沈着が生じる場合があるので注意が必要です。
毛嚢炎は外用薬を用いることで、より効果的な治療ができます。

ゼビアックスは、毛嚢炎の原因菌「黄色ブドウ球菌」を抗菌する作用を持つ医療用医薬品です。
患部を清潔にしたあと、1日1回患部にピンポイントで塗るようにしましょう。
ゼビアックスにはアルコールの含有量が異なるローションタイプと軟膏タイプがあります。
以下でさらに詳しく解説!

タコやウオノメは角質を柔らかくする
タコやウオノメは薬剤で角質を柔らかくした後、中心部の「眼」を切ることで治します。
使用する薬は、サリチル酸ワセリンなど角質を柔らかくさせる働きを持つ成分が配合されている薬を使用します。
また、タコやウオノメを予防するにはサイズに合った靴を履くなど、足に負担をかけない工夫が必要です。
乾燥した角質を湿らせる作用のある乳酸と角質を柔らかくするサリチル酸配合の市販薬です。
薬を塗布したあとに患部を保護するパッドがついています。
サラっとした質感で、1滴ずつ患部に塗布して使用します。
粉瘤は手術で摘出する
粉瘤は基本的に皮膚の下に嚢腫ができているため、この嚢腫を取り除く手術が必要になります。
粉瘤部分に炎症が起きているときは、抗菌薬で炎症を抑えてから嚢腫を取り除きます。

アクアチムは、抗生物質として細菌の感染を防ぐ医療用医薬品です。
粉瘤の痛みやかゆみがひどい場合に用いられることがあります。
抗生物質は、長期間使用すると耐性菌の出現で効果が薄れやすいため、医師と相談しながら使用しましょう。
以下でさらに詳しく解説!

膿などが出てしまうと自己処理したくなりますが、再発のリスクが高くなるため、専門医のもとで治療しましょう。
摘出方法について詳しくは以下の記事で紹介!

掌蹠膿疱症は症状に合わせて診断する
掌蹠膿疱症は、まずは病気を悪化させる因子を取り除き、それでも良くならない場合は内服薬・外服薬などを使う薬物療法を用います。
治療薬や治療方法は複数あるため、個々人の症状や発症原因に合わせて治し方を医師に相談しましょう。
また、掌蹠膿疱症を予防するためには規則正しい生活に加えて口内環境や体調を整えることも大切です。
- 病巣感染や金属アレルギーなどの要因を取り除く悪化因子の除去
- ステロイド軟膏などの塗り薬による外用療法
- 「ネオーラル」「チガソン」などの内服療法
- 光源ランプを用いた光線療法(紫外線照射)
- 注射療法(生物学的な製剤による治療)
足のニキビは専門医に相談しよう
足にできるニキビは、ニキビの場合とニキビに似た別症状の可能性があります。
治療せずに放置してしまうと、治りにくかったり肌に色素沈着が残ってしまうかもしれません…。
ニキビとニキビに似た症状は見た目が似ているため、症状の判断に迷った際は専門医に相談しましょう。
専門医に相談する方法としては、直接皮膚科に行く方法とオンラインで相談する方法があります。
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東京山手クリニック
都丸真依子 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌作りをサポートさせていただきたいと考えております。一人一人違ったお肌のお悩みに寄り添い、適切な治療法を提案することで、見た目だけでなくインナーケアの改善もお手伝いさせていただけたら幸いです。少しでもお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。