ビタミン剤を皮膚科で処方してもらうには?
皮膚科でビタミン剤を処方してもらうには、皮膚科または美容皮膚科を受診する必要があります。
処方してもらえるかどうかは、治療目的か美容目的かによって異なります。
美容目的でビタミン剤を服用したい場合は、美肌治療の目的で処方が受けられる美容皮膚科を受診しましょう。
本記事では、ビタミン剤を処方してもらう方法と、各ビタミン剤の特徴について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 皮膚科では治療目的でビタミン剤の処方を受けられる場合がある
- 治療ではなく美肌のための服用の場合は美容皮膚科で処方を受けられる場合がある
- 皮膚科や美容皮膚科で処方される代表的なビタミン剤はシナールやユベラ
目次
皮膚科でビタミン剤は処方してもらえる?

皮膚科では医師の診断のもとビタミン剤の処方を受けることが可能です。
ただし、ビタミン剤を処方してもらう場合、保険適用内の場合と、保険適用外の場合があるので注意が必要です。
本章では、保険適用の可否や処方の判断基準について解説します。
治療目的の場合は保険適用内で処方される

皮膚科での治療目的、つまり「病状の治療」を目的とした診療では、保険適用で、ビタミン剤が処方されます。
具体的には以下のような症状に対して処方が検討されます。
- ニキビ
- 口内炎
- 湿疹
- ケガや火傷による炎症後の色素沈着
- 栄養不足や吸収障害によるビタミン欠乏症
- 特定の皮膚疾患に対する補助療法や栄養補給
- 敏感肌による肌荒れ
- アレルギー症状による肌トラブル
これらの症状に対して、医師の判断により適切なビタミン剤が処方されます。
ただし、保険診療の場合は医師の判断に基づいて処方されるため、患者が希望するビタミン剤を必ずしも処方してもらえるとは限りません。
症状の程度や治療の必要性を医師が総合的に判断して、処方の有無が決められます。
美容目的の場合は保険適用外で処方される

美容目的での診療、つまり「肌の状態をより良くしたい」「美肌になりたい」などの美容を目的とする診療の場合は、ビタミン剤は保険適用外となります。
保険診療を実施しているクリニックや医療機関でも、美容目的の治療と診断された場合は、保険が適用されません。
自由診療専門のクリニックではすべての診察や処方が保険適用外となります。
なお、美容目的の場合は、重度の皮膚疾患がなくても、美肌や予防のためにビタミン剤を処方してもらえる可能性があります。
ビタミン剤の処方を希望する場合は、以下のポイントに注意しましょう。
- 現在の肌の悩みや気になる症状を具体的に説明する
- ビタミン剤による治療に興味があることを医師に伝える
- 自費診療での美容治療を希望する場合は、その旨を最初に伝える
皮膚科で処方してもらえるビタミン剤の種類と効果

皮膚科や美容皮膚科でもらえるビタミン剤は、栄養素が不足していて、それによって肌荒れやニキビ、シミなどの肌悩みが発生している方におすすめです。
ビタミン剤にはそれぞれ特徴的な効果があり、症状や目的に応じて適切なビタミン剤が選択されます。
本章では、皮膚科で処方してもらうことのできる代表的なビタミン剤を4種類紹介します。
抗酸化作用で健康な肌状態を保つ「シナール」

- 肌の老化の原因である「肌の酸化」を抑制する、抗酸化作用を持つ
- メラニン色素の生成を抑制する働きを持つ
- コラーゲンの産生を促進させる作用を持つ
- 抗酸化作用によってシミ・シワ・たるみを改善する
- メラニン色素の生成を抑え、シミを改善する
- コラーゲンの生成を促進し、肌にハリやツヤを与える
- 1〜3錠を複数回に分けて飲む
- 食後/就寝前に飲む
- 水またはぬるま湯で飲む
- まれに消化器系の不快症状が現れる
シナールは、ビタミンCを主成分とする医療用医薬品です。
抗酸化作用・メラニン色素の生成抑制作用・コラーゲンの産生促進作用を持ちます。
美容目的の診療の場合、主にシミや肝斑の治療時に処方されるビタミン剤です。
色素沈着を改善する「ユベラ」

- 血行促進作用で、肌の新陳代謝(肌のターンオーバー)を促進する
- 肌の老化の原因である「肌の酸化」を抑制する、抗酸化作用を持つ
- ホルモンバランスを整える働きを持つ
- ターンオーバーを促進し、シミ・肝斑・ニキビ跡を改善する
- 抗酸化作用によってシミ・シワ・たるみを改善する
- 生理不順やストレス、生理前の肌荒れの防止を助ける
- 1~2錠を、2~3回に分けて飲む
- 食後30分以内に飲む
- 水またはぬるま湯で飲む
- まれに便秘、胃部不快感、下痢、発疹などが起こる
ユベラは、ビタミンEが主成分として配合されている医薬品です。
血行促進作用があり、肌の新陳代謝を促進することで毛穴詰まりの改善をサポートします。
炎症を抑えてツヤを与える「ビオチン」

- 皮膚の炎症やかゆみの原因となる「ヒスタミン」の生成を抑制する
- 血行促進作用で、肌の新陳代謝(肌のターンオーバー)を促進する
- 体内でのタンパク質の合成をサポートする
- ヒスタミンの生成を抑制し、炎症や痒みを抑えてツヤを与える
- ターンオーバーを促進し、シミ・肝斑・ニキビ跡を改善する
- タンパク質の合成をサポートし、皮膚や粘膜の健康を保つ
- 1回0.5~2mgを1日1~3回に分けて飲む
- 朝昼晩の食後30分以内に飲む
- 水またはぬるま湯で飲む
- 大量に摂取しても速やかに排泄されるので、副作用や過剰症はみられない
ビオチンは、ビタミンB群を主成分とする水溶性のビタミン剤です。
皮膚や粘膜、髪の健康を保つ働きがあるという特徴を持ちます。
治療目的の診療の場合、アトピーや皮膚炎などの症状に対して処方されます。
美容目的の診療の場合、主に肌荒れやニキビの予防や改善を目的に処方されます。
皮脂の分泌を抑える「ピドキサール」

- 皮脂の過剰分泌を抑える働きを持つ
- メラニン色素の生成を抑制する働きを持つ
- 肌の新陳代謝(肌のターンオーバー)を促進する
- 皮脂の過剰分泌を抑え、毛穴詰まり・ニキビを改善する
- メラニン色素の生成を抑制し、シミ・肝斑を改善する
- ターンオーバーを促進し、シミ・肝斑・ニキビ跡を改善する
- 1〜6錠を1〜3回に分けて飲む
- 朝昼晩の食後30分以内に飲む
- 水またはぬるま湯で飲む
- 発疹などの過敏症状が出ることがある
ピドキサール(ピリドキサール)は、ビタミンB6を主成分とするビタミン剤です。
ビタミンB6は、タンパク質の分解を助け、皮脂の分泌量を調整する作用を持ちます。
治療目的の診療の場合、ニキビ治療の際に処方されます。
美容目的の診療の場合、肌荒れからシミ改善まで、幅広い目的で処方されます。
▼ピドキサールについて詳しくは以下をチェック
「トランサミン」と併用することでビタミン剤の効果を向上できる

トランサミンとビタミン剤を併用することで、より効果的な肌の改善が期待できます。
トランサミンとは、「トラネキサム酸」を主成分とした医薬品で、色素沈着や赤みの改善を主な目的としています。
トランサミンと各ビタミン剤を併用することで得られる効果について解説します。
シナールのメラニン排出促進作用とトランサミンのメラニン生成抑制作用によって、より効果的なシミ対策が可能となります。
シナールによって既存のメラニンを排出しながら、トランサミンで新たなメラニンの生成を抑制します。
これにより、現在のシミを改善しつつ、新しいシミの発生を予防することができます。
ユベラとトランサミンを併用して使用することで、より効果的なシミ対策が可能となります。
ユベラの血行促進作用によりメラニン色素の排出を促し、同時にトランサミンでメラニン色素の生成を抑制します。
これにより、既存のシミの改善と新規シミの予防という二重の効果が期待できます。
ビオチンとトランサミンを併用して使用することにより、赤みを伴うニキビ・肌荒れに対し、より効果的なアプローチが可能となります。
ビオチンの炎症抑制作用とトランサミンの赤み改善効果により、炎症と赤みを同時に改善することができます。
肌の炎症と赤みの沈着に対策できるため、トラブル後の肌への負担も軽減されます。
ピドキサールとトランサミンを併用して使用することで、ニキビとシミの二つの肌トラブルに同時にアプローチすることができます。
ピドキサールによる皮脂分泌抑制作用とトランサミンのメラニン色素生成抑制作用により、ニキビを予防すると同時にシミの発生も予防します。
皮膚科で処方してもらうビタミン剤を服用する際の注意点

皮膚科で処方してもらうビタミン剤を服用する際には、いくつか注意が必要です。
ドラッグストアなどで販売されている市販薬に比べ、処方薬のビタミン剤は有効成分の含有量が多いです。
その分、高い効果を期待することができますが、副作用のリスクも高まるので注意が必要です。
他の薬との併用には注意が必要な場合がある

皮膚科でもらうビタミン剤は、医薬品として認定されており、有効成分の含有量が市販品より多い傾向があります。
成分の吸収や効果に影響がでる場合があるため、特定の薬とは併用できない場合があります。
皮膚科医に処方してもらう際に、市販薬・漢方薬問わず、現在服用している薬を医師に伝えるようにして下さい。
効果の実感には長期継続が必要

ビタミン剤の効果を実感するには、長期的な継続が必要な場合があります。
これは、肌のターンオーバーが約28日周期で行われているためです。
ビタミン剤は肌のターンオーバーを促進して、肌の状態を健康に保つことで、ニキビやシミの改善に働きかけます。
肌のターンオーバーが繰り返される中でだんだんと肌悩みが改善していくことが多く、短期間では効果を実感できない場合があります。
ビタミン剤を処方してもらうには皮膚科で相談しよう

皮膚科でビタミン剤を処方してもらうには、皮膚科または美容皮膚科を受診する必要があります。
また、ビタミン剤を処方してもらえるかどうかは、自身の症状によって異なるため、一度受診をしましょう。
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東京山手クリニック
藤原東華 医師
当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。