【肝斑とシミの見分け方のポイント】そばかすとの違いや治療方法まで解説

「肝斑とシミの見分け方が分からない…」とお困りの皆さん、

実は「肝斑はシミの一種」ということを知っていますか?

シミと呼ばれるものには、肝斑やそばかすなど、さまざまな種類があります。

そして、シミの種類によって適切な治療方法も異なります。

肝斑とシミを見分けられないまま、誤った治療を行うと、かえって悪化させてしまう可能性も…。

そこで、本記事では肝斑とシミの見分け方を詳しく解説します!

いち早く改善するためにも、正しく理解して、適切な方法でケアしていきましょう。

肝斑とシミは正しく見分けることが重要

シミにはさまざまな種類が存在します。

シミの種類が違えば、適切なケア方法も異なります。

例えば、肝斑をシミだと思いこみ、誤ってレーザー治療をしてしまうと、悪化する場合があるので、注意が必要です。

そのため、シミは種類や症状を正しく見分けることが重要になります。

正しく見分けるためのコツを押さえましょう。

肝斑とシミの見分け方

肝斑はシミの一種ですが、紫外線や老化が原因で発生する、一般的なシミとは種類が異なります。

まずは、肝斑の特徴を簡単にチェックしてみましょう。

発生場所 頬、鼻の下、あごなどに左右対称に現れる
薄茶色
大きさ さまざま
境界線がはっきりせず、輪郭がぼんやりとしている
原因 女性ホルモンの乱れ(※肝斑の明確な原因はわかっていません)
発生しやすい年齢 30代~50代の更年期にさしかかる時期

肝斑の最大の特徴は、左右対称に現れるという点です。

ただし、ほかのシミも、偶然左右対称のように現れることがあります。

そのため、さまざま観点から、肝斑と「そのほかのシミ」を見分けていくのがおすすめです!

肝斑以外の代表的なシミには、老人性色素斑・そばかす・後天性メラノサイトーシス・老人性イボなどが挙げられます。

肝斑と「そのほかのシミ」の見分け方や、治療方法を1つずつ見ていきましょう。

肝斑と老人性色素斑は「輪郭」が違う

※各画像はイメージのため、実際の症例とは違う場合があります。

老人性色素斑とは、一般的に「シミ」と認識されているシミの代表格です。

肝斑と老人性色素斑を見分ける際は、「輪郭」に注目すると見分けられるかもしれません。

老人性色素斑は境界がはっきりしている

老人性色素斑の特徴の一つは、境界がはっきりしていることです。

一方、肝斑は、シミ一つひとつの境界がぼんやりしています。

老人性色素斑は、茶褐色~茶色のものが多いと言われています。

また、肝斑の色は、薄茶色であることが多いです。

ただし、肝斑も、紫外線や摩擦ダメージを受けると、濃く変色する可能性があります。

そのため、色のみで見分けることは難しいかもしれません。

ほかにも、肝斑と老人性色素斑の見た目の違いは以下の通りです。

肝斑 老人性色素斑
薄茶色
(※濃くなる可能性もあり)
茶色~茶褐色
輪郭が曖昧でぼんやりとしている 円または楕円
大きさ もやっと広がっている 約5~10mmの米粒程度
発生のしかた 顔に左右対称に現れる 1つまたは点々と、あらゆる部位に現れる
(※左右対称に現れる場合もあり)

老人性色素斑の原因は紫外線

老人性色素斑ができてしまう原因は、紫外線です。

紫外線が原因でできることから、別名「日光黒子(にっこうこくし)」「日光性色素斑」などとも呼ばれます。

紫外線を浴びると、ダメージから肌を守るために、メラノサイトという細胞が活発になり、メラニン色素をつくります。

このメラニン色素が肌に蓄積すると、シミとして肌表面に出現します。

そのため、老人性色素斑は日光の当たりやすい部位にできやすい傾向にあります。

一方で、肝斑ができる原因は、女性ホルモンの乱れが関係していると言われています。

明確な原因は、はっきりとはわかっていません。

ただし、肝斑も紫外線の影響を受けると悪化することがあります。

老人性色素斑の治療法

老人性色素斑の治療法はいくつかあります。

なかでも、即効性を求めるのであれば、レーザー治療がおすすめです。

※クリニックによって、治療のメカニズムは少しずつ異なる場合があります。

レーザー治療では、肌に蓄積されたメラニン色素を分解して、排出する効果が期待できます。

症状によっては、レーザー治療が向かない場合もあります。

また、肝斑がある部分にも、老人性色素斑と同じ治療を行ってしまうと、肝斑が悪化する恐れもあります。

施術を受ける前は、担当医に自分に適した治療方法か確認しましょう。

▼老人性色素斑かもしれないと思った方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)】シミの代表格の原因と治療法

肝斑とそばかすは「大きさ」が違う

※各画像はイメージのため、実際の症例とは違う場合があります。

そばかすとはシミの一種で、細かい斑点のように現れるのが特徴です。

そばかすと肝斑を見分けるためには、一つひとつのシミの大きさに着目してみましょう。

そばかすは約2~3mmの斑点が広がる

そばかすの大きさは、約2~3mmのものが多い傾向にあります。

小さめの斑点のようなシミがあれば、そばかすかもしれません。

そばかすは、鼻周りや頬に帯状に斑点が広がるように現れるのが特徴です。

ぽつぽつとまだらですが、そばかす一つひとつの境界は、はっきりしています。

一方で、肝斑は、輪郭が曖昧で大きさはさまざまです。

肝斑は、頬や鼻の下あたりに、左右対称に現れます。

そのほか、肝斑とそばかすの見た目の違いは以下の通りです。

肝斑 そばかす
薄茶色
(※濃くなる可能性もあり)
薄茶色または黒っぽい茶色
(※濃くなる可能性もあり)
輪郭が曖昧でぼんやりとしている 不定形だが境界ははっきりしている
大きさ もやっと広がっている 約2~3mm
発生のしかた 顔に左右対称に現れる 斑点のように現れる

そばかすの原因は遺伝的なもの

そばかすができる原因は、遺伝的なものです。

人は、ユーメラニン・フェオメラニンという、2種類の色素を持っています。

遺伝的に「フェオメラニン」の割合を多く保有している人は、そばかすができやすい傾向にあります。

また、色白の方は「フェオメラニン」の割合が多く、そばかすができやすいと言われています。

3~6歳で発生しやすく、思春期を超えると徐々に薄くなることが多いです。

一方で、肝斑は、女性ホルモンが乱れやすい30代~50代に発生しやすいと言われています。

そばかすの治療法

そばかすの治療は、施術・医薬品・市販薬から検討しましょう。

そばかすは年齢とともに薄くなることが多いですが、紫外線の影響で濃くなる場合があります。

早めに薄くしたいという方は、治療を行っていきましょう。

そばかすは、メラニン色素を排出することで、薄くなる効果が期待できます。

メラニンを排出するためには、正常なターンオーバー(※)が重要です。

  • ターンオーバーを促進する市販薬を使用する
  • ターンオーバーを促進する医薬品を使用する
  • ターンオーバーを促進する施術を受ける

費用や続けやすさ、副作用の観点から自分に合ったいずれかの治療を選びましょう。

※ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚が剥がれ落ちるサイクルのことです。このターンオーバーを通じて、シミのもととなる黒色メラニンという色素も排出されます。

▼そばかすの消し方については、以下の記事も参考にしてみてください。

そばかすを消す方法とは?自力でできるスキンケア対策や皮膚科での治療法を解説

肝斑と老人性イボは「表皮の盛り上がり」が違う

※各画像はイメージのため、実際の症例とは違う場合があります。

老人性イボとは、シミの一種で、ぷっくりと盛り上がりがあるのが特徴です。

「脂漏性角化症」とも呼ばれ、痛みやかゆみは伴いません。

40代以上の女性に多く発生し、80歳以上ではほぼ全員に出現すると言われています。

老人性イボは盛り上がりがある

老人性イボは、表面が硬く盛り上がっていて、ザラザラしているのが特徴です。

表面が盛り上がっているシミが発生したら、老人性イボの可能性があります。

一方で、肝斑は、平面に色のみが沈着したように現れます。

そのほか、肝斑と老人性イボの見た目の違いは以下の通りです。

肝斑 老人性イボ
薄茶色
(※濃くなる可能性もあり)
肌色~黒色
輪郭が曖昧でぼんやりとしている イボのように盛り上がりがある
大きさ もやっと広がっている 数mm~3cm程度
(※最大で5cmになることもあり)
発生のしかた 顔に左右対称に現れる 全身どこにも現れやすい

老人性イボの原因は皮膚の老化

老人性イボの原因は皮膚の老化によるものが大きいと言われています。

脂漏性角化症は、皮膚のなかで脂質が分解できず、皮膚の中に滞留すると発生します。

また、紫外線を浴びることも発生の原因となります。

一方、肝斑の原因は、女性ホルモンのバランスの乱れです。

肝斑も老人性イボも、悪化の原因としては、紫外線を浴びることが挙げられます。

顔のイボが「痛い」または「かゆい」場合は、ウイルス性イボの可能性あり

扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)と呼ばれる症状です。

ウイルス性のイボは、自然治癒できる場合もありますが、放置すると悪化したり、他の箇所にも感染を起こしやすくなります。

「ウイルス性のイボかも」と思った方は、早めに皮膚科に相談するようにしましょう。

老人性イボの治療法

老人性イボの治療は、施術で除去することがおすすめです。

「イボに効果がある」と記載のある市販薬はいくつかありますが、老人性イボの除去には効果が見込めません。

自分で無理やり取ると、再発したり他の感染症にかかる恐れがあります。

そのため、老人性イボを除去するためには施術を受けることが必要です。

老人性イボを除去する施術には、切除・炭酸ガスレーザー・冷凍凝固治療などがあります。

一般的に、切除での治療は入院を伴うことが多く、そのほか2つの治療法は複数回にわたって治療することが必要と言われています。

クリニックによっても、症状の状態によっても、おすすめの治療法は異なるので、担当医と相談しながら施術法を検討していくのがおすすめです。

肝斑と後天性メラノサイトーシスは(ADM)は「色」が違う

※各画像はイメージのため、実際の症例とは違う場合があります。

後天性メラノサイトーシスとは、シミの一種で、「あざ」の一種とも言われています。

一般的なシミは、表皮にメラニンが増えるのに対して、後天性メラノサイトーシスは皮膚の深いところに増えるのが特徴です。

後天性メラノサイトーシスはくすんだ褐色

後天性メラノサイトーシスは、やや暗めのくすんだ茶色~黒色であることが多いです。

彩度が低く、グレーや若干青みを帯びた独特の色のようにも見えます。

一方で肝斑は、色調は淡い場合もありますが、色味は明るく彩度を感じやすいです。

そのほか、肝斑と後天性メラノサイトーシスの見た目の違いは以下の通りです。

肝斑 後天性メラノサイトーシス(ADM)
薄茶色
(※濃くなる可能性もあり)
褐色やくすみがかった色
輪郭が曖昧でぼんやりとしている 境界線がぼんやり
大きさ もやっと広がっている 約4~5mm
発生のしかた 顔に左右対称に現れる 両頬、鼻周りに現れやすい

後天性メラノサイトーシスの明らかな原因は不明

肝斑と同じく、後天性メラノサイトーシスの原因は、はっきりとわかっていません。

原因の一つだと考えられているのは、肝斑同様、女性ホルモンの乱れです。

女性ホルモンはバランスがとれていることが大切で、多すぎても少なすぎても健康に影響が出ます。

女性ホルモンにはエストロゲン・プロゲステロンという2種類があります。

例えば、エストロゲンの分泌量は、20代後半に増え、更年期にさしかかる50代前半で急激に減ります。

後天性メラノサイトーシスは、20歳前後から出現しやすくなります。

一方で、肝斑は、妊娠をきっかけに出現したり、更年期にさしかかかる30代~50代の女性に多く見られる傾向にあります。

後天性メラノサイトーシスの治療法

後天性メラノサイトーシスの治療には、レーザー治療が効果的です。

反対に、レーザー治療以外の治療法では、あまり効果が得られないと言われています。

理由は、後天性メラノサイトーシスの特徴にあります。

後天性メラノサイトーシスは、真皮と呼ばれる皮膚の深い層の部分にメラニンが増えている状態です。

そのため、肌の奥の層まで届きやすい高出力でのレーザー治療が効果的となります。

個人差はありますが、高出力のレーザー治療では、かさぶたが現れるなどの副作用が出る場合があります。

肝斑とシミが混在している場合の治療方法

肝斑は出現してから一定の期間は、自然に消えることはありません。

そのため、効果的に治すには治療を受けるのがおすすめです。

肝斑とそのほかのシミが顔に混在して出現する場合もあります。

肝斑とほかのシミが同時に発生しているのに、ほかのシミに効く治療を行うと、肝斑を悪化させてしまう可能性も…。

肝斑とシミが混在している場合は、症状に合わせて治療法を慎重に検討する必要があるのです。

一般的には、肝斑の治療を優先し、シミの治療に移行する流れが一般的と言えます。

ここでは、「肝斑を優先して治療したい」場合の治療方法をいくつか紹介します。

ただし、個人によっても肝斑とシミの発生比率や出現箇所が違うので、ご自分の症状に合わせた治療を検討する必要があります。

治療方法を決める際は、皮膚科医に診てもらい、相談しながら検討していきましょう。

【施術】レーザートーニング

美容皮膚科での施術は、内服薬や外用薬よりも、即効性に期待ができます。

レーザートーニングは、肝斑の除去に効果を期待できる治療法の一つです。

通常、肝斑にレーザーを当てると、肌細胞が攻撃されたと勘違いを起こし、肌細胞を守るためにシミのもととなるメラニン色素を過剰に生成してしまいます。

そのため、高出力のレーザー治療では、かえって肝斑を濃くしてしまう可能性があるのです。

レーザートーニングでは、微弱なパワーのレーザーを当てることで、メラニンを徐々に減少させる効果が期待できます。

【外用薬】トレチノインとハイドロキノン併用

肝斑の症状が現れている部分に直接、外用薬を塗る治療法もあります。

肝斑の治療は「今ある色素沈着をなくすこと」「新しい色素をつくらないこと」が重要です。

肝斑の治療におすすめの外用薬は2つあります。

1つは、シミのもとであるメラニン色素の排出を促す「トレチノイン」。

もう1つは、メラニン色素の生成を抑え、排出を促す「ハイドロキノン」です。

この2つの外用薬を併用することで、美白効果が高まります。

▼詳しい併用方法は、以下の記事を参考にしてみてください。

トレチノインの効果と使い方とは?ハイドロキノンとの併用療法や副作用も解説!

【内服薬】トラネキサム酸

トラネキサム酸は、美白有効成分を持ち、シミや肝斑の治療に有効です。

肝斑の原因は、メラニンと呼ばれる色素が沈着することです。

トラネキサム酸は、メラニンをつくる細胞の働きを抑制して、肝斑の発生や悪化を防ぎます。

特に、肝斑の治療には、トラネキサム酸の服用が最も有効的と言われています。

ごくまれに、かゆみや下痢、食欲不振などの副作用が出ることがあります。

▼トラネキサム酸についてのより詳しい説明は、以下の記事を参考にしてみてください。

トラネキサム酸の美白効果や副作用を解説!飲み続けると白髪になる?

肝斑とシミを見分けられない場合は医師に相談

「肝斑とシミの見分け方は理解したけど、結局どっちだろう…。」

特徴は理解しても、実際は似たように見えるシミが多く、正しく見分けることが難しい場合もありますよね。

とはいえ、シミを的確に治していくためには、まずはシミの種類を正しく見分けることが重要です。

そこで、自分でシミの種類を見分けることが難しい方や、不安を感じる方は、一度皮膚科で医師に相談することをおすすめします。

本記事で紹介した、医薬品の内服薬や外用薬の処方も受けることができます。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

藤原東華 医師

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