おすすめのビタミン剤を効果別に紹介!いつ飲むのがベスト?飲みすぎリスクも解説

ビタミン剤って、どれを選べばいいの?

ビタミン剤は、たくさん種類があるため、自分にどれが必要かを見分けることが難しいですよね。

より効果を実感するには、自分の悩みの解消を助けるビタミン剤を選ぶことが大切です。

この記事では、ビタミン剤に期待できる効果と選び方を紹介します!

この記事でわかること

  • ビタミン剤とは「ビタミン」を含むサプリメントまたは医薬品の総称
  • ビタミンごとに期待できる効果が異なるため、体調や症状に必要なものを選ぶ
  • 過剰摂取により副作用が生じる場合がある

ビタミン剤とは

そもそもビタミンとは、ある働きを持つ栄養素のうち体内で十分な量を合成できない物質を指しています。

そして、ビタミン剤とは、ビタミンという物質を含むサプリメントや医薬品の総称です。

ビタミン成分を含む医薬品

ビタミン剤は、一般的にビタミンを含む医薬品を呼称する際に、使われている傾向にあります。

ただし、サプリメントのなかでも、ビタミン物質を含む(特にカプセル状の)ものを指して、ビタミン剤と呼ぶこともあります。

医薬品は、特定の症状に対して効果が認められている有効成分を含みます。

その一方で、サプリメントはあくまで栄養を補給する「食品」に分類されています。

身体や皮膚の健康状態を保つサポートをする

ビタミン剤は、製品ごと、または配合されているビタミンによって、主な効果・効能が異なります。

例えば、ビタミンA・ビタミンBは代謝を促進し、ビタミンEは脂質の酸化を防ぎ、エネルギーの生成を助けます。

エネルギー代謝を助けることで、疲労回復や老廃物の蓄積などの解消につながります。

また、ビタミンの作用には、機能の回復を助けたり免疫力を強化する働きを持つものがあります。

機能の回復だけでなく、ニキビなどの肌荒れを予防・改善する効果を持つビタミン剤もあります。

ビタミン剤の選び方

ビタミン剤は、体調や症状に応じて必要なビタミンが配合されているものを選ぶことが大切です。

以下の3つのポイントを押さえ、医師や薬剤師に相談しながら、選ぶことをおすすめします。

悩みに合うビタミンが含まれているものを選ぶ

自身には、どのビタミンを補う必要があるかという観点でビタミン剤を選びましょう。

そのためには、まず自身の悩みや症状を的確に捉えておくといいでしょう。

各悩みに相性の良いビタミンの種類については、次の章を参考にしてみてください。

必要なビタミンを組み合わせて補う

必要なビタミン剤を組み合わせる、または、必要なビタミンが複数配合されているものを選びましょう。

ビタミン剤には、1つのビタミンのみで構成されるものと、2つ以上のビタミンが配合されているものがあります。

単独ビタミン剤 1つのビタミン成分のみで構成される
複合(総合)ビタミン剤 2つ以上のビタミン成分で構成される
※主に医薬品に対して使用される呼称

ただし、併用して問題ないかなどの飲み合わせは医師や薬剤師に事前に確認しましょう。

ビタミンのなかには、合わせて摂取することで相乗効果を得られるものもあります。

より効果を実感するためとして、ビタミンを飲み合わせる場合もあります。

医薬品表記があるものがおすすめ

医薬品と表記されているビタミン剤は、特定の症状の改善や緩和への効果が認められています。

そのため、より症状を効果的に緩和させたいという方は、医薬品のビタミン剤を選ぶと良いでしょう。

市販で購入できる一般用医薬品には、共通して「第○類医薬品」との表記があります。

一般用医薬品は、大きく3種類に分かれます。

一般用医薬品の種類 特徴
第1類医薬品 薬剤師のもとで購入ができる
・お客様への説明は書面での情報提供が義務
第2類医薬品 ・薬剤師または登録販売者のもとで購入できる
・お客様への説明は努力義務
第3類医薬品 ・薬剤師または登録販売者のもとで購入できる
・お客様への説明は法律上の規定なし

これらは、使用方法の難易度や飲み合わせ、副作用などの項目で判断して分類されています。

【お悩み別】おすすめのビタミン剤の種類と効果

お悩み別に相性のいいビタミン剤と、それぞれの効果を見ていきましょう。

ここでは、医師からの処方が必要な医療用医薬品を中心に、代表的な市販薬をいくつかあわせて紹介します。

乾燥が気になる方は「ビタミンA」

ビタミンAは、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きや身体の抵抗力を高める働きがあります。

粘膜は、花粉などの異物の侵入も防ぐ役割を担うため「抗感染症ビタミン」とも呼ばれます。

皮膚や粘膜を外的刺激から守ってくれるため、乾燥が気になる方におすすめです。

ビタミンAを長期間に渡って過剰摂取すると、髪の毛の抜けや唇のひび割れが起こる場合があるので、注意しましょう。

肌を乾燥や刺激から守る「チョコラA錠」

チョコラA錠1万単位は、ビタミンA製剤の医療用医薬品です。

ビタミンA不足による皮膚の乾燥、バリア機能の低下を改善する効果が期待されます。

妊娠を希望する方や、妊娠3ヶ月以内の方は服用できません。

副作用として、頭痛や食欲不振、発疹などが現れる場合があります。

疲労感の強い方には「ビタミンB」

ビタミンBには、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンB3(ナイアシン)・ビタミンB5(パントテン酸)・葉酸・ビオチンの8種類があります。

これらのビタミンB群は主に代謝を促進して疲労を回復する効果を持つため「代謝ビタミン」とも呼ばれます

また、尿などを通じて排出される水溶性ビタミンのため、毎日こまめに摂取することが大切です。

名称 働き 向いている方
ビタミンB1 糖をエネルギーに変換する
神経の働きを正常に保つ
疲れやすい方
ビタミンB2 糖質・脂質の代謝
皮膚や髪の細胞の再生
疲れると肌が荒れやすい方
減量中の方
ビタミンB6 アミノ酸を再合成する
皮膚の抵抗力増進
脂質の代謝
シミやしわが気になる方
ビタミンB12 赤血球をつくる
タンパク質の合成を促進する
貧血を起こしやすい方
疲れやすい方
ビタミンB3
(ナイアシン)
糖質・脂質・皮膚の代謝
血液循環を良くする
紫外線をたくさん浴びた方
肌が乾燥しやすい方
ビタミンB5
(パントテン酸)
代謝を促進する
心身のバランスを整える
不眠や疲労の症状がある方
葉酸 ビタミンB12とともに赤血球の生産を助ける
肌のターンオーバーを促す
便秘しやすい方
免疫力が弱い方
ビオチン
(ビタミンH)
糖質・脂質の代謝
粘膜や皮膚の維持
皮膚の炎症を防ぐ
肌が炎症しやすい方
4種のビタミンBを含む「ノイロビタン」

ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12の4種類のビタミンB群を含む医療用医薬品です。

ビタミンB群の不足による神経痛の緩和や、肉体疲労の回復に作用します。

副作用として、便秘や下痢などの症状が現れる場合があります。

ノイロビタンという内服薬の画像 ノイロビタン配合錠は美容に効果的?副作用や代替ビタミン剤を解説
目の疲れや肩こりがつらい方向けの「アリナミンEXPLUS」

ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンB12に加えて、ビタミンEが配合された一般用医薬品です。

主な効果・効能は、年齢を重ねたことによる眼精疲労や肩こり、腰痛の改善になります。

副作用として、発疹や嘔吐などの症状が現れる場合があります。

免疫力の低下が気になる方には「ビタミンC」

ビタミンCは、抗酸化作用や抗炎症作用、免疫力の増強作用を持つ成分です。

風邪を引きやすい方や、免疫力(肌のバリア機能)の低下によって肌荒れや肌に炎症が起こりやすい方は、積極的に摂取しましょう。

ビタミンCは、尿などを通じて排出される水溶性ビタミンのため、毎日こまめに摂取することが大切です。

ビタミンCとビタミンB5配合の「シナール」

ビタミンCとビタミンB5を含む医療用医薬品です。

免疫力を高めたり、シミやニキビの予防・改善に働きかけます。

ビタミンB5には、ビタミンCの働きを補助する役割があり、よりビタミンCの効果の発揮が期待できます。

シナールの副作用としては、稀に下痢や嘔吐などが生じる場合があります。

シナールという内服薬の画像 シナールの効果的な飲み方を解説!シミやニキビへの美容効果と注意点も紹介
ビタミンCとビタミンB2配合の「ビタミンC2000」

ビタミンCとビタミンCのカルシウム塩にビタミンB2が配合された複合ビタミン剤。

一般用医薬品で、6錠(成人の1日の最大服用量)で、ビタミンCを2000㎎を摂取できます。

主な効能は、シミの緩和や疲労時や妊娠時期のビタミンCの補給になります。

副作用として、一過性の嘔吐や下痢が生じる場合があります。

タケダビタミンC2000の画像 【医師監修】ビタミンC「タケダ」(第三類医薬品)で白くなる?効果や特徴について解説

カルシウム不足が気になる方には「ビタミンD」

ビタミンDは、カルシウムの吸収・骨の成長促進や、アレルギー症状を緩和する成分です。

カルシウムは吸収率が低い栄養素の一つですが、ビタミンDを摂取することで、腸管からのカルシウムの吸収をサポートしてくれます。

ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内に合成されるため、あまり紫外線を浴びない方は意識的にとりましょう。

骨の健康維持を助ける「ワンアルファ錠」

活性型ビタミンD3が製剤化されている医療用医薬品です。

低カルシウム血症、骨痛、骨粗鬆症、慢性腎不全などの改善や緩和が主な効果になります。

妊婦や小児、高齢者の方の服用や服用量には注意が必要なため、医師に相談のうえ指示に従いましょう。

副作用として、食欲不振・悪心・嘔吐などの症状が現れる可能性があります。

骨の健康維持を助ける「カタセD3錠」

ビタミンDとビタミンDの吸収を促進するアミノ酸を配合した一般用医薬品です。

妊娠・授乳期、発育期、老年期のカルシウムの補給効果があります。

5才未満の方は服用できません。

紫外線ダメージを多く受ける方には「ビタミンE」

ビタミンEは、強い抗酸化作用で体内の脂質の酸化を防ぐ成分です。

紫外線のダメージによって肌が酸化することで発生するシミ・シワの発生を予防します。

また、動脈硬化・血栓の防止、悪玉コレステロールの減少、正常なホルモン分泌などの作用を持ちます。

加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立つため「若返りのビタミン」と呼ばれることがあります。

ビタミンEが主成分の「ユベラ」

「トコフェノール酢酸エステル」というビタミンEを主成分とした医療用医薬品です。

血行促進作用で、手足の冷えや着床障害の改善、肌のターンオーバーを正常化させることによるシミ・しわの改善などに効果が期待できます。

また、ホルモンバランスを調整する作用が、生理不順や生理前の肌荒れの解消にも働きかけます。

ユベラという内服薬の画像 「ユベラ」の効果と副作用を徹底解説!処方薬と市販薬の違いとは?
ビタミンE・ビタミンC・ビタミンB2配合の「ビトン-ハイ リッチ」

天然型ビタミンE・ビタミンC・ビタミンB2の三種類のビタミンを含む一般用医薬品。

主な効能・効果は、シミ・そばかすや、肩こり・冷えなどの症状の緩和です。

副作用として、発疹・吐き気などが起こる場合があります。

鼻血や月経時の出血多量にお悩みの方には「ビタミンK」

ビタミンKは、血液凝固させる働きやコラーゲンの生成を促して骨質を改善する作用を持つ成分です。

ビタミンKが不足すると、月経時の出血量が増えたり、内出血による青アザができやすくなります。

また、骨に存在するカルシウムを結合するタンパク質(オステオカルシン)を活性化させて、骨密度のアップに寄与します。

骨粗鬆症の治療に用いられる「グラケー」

ビタミンKを主成分とした医療用医薬品です。

骨粗鬆(こつそしょう)症における骨量・疼痛の改善に効果的です。

副作用として、胃部不快感・下痢・悪心などの症状が現れる可能性があります。

爪が割れやすい方には「ビタミンH(ビオチン)」

ビタミンH(ビオチン)は、脂質・糖質・タンパク質の代謝を促進してエネルギーの生成を補助する成分です。

ビタミンB群の一種でもありますが、名称としてビタミンHと呼ばれることがあります。

タンパク質の代謝が悪くなると、爪・髪・肌の再生が正常に行われなくなってしまいます。

爪や髪の健康状態があまりよくないと感じる方は意識的にとりましょう。

ビタミンK剤「ビオチン」

ビタミンHが製剤化された医療用医薬品です。

肌の健康維持と炎症抑制や、髪の毛にツヤを与える効果などが期待できます。

まれに副作用で、吐き気や腹痛が出ることがあります。

「ビオチン」の美肌効果や白髪への影響を解説!効果的な飲み方でつるつるの肌に

貧血にお悩みの方には「ビタミンM(葉酸)」

ビタミンM(葉酸)は、細胞分裂や貧血の予防、正常な血液の産生などの働きを持つ成分です。

ビタミンB群の一種でもあり、その働きから、「造血のビタミン」と呼ばれることもあります。

葉酸が不足すると、新たに血液を作りづらくなり、貧血になりやすくなります。

お酒(アルコール)を頻繁に飲む方は、葉酸が不足しやすいので意識して摂取しましょう。

葉酸を有効成分に含む「フォリアミン錠」

貧血防止・血行促進で美肌を目指す

「フォリアミン」はビタミンMである葉酸が主成分となったビタミン剤です。

葉酸欠乏による貧血・口内炎・血行不良による肌荒れの改善効果が期待されます。

副作用として食欲不振・悪心・浮腫といった症状が現れる可能性があります。

ビタミン剤の副作用

ビタミンには、水分に溶けて体外に排出される「水溶性」のものと、体内に蓄積されやすい「脂溶性」のものがあります。

それぞれ、ビタミンが体内に多く蓄積されると、副作用が現れる場合があります。

摂り過ぎると過剰症の恐れがある

ビタミンAなどの脂溶性ビタミンは、多く摂取すると、体内に蓄積されます。

これにより、規定よりも多い量を摂取してしまうと、過剰症状を起こすことがあります。

脂溶性ビタミン 起こる可能性のある過剰症
ビタミンA 食欲不振・悪心・嘔吐・脱毛・発疹
ビタミンD 食欲不振・頭痛・口渇・腎臓や血管内でのカルシウムの沈着
ビタミンE 骨粗鬆症・血液凝固が妨げられる
ビタミンK 下痢・悪心・嘔吐

尿の色が変化する

ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンを多く摂取すると尿の色が黄色~オレンジ色に変色することがあります。

水溶性ビタミンは、規定量の量より多くとった場合も、基本的には尿から排出されやすい性質を持ちます。

ただし、過剰摂取してしまった場合は、一過性の嘔吐や下痢を起こす可能性もあるため、気を付けましょう。

ビタミン剤を飲むタイミング

ビタミンは、不足すると身体の調子が乱れやすくなります。

反対に、過剰に摂取してしまうと副作用症状が現れやすくなります。

これらを防ぐために、ビタミン剤を服用する際は、正しいタイミング・用法用量を守ることが大切です。

食事の後に摂取する

脂溶性ビタミン・水溶性ビタミンともに食後に摂取するのがおすすめです。

脂溶性ビタミンは、油分と一緒に摂取すると吸収を促進させることができます。

水溶性ビタミンは、食事由来の成分と共に吸収されるものが多いため、食後にとると吸収されやすいと考えられています。

継続的に飲む場合も用量・用法を守る

一度に大量の量を服用しても、効果が変化するわけではありません。

むしろ規定より多くの量を一度に摂取すると、副作用が起こりやすくなるため、用法・用量を守って摂取しましょう。

また、長期的に継続してビタミン剤を服用する間に、他の薬も飲む必要が出てくる場合もあるかと思います。

そのような場合は、ビタミン剤と他の薬との飲み合わせに注意しましょう。

ビタミン剤の処方が欲しい方は皮膚科へ

ビタミン剤は、ビタミン成分を含んだ医薬品やサプリメントの総称です。

悩みをより効果的に改善を目指す場合は、医師からの処方を受ける医療用医薬品の服用が必要となります。

まずは、オンライン診療を活用して、専門医に相談してみるのも一つの手です。

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この記事の監修医

東京山手クリニック

藤原東華 医師

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当院は「あなたのお肌のかかりつけ」をコンセプトに、皆さんのお肌を作り直すサポートをしていきたいと考えております。ただ肌悩みを改善するだけではなく、健康で美しいお肌を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

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