「レチノールを使ったらニキビが増えた」「レチノールでニキビが悪化した」 こんな悩みをお持ちではありませんか?
レチノールはニキビだけではなく様々な肌悩みを改善する成分として、SNS上でも話題の商品をよく見かけますよね。
しかし、レチノールは作用の強い成分なので正しく使わないと副作用が強く出てしまい、ニキビの増加や悪化につながることもあります。
そこで本記事では、レチノールでニキビが悪化してしまったときの対策法と副作用を防ぐ方法について解説します。
レチノールの正しい使い方についてもご紹介するので、是非最後まで読んで効果的に使用するようにしてくださいね。
この記事でわかること
- レチノールは使い方次第でニキビが悪化する場合がある
- レチノールの皮脂分泌抑制作用やターンオーバー促進作用によりニキビの改善効果が期待できる
- レチノールを使用する際は十分な保湿と紫外線対策が必要不可欠
目次
レチノールでニキビは悪化するの?
レチノールは本来、ニキビの改善に効果が期待できる成分です。
しかし、使い方を誤ったり肌に合わなかったりする場合、ニキビを悪化させてしまう可能性があります。
そもそもレチノールとはビタミンAの一種です。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を健康に保つ作用を持つことで免疫力・抵抗力を向上させます。
また、様々な肌悩みの原因となる活性酸素を抑制する「抗酸化作用」を持ちます。
この活性酸素は、呼吸や紫外線により増加し、がんや免疫機能の低下、老化を引き起こす物質です。
ビタミンAは抗酸化作用を持つことで、日常的に生み出される活性酸素を抑制し、ニキビやシミを引き起こす原因を根本から防いでいるのです。
このビタミンAをレチノールとして肌に直接取り入れることで、肌に備わる機能を正常化し、ニキビを改善する効果が期待できます。
そのため、レチノールを使い始めたらニキビが悪化したと感じる方は、使い方や肌状態に問題があるかもしれません。
次の章では、レチノールでニキビが悪化する理由について詳しく解説していくので、ぜひ読み進めてくださいね。
レチノールでニキビが悪化する理由
レチノールは肌を若返らせる効果があると言われているほど、肌悩みに対する高い効果が期待できます。
その一方、作用が強く「a反応」と呼ばれる副作用が出てしまう場合があります。
「a反応」によりニキビが増加したり、悪化したりしてしまうのです。
また、肌の生まれ変わりを促進する過程で、ニキビの原因となる「コメド(面皰)」を発生させてしまうことも考えられます。
まずは、レチノールでニキビが悪化してしまう理由をしっかりと確認し、自分の肌状態を理解してくださいね。
a反応が起きている
レチノールを使用する際に考慮しなければならないのが「a反応」です。
a反応とは、レチノールにより急激に肌のターンオーバー(※)が促進されることで起こる反応のことです。
a反応では、肌の赤み、痒み、皮むけなどの症状が現れます。これは、通常4週間かけて行われる肌細胞の生まれ変わりが、レチノールにより促進されることで起きる反応です。
a反応はレチノールの効果の表れであり、必ずしも悪い反応ではありません。
しかし、過剰な刺激でもあるため、ニキビなどを引き起こす可能性があります。
a反応が強い場合は、製剤の濃度変更や使用頻度を減らすなどの対応が必要です。
レチノールは肌に合わせた使用が大切なので、まずは以下2つのポイントをチェックしてみてくださいね。
※肌のターンオーバーとは、皮膚の表面にある角質層が新しい細胞に置き換わり、肌の表面が常に新しく保たれる仕組みのことです。
a反応は、ビタミンA配合の製剤を初めて使う方によくみられます。
これはビタミンAに対する耐性がなく、肌が過剰に反応してしまうためです。
そのため、レチノールを使い始めてから2~3日は肌状態をよく見て、徐々に肌に慣れさせていくようにしましょう。
ビタミンAの濃度が高い製剤を使っている場合も、a反応が出やすいとされています。
一言でレチノールといっても配合されている成分の種類によって強さが異なります。
もちろん強ければ強いほど高い効果が期待できますが、a反応によりかえってニキビが悪化してしまっては意味がありません。
そのため、ニキビが悪化していると感じる方は使用しているレチノール製品の成分をよく確認してみましょう。
肌が生まれ変わる過程でコメドが現れる
レチノールの使用を始めてから1~2週間程度で、肌のターンオーバーが活発になり、新しい肌へ生まれ変わっていきます。
するとこの過程で古い角質や毛穴の汚れが浮き出てくることがあり、コメド(面皰)が出現しやすくなります。
コメドとは、毛穴に皮脂や古い角質が詰まってできるニキビの初期段階のことで、一般的に白ニキビとも呼ばれます。
ニキビが増えたように感じますが、これは一時的な症状で、肌が生まれ変わる過程を乗り切ることで徐々に改善していきます。
コメドが現れたときは十分な保湿を心がけ、炎症を防ぎながら我慢強く使い続けることが大切です。
レチノールのニキビへの効果
レチノールは正しく使うことでニキビを改善する効果が期待できます。
レチノールがニキビに効果的な理由は、皮脂の分泌量を抑制する作用や肌のターンオーバーを促進作用を持つためです。
ニキビは毛穴に皮脂が詰まることで発生し、そこからアクネ菌が繁殖して炎症が引き起こされます。
そのため、毛穴の詰まりを解消することでニキビを改善できるのです。
レチノールの持つ作用はこの毛穴詰まりの解消を助けるため、ニキビの根本的な改善に効果が期待できます。
特に、炎症がまだ起きていない白ニキビや黒ニキビに効果的です。
ただし先ほど述べた通り、使い方を誤ると逆効果になる場合があるため、肌の状態に合わせた使用方法を知ることが大切です。
皮脂の分泌量を抑える
レチノールは皮脂腺の働きを正常化させる作用があるため、過剰に分泌される皮脂を抑えることができます。
これはレチノールの持つ抗酸化作用によるものです。
呼吸や紫外線の影響を受け、体内に増加する活性酸素は皮脂や体内の物質と結びついて過酸化脂質を生み出します。
この過酸化脂質が細胞を刺激し、過剰な皮脂分泌を促進することでニキビだけでなく、シミやシワなどの肌老化の原因を引き起こしてしまうのです。
抗酸化作用を持つレチノールは、この活性酸素を抑制するため、結果的に皮脂分泌量の調節をします。
皮脂の過剰分泌を抑えることで、毛穴を詰まりにくくし、適切に体外に老廃物を排出することができます。
これによりニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を防ぐことができるのです。
毛穴詰まりを解消する
レチノールには肌表面の角層を薄くし、老化した肌細胞を剥がして新しい細胞を生成する働きがあります。
これが先ほど述べた肌のターンオーバー促進作用です。
皮膚が生まれ変わる働きが活発になることで、毛穴の詰まりを解消していきます。
毛穴の詰まりが改善された毛穴では、皮脂や老廃物がスムーズに排出されるようになりニキビの原因であるコメドを作りにくくなります。
これにより、アクネ菌が増殖しにくい環境を整え、炎症のあるニキビを予防することができるのです。
ただし、この作用がニキビを悪化させる可能性のあるa反応を引き起こす原因となる場合もあるため、使い方や肌状態には十分気を付けるようにしてくださいね。
レチノールでニキビを治す方法
レチノールを使用してニキビを治すためには、正しい使い方をすることがポイントです。
レチノールを使用してニキビをかえって悪化させないためにも、ここでご紹介する3つのポイントをしっかりと確認するようにしましょう。
また、レチノールは刺激の強い成分です。
そのため、十分な保湿を心がけ、徐々に肌にならしていきながら使用するようにしてくださいね。
夜の洗顔後にレチノイド作用を持つ治療薬を塗る
ニキビを治したいときにおすすめなのが、レチノイド作用の持つ治療薬を塗ることです。
レチノイド作用とは、レチノールと似た働きをすることで同じ効果を期待できます。
特に保湿効果の低いレチノールと併用するには、ジェルやクリーム状の外用薬を使うことがおすすめです。
主に皮膚科で処方される治療薬としては、「アダパレン」や「トレチノイン」が挙げられます。
ただしこれらの処方薬はレチノール同様、副作用が出る場合があるため、必ず専門の医師の診察のもと使用を始めるようにしましょう。
使用の際は、夜の洗顔後、肌の汚れを落とした清潔な状態で治療薬を塗るようにしてくださいね。
「アダパレン」は、皮膚科などで処方されるニキビ外用薬の一つです。
保湿成分を含むジェル状の製剤で、レチノイド系医薬品とされています。
この薬剤は、老廃物となった角質や皮脂を除去する角質剥離作用を有することで、肌のターンオーバーを促進します。
さらに、皮脂腺の働きを正常化することで皮脂の過剰分泌を抑制し、新たなニキビの発生を防ぎます。
継続的な使用が薦められているため、最低でも2か月は使用を続けるようにしてくださいね。
アダパレンの「ニキビ治療の効果と副作用」を解説!正しい使い方と注意点をチェック「トレチノイン」は、ビタミンAの誘導体であるレチノイド系成分の一種です。
主に肌のターンオーバー促進作用を持つため、ニキビだけでなくシミや色素沈着、ニキビ跡の治療薬としても知られています。
この医薬品は、皮脂腺の働きを整え過剰分泌を抑えるとともに、古くなった角質を剥がして新しい肌細胞を生成する促進作用があります。
こうした肌のターンオーバーの働きが毛穴詰まりを改善し、結果としてニキビ治療に有効なのです。
継続的な使用により皮脂汚れや肌の炎症を減らし、様々な皮膚の改善をサポートする薬剤として効果が期待できます。
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低濃度の製剤から使用する
レチノールを初めて使用する方や敏感肌の方は、低濃度の製剤から使用を始めましょう。
高濃度の製剤を使うとa反応が強く出て、肌荒れやニキビの悪化につながる可能性が高くなります。
特に0.1%未満の低濃度セラムやクリームから使用を開始し、徐々に体質に合わせて濃度を上げていきましょう。
そもそも、ケア用品としてはレチノールが配合された化粧品が多くあり、日本製品のものはだいたい0.04%程度です。
しかし、海外製品のものは高濃度のものが多いため、肌に合わない可能性もあります。
そのため、ネットで手に入る海外製品のものにはパッチテストを行うなどして、注意しながら使うことをおすすめします。
また、使用頻度も初めは2~3日に1回程度に抑えましょう。
肌への刺激が強いほど効果も出やすいですが、強引に使用するとかえって肌トラブルを起こしてしまいます。
低刺激で使用を始め、肌状態を確認しながら徐々に濃度を高めていくことで効果的にニキビを改善することができます。
成分名によっても強さが異なるので、チェックしてみてくださいね。
保湿ケアを欠かさない
レチノールを使用する際は、必ず保湿ケアを欠かさないようにすることが大切です。
肌のターンオーバーを促進することで、肌表面には未熟な肌細胞が現れます。
この新しい細胞は、まだ潤いを保つ機能が正常に働いていないため非常に敏感な状態です。
また、レチノールは保湿効果が低いため、肌が乾燥しやすくなってしまいます。
保湿ケア不足の状態だと、肌のバリア機能が低下し、刺激が直接肌内部に伝わることで炎症を招きます。
そのため、化粧水や美容液、クリームを使ったスキンケアで、十分な保湿を行いましょう。
顎や口周りなど乾燥しやすい部位には、保湿タイプのパックも効果的です。
保湿をしながらレチノールを使用することで、最大限のニキビ改善効果を得ることができるのでぜひ試してみてくださいね。
レチノールでニキビをケアする際の注意点
レチノールでニキビをケアする際には、副作用に注意が必要です。
そのためにはここでご紹介する注意点をしっかりと確認しましょう。
レチノールを使う前に注意点を理解することで、ニキビの悪化を防ぐことができます。
正しい使い方で上手に活用して、ニキビ改善を目指して下さいね。
紫外線ダメージによる劣化を避ける
レチノールを使用している場合は、日焼けによるダメージに特に注意が必要です。
レチノールは皮膚の紫外線に対する感受性を上げる性質があるため、日焼けしやすくなります。
また、紫外線に当たると劣化しやすいとも言われています。
そのため、日光に当たらない夕方以降に使用することが望ましく、外出時は必ず日焼け止めを塗布しましょう。
紫外線を浴び過ぎた肌ではレチノールの刺激が強く出てしまい、かえって炎症を招くことで肌荒れやニキビが悪化するリスクが高まってしまいます。
なるべく朝の使用は避け、夜の洗顔後や、就寝前に使用するようにしてくださいね。
妊娠中や授乳中は使用できない
妊娠中や授乳中の方のレチノールの使用は控えるようにしましょう。
レチノールはビタミンAの一種なので、妊娠中や授乳中の女性が過剰にビタミンAを取ると、胎児や新生児の健康に影響を及ぼす可能性があります。
そのため国内外の医療ガイドラインでは、妊娠中や授乳中の女性がレチノールを含む製剤を使用することは推奨されていません。
妊娠の可能性がある場合や授乳中も使用を避けるようにしてくださいね。
ニキビが増えた場合はレチノールの使用を控える
レチノールを使用していてニキビが増えてしまった場合は、すぐに使用を控えましょう。
レチノールは細胞のターンオーバーを促進する効果があるため、初期症状として一時的にニキビが増えることがあります。
しかし長期的に増え続ける場合は肌に合っていない可能性もあり、さらなる悪化も考えられるため、使用を止める必要があります。
ニキビの炎症が収まった後に、低刺激の製品に変更するなど使用方法を見直すことをおすすめします。
また、使用を止める際も念のため専門の医師に相談するようにしてくださいね。
レチノールでニキビが治らない場合は皮膚科へ
レチノールは正しい使い方をすればニキビの改善効果が期待できます。
しかし、使い方がわからなかったり、肌状態によってはレチノールの使用がニキビを悪化させる可能性も考えられます。
そのためには、きちんと皮膚科の医師の診察のもと使用を始めることが大切です。
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藤原東華 医師
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