シミ取りを保険適用で安くできる皮膚科ってあるの…?
シミ取り治療を検討する中で、皮膚科で保険適用で安く済ませたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
皮膚科で治療できるシミは、皮膚疾患として認められたものに限ります。
全てのシミ取り治療が保険適用になるわけではないことに注意しましょう。
今回は、皮膚科でシミ取りが保険適用になるケースを解説します。
また、保険適用にならない場合でも、できるだけ安くシミ取り治療を行うコツも紹介するので、参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 皮膚疾患として判断された場合は皮膚科で保険適用でシミ取り治療ができる
- 老人性色素斑(一般的なシミ)・そばかす・肝斑など美容目的での治療は保険適用外
- 保険適用外でのシミ取り費用を安く抑えるには、クリニック選びが重要
目次
皮膚科でのシミ取りにおける保険適用の範囲
皮膚科で保険適用で治療可能なシミ取りの範囲は、対象が限られます。
どのような症状を基準に保険適用の有無が分かれるのか、条件を解説していきます。
皮膚疾患として判断された場合は保険適用で治療できる
皮膚科でのシミ取りに保険適用されるのは、皮膚疾患と診断された場合のみです。
皮膚疾患とは、皮膚に生じるさまざまな病気のことを指します。
病気と見なされるため、一般皮膚科での治療が必要と判断されるのです。
シミには、いくつかの種類があり、皮膚疾患であるものとそうでないものに分かれます。
皮膚疾患に該当するシミと見なされた場合は、保険適用で治療を受けられます。
医療機関での治療は、保険診療(※1)または自由診療(※2)のどちらかで進められます。
保険診療の対象となるのは、疾患の治療・再発防止を目的とした場合のみです。
保険適用での治療を受けたい場合は、美容皮膚科ではなく保険診療での診察が可能な一般皮膚科を受診する必要があります。
保険適用で治療が可能な場合は、保険証を提示すれば、3割負担の費用で済ませることができます。
保険診療(※1) | 国民健康保険法や健康保険法などにより定められている診療のこと。 さまざまな医療機関で、病気に対して検査や治療内容、金額が一定に定められている。 |
自由診療(※2) | 国の承認を受ける全段階を満たしておらず、公的医療保険が適用されない診療のこと。 自由診療を行うクリニックでは、各クリニックごとに診察費用や処方薬の価格の設定が行われる。 |
美容目的での治療では保険適用されない
多くの人が悩みとして抱える、一般的なシミ治療には、保険適用がされません。
一般的なシミを治療する場合は、美容皮膚科で自由診療を受ける必要があります。
自由診療の場合は、一般皮膚科ではなく、美容皮膚科や美容外科で治療を行います。
治療内容や金額は、医療機関ごとに異なります。
医療費は、全額が患者負担(10割負担)となるため、保険適用での治療費と比べて高額になる場合があります。
その一方で、自身の症状に合う治療法の選択肢の幅が広いのがメリットです。
皮膚科にて保険適用でシミ取り可能な皮膚疾患
皮膚科にて保険適用でシミ取りが可能であるのは、皮膚疾患と診断されたもののみです。
ここでは、皮膚疾患と見なされる4種類のシミを紹介します。
太田母斑
太田母斑(おおたぼはん)とは、青あざの一種です。
おでこや目のまわり、頬、上くちびるといった領域に現れる傾向にあります。
通常、顔の片側だけに発症しますが、稀に両側にできることもあります。
思春期以降に現れることが多いとされています。
生後すぐに現れる「早発型」と思春期に現れる「遅発型」の2種類があります。
一度発生すると、自然消退することはないため、レーザー治療がすすめられています。
扁平母斑(へんぺいぼはん)
扁平母斑(へんぺいぼはん)は、「茶あざ」とも呼ばれる茶色いシミのようなものです。
ほくろのように皮膚の盛り上がりはありません。
「盛り上がりのないあざ」という意味で、「扁平母斑」と呼ばれています。
顔や手など、身体のどこにでも現れる可能性があります。
数ミリから数センチ程度に現れます。
多くの場合、生まれつき存在していたり、生後間もなく発症しますが、思春期以降に発症することもあります。
成長とともに薄くなることはありますが、自然に消えることはないため、レーザーでの治療が必要です。
異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)
異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)とは、青あざの一種です。
生まれつきお尻や背中の下部に見られる「蒙古斑」と言われるものが、他の箇所に現れたり、消えずに残る場合に「異所性蒙古斑」と呼ばれます。
自然に消える可能性は少ないと言われているため、レーザー治療を行うことが効果的です。
外傷性色素沈着
外傷性色素沈着とは、皮膚が外部からの異物混入により色素沈着を起こしている状態です。
傷口から砂やタールなどの異物が侵入し、そのまま傷口が閉じられることで、発生します。
例えば、転倒して傷を負った際に、傷口に砂や鉛筆の芯が入った場合は注意が必要です。
外傷性色素沈着症は、レーザーで除去することができますが、色素の種類や深さによっては、手術が必要な場合もあります。
ご自身のシミが保険適用で治療できる皮膚疾患にあたるかどうかわからない方は、一般皮膚科または美容皮膚科で診察を受けるのがおすすめです。
皮膚科で保険適用外のシミの種類
上記では、皮膚科で保険適用内で治療できる4つのシミの種類を紹介しました。
皮膚疾患ではなく、美容を目的としたシミ取りの場合は、美容皮膚科での自由診療を受ける必要があります。
ここでは、皮膚科での治療が保険適用外になってしまう代表的な4つのケースを紹介します。
保険適用外と見なされた場合は、一般皮膚科では治療自体が難しい場合も挙げられますので、注意しましょう。
老人性色素斑(日光性黒子)
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)とは、一般的にシミと認識されているものです。
加齢とともにできやすく、紫外線の積み重ねが原因でできるシミです。
シミの中でも一番多いタイプであり、加齢に伴う肌ダメージの蓄積で色が濃くなるという特徴があります。
30代あたりからできる人が多く、50代以上の約8割の人に老人性色素斑があるとも言われています。
紫外線を浴びる機会の多い人は、20代で老人性色素斑ができることもあります。
老人性色素班について詳しくは以下へ
【老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)】シミの代表格の原因と治療法そばかす
そばかすとは、鼻や左右の頬を中心に現れることが多いシミです。
直径3ミリ程度で、茶色い斑点のような見た目をしています。
そばかすは、遺伝的要因が強いと言われており、生まれつき色白の方に多く見られます。
幼少期に出現し、10代の思春期にかけて徐々に濃くなっていきます。
加齢に伴い、薄くなっていく場合もありますが、個人差があります。
そばかすについて詳しくは以下へ
「そばかす」とは何?原因や消す方法を解説【診断シート付き】肝斑
肝斑(かんぱん)とは、両頬や額あたりを中心に左右対称に現れるシミです。
左右対称に同じ大きさ・形で現れるのが最大の特徴で、全体的に輪郭薄くぼやけた形で見えます。
肝斑の主な原因は、女性ホルモンの乱れと言われています。
そのため、女性ホルモンのバランスが崩れがちな30代から40代あたりの女性にできやすい傾向にあります。
他にも、妊娠やピルの使用による女性ホルモンの変化の影響を受けて発生する場合があります。
肝斑についてさらに詳しくは以下へ
肝斑は50代で自然に消える?改善方法や肝斑が消えない原因を解説炎症後色素沈着
炎症後色素沈着とは、皮膚に炎症が起きた結果、色素沈着が起きてしまった状態のシミです。
皮膚が外傷ややけどなどのダメージを受けると、シミのもととなるメラニンが過剰に発生します。
これにより、肌の層にメラニンが蓄積することで、シミが現れてしまうのです。
例えば、転倒による外傷や、ニキビ、かみそり、ヘアアイロンでのやけどがきっかけで発生することがあります。
通常は、肌のターンオーバー(新陳代謝)でメラニンが排出されるこ、徐々に色素沈着が目立たなくなります。
しかし、濃い色素沈着ができてしまったり、肌のターンオーバーが促進されないと、消えるまでに数年かかる場合があります。
日常的に肌に摩擦が生じていると、慢性化しやすいため注意しましょう。
炎症後色素沈着についてさらに詳しくは以下へ
炎症後色素沈着とは?シミが治る期間や跡が残りやすい人の特徴を知ろう老人性色素班・そばかすなどのシミを、医療機関での治療を進めたい場合は、美容皮膚科の受診が必要になります。
皮膚科のシミ取り治療法と保険適用の有無
シミ取り治療は、保険適用になる場合と、保険適用外の自由診療でのみ受けられる場合に分かれます。
ご自身のシミの種類や肌悩みによって、適切な治療法を選択しましょう。
ここでは、皮膚科・美容クリニックのシミ取りの治療法について解説します。
レーザー治療は一部の皮膚疾患に保険適用される
シミ取り治療の一つに、レーザー治療が挙げられます。
レーザー治療では、シミのもとなるメラニン色素を直接的に破壊したりと、比較的濃いシミにも効果が発揮されやすい治療法です。
レーザー治療は皮膚疾患の場合、皮膚科で保険適用で受けられることがあります。
一方、老人性色素斑、そばかすなどの場合にレーザー治療を希望する場合は、美容皮膚科での受診が必要です。
自由診療の場合、クリニックによって扱っているレーザー機器や料金設定もさまざまであるため、治療費の差が大きくなっています。
以下では、シミ治療に効果的な3つのレーザー治療をご紹介します。
ピコレーザーは、短時間で強いエネルギーを持つレーザーを照射する治療法です。
メラニン色素を細かく砕き、排出を促すことで、シミの改善効果を発揮します。
「異所性蒙古斑」や「太田母斑」のようなシミでは、回数や照射範囲に限度はあるものの皮膚科で保険適用のレーザー治療を受けられます。
また、比較的薄いシミがある方に効果的と言われています。
非常に細かいレーザーが肌の奥まで届くことで、肌のうるおいやハリを保つコラーゲンやエラスチンの生成を促す効果も期待できます。
Qスイッチヤグレーザーは、532nmと1,064nmの2つの異なる波長を使い分けてレーザーを照射する治療法です。
メラニン色素のみに反応するため、肌が傷つくことを防止して、シミ治療を進められます。
シミの種類によっては、皮膚科で保険適用で受けられます。
「太田母斑」や「そばかす」の治療に用いられることがあります。
比較的濃いシミがある方に効果的と言われています。
レーザートレーニングは、微弱なパワーのレーザーを広範囲に照射する治療法です。
シミの原因となるメラノサイトを活性化させずに、徐々にシミを薄くすることができます。
保険適用外となる「肝斑」の治療に用いられることが多いです。
回数を重ねメラニン色素が減少することで、肌のトーンアップや開いた毛穴の引き締め、毛穴の黒ずみ除去なども期待されます。
光治療(フォトフェイシャル)は保険適用されない
フォトフェイシャルは、保険適用外の自由診療です。そのため、料金は医療機関によってさまざま異なります。
フォトフェイシャルは、薄いシミが複数ある方や、そばかすとシミが混在している、全体的に肌のくすみが気になる方に効果的な場合があります。
様々な長さの光を含んでおり、パルス幅(照射時間)が長いため、複数の肌悩みに対して浅く広くアプローチします。
そのため、シミやそばかすだけでなく、開大した毛穴や赤ら顔にも効果が期待できます。また、肌のターンオーバーを促して肌全体のハリやキメも整えられることが特徴です。
シミ治療の処方薬は一部の皮膚疾患に保険適用される
シミ取り治療は、内服薬や外用薬など処方薬によっても行うことができます。
レーザー治療やフォトフェイシャルと比べ、即効性はないため、時間をかけても費用を抑えつつ取り組みたい方や、ダウンタイムを避けたい方に向いている治療法です。
処方薬での治療は、皮膚疾患の場合、皮膚科にて保険適用で行うことができます。
一方、老人性色素斑、そばかすなど、保険適用されない場合は、美容皮膚科での自由診療となります。
自由診療の場合、「美容内服」としてセット販売されていることもあり、クリニックによって料金設定には差があります。
シミ治療に効果を期待できる内服薬・外用薬の代表例を紹介します。
アダパレン | グリンダマイシン | トランサミン | ビタミンB6 | |
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効果 | 毛穴詰まり解消 | 殺菌作用 抗炎症作用 |
皮脂分泌の抑制 | 皮脂分泌の抑制 |
ハイドロキノン | トレチノイン | |
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効果 | 殺菌作用 抗炎症作用 |
皮脂分泌の抑制 |
皮膚科で保険適用外のシミ取り費用を抑える方法
保険適用外でシミ取り治療を受ける場合で、費用を抑えるには、クリニック選びが重要になります。
以下では、クリニック選びにおける2つのポイントを紹介します。
予算内での治療が受けられるクリニックを選ぶ
シミ取り治療を安く行うためには、ご自身の予算内で治療が受けられるクリニックを選びましょう。
保険適用されない自由診療でのシミ取り治療は、クリニックごとに料金が設定されています。
まずは事前に公式サイトなどで、各クリニックで取り扱いのある施術や内服薬の費用を調べるのがおすすめです。
最新の情報を確認するためにも、直接クリニックに問い合わせてみるのも良いでしょう。
さらに、シミ取りレーザーの施術を受けるにあたり重要なのは、ご自身のシミの種類に合わせて治療を選ぶことです。
ご自身に合った治療法を選ぶことで、治療回数を減らしたり、失敗の防止につながります。
治療回数を抑えることで、費用を安く抑えられることがあります。
自身に合う治療法がわからない方は、事前カウンセリングや無料診療を行っているクリニックに相談するのも一つの手です。
通院しやすいクリニックを選ぶ
費用を抑えてシミ取り治療を受けるには、通院しやすいクリニックを選ぶことも重要です。
シミ取り治療は、一回の施術で終わらない場合があります。
特に、シミが濃い場合や広範囲にある場合は、複数回通う必要があるかもしれません。
美容施術での治療を受けるには、クリニックに直接通う必要があります。
遠くのクリニックに複数回通う場合は、交通費がかかるため、自宅や職場から通いやすい立地のクリニックを選ぶのがおすすめです。
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シミ取り治療を保険適用で受けられるかどうかは、ご自身の症状やシミの種類によって異なります。
症状やシミの種類がわからずにどちらを受診して良いか分からない方は、まずは無料のオンライン診療サービスを活用して医師に相談してみましょう。
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