ニキビ跡は本当に薬で治るの?
ニキビ跡を治す薬が欲しいけど選び方がわからない!
傷跡のような茶色いニキビ跡は、メイクでも隠しづらく目立ってしまいますよね。
実は、ニキビ跡の種類によっては、薬だけで綺麗に治すこともできるんです。
ニキビ跡を薬で治すためには、自分のニキビ跡の種類を知り、適切な治療方法を知ることが大切です
この記事では、ニキビ跡の種類や効果的な治療薬について詳しく解説しています。
この記事でわかること
- ニキビ跡の種類によって、薬で治るものと治らないものがある
- 代表的な有効成分は「ビタミンC誘導体」「ヘパリン類似物質」「L-システイン」
- 薬による効果が出るまでは時間がかかるので、自己判断で中止しないことが大切
目次
ニキビ跡は薬で治る?赤み・色素沈着・凸凹で効果が異なる
ニキビ跡には症状ごとに3タイプあり、それぞれ適した治し方が異なります。
ニキビ跡の3タイプは、以下のように分類することができます。
赤みタイプ | 色素沈着タイプ | 凸凹タイプ |
---|---|---|
ニキビが治ったあとに残る赤み 触れても痛みはないが赤みが目立つ |
ニキビが治ったあとに残る褐色の跡 シミに似たような見た目 |
肌表面に凹みや盛り上がりがある 小さな穴のような窪みが目立つ |
これらの中で、「赤みタイプ」と「色素沈着タイプ」は薬剤による改善が見込めますが、「凸凹したタイプ」は薬剤だけでは改善があまり見込めません。
それぞれに特徴があるので、ニキビ跡の種類による違いを理解したうえで自分のニキビ跡は治せるのかどうかを判断できるようにしましょう。
赤みや色素沈着由来のニキビ跡は薬で治せる
赤みを伴うニキビ跡は薬で治るケースがほとんどです。
ニキビ跡の赤みは、毛穴の内部で起こる炎症によって生じます。この炎症により、周囲の毛細血管が拡張し、皮膚が赤く見える状態になります。炎症の過程で、毛包壁や皮脂腺が損傷を受けることがあり、免疫細胞が修復のために血管を通じて炎症部位に集まります。
ニキビ跡の治療では、炎症を抑え、血流を改善させることが主な目的となります。
抗炎症作用のある飲み薬や、保湿作用と血行促進作用を持つ塗り薬が効果的で、多くの場合、適切な治療によって症状の改善が期待できます。
色素沈着によりできたニキビ跡も、薬で治るケースが多いです。
色素沈着によるニキビ跡は、ニキビの炎症によりメラノサイトが刺激されてメラニン色素が過剰に生成されている状態です。
表皮に沈着したメラニン色素は、肌のターンオーバーの促進やメラニンの生成を薬で抑えることで、ある程度改善が期待できます。
このように赤みや色素沈着由来のニキビ跡は薬での症状改善が見込めます。
薬で治療するときは、塗り薬に加えて体内から患部に働きかける飲み薬も併用するのがおすすめです。
凸凹したニキビ跡は薬で完治するのは難しい
凸凹なニキビ跡は、肌の深層部分までダメージが及んでいるため、表面的な薬剤だけでは治療できないケースが多いです。
ニキビ跡の凸凹(クレーター状の跡)は、炎症によって肌の組織が破壊されることで生じます。
炎症によるダメージを修復するため、肌は不均一にコラーゲンを生成し、これが肌の凸凹の原因となります。
通常の肌のターンオーバーは表面の肌細胞を入れ替えるだけで、深層部の損傷を完全に修復することはできません。
そのため、深い層まで働きかける治療法でなければ、凸凹したニキビ跡を改善することは困難です。
ニキビ跡はタイプによって症状や適した治し方が異なります。
このため、ニキビ跡のタイプを見分けて正しい方法で治すことが必要です。
以下の3つの記事ではニキビ跡の見分け方や凸凹したニキビ跡・赤みのニキビ跡について詳しく紹介しています。
凸凹したニキビ跡を解説
ニキビ跡の見分け方や治療法の紹介
赤みタイプのニキビ跡を解説
ニキビ跡の治療薬を選ぶポイントは「有効成分」
ニキビ跡は「肌の炎症」「血行不良」「メラニン色素の過剰生成」によって生じます。
これらの症状を効果的に改善するには、適切な有効成分を含む治療薬を選ぶことが重要です。
「ビタミンCやヘパリン類似物質」で赤みや色素沈着を治す
赤みや色素沈着を薬で治すときは、ビタミンCやヘパリン類似物質、L-システインを含む薬がおすすめです。
ビタミンCやヘパリン類似物質には以下のような働きがあり、症状の改善が期待できます。
ビタミンC誘導体 | ・新しいメラニンの生成を抑制する ・すでにあるメラニンを薄くする |
ヘパリン類似物質 | ・血行促進作用により肌のターンオーバーが促進される ・抗炎症作用により、炎症後の色素沈着を予防する |
L-システイン | ・メラニン生成を活性化させる酵素「チロシナーゼ」の生成を阻害 ・抗酸化作用によりメラニンの酸化による色素沈着を防ぐ |
「内服薬の併用」で炎症や代謝を改善する
内服薬は患部に直接アプローチできないため、効果が限定的に見えます。
しかし、外用薬や専門的な施術と組み合わせることで、ニキビ跡の改善をより効果的に促進できます。
ただし、内服薬はあくまで補助的な役割として位置づけるのがポイントです。
ニキビ跡には「市販薬と皮膚科の薬」どちらが効果的?
市販薬と皮膚科でもらえる薬は、同じ名前の薬でも含まれている成分量が異なります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、試しやすい方から取り入れると良いでしょう。
市販薬は手軽に入手可能だが効果は限定的
市販薬はドラッグストアなどで購入できる医薬品のことを指します。
市販薬には、すぐに入手可能な点や医師の診察を受けずに入手できる手軽さという利点があります。
その一方で、有効成分の含有量が少なく、得られる効果が処方薬に比べると弱いという点もあります。
皮膚科の薬は症状に合わせた処方で高い効果
皮膚科で処方される薬は、「医療用医薬品」と呼ばれる特別な薬です。
専門医の診察に基づき、あなたの肌の状態に最適な薬を処方してもらえます。
市販薬と比べて、有効成分の含有量が高いため、ニキビ跡の改善により高い効果が期待できます。
一方で、受診には通院時間と診察代などのコストがかかることにも注意が必要です。
【市販薬】ニキビ跡に効く成分を含む薬
- 厚生労働省の認可を受けている成分
- 医薬部外品や医薬品に含まれることが多い成分
ドラッグストアなどで市販薬を購入する際は、上記の条件に当てはまる成分が含まれているか確認してみると良いでしょう。
なお、ニキビ跡の種類ごとに適した有効成分の組み合わせは以下を参考にしてください。
症状 | 作用 | 有効成分の組み合わせ |
---|---|---|
赤みのあるニキビ跡 | 炎症抑制 |
ビタミンC誘導体 ヘパリン類似物質 グリチルリチン酸ジカリウム |
色素沈着したニキビ跡 | 美白 |
ビタミンC誘導体 トラネキサム酸 |
次からは、ニキビ跡の治療に有効な成分を含む市販薬の例を紹介していきます。
有効成分
- ビタミンC誘導体
- ヘパリン類似物質
- グリチル酸ジカリウム
ニキビ跡への効果
- メラニン生成を抑えて色素沈着タイプのニキビ跡を防ぐ
- ターンオーバーを促進させてニキビ跡を改善する
有効成分
- トラネキサム酸
- グリチル酸ジカリウム
ニキビ跡への効果
- 色素沈着由来のニキビ跡の原因になるメラニンを抑制する
- 抗炎症作用で炎症ニキビの悪化よるニキビ跡を防ぐ
有効成分
- ビタミンC誘導体
- グリチルレチン酸ステアリル
- トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)
ニキビ跡への効果
- メラニン色素の生成を抑えて色素沈着由来のニキビ跡を改善する
- 肌の乾燥を防ぐことで肌のターンオーバーを正常し、ニキビ跡の改善を助ける
有効成分
- アスコルビン酸(ビタミンC)
- L-システイン
- ビタミンE
ニキビ跡への効果
- メラニンの過剰な生成を防ぎ、色素沈着によるニキビ跡を防ぐ
- 血行促進し、肌のターンオーバーを促進させることでニキビ跡を改善する
【処方薬】ニキビ跡を治す皮膚科の薬
処方薬は、個々の患者の症状に合わせて有効成分の量が調整されており、市販薬より高い濃度で処方できるのが特徴です。
ここからは、赤みを治す処方薬と色素沈着を改善する処方薬に分けて紹介します。
主成分
トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)
ニキビ跡への効果
- 血行を改善して肌のターンオーバーを正常化させることでニキビ跡を改善する
- 抗酸化作用により紫外線などのダメージを受けてできた色素沈着由来のニキビ跡を改善する
- 抗炎症作用でニキビの炎症がニキビ跡に残るのを防ぐ
使用上の注意点
ビタミンEは摂取後、自然に排出されにくく、過剰摂取による過剰症のリスクがあります
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アスコルビン酸(ビタミンC)、パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)
ニキビ跡への効果
- メラニン生成を抑制する
- 肌のターンオーバーの促進でニキビ跡の改善を早める
- 抗炎症作用で炎症ニキビがニキビ跡になるのを防ぐ
使用上の注意点
稀に副作用として、胃不快感、悪心、吐き気、嘔吐、下痢、発疹、かゆみが生じる可能性がある
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ヘパリン類似物質
ニキビ跡への効果
- 血行を改善して肌のターンオーバーを正常化させることでニキビ跡を改善する
- 抗炎症作用が炎症ニキビを抑えて、ニキビ跡になるのを防ぐ
- 高い保湿効果により肌のターンオーバーや肌のバリア機能を正常化させる
使用上の注意
- ローションタイプやフォームタイプは元々炎症を起こしている部分に塗ると刺激感を起こす可能性がある
- 出血性血液疾患を持つ方やわずかな出血でも重大な結果をもたらす可能性のある方は専門医への相談が必要
主成分
L-システイン
ニキビ跡への効果
- 肌のターンオーバーを促進してニキビ跡の改善を促す
- メラニン生成を活性化させる酵素の働きを妨害し、色素沈着由来のニキビ跡を防ぐ
- 抗炎症作用により炎症ニキビがニキビ跡になるのを防ぐ
使用上の注意点
稀に副作用として胃不快感、悪心、吐き気、嘔吐、下痢、発疹、かゆみが生じる可能性がある
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トラネキサム酸
ニキビ跡の効果
- メラニン生成を活性化させるたんぱく質を抑制させることで色素沈着を防止する
- 炎症ニキビの赤みを改善させて、ニキビ跡に赤みが残るのを防ぐ
使用上の注意点
- 稀に副作用として胃腸障害、めまい、頭痛を生じる可能性がある
- 止血目的で使用される「トロンビン」やピルを服用している方、脳梗塞などの血栓系の疾患経験のある方は専門医への相談が必要
主成分
アスコルビン酸(ビタミンC)
ニキビ跡への効果
- 新しいメラニンの生成を抑制して、色素沈着由来のニキビ跡の発生・悪化を防ぐ
- コラーゲンの生成を促進して、肌のターンオーバーを促進する
- 抗酸化作用で炎症性のニキビがニキビ跡になるのを防ぐ
使用上の注意点
乾燥肌や敏感肌の方は肌が敏感になる可能性があるので、パッチテストを実施しましょう
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ニキビ跡の薬の使用方法や注意点(内服薬・外用薬)
ニキビ跡の薬は、正しい使い方をしないと期待する効果が得られないばかりか、副作用のリスクも高まります。
そのため、以下で詳しい使用上の注意点を確認していきましょう。
内服薬は水かぬるま湯で飲む
内服薬は、水やぬるま湯で飲むことを前提に作られています。
ジュースやコーヒー、アルコールで飲むと薬の吸収に時間がかかってしまいます。
また、飲み物の成分と薬の成分が反応して薬の効果が薄くなってしまう可能性もあるのです。
体内で正しく薬を吸収してもらうためにも、水やぬるま湯で飲みましょう。
自己判断で服用を中止しない
「飲み始めて数日経ったのに、肌の症状が改善しない」と薬の服用を自己判断でやめてしまう人もいますが、これは逆効果です。
風邪薬とは違い、肌トラブルの薬は症状の改善効果が出るまでに時間がかかります。
このため、薬の効果が出ずに不安な場合は医師に相談してから薬の継続か中止かを決めましょう。
「薬を数ヶ月飲み続けているのに症状改善の効果が出ない」という方は、薬が体質や症状に適していない可能性があるため、専門医に相談しましょう。
外用薬は濃度と使用量に注意
初めて肌に使う外用薬の際は、なるべく低濃度から始め、使用頻度も最低限にしましょう。
急に高濃度のものを使い始めたり、1日に何度も使うと、肌が炎症を起こしてしまう可能性があります。
特に肌に刺激を感じやすい方や、外用薬の使用が不安な方は医師に相談して、低濃度のものにしてもらいましょう。
副作用が出たらすぐに医師に相談する
「薬の使用を始めてから肌に赤みやかゆみが出た」など副作用らしき症状が現れたら、薬の使用を一旦やめましょう。
薬を使用せずに肌の状態を経過観察した上で、専門医に相談しましょう。
副作用が出ているのに薬を使用し続けると、副作用の症状が悪化や最悪の場合、臓器に悪影響を及ぼす可能性があります。
ニキビ跡についてのお悩みは皮膚科がおすすめ
ニキビ跡を薬で治す場合、自分のニキビ跡が薬で治るものかを確かめる必要があります。
赤みや色素沈着由来のものは薬で治せるため、有効成分を含んだ薬を使用しましょう。
自分の症状にあった薬を使用しないと効果が得られないため、ニキビ跡の判断に悩む方は専門医に相談しましょう。
なお専門医に相談後、処方してもらえる薬は有効成分の含有量が多いため、市販薬よりも効果をより期待できます。
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